消防士 兼 旅人の日記

消防署での出来事、ダラダラした日常生活を綴ります。

消防の雑学 その7 消防副士長の謎

2014-11-13 23:09:40 | 消防の雑学
今日はお休み。今日も良い天気。

いつもの洗濯&次男がおねしょしたため布団も一緒に洗って干して。長男はほとんど失敗しなくなりましたが、次男はまだまだ。

もう少しおねしょ布団との闘いは続きそうです。


今日は前回に続く『消防の階級』のお話。

前回(消防の雑学 その6)では消防組織のトップである消防長の階級は、規模の大きさにより決まっている旨を書きました。

根拠となる『消防吏員の階級の基準』に消防長の階級について示されていますが、消防吏員の階級については○○とするのような一文が一番最初に来ています。

今度は上から挙げて行きますと、(読み方は前回の記事を参照)

・消防総監

・消防司監

・消防正監

・消防監

・消防司令長

・消防司令

・消防司令補

・消防士長

・消防士

とあります。


ここで前回と違うのが、消えた『消防副士長』の謎。条文そのまま読んで行くと、消防副士長は存在しないことになる。

その後根拠となる階級基準を読み進めて行っても、消防士長及び消防士とすると言う一文で締められています。

では、なぜ消防副士長と言う階級が存在するかと言えば、この根拠となる消防吏員の階級の基準の最後に出てくる一文。

『市町村は、第一条及び前条の規定にかかわらず、特に必要があると認めるときは、消防士の階級を消防副士長及び消防士の階級に区分することができる。』とあります。

ここで初めて、消防副士長と言う階級が出てくるわけですね。


国としては消防士の次は(上は)消防士長と言う階級の基準を定めている。

けど、実際消防は市町村単位で運用しているもの。その市町村で運用している消防組織、体制の都合により消防副士長と言う階級を設けて良いですよと言うことになりますね。



その市町村の必要性によりと言うことですので、消防組織によっては消防副士長の階級が無いところもあります。けど、私の勤める消防をはじめ、近隣の消防本部も消防副士長を設けているところがほとんどかな、と。市町村がどんな理由で消防副士長を置いているかは様々だと思いますが、消防副士長を置く場合はその市町村消防の条例ないし規程か何かで必ず定めているはずです。

消防副士長が無い消防は私も1つしか知らないぐらい、日本全国で770本部(平成25年4月1日の時点で)ありますから、消防副士長を設けていない本部ももっとあるんでしょうけど。


ちなみにこの階級は、活動服等の胸についている階級章で判断できますが、災害活動時に被っているヘルメットや制服の袖口でも判別できます。

階級章については線の数や星の数で、ヘルメットでは線の本数や太さによって階級が分かる。これも『消防吏員の服制基準』と言うものがあって、それによって事細かく決められているもの。

線の太さや間隔もミリ単位でホントに事細かく決まっているのです。


と、前回と今回に渡って『消防吏員の階級』についてまとめてみました。

このお話はどちらかと言うと若い消防職員向けだったかな、と。ちょっとマニア的なお話でしたかね

たかが階級、されど階級。私達のことを指す『消防士』とは、あくまでも通称であり10ある階級の1つであると言うこと。

その階級も実はこんな事細かな決まり事があるんだよと言うお話でした。


明日は仕事です。



※参考

消防吏員の階級の基準


消防吏員の服制基準

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10 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
お久しぶりです (まるた)
2014-11-13 23:52:18
記事は拝見していたんですけどね。

私が俗にいう?消防士に興味を持ったとき、階級のことも調べたりなんかしました。ただ、実際の人を前にすると忘れてしまいさっぱりわからなかったです。あ、顔しかみてなかったのかな。
私の主人も階級やら階級章やらに関係する仕事をしていますが、あれを縫い付けるときの大変なこと!針が曲がるか指に穴が開くかになりそうでした。
ムサシさんは自身でやられたりはしないですか?
Unknown (春乃)
2014-11-14 16:30:41
ご無沙汰してましたー。私も記事は読んでいたんですが(笑)消防雑学マニアックだけど、超興味あります!!好きです!こーゆー記事(笑)
その8も楽しみにしてます♪
大消の次は神戸オレンジ (きな粉 )
2014-11-16 16:11:44
こんにちは。偶然見つけたのでテキストをコピーしてみました。

