俗物哲学者の独白

学校に一生引きこもることを避けるためにサラリーマンになった自称俗物哲学者の随筆。

三日月湖

2008-09-25 16:33:41 | Weblog
 蛇行する川のそばにはしばしば三日月湖が見られる。
 川の曲がり目では、外側の流れが速く内側は遅い。そのため外側はえぐられ、内側には土砂が溜まる。その結果として益々蛇行は大きくなる。小さな蛇行が徐々に大きな蛇行になる。
 ところが氾濫が起こるとバイパスができてしまう。バイパスができると蛇行部分には水が流れなくなって三日月湖として取り残される。
 9月23日付けの「轍」で思考におけるシナプス結合を轍に譬えたが、蛇行する川と三日月湖に譬えても良かろう。
 若い頃の考えは先鋭化し勝ちだ。温厚な考え方は中途半端と感じられるし、極端な考えのほうが理解し易いし主張し易い。このようにして偏った極端な考え方へと曲がった思想はいずれ破綻する。破綻した残骸はポツンと三日月湖のように残る。永久革命や宗教的原理主義や芸術至上主義や恋愛幻想などの過激思想がそれだ。

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