日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

薫風の土佐を行く - かもん亭

2017-06-03 23:04:06 | 居酒屋
「どんこ」を出て向かったのは、このblogで遅い時間の切り札と評してきた「一釣」でした。しかるに現地へ乗り込むと、今日に限って早仕舞いしているという誤算が。すぐそばには「ぼくさん」があり、このまま締めくくるのも悪くはないという状況です。とはいえこの時点でまだ10時台、切り上げるにはまだ早いという未練が上回り、次なる店へ流れてきました。三軒目に訪ねるのは「かもん亭」です。
黒板の筆頭にはもちろん鰹、次いで清水サバの文字が。どちらも既にいただいたものとはいえ、刺身に代えてタタキをいただくにもやぶさかではありません。しかしそれ以上に目を引いたのが、室戸の鱧の焼き切りなるものでした。鱧といえば湯引きにして梅肉か酢味噌でいただくのがてらいのないところですが、対するこちらは鰹のタタキに着想を得たのか、それとも白焼きの変形版か、ともかく焼き上げた香ばしさを身上とする逸品です。何分三軒目ゆえ、あれこれ選ぶわけには行かないものの、ウツボ、太刀魚などの文字にも心惹かれるものがありました。
たとえば北陸の場合、夏から秋にかけては何かと地味な印象が拭えません。これに対して高知の場合、時期を問わずに食材が豊富で、同じ食材にも様々な調理法があって、品書きを眺めているだけでも楽しいものがあります。それらを片っ端から試して行くには、少なくとも一週間毎日通い続ける必要があるでしょう。高知の酒文化の偉大さを改めて実感させられた次第です。

かもん亭
高知市はりまや町2-3-13
088-885-0855
1730PM-100AM
火曜定休

安芸虎・文佳人
突き出し(甘露煮)
室戸ハモ焼き切り
瀬戸内メバルの煮付け
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薫風の土佐を行く - 酒亭どんこ

2017-06-03 21:49:56 | 居酒屋
長崎と同様に、高知では小刻みな継投策が基本となります。一軒目を小一時間で切り上げ、先ほど振られた「どんこ」に入りました。
この店を帰り際に訪ねるという場面が直近二回にわたって続きました。五時半の開店と同時に入って七時前に出れば、帰りの列車の時刻には頃合いなのに加え、予約客で混み合う時間帯を避けられること、呑み屋の中では比較的駅に近いことも決め手でした。ただし今回についていえば、明日の帰り際に行くよりも、今夜の遅い時間に入りたいという考えがありました。
何度か訪ねて顔だけは覚えてもらい、予約の電話を入れるにも気兼ねは要らなくなりつつあります。ただ、そうはいっても、周りが予約客ばかりという状況はどうしても気疲れするものです。開店直後なら多少なりともましとはいえ、時間が経てば次第にお客が増えてきます。「籠太」にしても「独酌三四郎」にしてもそうですが、有名店であればあるほど、遅い時間の方がこちらにとっては好都合なのです。
九時前に電話を入れたときは、満席との返答であえなく振られました。しかし、この時間になればさすがに空いてくるだろうと踏んでいました。その見立て通り、店内に乗り込むとカウンターの先客は一名のみ。前回訪ねたときにも見かけた常連の御仁でした。やはり、一人で呑むならこちらの方が断然お誂え向きです。試行錯誤を重ねた結果、この店の攻略法がようやく分かってきたような気がします。
次第に涼しくなってくるかと思いきや、依然として体感温度は変わりません。とはいえ、耐え難き真夏の暑さとは全く違い、開け放たれた玄関から時折吹き込んでくる風は心地よいものがあります。当地でイセギと呼ばれるイサキ、今が走りの水茄子など、黒板の品書きにも六月初旬の季節感が。この時期に来てよかったと実感するひとときです。

酒亭どんこ
高知市はりまや町2-1-21
088-875-2424
1730PM-2200PM(LO)

