俗物哲学者の独白

学校に一生引きこもることを避けるためにサラリーマンになった自称俗物哲学者の随筆。

情けは人のためならず

2007-11-14 20:01:01 | Weblog
 「情けは人のためならず」を「情けをかけるとその人のためにならないから放っておくほうが良い」と誤解している人もいるようだが、正しい意味は「他人に情けをかけると巡り巡って、いずれは自分のためになる」ということだ。
 関西でよく言われる「損して得取れ」も似た意味で「たとえ短期的には損をすることでも長期的にそれ以上の利益が期待できるなら実施せよ」ということだ。
 先日の地震で被災したリケンの柏崎工場には自動車メーカー各社から大勢が駆けつけて復旧支援に当たっているそうだ。勿論善意での支援もあろうが、復旧後は自社に優先的に部品を納めて欲しいという下心も多分あるだろう。
 一方トンデモナイ話もある。先日事故で電車が止まっている時に「暇を持て余している鉄道会社社員」を名乗る人が「復旧作業は下請業者の仕事で社員には関係ない」とネット上に書き込んでいた。この社員が本物かどうか調べる術は無いが恐ろしい発想で、私などは想像さえできなかった。しかし言われてみれば至極もっともな話で、いつ・どこで・どんな事故が起こるか分からない鉄道会社が自前で復旧専門部門を持つよりは現地の下請事業者に任せたほうが合理的だ。多分、業界の人だからこそ実態を知っているのだろう。それでも「関係ない」とまで言い切られるとちょっと反発したくなる。
 

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