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ブロードウェイ新作ミュージカル「アナスタシア」のキャスト

2017-02-01 00:01:47 | Musical News Broadway ショー キャスト
1997年のアニメ映画をもとに制作された新作ミュージカルのキャストが発表されました。(写真は、Playbill.comの記事からです。)

この新作は、3月23日からブロードウェイのブロードハースト劇場で上演が始まります。グランドオープンは、4月24日です。Playbill.comの記事は、こちらからどうぞ。またミュージカル版のブロードウェイでの詳細は、こちらからごらん下さい。主要キャストは、以下の通りです。

アーニャ:クリスティ・アルトメアさん
ディミトリ:デレク・クレーナさん
ヴラド:ジョン・ボルトンさん
リリー:キャロライン・オコナーさん
グレブ:ラミン・カリムルーさん
マリー皇太后:メアリー・ベス・ペイルさん


20世紀フォックス初のアニメ映画だった1997年の「アナスタシア」では、ラスプーチン(と、手下の白いコウモリのバルトーク)が悪役でしたが、ステージ版では、脚本家は、共産主義政体を象徴する敵役として、カリムルーさん演じるグレブというキャラクターを創り出しました。より現代的な人物で、革命後のロシアのCzechistと呼ばれる人間だそうです。(Czechistは、革命後ソ連の秘密警察〔チェーカー〕のメンバーや内通者を意味するチェキストのことだと思います。)

1997年のアニメ映画も、マルセル・モーレットさんによる戯曲(1954年にはブロードウェイでも上演。詳細は、こちらから)を映画化した1956年公開のアメリカ映画「追想」(原題: Anastasia)のリメイクでした。「追想」では、イングリット・バーグマンが主演しており、彼女は、この作品で2回目のアカデミー主演女優賞を受賞しました。

ちなみに、このミュージカル版は、現在、原作者のモーレットさんの子孫から、盗作だと訴えを起こされており、子孫の方は、権利問題に決着が付くまで、ミュージカル版の上演の差し止めを要求しています。制作側は、訴えを退けるよう申立をしていたそうですが、ニューヨーク地方裁判所は、先日、その申立を棄却したとのことです。しかし、制作側は、上記の通り、ミュージカルの開演日を変更していません。申立棄却に関するPlaybill.comの記事は、こちらからどうぞ。訴訟がこじれた場合には、開演日が変更される可能性もありますよね。何とか穏便かつ速やかに解決するといいですね。


アナスタシアは、実在の人物で、最後のロシア皇帝ニコライ2世とアレクサンドラ皇后の第4皇女でした。1917年に起きた2月革命で家族とともに臨時政府に捉えられ、翌1918年に、正式な裁判をされないまま、17歳の若さで、家族や従者と共に銃殺されました。ところが、当初一家の埋葬場所が不明だったことから、アナスタシアの生存伝説がささやかれ、数多くの偽者が「自分こそロシア皇女のアナスタシアだ」と名乗りを上げました。

その中でも特に有名で、多くの支持者を集めたアンナ・アンダーソンという女性が、映画のモデルとなっています。彼女は、1920年にドイツのベルリンで記憶喪失の自殺未遂者として精神病院に収容されましたが、自分はロシアから処刑を免れて逃げてきたアナスタシア皇女であると言い始めたそうです。話し方に説得力があったのと、外見上皇女と似ている部分があったり、皇室関係者でなければ知らないことを知っていたりしたので、旧ロシア貴族を含む多くの支持者を得たそうです。
彼女は、後にロシア皇帝の莫大な遺産の所有権を巡って訴訟を起こしましたが、ロシア語がしゃべれない、アナスタシアが苦手としていたドイツ語を話す、顔が明らかに違う等多くの相違点が見つかり、真偽の確定は不可能として棄却されました。1968年に支持者の援助でアメリカに渡り、彼女の信奉者だったアメリカ人と結婚して市民権を得、ノースカロライナ州で暮らしました。最後まで、自分は皇女アナスタシアだと言い続けていたそうです。

1991年にはエカテリンブルグ近郊で皇帝と皇后、3人の皇女の遺骨が発掘され、2007年には弟のアレクセイと、年の近い姉2人、マリアかアナスタシアの遺骨も発見され、皇帝一家全員が殺害されていて、生存者はいないということが明らかになりました。
またアンダーソンの素性については、1927年には、彼女がアナスタシアであることに否定的だった元ヘッセン大公エルンスト・ルードヴィッヒが、彼女は、ポーランドからベルリンに出稼ぎに来ていて、爆弾工場での事故で重症を負い、アンダーソンが現れる数週間前に行方知れずになった女性フランツィスカ・シャンツコフスカだと発表していました。彼女とシャンツコフスカの顔がよく似ていることと、彼女の死後10年経って行われたDNA鑑定で、皇帝の血筋とは一致せず、シャンツコフスカの甥と一致したことから、彼女は、シャンツコフスカだったと発表されましたが、その後も彼女をアナスタシアだと信じる人は多く、中には、彼女のDNAサンプルが別人のものだった可能性を示唆する人もいるそうです。


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