手術前のエリザベスウェア。
背の長さはゴールデンレトリバー並みででも体重は15kg弱なのでブカブカ(笑)
さて、本題に。
ボルゾイ・ウィペットなど関東圏には多いサイトハウンド。
関西で田舎?の我が家周辺は
ボルゾイすら知らない人も多く、ウイペット・サルーキは益々知名度がかなり低く。
イタグレはちらほら見かけるのですが
シルケンは皆無。
何故サイトハウンドは麻酔に注意しなければならないか?← 何で麻酔に注意しなければならないのか具体的に述べよ
胸が深いから←なら何で胸が深かったら行けないのか?← 具体的に人に説明できないだろ? 自分っ
等々
・・・と
深く掘り下げ、納得できるまで調べて行くと
どれだけかかりつけの獣医師が勉強して慎重にオペをしてくれたか
解りました。
獣医師として若い先生も
近辺にはあまり居ないサイトハウンド、ましてやこれまで診たことの無い犬種のために
これまでも多くの情報を収集してくださり
今回もうちの犬っころごときにここまで熟慮してオペをしてくださった感謝の気持ち。
半年前までは近畿圏では少ない腹腔鏡手術をしようかとも考えましたが、
まだまだ動物の世界では歴史が浅いが故の怖さと
先端医療施設とは言え全く知らない所でやる怖さ。
それよりは先代の獣医師が高齢のため引退した後同じ場所で
その院長が委ねた医師が開業された病院。
てんが初めて行った時からお世話になっている
子犬の頃から可愛がって頂いている所でお願いしようと決めました。
てんの手術は「バランス麻酔」(具体的な手術名は仰らなかったですが)
麻酔と鎮痛剤種類等は書いてよいものか悩みましたが
検索してヒットしたこの方法を採り入れているいくつかの動物病院の記事は触れていない事もあり、
且つ自身の飼い犬の使用した調合以外のバランス麻酔の記事では
共同著作物のためインターネットに対する共著者皆から同意を得られないとの文章も目にしましたので
自粛します。
人間の麻酔方法としては半世紀程とまだ歴史があり症例も多いのかも知れませんが、
国内の犬には21世紀に入った頃からの様でまだ少ないのでは無いでしょうか。
使用したバランス麻酔の調合が
血漿中コルチゾール濃度の上昇を抑制されることからも
神経質な個体の多いサイトハウンドのストレス軽減する配慮ではないかと思います。
あと極寒の地のボルゾイと暖かい地のウイペットの特殊な交配種。
術中低体温低血糖にも気を遣ったのでしょうか。
室温を暖かめにしていたとの事。
生憎にも手術した日から数日は
今季に入って一番冷え込んだのですね
(いえ、普通に考えてこの時期は一年で最も冷え込む時期なわけで。。
我が家の事情でゆっくり二週間診ることが出来るのが今。
そのような訳でこの時期にオペをお願いする流れになってしまったのでした(汗))
【ここからは何でサイトハウンドは麻酔に注意しなければならないかの内容】
を書こうと思ったのですが。
日進月歩。
経年する度に良いと思われていた薬が実は良くないなど遷移しているため、
薬に関しての内容はもう少し時系列等精査するかずっと書かないかに留めておきます。
サイトハウンドには他犬種には見られない特徴があり、それが故麻酔の難しさがある。
それはまず体脂肪率が極端に低いこと(体表面積に対して体脂肪が少なく麻酔中と覚醒中に低体温に陥りやすい)、
麻酔・手術中の血圧は,麻酔薬と術操作の影響で,上昇するより低下するほうが多く起こる。
全身の筋肉が弛緩するため低血圧になることがある。低血圧・血液動態の変化)
麻酔薬は,末梢血管を弛緩させて血管内容積を増やすため,
同じ血液量であっても,麻酔前に比べて循環血液量が減少した状態になる。
サイトハウンドは呼吸量が多く心拍数が少ないため、麻酔時には余計に心拍が低下するため、麻酔には充分注意しなければならない。
麻酔薬には頭の中の圧力を変化させてしまう作用もある。これにより、脳に問題があるが臨床症状を伴っていない子に術後症状が現れたり、
もともとある症状が悪化することがある。(特に脳圧をあげてしまう薬品 ex. ○○○○)
痩せている場合が多いので体温の維持に注意が必要。
特にサルーキ・イタリアングレーハウンドなど温かい地方産の犬種・被毛の少ない犬種など。
血液中の赤血球容積が高いため(ヘマトリック値が平均値より高い)麻酔時には注意を要する。
ストレスから様々な合併症が起きやすい。