俗物哲学者の独白

学校に一生引きこもることを避けるためにサラリーマンになった自称俗物哲学者の随筆。

対口支援

2012-05-15 14:53:42 | Weblog
 中国には大規模災害対策として「対口支援」という仕組みがあり、約86,000人が犠牲になった2008年の四川大震災からの復興に大いに貢献したそうだ。これは予めパートナーを決めておき大規模災害時にはパートナーが中心となって支援・復旧・復興に取り組むという仕組みだ。例えば東京と大阪、山口と鹿児島というようにある程度離れた地域がペアとなり、どちらかに大規模災害が起こった場合にはパートナーが被災地と協力して業務を取り仕切るというシステムだ。各地からバラバラに支援があっても烏合の衆にしかならず、その調整のために却って現場が混乱しかねない。そんな迷惑な支援とは違って統制の取れた組織なら即戦力になる。
 これは一党独裁の中国だから可能な仕組みではない。関西以外の人は余り知らないだろうが、関西広域連合という自主的な集まりがあり、震災2日後の3月13日には分担を決めて組織的に支援に取り組んだ。大阪と和歌山は岩手、兵庫と徳島と鳥取は宮城、京都と滋賀は福島という分担だった。これによって組織的な支援が可能になった。
 国の縦割りのやり方と比べて何と合理的な仕組みだろうか。「知恵を出さない奴は助けない」と放言した馬鹿な大臣がいたが、そんな上からの目線ではなく横の連携によって支援・復旧・復興を図ろうとする関西広域連合は素晴らしい。その設立に大きく貢献した橋下前知事・現市長の偉大さと比べて前・現首相は余りにも無能であり最高権力者としての資質を欠いていると痛感せざるを得ない。

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