亀泉・赤野
突き出し(チャンバラ貝)
イセギ
水茄子
さば寿司
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薫風の土佐を行く - 御乃字

2017-06-03 20:47:47 | 居酒屋
先週訪ねた高山では、深夜になると肌寒く感じられました。しかしこちらは南国土佐、少し歩くと汗が滲んできます。ただし、汗が滲んできたのは暑さのせいだけではなく、思った以上に歩かされたからでもありました。
早い話、そろそろ呑み屋も空くかと思いきや、まだまだ混んでいたのです。まず「くもん屋」に満席で振られ、次いで「仙樹」へ向かうも、混んでいるのが外から分かって敬遠するという流れは、図らずも去年の二の舞となりました。次いで「どんこ」に電話を入れるも、まだ満席との返答が。もちろん心当たりはまだあります。しかし、三軒続けて振られた時点で、趣向を変えてみようという考えが閃き、すぐそばにあった新規の店に飛び込みました。一軒目を飾るのは「御乃字」です。

新規とはいっても、以前に訪ねたことがあります。どういうことかと申しますと、教祖おすすめの「魚福」が「福」と屋号を変え、その後閉店した跡地に居抜きで入った店なのです。代替わりしているのは去年訪ねた時点で気付いており、雰囲気、内容に大きく変わった様子がないのも承知していました。後継店がいかなるものかという興味もあり、これがよい機会だろうと思い立った次第です。
「福」の時代に一回訪ねただけの店だけに、不確かな記憶に基づく部分はあるものの、店内はまさに居抜きで、全く変わった様子がありません。カウンターに立つ板前は若返り、二人組のお姉さんが接客を担当。奥の厨房にもう一人の料理人がいるようです。ただし、二階席もある店にしては調理の人手が足りないのか、入るやいなや提供に時間が要るとのことわりがありました。とはいえ、そのように最初から知らせてくれる店というのは得てして間違いがないものです。注文した刺盛は鰹、間八、鯖、金目鯛の四点で、いずれも厚く大きく切るところが当地流。わかめ、新玉葱と茹でキャベツを使ったツマまでおいしくいただける一皿でした。
品書きは日替わりが裏表で一枚、常備の品が一枚の実質三枚組で、それぞれ横長で上下二段に区切られます。日替わりの品書きには鰹を筆頭に刺身が大きな文字で記され、空豆、アスパラなどの文字が初夏の季節感をさりげなく演出。裏面は揚物、焼物、煮物、鍋物などで埋め尽くされ、もう一枚の品書きにはウツボ、川エビ、青海苔、目光、ハランボなど高知らしい品々が並んでいます。目移りするほどの品数は「仙樹」にも引けを取りません。
唯一の難点は酒で、高知の地酒が揃っているのはよいものの、一合には明らかに満たない量が650円というのはいかにも割高に感じられました。飲み切りボトルはごく標準的な価格だったため、ここではボトルをいただくのが正解なのかもしれません。

このように、代替わりはしたものの雰囲気、内容とも全くと言っていいほど変わっておらず、他人様にも自信を持って勧められそうな一軒でした。扁額の隅に「福」の文字が小さく刻まれていたことからすると、全く別の店というわけでもなく、何らかの形で流れを汲んだ店なのでしょうか。真相のほどはともかく、後継にふさわしい名店が現れたのは喜ばしいことです。

御乃字
高知市廿代町2-13
088-822-0770
1800PM-2230PM(LO)
日曜定休

一番搾り
美丈夫・土佐しらぎく
突き出し(薩摩揚げ)
刺盛四種
どろめ酢
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薫風の土佐を行く - 松栄第二別館

