ある宇和島市議会議員のトレーニング

阪神大震災支援で動きの悪い体に気づいてトレーニングを始めいつのまにか、トライアスリートになってしまった私。

【STAP細胞疑惑】難波先生より

2014-02-17 19:12:04 | 難波紘二先生
【STAP細胞疑惑】「佐村河内」事件でNHKと大メディアの鼻を明かしたので元気づいたのか、週刊誌が「STAP細胞」疑惑を取り上げる方向で動いているようだ。
 http://irorio.jp/oneissue/20140214/113060/
 「佐村河内」事件では「週刊文春」の特ダネとなったが、「週刊S」というのは「週刊新潮」のことか…
 http://netgeek.biz/archives/4790
 2/15「毎日」も理研が調査を始めたと報じていた。
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140215-00000020-mai-soci
 2Ch「生物板」では早くも「捏造」と結論を出している。
 http://crx7601.com/archives/37105362.html
 疑惑は「ネイチャー」の2論文だけでなく、彼女の博士号(早稲田大学、工学博士)の本となった「Tissue Engineering」2011掲載の論文(最初の筆頭著者論文)にまで及んでいる。
 疑惑の内容は3つある。
 第1は、三つの論文に使用されている写真が「使い回し」されているという問題。
 独立した研究であり、手法に再現性があるなら、同じ写真を回転させたり、トリミングさせて何度も使う必要はないはずなのに、彼女の論文にはこれが複数箇所ある。これは総説論文ならともかく、原著論文にあってはならないことだ。
 第2は、今の科学論文は本紙には要点だけを書き、詳しい具体的データ(手技・方法、実験データの経時的変動など)は電子版にリンクを貼り、それを公開するようになっている。しかし彼女の論文ではそれが行われていない、という問題。
 第3は、「論文の内的一貫性」に関わる問題だ。実験が本当に行われ、その結果を客観的に記述した論文であるなら、「自然はウソをつかない」から論文内部に矛盾点はない。しかし仮に内部矛盾が論文に沢山認められるようだと、論文が実験の記述でない疑いが浮上する。
 後述のクノッペラー博士はその一部を指摘しているし、私も2/14のメルマガでDNA電気泳動写真に示されている「培養STAP細胞のT細胞受容体遺伝子が再構成型」であることの不自然さを指摘した。今後、この第3点についての検討が必要だろう。

 小保方さんを「30歳の、女性研究者」として誉めまくり、一躍時の人にしたのはテレビや新聞で、週刊誌のせいではないが、ごく普通の市民は大メディアも中メディアも一緒にして「メディア」と捉えている。根拠なく持ち上げるのも困るが、根拠なくスキャンダルにするのも困る。
 私は2/3及び2/7のメルマガで新聞等が報じた小保方論文の内容と、その後、実際に2本の論文を読んで、その不審点について問題提起をし、一日もはやく追試実験が行われ、小保方報告の通りにSTAP細胞が作成できるかどうか、確認が必要だと述べた。このことは英語のブログでも同じように議論されていて、
http://www.ipscell.com/2014/01/review-of-obokata-stress-reprogramming-nature-papers/
 「幹細胞リサーチ」研究所のクノッペラー博士が6つの疑問点を挙げている、
1) これは他の研究室によって再現できるか?
2) これは(マウスだけでなく)ヒトの細胞にも適用できるか?
3) これは(幼若マウスだけでなく)成熟した細胞にも適用できるか?
4) この現象の、分子的機構はどうなっているか?
5) これらの細胞は有意に高い突然変異ないしエピ突然変異を伴っているか?後者はエピゲノム(核外遺伝子)の異常である。
6) これらの細胞は、奇形腫を作る以外にも、腫瘍原性であるか?
 博士もいうように、1,2,3に対する答えが「ノー」なら、STAP細胞にはほとんど価値がないことになるだろう。本当なら、日本のメディアは「30歳、女性研究者」で大騒ぎする前に、この3つに焦点を絞って、理研広報部や小保方本人に問いただすべきであった。ま、横並び意識が強くてそれができないから「マスゴミ」と言われるのだけれど。
 ざっと見たかぎりでは、まだ誰もクノッペラー博士の最初の「三つの質問」にイエスと答えた人はいないようだ。
 http://togetter.com/li/630003
 このブログに投稿されている再現実験は8件くらいあるが、すべて「不成功」としている。但しみな、出発点の細胞が「培養繊維芽細胞」のような株化されたもので、小保方論文にいうように「生後1ヶ月のマウス脾臓から取り出したCD45+のT細胞」ではない。

 追試実験というものは「同じ材料で、同じ方法で、同じ期間」行って結果を比較しないと意味がない。追試がネガティブでも「再現できなかった」といえるだけであって、小保方の報告が間違いだとも、ましてや捏造だといえるわけでもない。
 ただ多くの研究者が「再現できない」といえば、やがてその研究が廃れるだけである。報告を誰も本気にしなければ追試もしないから、時間と共に研究そのものが忘れられて行く。それにしても、鳴り物入りの報道があったにしては、追試のスピードが遅いなあ…

 今になって見ると、2/2付「ボストン・グローブ」紙はキャロライン・ジョンソン記者によるC.ヴァカンティ医師(63)(ブリガム&婦人病院麻酔科部長)の詳しいカバー記事を報じている。同医師が「博士(Ph.D.)」の称号を持たないことや彼の「小さな芽胞様桿細胞」説は学会からは相手にされず、マサチューセッツ医大でも孤立し、それで現職に移ったこと、彼はただ自説の正しさを証明してくれる「学生」を必要としていたことも。
 捨てるはずの失敗した幹細胞培養のペトリ皿を週明けに顕微鏡でのぞいたら、そこに幹細胞のコロニーができていたという、フレミングによるペニシリン発見のエピソードをコピーしたとしか思えない逸話もある。また、同医師には「まだ不確かなこと、まだ論文として報告されていないこと」を気軽に話すくせがあり、「サルでの実験が成功」というのは怪しいことも書いている。
 この細胞の彼のラボで最初に肺組織から分離したのが、日本人の胸部外科医小島であること、そこでヴァカンティは「教養がない方が、この仕事は上手く行くのかもしれない」と考えたこと、そこで彼は「テクニックはあるが、細胞生物学の<常識>にとらわれない研究者」を探したこと、それが2008年に日本から受け入れた小保方春子だったということ。
 そういう細かい事情が詳しく書いてある。彼女が帰国したいきさつも、最初の論文が不採用になった理由も。

 感心するのは、この記事はひたすら事実関係を明らかにするのみで、論文そのものの評価については両義性(ambiguous)な態度を保っていることだ。どうしてこのような記事を日本のメディアは翻訳掲載しなかったのだろうかと思う。いま、自動翻訳の技術も進んでいるから、記事の存在さえ知れば普通の読者でもこの内容に接することができる。そうなると、いきなりネットでの話題になり、活字メディアよりもそっちの情報が先に広く流れるということが起こるだろう。するとますます既成メディア離れは進む。
 WIKIの「小保方春子」の欄に日本メディアの報道の引用が並んでいるが、これは芸能人と同じ報道の切り口。日本メディアの底の浅さが透けて見える。
 http://ja.wikipedia.org/wiki/小保方晴子
 それにしてもこの「ダイアモンド経済・オンライン」の記事は間が抜けて見える。
 http://diamond.jp/articles/-/48708
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1 コメント

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ambivalent (村田)
2014-03-17 13:12:24
ambiguousではなくambivalentでは?

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