秩父屋台囃子傳承會 覚書

秩父屋台囃子について

秩父屋台囃子・・・顧

2011年12月27日 | 秩父屋台囃子

大祭も終わり、一年を振返り秩父の太鼓を考えてみました。

秩父夜祭が四百年余り続くなかで、現在の秩父屋台囃子に変わって僅か五十年です。以前は、拍子が速く、節も現在とは違っていました。この節は、秩父のある地域で今も残っています。

先人によって作りかえられた現在の秩父屋台囃子は、実に巧妙に出来上がっています。その当時の叩き手の技術の高さ、音楽的なセンスには驚くばかりです。

この拍子は、小太鼓の拍子に確実に乗せる様に作られていて、大太鼓のソロ演奏のように思われがちですが、実は小太鼓が主になっているお囃子で、我々太鼓叩きは、子供のころ先輩方から「このお囃子は小太鼓にあわせなけりゃだめなんだからな」とよく言われたのを覚ています。

お互いが協調しあい、一つの音にする合奏そのもので、叩き手の気持ちが合った時は小太鼓は、一つに聞こえそれに大太鼓、笛、鉦が乗っかって行くこれこそが、秩父屋台囃子の醍醐味です。

秩父屋台囃子は、ある程度の技量に達すると、基本的な叩き方から各々が自分のセンスと技量によって節を作り、全体的な構成を考えて叩きます。しかし最近その叩き手の感性?なのか新しい節を耳にします。個性のとらえ方が違うように思えてなりません。秩父屋台囃子は、テレテッケという小太鼓の4打の異なる間に大太鼓の拍子を確実に乗せ(笛も同様)、互いの息が合った時に初めて個性が現れ、協調することで一層その個性が強調されるもので独りよがりな叩き方は違和感を感じます。

では、このお囃子の個性とは何かと問われればそれは、太鼓を打つ強弱と間。この強弱と間は小太鼓のテレテッケの4打の拍子を確実にとらえること、だと思います。個性を現すには、如何に小太鼓の拍子を理解しているかにかかっています。

小太鼓の拍子に大太鼓の拍子を素直に乗せて叩けば打つ手は自然に決まりその中をセンスと技量で自分の独特な節を作っていくことが出来るわけです。

このように秩父屋台囃子を先人たちは、小太鼓の拍子を基本に左打ちの独特な節を作り上げました。

 

伝承芸能の秩父屋台囃子を現時点で考えてみれば、時代、世の中の動き、人々の考え方、暮らし方等によって変わって行くように思います。以前は農業が中心で農家が大半を占めていた秩父地域も現在は逆転しサラリーマン家庭が大勢を占め五穀豊穣を祝う秩父夜祭も我々の暮らしからある意味遠ざかっているように思います。このお祭りの本来の意味をもう一度考えてみる必要があると思います。このような点から秩父屋台囃子を考えれば秩父の民の一年に一度の楽しみであるこのお祭りに民衆の力が集結し、すばらしい笠鉾、屋台とともに秩父屋台囃子が誕生したわけです。本来の秩父屋台囃子とは何かと言うことを考え、未来のために秩父の文化として継承して行くことが我々叩き手の役目だと強く思います。

時代の流れで伝統的な秩父屋台囃子が途絶えることのないように秩父の太鼓叩きとしてこのお囃子を伝えることの責任を感じています。

 

 

                      秩父屋台囃子傳承會(鼓恩般若院)

 

 

 

 

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秩父夜祭

2011年12月05日 | 

雨天により、大幅に昼の行事は変更となりましたが、本祭は、北辰の神に見守られ無事に終了致しました。

 

新旧、入り混じる太鼓の音に時代の流れを感じます。

秩父屋台囃子傳承會は、先人達から受け継いだこのお囃子を伝えて行きたいと思います。

                          秩父屋台囃子傳承會(鼓恩般若院)

 

 

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