日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

北関東駅めぐり 2017師走 - 國酒の仕業

2017-12-16 21:28:00 | 居酒屋
佐野に寄るかどうかで迷ったのは、遠回りになるだけでなく、時間が押す可能性があったからです。というのも、「國酒の仕業」に珍しく前日から予約を入れていたのです。
七時までの予約に限り受け付けるというのが店の方針であり、これ以上延ばしてもらうことはできません。安全策を採るなら足利から直行すべきところでした。しかるに見切りをつけられなかったことにより、佐野を出たときには何とも微妙な情勢になっていました。どうにか七時前には着くとしても、投宿して一風呂浴びる時間まではなさそうに思われたのです。中心街で若干流れが滞ったこともあり、少なくとも入店が七時を回ってしまうのは避けられない情勢になりました。10分ほど遅れる旨を知らせて了承され、宿の駐車場に車を置いて直ちに飛び出し、そのまま店へ駆け込むという顛末です。

このようなことが起こりやすいからこそ、飲食店に予約を入れて行くことを好まないわけなのですが、今回節を曲げたのは、滑り込みでの着席を何度か経験してきたからです。前回は年内の最終営業日だったこともあり、その日に限り予約制が採られていて、キャンセルが一名分出たところへ滑り込みました。開店とほぼ同時に入って、結果的には予約で満席だったこともあります。このような経験から、安全策を採って席を押さえてもらうか、遅い時間に飛び込むかのいずれかだろうと考えました。日没が早いこの時期、呑み屋に入るのもその分早くなるだろうと見て、席を押さえてもらった次第です。
その読みは果たして的中し、着いた時点でカウンターの空きは詰めても二席という状況でした。直後に入ったお客が断られていたことからしても、飛び込みでは振られていた可能性が大です。ただし結果論をいえば、先客のうち二組が八時前後に立ったため、投宿して一風呂浴びて出直せば、飛び込みでも余裕で入れたということになります。やはり、時間を決めて焦るよりも、遅めに訪ねる方が性には合っているのかもしれません。

前回は年末という事情もあって、肴はおまかせのみでしたが、今回も席に着くなり女将からおまかせを勧められました。一旦辞退し品書きを眺めると、一時に比べ品数が絞られており、なおかつ一品のお値段はそこそこでした。そこから窺われたのは、品数を絞る代わりに一品の質と量を引き上げるという最近の方針です。その直後、おまかせで少しずつ盛ってもよいとの勧めが店主からあり、結局今回もおまかせという選択に落ち着きました。
前回と同様、出来上がりに応じて一皿ずつ出てくるのかと思いきや、11枚もの小皿が角盆に乗って出てきたのには驚きました。少し遅れて天麩羅の小皿が出たため、合わせて実に12皿です。しかも、刺身の皿には鯨、鰆、ツブ、北寄の四点が、酢の物の皿には牡蠣、海鼠、あん肝の三品が盛り合わされ、天麩羅も河豚の白子と桜海老の二品あるため、実際の品数は皿の数以上ということになります。これなら酒以外の品を注文する必要は当然なく、二時間弱の滞在で終了という結果です。

品書きと値段は少しずつ変遷しつつも、本質は変わることなく、開店からこれで三年経ちました。石の上にも三年といわれるだけに、店主も感慨深く受け止めているようでした。次の節目は「桃栗三年柿八年」の域に達する五年後でしょうか。草創期から知る数少ない店の一つだけに、今後の進化についても注視していくつもりです。

國酒の仕業
宇都宮市大通り5-2-8
028-612-4992
1800PM-2400PM
日曜定休

宮泉・山川光男・五峰・別嬪・燦爛
お造り四品
酢の物三品
天ぷら二品
煮穴子
とりモモと里芋のナッツ炒め
北寄貝とパプリカのバター炒め煮
砂肝の酒粕味噌煮
明太子炙り
厚焼き玉子
チェダーチーズ
大根煮
松前漬け
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北関東駅めぐり 2017師走 - 上岡酒店

2017-12-16 17:31:35 | 酒屋
さらに東へ走って佐野市街に入りました。目当ては上岡酒店です。
宇都宮へ行くことを前提にした場合、足利から293号線を走った方が経路としては無駄がありませんでした。先月寄ったばかりということもあり、今回は素通りすることも考えました。しかるに往生際の悪さを発揮し、結局立ち寄る結果となったわけなのですが、再訪したからこその収穫がありました。樽酒が量り売りされていたのです。佐久乃花と眞澄の一斗樽が並ぶ中から前者を選択。正月に呑む酒はこれで決まりました。