'15年1月、阪神大震災から20年を数える。その節目にTBSではスペシャルドラマ「テレビ未来遺産 ORANGE~1.17 命懸けで闘った消防士の魂の物語~」(仮)を放送する。

タイトルにある「ORANGE/オレンジ」とは、人命救助のために特別な訓練を受けた特別救助隊の隊員だけに着ることが許された救助服の色。この色は消防士にとって誇りであり、憧れでもあり、ヒーローの象徴だ。しかし、そんなヒーローにも、助けられなかった数えきれない命がある…。震災で味わった悔しさ、どこにもぶつけられない憤りや無力感、そして果てしない悲しみを乗り越え、今も命の最前線で戦い続ける彼ら。彼らは、どんな思いを持ち、自分の命を顧みず人を救おうとするのか。阪神大震災から20年を機に、人の命を守る仕事を命がけで続ける彼らにあらためて目を向け、その奮闘の日々をドラマで描く。  

原案は、脚本家の宇田学が主宰する神戸の劇団「PEOPLE PURPLE」の代表作で、阪神淡路大震災発生当時、実際に救助に当たった消防士100人以上に取材をして作り上げられた舞台「ORANGE」。同公演は、'04年の初演より再演を重ね、 20年の節目を機に全国公演が決定。'15年1月31日(土)の大阪・森ノ宮ピロティホール公演を皮切りに全国9カ所で上演される。なお、宇田は本ドラマでも脚本を担当する。     

主人公の特別救助隊の隊員・小日向雄治(こひなたゆうじ)役には上川隆也が決定。阪神大震災のときの悔しい思いを繰り返さないように日々奮闘する猪突猛進型の消防士を演じる。小日向とは対照的に理性的に物事を考えるタイプで、小日向からよく叱責を受ける若手消防士・山倉隆志(やまくらたかし)役には、「ルーズヴェルト・ゲーム」('14年、TBS系)の好演が話題となった工藤阿須加。誰からも信頼される優しい中隊長・桜井祐司役を杉本哲太が演じる。ほか、倍賞美津子、谷村美月、板谷由夏、小池栄子らが脇を固める。また、秋元才加が、特別救助隊を目指す女性消防士役をまさに体当たりで演じる。    

神戸市消防局の全面協力を受け、出演者は実際に神戸市内の消防学校などで訓練を行い、撮影現場でも随時神戸市消防局の特別救助隊の指導を受けた本ドラマ。プロデューサーの佐野亜裕美は「命の大切さ、仲間との絆、消防士の熱い思い、防災意識の向上、そして、命をつないで生きていくことの重みを再確認するきっかけになるようなドラマをお届けします」とアピールする。

主演の上川隆也は「諸装備、本物。消防車、本物。消防署、本物。訓練所、本物。現場指導員・SUPER-EAGLEこうべ、本物。燃え盛る炎、もちろん本物。『ORANGE』は命を考えるドラマ。だからうそはつけません。私もうその無い気持ちで、精いっぱい演じました」と意気込みを。一方、工藤阿須加は「このドラマを見た人が、日々の生活の中で、大事な人との時間をもっと大切にしようと思うきっかけになればと思います。 当時のことを自分なりに調べ、撮影していく中で、自分自身震災に対しての思いが強くなりました」と本ドラマへの熱い思いを語った。     
まるたさんへ (ムサシ)
2014-11-16 22:07:54
どうもご無沙汰しております。寒くなってきておりますが、お元気でお過ごしでしょうか?

制服や活動服につける階級章はマジックテープになっています。支給された時にマジックテープの台座が既についており、ペタっと貼るだけです

あっ、でも制服は途中で仕様が変わり、左腕の所にワッペンを付けるようになりました。既存の制服にそのままつけるような形でしたので、マジックテープを支給され自分で縫いつける形。

当時はまだ独身であったため、自分でやりました。やっぱり生地が厚くて針もスムーズに入らず。それに加え不器用なのも手伝ってちっともはかどりませんでした(苦笑)


今だったら裁縫得意な嫁にお願いしちゃいますかね
春乃さんへ (ムサシ)
2014-11-16 22:15:37
この辺りの知識はなかなか初任教育を終えた若い隊員でも良く知らない部分。だけど、消防職員としては覚えておいた方が良い知識ではあります。

