ある宇和島市議会議員のトレーニング

阪神大震災支援で動きの悪い体に気づいてトレーニングを始め、いつのまにかトライアスリートになってしまった私。

【索引不要】難波先生より

2013-07-20 14:38:40 | 難波紘二先生
【索引不要】今日は夕方6:00から「広島ペン」クラブの隔月例会があるので、14:30自宅前発の高速バスに乗った。16:00過ぎに「広島バスセンター」に着いた。「そごう」の3階にあり、会場のリーガロイヤル・ホテルは間の「NTTビル」を挿んで、つながった建物である。


 今日は実験をした。そごう百貨店から電車通りの向こう筋にある、「ドトール」という喫茶店に行き、待ち時間を、喫煙室で読書しながら、費やした。
 書物は紙本でなく、Kindleに入れた「電子書籍革命の真実」という電子本だ。


 読んでいると、「ソニー、KDDI、朝日新聞社、凸版印刷」の4社が電子書籍を製造・販売するためにジョイント企業「ブックリスタ」を設立(2010/11)した、と書いてある。なんだかネスカフェ・ゴールドブレンドで、コーヒーをいれる「バリスタ」みたいな名前だな、と思いながら、「この語を 索引語として検索できるだろうか?」と考えた。


 画面の上端にタッチすると、「メニューベルト」が出てくる。右上の「ルーペ」をタッチすると、画面の下にキーボードが出てくる。そこに「ブックリスタ」と入力して「→」にタッチすると、この語を含むテキストが(一番小さいフォントの場合)1段、31字X6行=186字で、4段分(4件)が 表示される。(写真1)
 表示は横組みで、行間スペースが調節できる。
 検索ヒット数を見ると 21件あり、本のもっと後で この語が何回も出てくることがわかる。


 面白いのはパネルの上で指を左向き(あるいは下向き)に滑らすと、ページがめくれて次の4段表示画面に移る。これは英語のペーパーバックの ページをめくる感じと同じであり、Kindleが「横組み電子本」に対応しているのが明らかだ。
 (これだと AMAZONで英語の電子本を安く買って読める…)


 索引語を中心に テキスト5行分を読めば、書いてあることの内容は およそ察しが付く。つまり21件の索引表示にある 186X21=3,906字を読めば、「ブックリスタ」なるものが、なんであり 今どうなっているか 見当がつく。


 しかも 読みたい段にタッチすれば、その部分のフルテキストが(タテ組に変わって)画面に表示される。これは大変便利である。紙本の索引だと いったん巻末の「索引リスト」に行き、索引語を探して、指示されたページに 飛ばなければならない。「文脈索引」になっていない場合は、指定されたページ番号が多いと 目的の箇所を探すのに難渋する。しかし、Kindleの索引だと これがない。


 本文から再び「索引画面」に戻るには、画面上部をタッチして「メニューベルト」(上下2段になっているので、私が勝手にそう呼ぶ)の「<」をタッチすると、一つ前の画面に戻る。つまり本文と 索引段の間を 自由に行き来できる。


 2010年のことが書かれた本だから、携帯端末の値段も高く、ソニーの6インチ電子ペーパーを使用した「タッチ・エディション」が2万5,000円。今は もっと安くなっているだろうが、それでも 6インチ電子ペーパーを採用した Kindle「Paperwhite」7,980円にはかなわないだろう。


 そうやって 本を読むよりも、ゲーム感覚で操作法を学んでいるうちに、相当時間を使った。それでも「移動」というところをタッチすると目次が出てきて、そこから好きな章 あるいは「ページまたは位置NO.」を指定して、自由にページ移動できることがわかった。(これで赤線が引けて、「色検索」により自分が線を引いた箇所が一覧できれば、もう「紙本」よりも優れているのだが、Paperwhiteの画面は 白黒電子インクなので、これは無理だ。しかし上にRGBフィルターをかければ、カラー化が可能だから、いずれ出てくるだろう。)


 周囲を見回すと、10人くらい客がいた。紙の新書を読んでいるのが1人、ケータイの画面を見ているのが2人、ケータイとスマホの両方をもち、何か仕事をしているのが2人、という調子だった。ほとんどが若い世代で、老人はわたし1人。


 今日は 夏用のジャケットを着たので Kindleが新書本のように、上着のポケットに入るかどうか 試してみた。左ポケットには常時20倍ズームのデジカメが、右ポケットにはタバコ、ライター、携帯用金属灰皿が入っているので、左内ポケットしか場所がないが、ちゃんと入り、しかも 上着が画面を保護してくれるので 別売りの「レザーケース」は 必要ないことがわかった。


 次ぎにトライする「実験」を思いついた。夏目漱石「こころ」(これは「青空文庫」のものを キンドルが無料配布している)をテキストとして用いて、「索引機能」を使い、漱石の 使用語彙の頻度分析をすることである。これはもう国文学者がやっているに違いないが、「索引語一覧画面」を利用して、「使用語彙の文脈解析」というのは、従来のパソコンではできていなのではないか、と思う。


 2004年に「覚悟としての死生学」を出した時に 大変お世話になった 独立編集者のKさんから「電子書籍の将来性」について相談を受け、「電子書籍はコンテンツ、デバイスともに、これから伸びる。今から電子書籍の仕事に関わる経験をしておくことは、決して無駄にはならない」と意見を述べた。今彼女は どうしているだろうかと思う。
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