上岡酒店
佐野市相生町21
0283-22-0895
900AM-1900PM
水曜定休(12月は無休)
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北関東駅めぐり 2017師走 - 渡良瀬橋

2017-12-16 16:35:28 | 関東
50号線を東へ走って足利市内に入りました。渡良瀬橋から西の空を眺めます。
前回訪ねたときは、梅雨入り前の中途半端な時期だったこともあり、往年の名曲に唄われた夕景も今一つで、やはり冬場に訪ねてこそと思ったものです。しかるに、今日も冬にしては遠景が霞んでおり、さらには日が傾いてから雲も厚くなってきたため、多くを期待するのは難しそうだと覚悟しました。果たして現地に乗り込むと、日没からさほどの時間が経たないにもかかわらず、西の空はすっかり褪せた後でした。
残念ながら返り討ちに等しい結果ではありますが、帰りがけにもう一度立ち寄る機会を作れるかもしれません。望みを明日に託します。
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北関東駅めぐり 2017師走 - 阿左美駅

2017-12-16 15:50:40 | 関東
続いて立ち寄るのは阿左美駅です。南羽生、福居に続き、こちらの駅舎も妻側に玄関を持ちます。本日七駅訪ねて三つ目ということは、半分近くになるわけです。明らかに少数派であるこの手の駅が、これほど頻出するのは珍しいような気がします。
本中野と同様、ここもMOSにまつわる思い出の残る駅です。ただし、群馬オウラ店と違って、駅からの距離自体どうということはありませんでした。それでも印象に残っているのは、アピタもろとも閉店するフードコートの店舗だったからです。遅くに訪ねて真っ暗だったときには、まさかと呆気にとられました。フードコートのMOSというのは、それだけ珍しい存在だったのです。それが今では、新たにできる店舗の半分かそれ以上がフードコートという始末。MOSもつまらない店になったものだと思います。
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北関東駅めぐり 2017師走 - 藪塚駅

2017-12-16 15:02:43 | 関東
一つ隣の藪塚駅を訪ねます。庇を兼ねた大きな屋根の駅舎は治良門橋と瓜二つながらも、屋根、柱、サッシの色使いが違います。
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北関東駅めぐり 2017師走 - 治良門橋駅

2017-12-16 14:44:10 | 関東
続いては太田市街を短絡し桐生線の沿線にやってきました。一度聞いたら忘れられない治良門橋駅を訪ねます。駅前側に張り出して庇を兼ねた、大きな寄棟屋根が独特です。
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北関東駅めぐり 2017師走 - 韮川駅

2017-12-16 14:08:34 | 関東
足利市街を短絡し、太田の一つ手前の韮川駅にやってきました。線路に平行する形で入っていく玄関は、今日訪ねた中でいうなら南羽生、福居の両駅と同様です。ならば妻側が玄関なのかというとさにあらず。切妻の木造駅舎の間口を半分ほどにした建物に待合室と切符売場と改札だけがあり、奥に直交する形で切妻の建屋がもう一つあって、その部分に事務室が入るという、変わった造りの駅舎です。
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北関東駅めぐり 2017師走 - 福居駅

2017-12-16 13:25:30 | 関東
少し北上して小泉線から伊勢崎線の沿線に戻りました。続いて訪ねるのは福居駅です。寄棟屋根の木造駅舎を再訪するつもりが、改築されているというまさかの事態に一瞬落胆するも、これがあながち悪くはありません。煉瓦タイル「風」の安っぽい外壁は、またしても最近のMOSのようでもありますが、切妻の妻側を玄関にして大きな三角形のファサードが造られ、その中心に掲げられる「福」の文字をあしらった切り絵の銘板が、一見平凡な建物を効果的に引き立てています。東武の駅の建て替えというと、何の面白味もない箱形の待合室に成り下がったところが多い中、一つでも見所のある駅舎に引き継がれたのはせめてもの救いです。
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北関東駅めぐり 2017師走 - 本中野駅

2017-12-16 12:41:54 | 関東
武蔵大橋を渡って県道をしばらく走り、線路を渡ったところにあるのが本中野駅です。切妻の建物に増築し、遠目には入母屋造のようにも見える木造駅舎が特徴です。

