フラメンコの靴音が耳の向こうにこだまし、
断片的に見える世界を追いかけ、
アンダルシアからジブラルタルへと向かった。
足取りは重く、垂れ込めた雲がのしかかってくるような空、
海峡を渡ればすぐそこにある、希望の大地。
多くの船会社があり、待ち時間など関係なく、すぐに乗り込める船はいくらもある。
それなのに、私が購入したチケットは何時間も後の便。
まるで行くのを阻むかのような空、チケット…
夕方つく予定が、真っ暗な中降り立った。
マグレブとは日の沈むところ。
夕日と共に上陸の予定が、暗闇で私はどうして良いか判らなかった。
涙。
マグレブにいる間中、私は泣いた。
悲しくて、悲しくて、悲しくて、一生分の涙を流した。
その理由が、年を重ねるごとに、思い出してくる。
悲しくて、懐かしくて、帰りたくて、旅を切り上げた、マグレブ。
そして「エジプトへお帰り!」と、モロッコ人に惜しまれつつ見送ってもらい、
アンダルシアへ帰った私。
この奇妙な体験が、史実を知ることによって、納得できた。
その昔、アンダルシアに生まれたイスラーム教徒は、
押し寄せるキリスト教徒から逃れ、密かにジブラルタルを渡った。
羊を飼い、同じ宗教の人々の地は、安住と思われた。
しかしここでは、スペイン語しかわからず、
わずかな宗教的なアラビア語だけを解し、
キリスト教の地に生まれ、育ったことを蔑まれる。
アンダルシアに帰りたい…
もっと、安住の地であろう、メッカに近いエジプトへ行きたい…
この望郷と強い憧れが、今、私の中で廻る。
大して行きたくもないのに行ってしまうエジプトと、
還りたくてしょうがないのに、還れないスペイン。
私はどこへ…
ふむふむ、そういうところにシンクロしてたんですか。
タイミング良く読んでいただけに興味深いです。
研究者はともかく、そこいらのお姉ちゃんがこういうことに興味を持っている例はあんまりないと思うのです。
今年は、もうちょっと掘り下げるべく、チュニジアへ行ってきます!
行ける事になりました（涙）
コルセアでしたっけ？
いいですねぇ。
モーロ人の姫がどこへ行ったのか探索してきてください。
TBさせてもらいました。
もしかして、aoiさんのTB消しちゃったかも？
あ、はっはっは!海賊で来ましたね!
海賊…アンダルシアを追われた名もなき人々の魂を追っているのです。
その前にスペインは海賊行為をしているんでしたね～
ああ、歴史は奥深いものです。
マグレブは、碧さんにとって悲しい記憶の残る場所でしたか。アンダルシア生まれのイスラーム教徒の追体験のような。
チュニジアは、碧さんの目にどう映るのか？どう迎えられるのか？興味津々です。
どんな旅になるでしょう?
人によって感じる事がまったく異なるのは面白いですね。
さらささんや、mitraさんはギリシャに切ない思いを抱いているようですが、私にとっては、からっとした国です（笑）
よろしくお願いします
で、チェニジアからエジプトへ旅をされているわけですね。。。還れたでしょうか・・・！？
今ロンメル将軍のところにいただいたコメントにお返事したところです。
どうぞ、こちらにも足しげくお越しください（笑）
ああ、更新しないといけませんね…（大汗）