福島県の佐藤栄佐久知事(67)は27日、辞職願を県議会議長に提出した。県発注の下水道談合事件で実弟の紳士服メーカー「郡山三東スーツ」社長佐藤祐二容疑者(63)が逮捕されたことで、道義的責任は免れないと判断した。28日の県議会本会議で辞職が認められる見通しで、50日以内に知事選が行われる。辞職願提出後、県庁で記者会見した佐藤知事は、「談合事件で県民に迷惑を掛け、心からおわびする。実弟や県職員OBまで逮捕される事態となり、道義的責任を取り、県政に対する県民の信頼を取り戻すために18年間の職務に自ら終止符を打つ決意をした」と述べた。
時事通信 - 9月27日
■「18年間も談合政治をやっていたのか?」と突っ込まれたらどうするのでしょう?辞職すれば信頼が回復するほど福島県民は間抜けとも思えませんが、芋ズル式に摘発が続いたら岐阜県どころの比ではない大規模な処分が必要となりますぞ!
福島県発注工事の談合事件で、入札情報の漏えい元となった財団法人「福島県建設技術センター」(福島市)と同様に、公共工事の設計・積算業務を行う外郭団体が全国に41あり、うち38団体に計209人の道府県職員が天下りしていることが、毎日新聞の調査で分かった。出向者は37道府県で計452人。一方、既に解散や出向の取りやめを決めた自治体もあり、センターが絡む官製談合発覚を機に、見直しへの動きが強まりそうだ。調査対象は41道府県などが出資した財団・社団法人。京都と青森を除く39団体の理事長を現職幹部かOBが務め、道府県のほか市町村からも委託を受け、公共工事の設計・積算などをしている。
■安倍新総理が思い切って大鉈を振るえば少しは「美しい国」になる大掃除が出来そうですが、最初の国会質問では大した話は出ていないようです。国が吸い上げた税金が、公共事業の工事現場に達するまでに、一体、どれ程の抜き取りやら山分けやらで減っていることやら……。これでは増税議論など危なくて出せないでしょうなあ。
天下りが最も多いのは「静岡県総合管理公社」の16人(全職員の約23%)。「三重県建設技術センター」が15人▽「栃木県建設総合技術センター」が14人▽「福井県建設技術公社」と「富山県建設技術センター」が各12人と続く。出向者が最も多かったのは「兵庫県まちづくりセンター」の42人(同約37%)。「愛知県都市整備協会」が36人▽「沖縄県建設技術センター」が34人▽「栃木県建設総合技術センター」と「福岡県建設技術情報センター」が各32人だった。元々は設計・積算能力の低い市町村を支援するため、各地で県発注分と併せて業務を行う団体が設立され、技術力を持つ県職員が業務を担当してきた。
■静岡県と聞けば「第二東名」と静岡空港の名前が思い浮かびますし、福井・富山と聞けば「整備新幹線」、愛知県でも「第二東名」という具合ですが、列挙されている地方自治体の名前が、何故か最近の「酒気帯び運転」の多い地域と重なっているのが気になりますなあ。
しかし、最近になって「民間にできることは民間に」「出向による行政の肥大化見直し」などを理由に、広島県が4年後をめどに廃止を決定。青森、山形、新潟、長野の各県は出向を中止し、群馬、神奈川、岐阜などの各県は年々出向者を減らしている。福島県の川手晃副知事は、事件への批判から廃止の検討を表明しており「官民癒着の場になる」との批判が、各地の見直しを加速させそうだ。……毎日新聞 - 9月29日
■本気で大掃除をしないままで「道州制」だの「財源委譲」などが進むと大変な事になりそうですぞ。破綻の可能性がどんどん高くなる地方自治体が増え続ける速度と、事情効果が表れるのと厳しい競走になりますが、間に合わなかった所は次々と国家の管理下に置かれて行くのでしょうか?
大阪市は29日、市政改革の一環として、今春退職した課長級以上の元幹部職員313人の再就職先や氏名、役職を初めて公表、市のホームページにも一覧表を掲載した。再就職したのは220人で、55・5%の122人が外郭団体に天下りし、うち26人が役員待遇で迎えられていた。民間企業には18・6%の41人が就職。外郭団体や公共事業を請け負う企業などが、市OBの受け皿になっている実態が浮かび上がった。市は職員厚遇問題を受け、「再就職活動の透明性を確保する」とし、今年から7月1日時点での再就職先状況を9月に公表することを制度化した。政令市では、札幌、仙台でも実施している。
読売新聞 - 9月30日
■悪名高い大阪市でも、こうした動きが出ているのは目出度い事ですが、福島県の次に摘発を受ける地方自治体は必ず現れるはずですから、選挙民の意識を大急ぎで改善して行かないと恐ろしい国になってしまいそうです。地方の農林水産業には後継者が居ないという悲鳴が全国から上がっているのですが、地方自治体が次々と全国的に恥を晒していると若い人達が故郷を見棄てて出て行くのを止められなくなるでしょうし、地元に残るのは公金を貪る困った人達ばかりになるといよいよ地方は衰亡して行くことになるのではないでしょうか?
-------------------------------------------
■こちらのブログもよろしく
雲来末・風来末(うんらいまつふうらいまつ) テツガク的旅行記
五劫の切れ端(ごこうのきれはし)仏教の支流と源流のつまみ食い
『チベット語になった『坊っちゃん』』発売中!
------------------------------------------