あなたと夜と音楽と

まあ、せっかくですから、お座りください。真夜中のつれづれにでも。
( by 後藤 純一/めるがっぱ )

装丁

2017年03月12日 09時25分22秒 | Weblog
 本屋で、装丁に惹かれて、本を手に取った。
 まず惹かれたのは、表紙カバーの淡いベージュ色だった。
品の良さと温かさが自然に備わっていて、自己主張をしない
強さがある。
表紙中央に古楽器の楽譜に重ねて「音の糸」と題名がある。
作者名が右上端に小さくある以外は無地である。
カバーの紙の材質も良かった。細かな縦皴が眼に見えない程度に
ついていて、手に心地よい。
表紙をめくった見返しは、カバーと同系色だが色あいを
抑えていて、カバーのインパクトをいったん薄めている。
そこに扉が眼に入って、あっと驚く。
扉は思い切ったまだら?模様のやや複雑な色合いで、
書物が持つ内に秘めた熱い思いを思わせた。
装丁家の本に込めた共感がそのまま形になったと
思わせた。
一見地味ながら、趣味の良さが感じられる。
プロの仕事は違うと、ため息と羨望の入り混じった思いだった。
 
 堀江敏幸という著者の「音の糸」という本(小学館)。
B5、170ページ、ハードカバー。
奥付に2017年1月31日初版とある。
目次の後に「装丁 間村俊一」と、1ページをとって名前があった。
きっと著者もこの装丁に満足しているのだろう。
 


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