2017-06-03 20:06:07 | 四国
昨年の晩秋以来半年ぶりの高知に到着。風呂から上がって一息つきました。本日は「松栄第二別館」の世話になっています。
大型連休を注ぎ込んだ花見の旅が終わった後、次なる旅先としてどこを選ぶかと考えたとき、思い浮かんだのが仙台の新緑と前橋の薔薇、それに高知の初鰹でした。これらのうち新緑は木曽と飛騨に振り替える形で実現し、今週末にようやく高知の出番が回ってきたわけなのですが、これは宿泊事情にも関係していました。というのは、高知の宿が仙台並みに慢性的な混雑を示しており、連休明けから先週末までほとんど空きが見当たらなかったのです。しかし今週末は一転してがら空きとなり、それが高知を選んだ直接の決め手となりました。
このような経緯もあり、本日は駅か呑み屋街の近くで三千円台のビジネスホテルも複数選べる状況でした。しかるにそれらを選ばなかったのは、鏡川沿いの和室の宿が空いていたからです。位置関係としては、「葉牡丹」の前からまっすぐ南に下って鏡川に突き当たった場所、つまり以前世話になった「高知ビジネスホテル別館」の至近にあたります。要は川沿いながら必ずしもよい立地とはいえず、対岸には怪しげなホテルのネオンが煌めいています。とはいえ繁華街に比べればごくささやかな明かりに過ぎず、それを映した川の水面が風流に見えなくもありません。窓を開ければ早くも虫が鳴いており、橋を渡る電車の音が聞こえてくるなど、見ようによってはあながち悪くないのです。
別館というからには本館もあって、川の向かい側には相当年季の入った本館が建っています。別館も年代的には大差がなさそうで、自分自身と比べてもほぼ同年代といったところでしょうか。しかも抜本的に改装された様子はなく、内装も調度品も開業当時のものがほぼそのまま使われているようです。ただし、逆説的な物言いではありますが、古いからこそそのまま使えているともいえます。使い捨てを前提にした現代の安物ならば、こうなる前に取り替えられているでしょう。手入れが行き届いた館内はむしろ好ましく感じられます。フロントから客室までわざわざ案内してくれるのも、自分が日頃泊まる宿ではまず考えられない対応です。
このように、ビジネスホテルとは明らかに一線を画した宿で、だからといってシティホテル、観光旅館の趣でもありません。直截にいうなら、熱海か鬼怒川あたりにありそうな、寂れた旅館のようとでも形容すればよいでしょうか。予算が限られた社員旅行、あるいは何かの大会で遠征してきた学生の団体などを主なお客にしていそうな雰囲気で、過去に泊まった中でいうなら札幌のホテルハシモトに近いといえば近いものがあります。実際に社員旅行で泊まれば、不平を垂れる輩が出てきそうな宿とはいえ、自分にとってはむしろこのような宿こそが好ましいともいえます。ここを選んでよかったというのが実感です。

長々と語るうちに八時を回りました。しかし、このところ高知では呑みすぎて翌日にまで響くという事態が続いていたため、この程度の時間に始めた方がちょうどよいともいえます。最も混み合う時間は過ぎ去り、最初に入ったお客がそろそろ席を立つ頃でしょう。満を持して呑み屋街に向かいます。
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薫風の土佐を行く - 南風17号

2017-06-03 16:04:27 | 中国
ロッカーに預けた荷物を引き取って、本日の投宿地となる高知へ向かいます。到着は七時前、この時期ならまだ十分明かりが残っているでしょう。一風呂浴びて呑み屋に入れるのは八時前後といったところでしょうか。落ち着いてくるには少々早いものの、さりとて最も混み合う時間というわけでもありません。結果としては早からず遅からずちょうどよい時間帯になりそうです。

★岡山1605/南風17(47D)/1848高知
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薫風の土佐を行く - 岡電礼賛

2017-06-03 15:39:46 | 中国
小一時間滞在した後、MOMOが来るのを待ってから駅に戻りました。行きがけの駄賃に手早く往復して切り上げるつもりが、3005号車で一往復半、MOMOとくろで各一往復、最初に乗った7001号車を合わせると同じ区間を四往復もしてしまい、清輝橋線に乗る時間はありませんでした。要は思った以上に楽しめたということです。無味乾燥な低床車をも一変させる水戸岡氏の手腕もさることながら、古い電車を大切に走らせていく岡電の見識の高さにも敬意を表しなければなりません。このような事業者が増えてくれれば、汽車旅はもっと楽しいものになると思うのですが。愚痴はさておき、次の機会も楽しみにしています。
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薫風の土佐を行く - おかでんミュージアム

