日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

春まだ浅い駿河路へ 2013

2013-02-16 22:17:37 | 居酒屋
二軒目は例のごとく静岡に河岸を替えました。訪ねるのも前回と同じ「昇菊」です。
名酒場がひしめく清水と静岡だけに、呑み屋の取捨選択には毎度頭を悩ませても、トリについてはこの店ということで迷いがなくなってきました。それでは何がそこまでよいのかといえば、古い小路の呑み屋長屋の佇まい、季節感に満ちた品書き、修行を重ねた店主の腕前と立ち振る舞い、そして店主と女将と常連客が醸し出す居心地のよさということになるでしょう。
中二週で品書きが全く替わることもないとはいえ、山うど酢味噌に春野菜の天ぷらなど、季節を先取りした食材が少しずつ出始めています。それらの中からまず選んだのは鰹で、飾り包丁を幾筋も入れた皮付きの造りは目にも美しく、添えられた生海苔ともども素材のよさと仕事の丁寧さがありありと感じられます。山うどの若々しい香りもまさに春です。季節の移り変わりをしみじみ感じる一夜となりました。

昇菊
静岡市葵区両替町2-3
054-272-0701
1730PM-030AM(日祝日定休)

志太泉・正雪
お通し(ふぐ皮煮こごり)
かつお造り
山うど酢みそ
おむすび・みそ汁
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春まだ浅い駿河路へ 2013

2013-02-16 21:12:42 | 東海
腹ごなしに巴川の畔を歩きます。繁華街を少し外れた川沿いには派手な明かりもなく、鏡のように静まりかえった水面が街の明かりを映し、二両編成の静鉄電車と、長編成を連ねた貨物列車が時折鉄橋を行き過ぎます。そして沿道には枝垂梅の並木が、ほのかな匂いを放っていました。桜ではなく梅、それも八重咲きの枝垂梅を植えるとは、何とも心憎い演出です。しかし、あと一月前後すれば、こんなことにも気付かなかったでしょう。この梅が観られただけでも、今回旅に出た甲斐があったというものです。
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春まだ浅い駿河路へ 2013

2013-02-16 20:20:53 | 居酒屋
前々回は「新生丸」、前回は「かねだ食堂」と清水の双璧を訪ね歩いて、本日の一軒目は原点回帰の「新生丸」に戻ってきました。着席早々、店主がお通しの皿を差し出し、例のごとく「イルカ」と一言。厚焼き玉子とともに盛られたそれは、清水ではよく食されるというイルカの味噌煮でした。やや臭みのあるすじ肉を味噌で甘辛く煮た一品は、月並みに言うなら鯨にも似ています。しかも、このお通しは全ての客に一律で出しているのではなく、たとえば二人客にはイルカと玉子焼を一皿、鯨ベーコンとわかめ酢を一皿といった具合です。よりどりみどりの魚介がこの店の命だと以前申しましたが、お通し一つとっても酒肴として完成されているところに、呑み屋としての実力の一端がうかがえます。
最初の注文はもちろん刺し盛りで、白身の二品を指し「平目、ホウボウ」と一言だけ告げて出すのはやはり同じです。いちいち説明しないのは、その他の品は見れば一目で分かるからで、今回は鮪、鰹、鰺、〆鯖にアオリイカという布陣でした。続いての注文は太刀魚で、刺身、煮魚、塩焼、フライという品書きの中から、今回はフライを選択。太刀魚のほっこりした身と、からっと揚げた衣の組み合わせが絶妙です。語弊を恐れず言うなら、薄切りの具材と衣が織りなす食感の妙は、福井のカツ丼にどこか通ずるものがあります。

新生丸
静岡市清水区巴町10-29
054-352-3851
1600PM-2200PM(日祝日定休)

正雪二合
お通し(イルカ味噌煮・厚焼き玉子)
刺し盛り七点
太刀フライ
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春まだ浅い駿河路へ 2013

