俗物哲学者の独白

学校に一生引きこもることを避けるためにサラリーマンになった自称俗物哲学者の随筆。

詭弁(3)・・・差別と区別

2007-11-14 19:10:24 | Weblog
 言葉の定義が曖昧なために議論が成り立たないことがある。
 女性社員「部長!女性差別は止めてください。」
 部長「差別なんかしていない。区別しているだけだ。」
 女性社員「絶対に差別です!」
 部長「大体男と女はもともと同じじゃないんだ。それとも君は更衣室もトイレも男女一緒にしてくれとでも言うのかい。」
 女性社員「そんなこと言ってません。」
 「差別」という言葉の意味を明確にしておかなければこんな虚しい議論になる。辞書によれば「偏見や先入観などをもとに特定の人々に対して不利益・不平等な扱いをすること」となっており、具体的にどんな差別を解決すべきかを検討すれば良いのであって、一般的な「区別」の是非など検討する必要は無い。
 議論では自己否定に繋がる言葉は避けねばならない。この場合に部長が「差別は必要だ」などと言えば差別という言葉の定義に基づいて幾らでも突っ込むことができる。「区別」という語に置き換えているから一般論で誤魔化されている。
 昔、新左翼のアジ演説で「我々過激派は」と叫んでいるのを聞いて呆れたことがある。「過激」は明らかに否定語であり、自ら過激派と名乗ってしまったらどんな過激な行動(テロ、殺人、リンチなど)も否定しづらい立場に立たされてしまう。
 

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