ひとり語り 劇車銀河鐵道 いちかわあつき

 ひとり語りの口演や、絵本の読み語りなどの活動をしています。
 何処へでも出前口演致します。

今日は福岡町で「なんばんきつねつき」を語りました。

2007-03-19 00:00:38 | Weblog
 今日午後3時半頃より、福岡町ふれあい文化センターで、さねとうあきら作「なんばんきつねつき」を語らせてもらいました。この作品は昨年の夏妻後宿喫茶ギャラリー「康」さんで口演して以来のものでした。その時はお店の中で30名ほどのお客さんを前にしての語りでしたが、今日はホールということもあり、B.G.Mも舞台の作りも一新してのものでした。
 ひとり語りとしてはやはり舞台が大きかったのかな、と思いました。このところ小さな場所でやりつけているので、お客さんの顔が見えないことが返って不安になりました。とは言え私は私なりの精いっぱいを語らせてもらったつもりです。聴いて頂いた方々にはどのように受け止められたのでしょうか。何時もながらに気になるところです。
 この「なんばんきつねつき」というお話は、ぶきっちょな少年三太と、日本の近くで難破した捕鯨船、その船に乗っていた、黒人奴隷ゴッホとの心の交流を描いた、江戸時代末期の頃の創作民話です。作者さねとうさんのお話によると、「遠野物語」の中に登場する山で出遭った黒い人というのをヒントに創作した物語だということで、よってフィクションであり、実話ではありません。しかし、難破船によつて漂着した黒人の話は、ある地方によつては、記録が残されてもいるようです。が、この話のように排斥されて殺されたということではなく、人としての扱いを受けて、その土地に暮らしたというような言い伝えもあって、少しホッとするところがあります。
 この物語はいかようにも受け止められるでしょう。ただ単にアメリカ批判というのでは薄っぺらですが、人が人として生きる権利とは何か・・・無知である事の恐ろしさ、惨さ痛ましさ等々・・・。けれど私はこの物語をこの視点を貫いて語りたいと思っています。それは、どんな目にあわされても人を恨まないゴッホの純粋さと、同じく物事を濁らない目で見つめ通そうとする三太の目です。どんなに馬鹿にされても、人や世の中を憎んだり恨んだりしない、三太のそれからの人生が、本当の物語なのです。

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