karibu sana

育児しながら卒業した看護学校。で、今、看護師してます。

心がせまい

2018-09-07 | Weblog
北海道の震災、大変ですよね。
普段当たり前に生活していたのが当たり前でなくなるということ、
生活そのものも大変でしょうし、気持ちの上でもショックだと思います。
そして肉親や友達を亡くされた方、本当にお辛いと思います。


7年前の東日本大震災のとき、
私もかなりの被害をうけて、当時住んでいた社宅はもう住めず、
地震の当日と次の日は体育館で泊まりました。
しかもその一週間前に出産してまして、新生児を抱えての避難でした。
幸いにも2日間でなんとか寝られるスペースは確保し社宅に戻ったのですが
食料もないし、後片付けやら次の住まいさがしやらに新生児と褥婦と小学1年生が
いたのではどうにも動けないので、1年生と新生児を連れて実家に帰ったわけです。
震災から4日目に。北海道の札幌の実家へ。飛行機にのって。
怪我もなくケロッとして私たちは現れたし、そんなに悲惨なこととして受け止めなかったのは
かえって実家の方としては気配りだったのかもしれませんが、実家は私たちに冷たかった。
テレビでは津波の被害や原発の被害については放送していたけれども
純粋に地震の揺れの被害だけだった栃木についてはまったく放送なし。
でも全国で地震の揺れだけの被害でいえば栃木の私の住んでいる地域が一番ひどかった。
非公式ながら震度7でした。

弟の嫁は、次の年の年賀状にこう書いてきました。
「お変わりありませんか?」
子どもが産まれて1週間で震災にあって引っ越しをしなくてはいけないぐらいの
被害にあってるんですよ? 
それを「変わりないです~」と言えるくらい私は強い人だと思われてるのか?


震災から7年たち、そんなこんなのいやなことも徐々に薄れて「まったくもう」と
笑い飛ばすか忘れることにするか、・・・そんなころにこの北海道の震災。

申し訳ないけど。
本当に私よりももっと大変な思いをした方もたくさんいるなかで。
ごめんなさい、
あの時私に冷たかった人たち、無神経だった人たちに私は言いたい

「ザマアミロ」
「思い知ったか!」


なんつって自分の心の狭さを知る。心が痛い。いろんな意味で。
そんなこと思い知らなくてよかったことなのにね。ザマ見なくてよかったことなのにね。




桜の森の満開の下

2018-09-05 | 趣味話
野田さんの舞台観てきました。

野田さんの若い時代の集大成、的な。
今これをもしも新作で書いてたらこうはなってないと思う。
歌舞伎とかお能とかの手法にも通じちゃってるから
それをも飲み込んでなにができるかっていう。
お能でやっても良かったよなぁ。
だって鬼と桜の満開の下ですもん。

安吾先生が亡くなった年齢にもたぶん野田さん近づいてきてて
若い頃のようにはやっぱりいかないでしょうね。
贋作、とうたってて正解でしたね。

でも、「わかる」。
野田さんの舞台はわかんないところもあるのが魅力なはず。
わかっちゃう。
戯曲も原作も愛読してたけど、
「そうきたかー」っていう感じが今回あんまりなかったです。
すみません生意気です。
わかってるのに胸がしめつけられる~・・・っていうのが今回は
あんまりなかった。

なんでかな。
深津絵里さんもよかったしなんといっても天海祐希さんの
恰好いいこと! めちゃめちゃかっこいい。あんなかっこいい俳優さんは
そうそういない。きっと女性はみんな「こんな彼氏がいたら!」って
思ったんじゃないかなぁ。

野田さんもいろいろ模索してるんだろうなっていう感じはします。
いろーんなことやってきて、原点に帰ろうというか。

年を取るっていうのは。
若いころから「少年」をキーワードに飛ばしてきただけに、年の取り方って。
キャストも落ち着きすぎてたのかもしれないです。実力があるのはわかってる方たち。
たとえば耳男はもう少し若い役者さんでもよかったのでは。