2017-06-03 14:21:18 | 中国
貴重な車両は無闇に走らせないということか、駅まで一往復したところで「くろ」も車庫へと引き上げていきました。このまま駅に戻れば三時発の特急には頃合いの時間です。しかし、最後にもう一ヶ所寄らなければならない場所がありました。東山の車庫に併設された「おかでんミュージアム」です。
去年の12月に開設されたそうで、こちらにとっては当然ながら初見です。1000円の入館料に一瞬身構えたものの、一日乗車券の提示で半額との表記があります。しかも、そこからさらに半額になる割引券までいただいてしまい、250円でまんまと入館に成功。これでは正規の料金などあってないようなものですが、もちろんありがたい話ではあります。

岡山電軌に関する展示が中心かと思いきや全くそのようなことはなく、有り体に言うと子供向けの施設です。レイアウトが最大の見物なのは類似の施設と同様ながら、そのレイアウトはプラレールです。映写室でも「チャギントン」なる「汽車のえほん」シリーズと同じ路線の作品が上映されており、岡電に関する展示は何もありません。いや、窓越しに車庫の様子が見えており、これも展示の一部ということなのでしょうか。
とはいえ、間違って迷い込んだ鉄道好きでも楽しめないことはありません。館内全体が水戸岡氏の設計によるもので、天然木を奢った空間は車内と同様心地のよいものがあります。寺院のような八角形の柱を中心に、おそらく特注品であろう漆塗りの円卓と椅子が置かれ、その円卓に四本の溝が彫られて、外周に787系の、内周に「ゆふいんの森」のプラレールが鎮座するという遊び心も秀逸です。
展示室には同氏による小鳥、魚、昆虫、草花などの様々な絵が展示され、鉄道好きの知らない一面を垣間見ることができます。加えて氏に関する書籍が自著他著を問わず多数取り揃えられており、中には書泉グランデでも見かけなかった珍しいものも。それらを精読していけば、一日いても退屈はしないでしょう。
このように、見方を変えると水戸岡氏による水戸岡氏のための博物館といってもよく、その点では横浜の原鉄道模型博物館に通ずるものがありました。展示物の数と価値にかけてはあちらが圧倒していることを考えると、千円の正規料金は高すぎるというのが率直なところではありますが、250円なら見学していく価値は十分にあります。さらに展示を充実させれば、各地から見物客が訪れる聖地になるかもしれません。
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薫風の土佐を行く - くろ

2017-06-03 13:54:53 | 中国
東山までMOMOに乗り、しばらくすると今度は「くろ」こと3007号車がやってきました。車号からも分かる通り、先ほど乗った3005号とともに日光から来た老雄です。
何もかも当時のままに保たれた3005号車に対し、こちらは先述した水戸岡氏の手により再生されています。蒸気機関車のような黒一色の外観については好みが分かれるとしても、艶やかな天然木で統一された車内は実に見事です。座席については新たに製作されたものとしても、その他の部分には相当年季が入っており、新車当時の内装を極力生かしたことが窺われます。不躾な話ではありますが、これなら新車を一両入れた方が安上がりだったのではないでしょうか。鉄道車両にしてもそれ以外にしても、安く造って使い捨てる風潮が蔓延する中、懐の深さには脱帽するしかありません。
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薫風の土佐を行く - MOMO

2017-06-03 12:45:06 | 中国
3005号がそろそろ戻る頃かと思い電停へ向かうと、やってきたのは違う車両でした。どうやら一日中走り続けるわけではなく、あのまま入庫してしまったようです。代わりにMOMOの愛称を持つ低床車がやってきたためこちらに乗り込みました。
低床車というと十中八九が車両メーカーお仕着せの規格型車両で、どこもかしこも樹脂製の安っぽい車内に興ざめさせられます。しかしこちらはかの名高い水戸岡鋭治氏が手掛けた車両です。天井に「白いかもめ」こと885系を彷彿させるコルゲート入りの金属板、床と座席に天然木を奢った車内は水戸岡作品の真骨頂というべきもので、あの無味乾燥な低床車がこうも変わるかと感心させられます。
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薫風の土佐を行く - あまいからい