2013-02-16 19:08:40 | 東海
清水市街に戻り、投宿して一息つきました。この後はお待ちかねの酒場めぐりへ繰り出します。といっても、何度となく通った清水の街だけに、今更目新しいことは何もありません。まず「新生丸」か「かねだ食堂」に入り、余力があれば静岡に河岸を替えるといういつも通りの行動を予定しています。これまで馬鹿の一つ覚えのように清水と静岡のはしご酒を繰り返してきただけに、一度は趣向を変えて焼津あたりに泊まろうかという考えが起こらないこともないのです。しかし、清水と静岡の居酒屋がまことに秀逸で、今回もこれらを差し置いてまで他を選ぶ気にはなりませんでした。たとえていうなら、「籠太」「麦とろ」「鳥玄」の三店が秀逸すぎ、会津で今更他の店を探す気にならないのと同じです。
中二週での再訪とはいえ、その間に季節は冬から早春へと変わっています。一足早い春の気配を、居酒屋の品書きに感じ取ることができれば理想的です。
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春まだ浅い駿河路へ 2013

2013-02-16 17:44:54 | 東海
日没を見届けて撮影終了です。ありがたみがないなどと言っておきながら、結局手持ち撮影の限界まで粘ってしまうのですから、相変わらずあきらめの悪い人間です。やはり、雪をかぶった富士山頂が少しずつ暗くなる様は、全く同じ絵柄と分かっていても見入らずにはいられません。
一方、半島の先端から望む清水市街の夕景は、今回も美しくはあるものの、夕空の色合いの鮮やかさに関しては前回の方が明らかに上でした。おそらくは、空気の透明さがほんのわずかに違うのでしょう。前回の夕景がいかに見事だったかを、思わぬ形で実感させられます。
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春まだ浅い駿河路へ 2013

2013-02-16 15:36:11 | 東海
清水港を回り込み、因縁の三保海岸を再訪します。砂浜の向こうには雪をかぶった富士山が。非の打ち所のない実に見事な眺めです。しかし、前回一点の曇りもない青空の下でこの景色を眺めており、なおかつ時間帯もそのときとほとんど変わらないため、さほどありがたみを感じられないのが惜しまれます。結局本日昼の部の収穫は薩埵峠と由比漁港と三保海岸のみで、しかもその全てが前回とかぶっています。やはり、今回は何から何まで空回り気味ですorz
もっとも、この時間からでは代わりに行く場所の心当たりもありません。新鮮さには欠けるものの、何度眺めようとも見事な景色には違いないので、今回もここで夕景を見届けます。
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春まだ浅い駿河路へ 2013

2013-02-16 14:41:24 | B級グルメ
峠を下り、由比の漁港でかき揚げ丼をいただきます。なにも由比まで引き返さずとも、清水の市場へ行けばよりどりみどりの品書きから選び放題でした。それでもわざわざここを選んだのは、青空の下でこの丼をかき込むのが最高の贅沢だからなのです。

浜のかきあげや
静岡市清水区由比今宿字浜1068-2
0543-76-0001
1000AM-1500PM(休漁期間中月~木曜、漁期間中月曜定休)
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春まだ浅い駿河路へ 2013

2013-02-16 13:52:34 | 東海
毎度おなじみ薩埵峠から駿河湾と富士山を遠望します。富士山にかかっていた雲がほぼ晴れて、期待通りの絶景が広がっています。気温も10度近くまで上がり、短時間なら上着も要らないような暖かさです。
それはよいのですが、ここで新たな問題が。三脚の取り付け穴が摩耗により使えなくなってしまいました。この一ヶ月、交換レンズが立て続けに三本もいかれてしまったり、三脚をなくして買い換える羽目になったりと、どういうわけか機材のトラブルが絶えません。今回はカメラが三脚に取り付けられないだけなので日中はどうにかなるとしても、これで夜間は事実上撮影不能となります。今回は日が傾いて光量が落ちたら早々に切り上げるしかなさそうですorz
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春まだ浅い駿河路へ 2013