私も若かりし頃はあまり深く考えてもいませんでしたが、当時の上司からはやっぱり知っておいた方が良いよと言うことで教わりました。

線と線の間の距離は何ミリで…とそこまで細かくなくても良いけど、やっぱりちゃんと根拠があって、それに則ってやっているものだから…と。


今までは消防・救急の中のカテゴリーの中に雑学ネタを書いておりましたが、意外とシリーズ化できたので新たに消防の雑学と言うカテゴリーを作って独立させました。それに伴い、サブタイトルもつけてみて。

過去の雑学ネタも探しやすくしてみましたので、よろしかったらご覧になって下さい。

その8は何か見つけたら書かせて頂きます
きな粉さんへ (ムサシ)
2014-11-16 22:49:49
お知らせ頂きありがとうございます。

先日終了したボーダーラインの次はこのドラマ。なかなか消防を題材にしたドラマなり特集ってやらないものですが、今年はよくやってるような…?

あれから20年経つんですね。まだその時は子どもながらにすごいことが起きた…と。その2ヶ月後ぐらいには地下鉄サリン事件も起きた。

今でもまだ、当時テレビで見た映像は覚えています。


消防にちなんだからなのか、放送日は1月19日。ちなみにこの日の勤務を確認したら当直でした(苦笑)

今から忘れないように、スケジュールに入れておきたいと思います
(゜ロ゜) (きな粉 )
2014-11-16 23:47:40
こんばんは。
えっ!子ども?子どもだったの?びっくり(^^)
私は…。社会人でした(^_^;)アハハ

119。11月9日なのか1月19日なのか。。。


東日本の震災をきっかけに消防の道を目指している学生さんが今のパート先にいました。彼はどうなったんだろ。
神戸の震災では、助けてもらった子が見事消防士になったって話を聞いたかな。

確かに今年は消防ネタが豊富ですよね♪嬉しい限りです。
裏を返せば、消防人気に火がついて倍率が上がらないか心配です。大量退職も控えてるせいかしら。

今回の雑学は一つの目安になるので☆☆☆☆☆差し上げます(^_^)v
映像で見るときに『この人の方が偉いんだ』って区別できますものね。救急隊はそうもいきませんが。

季節は確実に冬へと向かってます。
半袖はお片付けしましたか?B社の冬タイヤ。ご贔屓に(*^^*)
お体ご自愛ください。おやすみ☆


きな粉さんへ (ムサシ)
2014-11-22 21:55:44
お返事が遅くなりました。

ドラマの放送は消防にちなんだからなのかは分かりませんが、119番に倣って1月19日なのかも?

ですが、『119番の日』と言うのはちゃんとあって、これは11月9日となります。1月じゃなくて、11月。余談ですが、大体この辺から秋の火災予防運動も始まります。近所の消防署で垂れ幕とかがかかると思います。


あっ、これ雑学ネタで使えたかな?(笑)


寒くなってきたからか、救急件数も増えてきました。

夜は確実にグッスリだったと言う日は無く、非番は帰れば爆睡。そんなこんなでお返事も遅くなってしまいました
初めての投稿です! (no heart no rescue)
2014-11-25 20:45:02
はじめまして。。
消防士になりたかった女子です。

叶えられなかった夢を、ブログを読んで現実みてます!

とはいえ、うちのは消防士。只今スーパーレスキューにて奮闘中ー!
IRTの登録隊員でもあり、災害時は身代わり御守りを渡して、無事に帰ってくるのを、祈るのみ。。。

災害なければ、訓練!!

ブログを読んでいて、志を感じています。パパとして、働く嫁さんの良き旦那さんとして、ホッコリさせてもらってますー

楽しみにしてますので、これからも更新お願いします!
no heart no rescueさんへ (ムサシ)
2014-11-26 23:38:46
初めまして、コメント頂きましてありがとうございます。

今は救急隊として勤務してまして、これがまた忙しい署でして…

更新はおろか、コメントのお返事すら滞りがちになっております。スイマセン


今は消防学校を終えた新人さんが消防署で仮配属となっています。先日救急に乗る機会があったので空き時間は知識の確認がてら訓練もやりたかったんですが、出場が重なってしまいできませんでした。

そんなうちに今度は救助隊に乗ることに。また順番で救急に回ってくることもあるでしょうから、その時は今度こそ…と思っています。


寒くなってくると出場も増えてくる傾向にあります。救急だけじゃ無く、火災も増える。旦那様も忙しくなってくる時期なのではないでしょうか?


巷ではインフルエンザも流行り始めているようです。おからだご自愛下さいね

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