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集中講義「フランCFAのお話」(1)~14カ国の共通通貨

2016-04-22 07:30:39 | アフリカ情勢
今日から仏語圏アフリカで広く使われている共通通貨、フランCFAについて、集中講義などをさせていただくとしよう。


中西部の仏語圏アフリカに出かけたことのあるひとならわかるだろう。圏内14カ国がフランCFA(セーファーと読む)という共通通貨を使っている。


14カ国といったが、実は西部の8カ国と中部の6カ国では異なったフランCFAが使われている。

(写真: フランセーファー。上が西部・UEMOA、下が中部・CEMACのもの。)



西部で使用する通貨は'franc de la communauté financière d’Afrique'の略でフランCFA。西アフリカ経済通貨同盟(Union Économique et Monétaire Ouest-Africaine: UEMOA)が母体。本部はブルキナファソのワガドゥグにある。前に述べたとおり加盟国は8カ国で、ベナン、ブルキナファソ、コートジボワール、ギニアビサウ、マリ、ニジェール、セネガル、トーゴだ。ほぼ旧フランスの植民地だが、ギニアビサウは旧ポルトガルの植民地ながら1997年に新規加盟している。

逆に旧フランスの植民地でここに加盟していないのはギニアだ。多くの国が親仏関係を維持しながら独立を目指したのに対し、ギニアは初代大統領となるセク・トゥーレが「我々は経済的自由の中での隷属より、貧困の中での真の自由を選ぶ」と宣言。アフリカ大陸の喝采を浴びながら、フランスと決別し、1958年に一足早い独立を果たした。以降、ギニアでは50年近くにわたり独裁と混乱がはびこった。今日まで経済的自由も、真の自由も手にしていない。実に皮肉な話だ。

マリは1967年に前身の西アフリカ通貨同盟(UMOA)に加盟、モーリタニアは1972年にUMOAを離脱している。

話をUEMOAに戻そう。この西アフリカのフランCFAを発行しているのが西アフリカ中央銀行(Banque Centrale de l'Afrique de l'Ouest: BCEAO)。本部はセネガルのダカールにある。ここで通貨が発行されている。


対する中部、フランCFAの正式名称は'franc de la coopération financière d'Afrique centrale'と、微妙に西部のそれと異なっている。中部アフリカ経済通貨委員会(Comité Économique et Monétaire de l'Afrique Centrale: CEMAC)が母体。本部は中央アフリカのバンギにある。加盟国は6カ国で、カメルーン、中央アフリカ共和国、コンゴ共和国、赤道ギニア、ガボン、チャドだ。旧フランスの植民地はすべて加盟している。フランスの植民地外で加盟しているのは赤道ギニアで、1985年の加盟。近隣で加盟していないのは旧ポルトガルの植民地だったサントメ・プリンシペと、ベルギーの植民地だったコンゴ民主共和国だ。

通貨を発行するのは中部アフリカ経済銀行(Banque Économique de l'Afrique Centrale : BEAC)で、本部はカメルーンのヤウンデにある。


この二つの通貨の最大の特徴は、ユーロ固定レート制のペッグ通貨ということだ。1ユーロが655.957フランCFAと決まっている。これは西部、中部ともに同じ交換比率だ。しかし西部のフランは中部では使用できない。逆もできない。兌換性はない。


しかしよく考えて見ると変な話だ。固定レートということは、いくら困窮しても、不安定になろうとも、紛争が起きようとも、基本的には通貨価値が落ちることはない。かつてのアルゼンチンやジンバブエのようなことにはならないということだ。なぜそんなことが可能なのだろうか。

(つづく)

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1 コメント

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14カ国が正しいです (ンボテ)
2016-04-22 07:38:07
アップ直後に気づいて訂正しました。すみません恥。
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