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ドタバタの選挙戦、中央アフリカ共和国~アフリカの選挙事情

2016-01-28 07:30:58 | アフリカ情勢
混迷を続ける中央アフリカ情勢。ようやく昨年末、12月30日に実施に漕ぎ着けた大統領選挙の第一回目投票に関し、憲法裁判所は1月25日、確定結果を発表した。

約二百万人の有権者のうち、有効投票は1,362,886票で投票率は約79%。得票率第1位はアニセ・ジョルジュ・ドロゲレ(Anicet-Georges Dologuélé)氏で23.7%、次点がフォスタン・アルシャンジュ・トゥアデラ(Faustin-Archange Touadéra)氏で19.05%。この2人の首相経験者が決選投票にコマを進めることとなった。

(ドロゲレ氏(左)とトゥアデラ氏(右)、Jeune Afriqueウェブサイトより)


以下、デジレ・コリンバ候補(12.60%)、マルタン・ジゲレ候補(10.82%)と続いた。

いろいろなゴタゴタが生じてきた選挙。結果がおとなしく発表されるだけではすまなかった。

まず選挙結果確定の大幅な遅れ。これは選挙の公正性や有効性検証に時間がかかったことに加え、候補者からの異議申し立て手続きの審理にも長時間を要した。例えばジゲレ候補は票の数え直しを要求した。同候補を含め、異議申し立て自体が棄却された候補もいる。

このような手続きの中、開票結果の確定は遅れに遅れ、ようやく25日に告示。それまで予定されていた決選投票の日付は1月31日であったが、すでにして一週間を切っている。これでは選挙の準備が整わないし、十分な選挙キャンペーン期間も望めない。


さらに。

実は今回の選挙、大統領選挙とあわせて、国民議会議員選挙も行われた。いわゆるダブル選挙だった。この国民議会選挙に関し、憲法裁判所は公正で透明に行われなかったとして、無効と判断した。同国憲法によれば60日以内に再選挙を行うことが規定されている。

ということで、次回の選挙は大統領選挙の決選投票と、国民議会選挙のやり直し投票が同時に行われることとなる。選挙をそう何回もやることはできない。大統領選挙の決選投票と国民議会選挙の同時日程をを、準備、選挙キャンペーン期間を考慮して、再設定しなければならない。

現地外交筋の情報によると新しい選挙日程は2月7日もしくは10日となる見込みだ。それでも日程はかなりタイトだ。

そしてさらにもう一つ、加えておかなければならない出来事がある。

1月13日のJeune Afriqueウェブサイトによれば、在中央アフリカ共和国のシャルル・マリーナ仏大使に、選挙終了を待たずに帰朝が命じられた。大使はフランスの現与党、社会党(PS)に近いマルタン・ジゲレ候補を支持すると発言し、波紋を呼んでいた。パリは決選投票に進んだどちらの候補が勝利しても、大使職の全うは困難と判断した、と報じている。


混迷を続けてきた中央アフリカ共和国。超憲法的措置による暫定大統領下、和平、選挙プロセスなどが進められてきたが、再三、再四にわたりそのスケジュールがズルズルと延期。地方部では治安の悪化や統治が行き届いていないところもある。何とかしてこの国を正常化の軌道に乗せる、最後のチャンス。期限が迫ってきている。

(つづく)

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1 コメント

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選挙日程 (ンボテ)
2016-01-30 08:34:28
こちらの記事でご紹介した中央アフリカ共和国の大統領選挙決選投票と国民議会選挙。新たな日付は2月14日と定められました。
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