Amazonで「将軍たちの夜」を見た。
アナトール・リトヴァク監督。
1967年作品。
アナトール・リトヴァク監督。
1967年作品。
1942年、ナチ占領下のワルシャワで娼婦の猟奇殺人が起こった。
容疑者として疑われたのは、当時ポーランドにいた将軍3人の誰かだった。
その2年後、今度は占領下のパリで同じ手口の殺人があり、偶然にも
ワルシャワの3人の将軍がいずれもパリにいた(その日は
ヒットラー暗殺計画の日でもあった)。
そして、戦争が終わって10年が経つ1956年、また同じ手口の
事件が今度はベルリンで起こるーー。
容疑者として疑われたのは、当時ポーランドにいた将軍3人の誰かだった。
その2年後、今度は占領下のパリで同じ手口の殺人があり、偶然にも
ワルシャワの3人の将軍がいずれもパリにいた(その日は
ヒットラー暗殺計画の日でもあった)。
そして、戦争が終わって10年が経つ1956年、また同じ手口の
事件が今度はベルリンで起こるーー。
3人の将軍の一人であるタンツ将軍がワルシャワのアパートを
機甲師団で破壊するシーンが強い印象を残す。セットとは
思えない街の一角がそのまま壊されていく。
機甲師団で破壊するシーンが強い印象を残す。セットとは
思えない街の一角がそのまま壊されていく。
このタンツ将軍がピーター・オトゥール演じる猟奇殺人の犯人だった。
極端な潔癖症、完璧主義者、命令には徹底的に従い、また部下に絶対的な
服従を求める人物。
ゴッホの自画像を吸い込まれるように見入るシーンが独特だ。
オトゥールの演技が強烈で、将軍の「異常」ぶり」が映画の前面に
出ている。
映画はタンツの「異常さ」にドイツという国の「怖さ」を見ているのだろう。
ヒトラー暗殺計画と猟奇事件をからませ、戦後ドイツの国粋主義復活までを
描いている。
「アラビアのロレンス」が1962年公開、「将軍たちの夜」が67年と続き、
ロレンスのエキセントリックな個性がクンツ将軍の「変質者」に拡大し、
オトゥール個人と重なるほどの印象を作っている。
H・M・キルストの原作(角川文庫)を読んで見た。
原作はドイツ軍上層部の傲慢なほどの特権意識とその
命令に唯々諾々と従う兵隊を批判的に浮かび上がらせていた。
映画は原作をたくみに脚色しながら、オトゥールの「一人舞台」が
際立っている。
原作はドイツ軍上層部の傲慢なほどの特権意識とその
命令に唯々諾々と従う兵隊を批判的に浮かび上がらせていた。
映画は原作をたくみに脚色しながら、オトゥールの「一人舞台」が
際立っている。
猟奇事件を捜査するドイツ軍諜報部の大佐にオマー・シャリフ、
ほかはほとんどのドイツ軍人をイギリス人俳優が演じている。、
(ヒットラー暗殺に関わる将軍にドナルド・プリーゼンス。
トム・コートノイがタンツ将軍の従卒)、
ドイツ人をイギリス人が演じる違和感は、オトゥールの演技に
引き込まれてどこかに消えていった
オトゥールの映画である。
ほかはほとんどのドイツ軍人をイギリス人俳優が演じている。、
(ヒットラー暗殺に関わる将軍にドナルド・プリーゼンス。
トム・コートノイがタンツ将軍の従卒)、
ドイツ人をイギリス人が演じる違和感は、オトゥールの演技に
引き込まれてどこかに消えていった
オトゥールの映画である。
制作は「アラビアのロレンス」のサム・スピーゲル。
監督のアナトール・リトヴァクの映画を見るのはこれが初めて。
監督のアナトール・リトヴァクの映画を見るのはこれが初めて。
この作品の数年前に「さよならをもう一度」を撮っているが見ていない。
脚本が「昼顔」「影の軍隊」のジョゼフ・ケッセルと「オリエント急行」の
ポール・デーン。
撮影は「太陽がいっぱい」のアンリ・ドカエ。
音楽:モーリス・ジャール。
豪華メンバーである。
脚本が「昼顔」「影の軍隊」のジョゼフ・ケッセルと「オリエント急行」の
ポール・デーン。
撮影は「太陽がいっぱい」のアンリ・ドカエ。
音楽:モーリス・ジャール。
豪華メンバーである。