本日25日はクリスマス。日本でもいつしか広く大衆化され、この日を家族や大切な人と過ごす慣習が定着した。アフリカの多くの国でも、この日は特別な日である。
そんな聖なる日。アフリカでは今日もたくさんのニュースが駆け巡っている。明日への希望と、現実。ンボテブログでもたくさん書き綴りたいことがあるが、能力的に1日1記事が限界。今日は取り上げられていないトピックのいくつかを、ちょっとフラッシュしてみたい。
まずはブルキナファソ。大統領選挙結果が確定し、いよいよロシュ・カボレ新大統領が12/28に正式就任式を迎える。紆余曲折はあれど、民意による新しい新しいファソが形作られようとしている。
その陰で、コンパオレ前大統領に逮捕状が出た。1987年のトマ・サンカラ大統領殺害の咎が問われている。28年の時を超え、DNAの鑑定が行われたが、判定不能であったという。
コンパオレ政権終期まで出し惜しみが続いたタンバオのマンガン鉱山開発。一時凍結されていたパン・アフリカン・ミネラル社の開発権が再スタートした。時折しも東部の治安情勢に関し、フランス政府が退避を勧告。地域情勢は不透明度を増す。
そのサヘル地域。今年は長い議論を通じ、マリの和平に向けたアルジェプロセス和平合意が、マリ政府と北部主要勢力の間で署名された。遅々として履行が進まないが、この国の安定と、包摂的な開発が進むことに期待したい。
他方、マリのラジソンホテル襲撃から1ヶ月あまり。今年は3度にわたりイスラーム武装勢力によるものと見られる襲撃事件が相次いだ。マリ北部にはひとたび掃討されたはずのジハーディストの影が見え隠れする。マリでは歳末の非常事態が宣言された。
地域情勢のあおりを受けるのがニジェールだ。西にマリ、北にアルジェリア・リビアを控える砂漠地帯は、武装勢力や不法取引の交通路と見られている。そして東南部からはボコハラムの攻撃を受け、ニジェール軍もこれに反駁。現在、約9万人が避難民となっている。
そんな中、イスフ政権に対するクーデターの未然阻止の情報がニュースを賑わせた。2月の大統領選挙に向け、政局が動く。有力候補者の逮捕監禁は、若年層雇用、生活の悪化などの日常の不満とともに、市民の反感と反発を呼んでいる。
その南に目を転じると、ギニアではアルファ・コンデ大統領、二期目の就任式が行われ、今後新内閣の組閣が進められる。エボラ熱の終息宣言は、うまくいけば29日。ケースゼロは目前。明るい新年を迎えることができるだろうか?
その隣国、低迷を続けるギニアビサウの政局。大統領選挙後も新首相の指名、組閣に至らず。この度も新首相が国民議会の信任を得られず、混迷の色合いが続く。新しい国家計画の名前は「Terra Ranka」、クレオール語で「希望の大地」だ。ビサウの人たちの希望を叶える大地となってほしい。
中部アフリカでは、政局の大きな山を迎える中央アフリカに注目が集まる。大統領選挙にむけた憲法改正のための国民投票を終え、いよいよ正常化、民主化プロセスの最終章、大統領選挙へ。
これまで、第一回目投票が12/28、決戦投票が1/31(決選)の日程で進んできた。しかしイスラーム系武装勢力のセレカ、キリスト教系武装勢力のアンチバラカとも、統制が効かず、相変わらず戦闘が散発している。一部勢力は地方の拠点を奪取し、彼らの自治や独立を主張している。
そんな中、先日はローマ法王が中央アフリカを訪問した。中でも治安上最も問題をはらんでいた象徴的な場所、首都バンギのPK5を突然訪問したことは特筆に値する。時折しも、暴力的過激主義への対策に、社会的、宗教的アプローチの重要性が指摘される時勢。法王の電撃訪問は中央アフリカの一抹の希望をアピールするものであった。
そして日本時間昨夜遅く、大統領選挙の第一回目の投票が12/30に延期されるとの発表があった。ギリギリの舞台裏が見て取れる。
中部アフリカからもう一つ。ルワンダの憲法改正をめぐる国民投票の件はすでにアップした記事のとおりだが、隣国のブルンジ。大統領任期問題に端を発する一連の問題で、いよいよ治安情勢に赤信号。国際社会は平和維持ミッションの展開を検討するも、ブルンジ政府は受け入れを拒否。秩序崩壊やジェノサイドまで危惧される状況となっている。
最後に、中米・カリブ海の仏語圏、多くのアフリカ同胞が暮らすハイチ。混乱と開発の問題はさながらアフリカそのものである。2010年1月の大地震では甚大な犠牲と被害を生み、いまだ多くの痕跡が残る。
そんな中、今年10月に大統領選挙の第一回目投票が行われ、決選投票を12月27日に控えていた。しかし直前になって投票日は延期が決定。新しい投票日はまだ発表されていない。
アフリカ津々浦々の希望と現実。そんな中、昨日24日、クリスマス・イブを迎えた。実は今年はこの日、同時にイスラム暦の'Mouloud'、つまりムハンマド生誕祭にも重なる記念日だった。今年は1月3日にも生誕祭があったので、暦年ではなんと二回もお祝いをすることとなる。
年の瀬を迎え、アフリカでは希望と現実が交錯している。より良い明日が来ることをンボテも祈っている。
Joyeux noël et bonne fête de Mouloud!