この駅にはMOSにまつわるささやかな思い出があります。まだ運転免許を持たなかった二十代の中盤、北関東のMOSを集中して訪ね歩いた時期がありました。北関東は当時から鉄道以外の交通機関がきわめて貧弱な地域で、一旦駅で下りればその先の移動手段は徒歩しかない場合がほとんどでした。どれだけ遠かろうとも、自分の足で歩く以外にたどり着く手段はなかったのです。中でもとりわけ遠かったのが、今はなき群馬オウラ店であり、そのときに起点にしたのがこの駅でした。
二昔も前のことゆえあやふやな部分はあるものの、駅から店まで片道30分は歩いたでしょうか。店があったバイパスと交差してからこの駅まで、車で走っても相当な距離でした。我ながらよく歩いたものだと思います。
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北関東駅めぐり 2017師走 - 武蔵大橋

2017-12-16 11:42:38 | 関東
利根川を目前にして国道をそれ、一本上流の橋の袂にやってきました。欄干には武蔵大橋とありますが、その名にし負う立派な橋です。橋というより全体が巨大な堰になっており、こちらには利根大堰なる名がついています。11もの水門が連なる先に男体山が鎮座する光景は壮観で、遠景が鮮明ならばなおさらだろうと想像させられます。
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北関東駅めぐり 2017師走 - 酒のぎょうだ

2017-12-16 10:56:49 | 酒屋
毎度おなじみ「酒のぎょうだ」を訪ねます。ひやおろしがほぼ姿を消し、さりとて新酒も出揃っていないという状況の中、藤岡の地酒「巌」が目に止まりました。瓶で一回火入れしてから常温で一年熟成させて出荷したとの触れ込みです。それが今年の二月ということは、酒販店でさらに一年熟成されたことになります。純米酒でありながら税抜1000円の価格を含め、一方ならぬ興味を引かれての選択です。

★酒のぎょうだ
羽生市西3-4-10
048-561-1406
930AM-2030PM
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北関東駅めぐり 2017師走 - 山田うどん

2017-12-16 10:31:49 | B級グルメ
駅から国道に戻り、少し走ったところにあるのが山田うどんです。先月行ったばかりという状況を考えると、向かいにある山岡家という選択肢も考えられるところではあります。しかるに、北関東というだけで迷いなく山田うどんに飛び込んだのは、条件反射のようなものとでもいえばよいでしょうか。
注文も条件反射で朝カレーセットかというところ、250円の餃子が期間限定で180円なる品書きに目が止まりました。この餃子に260円の玉子かけご飯を組み合わせ、〆て440円というのが本日の朝食です。牛丼単品でも400円近くするご時世、餃子とうどんと玉子かけご飯の三種で440円ならお得感があります。
あくまで値段相応に過ぎないとはいえ、元々の期待値が高くないため、結果としてお得に感じるのかもしれません。以前タンメンを頼んだときもそうでした。低い期待を超えることでお客を満足させるのが、山田うどんの真骨頂といえそうです。

★山田うどん 羽生バイパス店
羽生市砂山1382-1
048-563-5395
900AM-2100PM
元日休業
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北関東駅めぐり 2017師走 - 南羽生駅

2017-12-16 09:45:54 | 関東
宇都宮まで行くだけなら先を急ぐ必要は全くありません。七時過ぎに出て122号線を下ってきました。只今南羽生駅を訪ねています。
久々に訪ねて分かったのは、妻側に玄関がある木造駅舎が改装されていたことです。白かった壁が焦茶の羽目板風に替わっており、駅前のロータリーもこれに合わせて整備されたものでしょう。上記の通り羽目板「風」に過ぎず、MOSの店舗のごとく安っぽいのが残念ではありますが、川俣を始めとして、建て替えられてしまう駅も多い中、この駅舎が活かされたのは喜ばしいことです。

出発時に5.5度あった気温は、一時2.5度まで下がってから3.5度まで戻り、現在地では再び2.5度に下がりました。北上して寒くなる効果と、日が昇って暖かくなる効果が今のところ拮抗しています。風がないため体感は気温以上に暖かく、小春日和と形容したくなる陽気です。
男体山も赤城山も見渡せるよい天気ですが、遠景は霞み、上空には絹のような薄い雲が出ています。期待していた冬晴れとはやや違うものの、そのような晴天が毎日続くわけではないことも分かっています。晴れてくれただけでも御の字ということにしておきましょう。
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