2017-06-03 12:24:27 | B級グルメ
その気になれば何往復でもできそうなところではありますが、一往復半したところでお昼になりました。何かと地味な岡山にあって、名物をしいていうならデミカツ丼とやらになるのでしょうか。しかしこちらの目当ては他にありました。「あまいからい」の中華そばをいただきます。
四年前、やはり高知のついでに寄ったことがありました。台風の影響で新幹線のダイヤが乱れたのを嫌い、あえてその日のうちに帰らず、岡山に一泊し翌朝の始発の新幹線で帰ったのでした。そのとき世話になったのがここです。岡山の中華そばがいかなるものか、見当もつかないままに飛び込んだところ、和歌山を彷彿させる完成された味が印象に残り、いつかは再訪をと考えていたのでした。
中華そばの160円増で餃子とご飯がつくというお得感につられ、注文したのは餃子定食880円也。記憶していたよりもやや薄味に感じられるのは、素面で訪ねたからでしょうか。とはいえ、雷文をあしらった小さめの丼、縮れのない細麺に豚骨醤油の組み合わせは記憶に違わず、おでんがあることを含めて和歌山によく似ています。
店内の造りは現代的で無味乾燥ながら、カウンターの向こうに見える整理整頓された厨房も、接客、調理と手伝いを分担する熟練のおばちゃん三人組の立ち居振る舞いも、見ていて気持ちのよいものがあります。地元の一人客が三々五々訪れては、黙々と中華そばをすすっていく雰囲気も秀逸。以前訪ねた「山富士」も、似たような趣のある老舗でした。岡山といえば中華そばという認識が、自分の中で確立されつつあります。

あまいからい
岡山市北区駅前町2-2-1
086-225-6927
1130AM-200AM(日曜 -1700PM)
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薫風の土佐を行く - 岡山電軌

2017-06-03 11:12:05 | 中国
岡山というと、乗り継ぎの合間に短時間だけ立ち寄ってお茶を濁すのが常です。しかし、幸いにして今回は十分な時間があります。一日乗車券を買って電車に乗り込みました。
2系統しかないささやかな路線網です。全線乗り通してもさほどの時間は要らないだろうと思っていました。しかしその予想はよい方向に外れました。終点の東山まで乗ったところ、日光から来た古い電車が待ち構えていたのです。塗色も車内も当時のままの姿を残す3005号車でした。さらに幸運だったのは、車庫を出たところに留置され、しばらくしてから運用についたことです。これにより、停車中の姿をよい条件で記録できたばかりか、運用についた電車に乗ることができました。一石二鳥とはこのことです。
半鋼製の車内はもちろんのこと、白熱灯の照明もそのまま残り、冷房などという気の利いたものはありません。しかし今は折しも薫風の季節、窓を開けて走れば冷房車よりも快適です。自動扉の調子がよくないのか、空気が漏れる音がするのはご愛敬といったところでしょう。とりあえず岡山駅まで往復します。
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薫風の土佐を行く - ひかり495号

