ある宇和島市議会議員のトレーニング

阪神大震災支援で動きの悪い体に気づいてトレーニングを始め、いつのまにかトライアスリートになってしまった私。

【急展開】難波先生より

2014-02-19 08:49:05 | 難波紘二先生
【急展開】
これを書いた2/17夜以降、事態の急展開があった。
 小保方の一連の論文に最初に疑念を呈したのは、米国の「PubPeer」(公衆による論文審査)というブログだ。2011年の小保方論文の画像不正疑惑を2/13に提起している。
 https://pubpeer.com/publications/20883115
 これとは別に米カリフォルニア大学デーヴィス校のクノッフラー教授が、小保方報告の「再現実験」を呼びかけ、2/17までに9件の報告があった。(すべてネガティブ)
 http://www.ipscell.com/stap-new-data/
 「ネイチャー」1/29付号に小保方論文が発表されて1週間後、上記「PubPeer」に書き込みがあり、「図1-i」レーン3の写真は「はめ込み」ではないかという指摘があった。
 2/13に同じくPubPeerに論文2の胎盤の写真2枚は、回転させてあるだけで同一のものではないか、という指摘があった。

 アメリカの科学雑誌「サイエンス」がこれを知り、編集部が理研広報部に問い合わせのメールを送った。理研広報部はこの質問に詳細に答える代わりに、2/13~2/14と2日間、小保方の聴き取り調査を行い、この動きを2/15「毎日」須田桃子記者がスクープしたらしい。
 この経緯は「サイエンス」2/17号が詳しく報じている。記事名は「注目の幹細胞論文、炎上中」。
http://news.sciencemag.org/health/2014/02/high-profile-stem-cell-papers-under-fire
 2/17付「NATURE」電子版が、(2/30「ネイチャー」電子版に、STAP細胞の論文2本が掲載された時に解説記事を書いた)デヴィッド・シラノスキー記者による「<酸性浴>による幹細胞研究、捜査中」という記事を掲載した。
http://www.nature.com/news/acid-bath-stem-cell-study-under-investigation-1.14738
 これには、
1) 外部からデータに不自然な点があるという指摘を受けて理化学研究所が調査を開始した。
2) NATURE誌が世界の幹細胞研究のトップにいる10人にアンケートを行ったところ、追試で確認できたという研究者はゼロだった。
3) 指摘されている画像の不審点などについて、NATURE誌が小保方に問い合わせのメールを送ったところ、返事がない。
4) 画像については、学位論文となった2011年「TISSUE ENG.」の論文には2箇所で同一写真の二重使用があり、「NATURE」2014年では第1論文図1(遺伝子解析)で、画像の一部に差し替え(拙文で取り上げた箇所)がある。第2論文では、同一の胎盤写真が別の実験によるものとして使用されている。
5) 共同研究者で、胎盤の写真を担当した若山照彦(山梨医大教授)は、「小保方に100枚以上の胎盤の写真を送ったので、(彼女が)取り違えたのかも知れない」と話している。
6) 「NATUTE」誌は調査チームを立ち上げ、小保方の調査を行おうとしているが、本人から応答がない。
 ということが書いてある。
 (この記事も断定は避け、両義性のある態度を保ち、ひたすら事実を積み重ねる手法で書かれている。)

 これで小保方の幹細胞にかかわる3つの論文で、写真の不正使用があることがほぼ確定した。約10の他施設での追試実験が失敗に終わっているが、肝心の「酸性浴」を与えた細胞の詳細が不明だ。小保方がいないと実験に成功しないという若山教授の発言も不審だ。
 本来なら小保方自身が先頭に立って、これらの疑問点に記者会見をするなり、声明を発表するなりして答えるべきだと思うが、2/14の政府「総合科学技術会議」を欠席して以来、行方不明になっているのではなかろうか。
 ならば、理化学研究所はその調査を急ぎ、緊急に「中間報告」をすべきだろう。(画像の不正が単純ミスであれば、調査はすぐすむ。もし芋ずる式に「不正」が出てくれば、当然調査はすぐには終わらない。)

 もしこれが「捏造事件」であれば、国家的威信の失墜につながるわけで、大学なら学長の、理研なら理事長の、辞任は避けられないだろう。
 またメディアはまたしても「ネイチャーに載ったから」と権威によりかかった過熱報道をしてミスをしたわけだが、そしてそのことに気づいているから、今日の「産経」、「中国」のように小さくしか報じないわけだが、一部のネット・ユーザーのところには事の発端から今日までの経過にかかわる情報が詳細に集められている。それを封じることはできない。
 だったら、詳しい解説報道を行うべきだろう。
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