旅限無(りょげむ)

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流氷は綺麗だけれど…

2006-01-21 14:10:55 | 外交・情勢(アジア)
■いつの間にやら牛丼を主食にする日本人が増えたようで、米国からの牛肉輸入が途絶すると生きた心地もしない!と悲嘆にくれていた人達も多かった模様です。安全なのか危険なのか、結局はうやむやにしたまま一部の人達が待ち侘びていた米国産牛肉が入って来たのは良かったものの、何と、危険なプリオンが溜まる部位の代表とされている「背骨」がごろりと出て来たから、さあ、大変。これは環境過激派が仕組んだものなのか、元々、米国人には日本人の食生活など眼中に無いという証なのか、判定は難しいところです。しかし、こうして目に見える「汚染」に関しては素人でも新聞報道などを追跡することで、自分の食生活をコントロールも出来ます。

■しかし、素人には危険なのか安全なのか、さっぱり分からない「汚染」の疑惑となりますと、お手上げです。まして、それが目に見えない性質であった場合、常に二手に分かれる「専門家」の言説に翻弄されることになってしまいますなあ。


網走地方気象台は12日、北海道紋別市沖のオホーツク海で流氷を陸上から初めて肉眼で確認、「流氷初日」となったと発表した。同日午後2時20分ごろ、紋別測候所の職員が沖合約15キロのところで観測した。平年より10日、昨年より11日早い。網走地方気象台は、今月の初めごろから北海道全域で冬型の気圧配置が強まり、さらにオホーツク海側では北西からの風が強かったため、平年より早く流氷が近づいたとしている。流氷が海岸の大半に接岸する「接岸初日」は、平年で網走市2月1日、紋別市5日となっているが、同気象台はことしも2月上旬になるとみている。共同通信 - 1月12日

■すっかり冬の風物詩となった流氷見学ツアーも盛んに宣伝されています。短い夏ばかりが北海道の観光シーズンではない!という地元の心意気は良いのです。しかし、この流氷が何処から来るのか?これがちょっと気になります。流氷が生まれるのはアムール川からオホーツク海に流れ込む膨大な淡水が、塩分を含んで比重の重い海水の表面に広がる現象として説明されます。アムール川は間宮海峡に河口を開いていますが、そこから遡るとハバロフスクの先でウスリー川と合流していて、更に上流で松花江とも合流しているのです。すると、先月の大事件を思い出すというわけです。


ロシア非常事態省は16日、中国東北部の化学工場で起きた爆発で松花江に流れ出た有毒物質が同日、ロシアとの国境であるアムール川に到達したことを確認した。アムール川から取水する上水道の断水は「最後の手段」として、現段階での非常事態宣言は時期尚早だと述べた。アムール川流域にあるハバロフスク地方の対策会議に出席したショイグ非常事態相は、飲料水備蓄など必要な対策は取られていると強調。さらに来年春までアムール川の汚染状況を監視するセンターをハバロフスクに設置するよう指示した。非常事態省当局者はインタファクス通信に対し、有毒物質がハバロフスク市周辺を通過するのに4-5日間、川を抜け、間宮海峡に達するのは約15日間かかるとの見通しを示した。共同通信 - 12月16日

■この記事によりますと、年明けの頃にアムール川河口から「汚染」がオホーツク海に広がり始める計算になりますぞ。この事故に関して、日本は対岸の火事、他人事のような顔をしていたようですが、海は繋がっているのですなあ。豊富な魚介類を誇っていた北の海でも、乱獲と海洋汚染の影響で魚影が薄くなったとの話も聞きます。しかし、その汚染が何処から広がっているのかを追跡した話は聞きません。アムール川から流出した「汚染」が、何処を通って日本にやって来るのか?巨大な海で完全に希釈されて無害となっているのか?何の発表もありませんなあ。


吉林省の化学工場爆発による松花江の汚染問題に関連して、北京大学の教官らが、川に棲息するチョウザメや松花江などを原告として、汚染源の工場を経営する会社や親会社にあたる中国石油天然気(ペトロチャイナ)などを相手取り、100億元の支払いを求める裁判を計画。教官らは7日、黒龍江省高級人民法院に対して訴状を提出したが、法院側は「管轄外」として受理しなかった。19日付で北大法律信息網が伝えた。
訴状によると、原告となったのは、チョウザメ、松花江、太陽島、北京大学法学部の教官ら。チョウザメの住所は「松花江の中」、松花江の所在地は「吉林省、黒龍江省」、太陽島の所在地は「ハルピン市(松花江北岸)」となっている。要求している賠償金は100億元で、汚染改善を目的とする基金設立に使うとされている。担当の裁判官は、「本件は人民法院の管轄外で、すべては国務院の決定に従うべき」などとして、訴状の受理を拒んだ。北大法律信息網は「民事事件が政治的な思惑でもみ消された」などと論じている。サーチナ・中国情報局 - 12月21日

■万が一の事態になった時、こういう国を相手にしなければならないという事だけは覚悟しておかねばなりませんでしょうなあ。流氷は綺麗なのですから、中身も綺麗であって欲しいものです。川と海は繋がっていて、海は地球の表面の7割を覆っていますが一つです。特に近所に汚染源が出現した場合、国際問題となるので、相手に非が有る場合には毅然とした態度が取れないと困ります。下手をすると、こちらが海洋汚染を言い立てたりすると、ODA環境対策費の上積みを平気な顔して要求して来るかも知れない、そんな国の隣で海を守るのは大変ですぞ!

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2 コメント

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他人事じゃあない (にぶろぐ)
2006-01-24 02:46:13
はじめまして(だと思います)。中国は軍事力だけでなく、環境破壊も脅威ですね。汚染は国内だけで納まらないので、他人事ではありません。トラックバックさせていただきました。
にぶろぐさんへ (旅限無)
2006-01-24 09:14:22
いらっしゃいませ。靖国参拝で意地を張って格好をつけているだけで何とかなるような相手でないのは確かですね。小銭稼ぎに走り出さば環境汚染、うまくカネが稼げたらグルメと長生き、世界中を食い尽くすと心配される巨大な胃袋と欲望を持つ国ですからなあ。なまじ仲良くなると、ちょっと飢饉や汚染が広がれば大量難民になって押し出して来ます。何とも扱い難い隣人ですね。

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