2017-06-03 09:02:16 | 近畿
賢明な読者の方は、最初の下車駅が京都になっていたことを不思議に思われたかもしれません。しかしこれでよいのです。京都で「ひかり」に乗り継ぎました。
新幹線を乗り継いで西へ下るというと、今までは先ほどの列車に終点まで乗り、そこから「みずほ」に乗り継いできました。しかしこの場合、新大阪での待ち時間が30分近くあり、なおかつ発車の直前まで客扱いが始まらないため、ホームで手持ち無沙汰になるという問題がありました。しかも自由席の場合、ホームの先の方から中央付近の階段まで延々歩き、コンコースを通って二本隣のホームに上がり、さらに先の方まで歩いていかなければならず、これが非常に面倒なのです。そこで考えたのがこの乗り継ぎでした。
名古屋始発の列車で、先ほど乗った列車に米原で抜かれ、京都には3分遅れて到着するというダイヤです。つまり、乗ってきた列車が出るやいなや、同じホームの向かい側に入線してくる形となり、乗り換えの手間は著しく軽減されます。岡山までは各駅停車に停まり、後続の「のぞみ」はもちろんのこと、20分後に出る「みずほ」にまで抜かれはするものの、岡山の到着時刻は「みずほ」と9分しか違いません。「みずほ」よりも空いているなら、こちらに乗るのも一案だろうと考えました。自分にとっては、早く着くより空いていることの方がはるかに意味を持つのです。
その狙いは的中し、乗車口には各扉につき片手で数えられる程度の先客がいるだけ、それも大半は慣れた様子の欧米人観光客でした。もちろん車内もがら空きです。チャイムが違うだけとはいえ、「いい日旅立ち・西へ」が流れる西日本所属車という付加価値もあります。少なくとも岡山に行く場合については、この列車が選択肢の一つになってくれるでしょう。

★京都823/ひかり495(495A)/954岡山
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薫風の土佐を行く - 並びに

2017-06-03 06:29:30 | 関東
花見の旅以来、カーテンを閉めずに休み、翌朝明るくなるのと同時に目覚めるのが習慣化しています。その中でも今日の夜明けは出色でした。目が覚めたその瞬間、東の空が真っ赤な朝焼けに染まっていたのです。これは空気が澄んでいるということに他ならず、都心から筑波山、日光連山、富士山がいずれも見える快晴でした。これから先へ進むにつれて、その富士山が間近に迫ってくるでしょう。

それはよいのですが、毎度ながら白けさせられることがあります。検札に関する車内放送です。他社がとうの昔に検札を省略するようになった後も、利用者にはどうでもよい理屈を付けて、頑なに検札を続けてきたJR東海が、ようやく検札を廃止したのは去年の改正からでした。ただし自由席の検札は残されました。それは別によいのですが、車掌による案内が引っかかります。
自由席の乗客、並びに普通車指定席及びグリーン車の乗客で指定された席以外に着席した乗客に対しては検札する、というのがその内容です。どの列車に乗っても一字一句違わぬ案内が繰り返されるということは、「安全綱領」と同様に、一字一句違わず暗誦できるようになるまで、徹底的に叩き込まれているのでしょう。
「及び」と「並びに」の違いなら承知しているとはいえ、話し言葉の中に「並びに」などという表現を使う場面が他にあるでしょうか。そのような違和感などお構いなしと言わんばかりに、当局が作った例文を機械のごとく繰り返す案内放送が流れると、何とも無粋に思えてならないのです。
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薫風の土佐を行く - のぞみ291号

2017-06-03 06:15:06 | 関東
三月以来久々の汽車旅です。始発列車の6分後を雁行する新大阪行で西へ下ります。
今回どの列車で出るかについては少々悩ましいものがありました。新大阪までなら迷うことなくこの列車を選ぶのに対して、今回は岡山まで行かなければなりません。この場合、20分発の広島行が出てくれればこれに乗るところなのですが、あいにく本日は新大阪止まりの設定でした。その結果、混雑する始発列車を避けるとすれば、16分発の博多行で直行するのが最も順当な選択肢でした。
しかるにそうしなかったのは、博多行とそれ以外では混雑が相当違うと経験上分かっているからです。その見立て通り、東京駅を出た時点でも二人掛けの窓側には所々空席があり、三人掛けの席は数えるほどしか埋まっていません。少なくとも名古屋まで、隣にお客は来ないのではないでしょうか。途中で一回乗り換えなければならないのが面倒とはいえ、その手間を補って余りある効果です。

★東京606/のぞみ291(9291A)/819京都
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