ぶらぶら★アフリック

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その後のエボラ事情(1)~すでに過去となったのか?

2015-03-23 07:30:27 | アフリカ情勢
このブログでもいち早く取り上げてきたエボラ熱情報。その後の蔓延拡大とともに、昨年後半をピークに日本でも大きく報道された。

しかし。最近、日本の報道ではめっきり目にしなくなった。もうエボラは沈静化したのか?危機は過ぎ去ったのか?それとも、エボラ熱ならぬ、メディア熱が冷めただけなのか?



実はこの記事、もっと前からアップしたいと原稿を書いてきたが、ようやく事情が晴れたので、ンボテの視点をのべてみたい。


西アフリカの援助関係者で一般的に話されている理解はこうだ。
・大きな峠は越えたのではないか。
・しかしまだまだ予断を許さない。
・国によって状況に大きな差が出てきた。一時、未曾有の蔓延を見せたリベリアは沈静化、ただいま新規症例ゼロ更新中。このまま行けば4月2日には蔓延終結なメルクマールである42日間新規症例ゼロを迎える可能性も。
・他方、シエラレオネはまだ新規感染例を観察。今後も要注視。
・そんな中、ギニアは最後まで尾を引くのではないか?

※報道によると、新規ゼロを記録してきたリベリアで3月21日、残念ながら1例新規症例が発生してしまった。


なんと。ンボテが関わるギニアで、最も尾を引きそうだというではないか。非常に残念だ。もう少し、報じられているところを見てみよう。


3月15日時点のWHOの疫学データ。マクロで捉えれば、新規症例は抑制されてきている。累積3389症例、累積死亡数2224例。過去1週間の新規症例は95、過去三週間だと204という数字になる。これは極大を記録した時点(過去1週間な新規症例極大は昨年12月22日156例、過去三週間累積の極大は今年1月4日時点の345例)に比べれば改善している。

しかし3カ国のうちギニアだけは、爆発的な流行にはなっていない反面、終息に向けたシナリオにあるとも言い難いのが現状だ。

WHO Situation Report(As of March 15, 2015)


※ちなみにエボラケースの診断には、suspect, probable, confirméの三段階がある。症状から感染が疑われるケースがsuspect, 過去の行動を含め、エボラ感染の可能性が十分あって、確定診断を待つケースがprobable, 検体分析でエボラが検出されたケースがconfirméとなる。


しかし、ギニアの場合。感染の中心が、東南部の森林ギニア地方(Guinée forestière)から、首都圏に近づいてきている。これが心配要因のその1。

次に深刻なのが抵抗村落、抵抗住民の問題。「エボラは国家当局や欧米諸国が蔓延させている架空の病気だ、支援活動と称して蔓延拡大させている」というようなデマが広く流布されている。

このため、人道・医療活動関係者が抵抗や攻撃の対象となり、殺害されたケースもあった。そして今でも罹患者の隔離・治療や、接触者の観察フォローがおぼつかない村落が存在する。

今年の1月、ようやく再開した小学校でも、エボラが学校で意図的に蔓延される、との風評から、再び閉鎖に追い込まれる学校もあったという。

なぜギニアでエボラ禍は終わらないのか。次回引き続き深めてみたい。

(つづく)


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