2013-02-16 12:05:59 | 東海
峠を下りて毎度おなじみ柿田川に着きました。空が晴れてきたのはよいものの、今度は富士山頂が厚い雲に覆われてしまい、これでは特にどこへ行く気も起こりません。沼津港で腹ごしらえをしようにも、あいにく昼時の一番混む時間に重なってしまうため、おそらく車を停めるだけでも難儀するでしょう。この状況では打つ手がないため、とりあえずこのまま1号線を下り、お昼は由比か清水でとることにします。今回はやることなすこと空振り続きですorz
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春まだ浅い駿河路へ 2013

2013-02-16 11:14:49 | 関東
結局伊豆には向かわず、西湘バイパスから箱根新道に入りました。道が混んでいたのかというとそうではなく、横浜市街を出るあたりから曇ってしまい、わざわざ行く動機を失ったというのが真相です。とりあえず、富士山は多少の雲をまといながらも山頂まで晴れていたため、西へ向かえばある程度天候が回復するのではないかと期待しています。こんなことなら初めから東名で距離を稼いでいればよかったのですが、都内を出る時点ではこのような展開は予想できなかったので仕方がありません。
ちなみに只今箱根峠を越えたところで気温は氷点下1.5度、外には小雪が舞っています。峠の先が晴れていれば三島か沼津で昼食をとってから先へ進み、そうでなければ天候が回復するところまで1号線を下る予定です。
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春まだ浅い駿河路へ 2013

2013-02-16 08:32:48 | 関東
前言をやすやすと翻し、第三京浜を走って保土ヶ谷に着きました。この後は横浜新道、西湘バイパス、真鶴道路と乗り継いで伊豆方面へ向かいます。理由は偏に、湘南の海と大磯の松並木、さらには小田原から熱海にかけて相模灘の眺めがよく、東名をまっすぐ行くよりこの方が楽しいからです。ただ、以前この時期に伊豆半島へ足を踏み入れたところ、件の「河津桜」の弊害なのか、どこへ行ってもうんざりするような大渋滞で辟易したことがありました。とりあえず伊東まで南下し修善寺へ抜けるつもりのところ、あまりに混むようなら熱海か小田原で進路を変えて西へ進むつもりです。
それにしても、外の寒さはかなりのものです。2度という気温もさることながら風が強く、長時間立っているにはかなり難儀します。透明な青空ともども、冬の名残を惜しむにはおあつらえ向きの一日になるでしょう。
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春まだ浅い駿河路へ 2013 番外編

2013-02-16 07:30:06 | 関東
ここで業務連絡があります。三連休の活動記録も完結しないまま、今週末は早春の駿河路へ一泊二日の小旅行へ出ることになりました。昨秋の活動再開から毎日更新に近いペースを保ってきたこのblogですが、ここへ来て活動やら身の回りの事どもが立て込み、いよいよ更新が追いつかなくなってきました。もっとも、去年の今頃にも似たような現象は起きていたので、ある意味例年通りの展開と思えばよいのでしょう。空白の記録が埋まるのは帰着後、あるいはさらに先となるかもしれませんがご了承のほどお願いします。なお、このメッセージは自動的に消滅します…
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春まだ浅い駿河路へ 2013

2013-02-16 07:08:27 | 関東
結局四時過ぎに目覚めはしたものの、旅支度に手間取りようやく出発と相成りました。とりあえず本日は御殿場まで東名に乗り、そこから一般道を少しずつ下って清水に泊まります。翌日は大井川に沿って川根路を上る予定です。
それにしても、これほど出発が遅れたというのに、外はようやく日が昇ったばかりといった状況です。今日の日の出は6時27分で、今季一番日の出が遅かった元日に比べて24分、前回静岡を旅した三週前に比べても18分早まってはいるものの、目に見えて日の出が早くなったという感覚はありません。あと数日もすれば一日一分以上の割合で日の出が繰り上がり、一月後には36分繰り上がって5時51分となります。日の出の早さを実感するのは、三月に入ってからということになりそうです。
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