(セネガル・ダカールで見かけたアフリカ大陸のモニュメント)
(おわり)
そんな聖なる日。アフリカでは今日もたくさんのニュースが駆け巡っている。明日への希望と、現実。ンボテブログでもたくさん書き綴りたいことがあるが、能力的に1日1記事が限界。今日は取り上げられていないトピックのいくつかを、ちょっとフラッシュしてみたい。
まずはブルキナファソ。大統領選挙結果が確定し、いよいよロシュ・カボレ新大統領が12/28に正式就任式を迎える。紆余曲折はあれど、民意による新しい新しいファソが形作られようとしている。
その陰で、コンパオレ前大統領に逮捕状が出た。1987年のトマ・サンカラ大統領殺害の咎が問われている。28年の時を超え、DNAの鑑定が行われたが、判定不能であったという。
コンパオレ政権終期まで出し惜しみが続いたタンバオのマンガン鉱山開発。一時凍結されていたパン・アフリカン・ミネラル社の開発権が再スタートした。時折しも東部の治安情勢に関し、フランス政府が退避を勧告。地域情勢は不透明度を増す。
そのサヘル地域。今年は長い議論を通じ、マリの和平に向けたアルジェプロセス和平合意が、マリ政府と北部主要勢力の間で署名された。遅々として履行が進まないが、この国の安定と、包摂的な開発が進むことに期待したい。
他方、マリのラジソンホテル襲撃から1ヶ月あまり。今年は3度にわたりイスラーム武装勢力によるものと見られる襲撃事件が相次いだ。マリ北部にはひとたび掃討されたはずのジハーディストの影が見え隠れする。マリでは歳末の非常事態が宣言された。
地域情勢のあおりを受けるのがニジェールだ。西にマリ、北にアルジェリア・リビアを控える砂漠地帯は、武装勢力や不法取引の交通路と見られている。そして東南部からはボコハラムの攻撃を受け、ニジェール軍もこれに反駁。現在、約9万人が避難民となっている。
そんな中、イスフ政権に対するクーデターの未然阻止の情報がニュースを賑わせた。2月の大統領選挙に向け、政局が動く。有力候補者の逮捕監禁は、若年層雇用、生活の悪化などの日常の不満とともに、市民の反感と反発を呼んでいる。
その南に目を転じると、ギニアではアルファ・コンデ大統領、二期目の就任式が行われ、今後新内閣の組閣が進められる。エボラ熱の終息宣言は、うまくいけば29日。ケースゼロは目前。明るい新年を迎えることができるだろうか?
その隣国、低迷を続けるギニアビサウの政局。大統領選挙後も新首相の指名、組閣に至らず。この度も新首相が国民議会の信任を得られず、混迷の色合いが続く。新しい国家計画の名前は「Terra Ranka」、クレオール語で「希望の大地」だ。ビサウの人たちの希望を叶える大地となってほしい。
中部アフリカでは、政局の大きな山を迎える中央アフリカに注目が集まる。大統領選挙にむけた憲法改正のための国民投票を終え、いよいよ正常化、民主化プロセスの最終章、大統領選挙へ。
これまで、第一回目投票が12/28、決戦投票が1/31(決選)の日程で進んできた。しかしイスラーム系武装勢力のセレカ、キリスト教系武装勢力のアンチバラカとも、統制が効かず、相変わらず戦闘が散発している。一部勢力は地方の拠点を奪取し、彼らの自治や独立を主張している。
そんな中、先日はローマ法王が中央アフリカを訪問した。中でも治安上最も問題をはらんでいた象徴的な場所、首都バンギのPK5を突然訪問したことは特筆に値する。時折しも、暴力的過激主義への対策に、社会的、宗教的アプローチの重要性が指摘される時勢。法王の電撃訪問は中央アフリカの一抹の希望をアピールするものであった。
そして日本時間昨夜遅く、大統領選挙の第一回目の投票が12/30に延期されるとの発表があった。ギリギリの舞台裏が見て取れる。
中部アフリカからもう一つ。ルワンダの憲法改正をめぐる国民投票の件はすでにアップした記事のとおりだが、隣国のブルンジ。大統領任期問題に端を発する一連の問題で、いよいよ治安情勢に赤信号。国際社会は平和維持ミッションの展開を検討するも、ブルンジ政府は受け入れを拒否。秩序崩壊やジェノサイドまで危惧される状況となっている。
最後に、中米・カリブ海の仏語圏、多くのアフリカ同胞が暮らすハイチ。混乱と開発の問題はさながらアフリカそのものである。2010年1月の大地震では甚大な犠牲と被害を生み、いまだ多くの痕跡が残る。
そんな中、今年10月に大統領選挙の第一回目投票が行われ、決選投票を12月27日に控えていた。しかし直前になって投票日は延期が決定。新しい投票日はまだ発表されていない。
アフリカ津々浦々の希望と現実。そんな中、昨日24日、クリスマス・イブを迎えた。実は今年はこの日、同時にイスラム暦の'Mouloud'、つまりムハンマド生誕祭にも重なる記念日だった。今年は1月3日にも生誕祭があったので、暦年ではなんと二回もお祝いをすることとなる。
年の瀬を迎え、アフリカでは希望と現実が交錯している。より良い明日が来ることをンボテも祈っている。
Joyeux noël et bonne fête de Mouloud!
(セネガル・ダカールで見かけたアフリカ大陸のモニュメント)
(おわり)