観客層も年を取りましたよね。平日の昼間だったから余計にそれも思った。

いやー
野田さんの突き抜けていく感じってすごく好きだし
ついていこうって思ってたんですけど
これからもついていきますけど
野田さん
うーん
調和を超えたところにあるもの、
なにか変でも強引に納得させちゃうパワー、
面白がらせちゃうパワー、
それが野田さんの魅力だと思っているので
キレイなのはいいんですけどそれをさらに一つひっくり返してくれるものが
野田さんには求めちゃう、すみません。

「キレイな芝居でした」っていうのは野田さんに対しては誉め言葉じゃない。
キレイでいいんですけど、でもなにかキレイなだけじゃないものがくすぶっていて
何か気になって・・・・っていう。


坂口安吾の原作のほうがキレイなだけじゃない気持ち悪さが強いなあって思った。
ああそう、「孤独」がまだ出し切れてないんじゃないかと。
「孤独」の美しさ、はてのなさ、が、足りないんじゃないかと私は思った。



泣けた「ペンギンハイウェイ」

2018-09-02 | 趣味話
「ペンギンハイウェイ」子供たちと観てきました。
泣けた。すごく泣いた。
子どもは泣いてないです。子供には難しかったんじゃないかな?
5歳と7歳の子供には。

でもこれ、子育て中の親としては
子供っていつかはこんな風に
親の手を離れて生きていくんだなって
自分という自己をしっかり持って生きていくんだなって
親はそれを見守って手をはなすことしかできないんだなって
思ったら涙がぶわーっと出てきました。

「ポニョ」と似てるかな?と思いました。
ポニョに出てくる男の子は5歳?6歳? それでちゃんと好きな女の子を
守ろうと行動する。
ポニョのほうがおとぎ話で、魔法が使えてポニョは人間の女の子になり
男の子とともに成長するのでしょうけど

ペンギンハイウエイには魔法はなく
10歳の男の子は好きな女の人を守ろうと頑張って行動するのですが
魔法はなく
最後は日常に戻り
男の子は自己を個性をお姉さんの記憶を、コブのように自分の中にあるのを意識して
この日常の中で生き続けていくわけです。

自分が他人と違っていること
自分のなかで譲れないもの
を、内包しつつ
現実の世の中で生きていく

これってまさに大人になること、だよなぁと。

今私に引っ付いてる子供たち、
彼らにも自分だけのコブがあって
で、独り立ちしていくわけです。いつか。

いやー泣けた。
こういう見方をする人はあんまりいないかもしれないですけど。
ただの数日間の不思議な出来事、を描いただけかもしれないですけども。



賢治先生

2018-09-01 | 読書記録
「銀河鉄道の父」読了。
すごくよかった。
賢治先生、そのまま先生続けていればそこそこ健康にもっと長生きできたかもしれないのに。
いろんな評論とかを読んでいて、賢治先生は激しい人だと、もっと破壊的な破滅的な人かと
思っていたのですがこの本の中ではそうでもなく。よかった。
賢治先生、改めて大好きだなあと思いました。
最近読んでないけども。
賢治先生の書いた詩ですごく好きなのが、農学校の生徒にあてた詩で、
不作になりそうな稲について、そんなときはこうするのだ、ということを
優しく教えてさいごにこの子の未来がいいものでありますようにと願うものがあって
今手元に本がないので正確なところとかタイトルとかわからないんですが
やっぱりすごい人だなあと。
そのお父さんに光を当てたこの作品ですが、お父さんもすごく魅力的で。
そうだよね、賢治さん一人ぽこっとこんな人が出てくるわけではなく
何世代かの準備があって出てくるんですよね。

賢治さんが童話をたくさん書いたのは布教のためだという論評も読んだことがあるのですが
この小説の中では布教ではなく幼いころから妹トシさんと話し合っていたことが思い出されて・・・
というふうになっていて、そのほうがいいなあと思いました。

もしこれ映画化するとしたら
お父さん役は真っ先に思いついたのが杉本哲太さん、もうひと世代下だと鈴木浩介さん。
賢治役は誰だろうな。
38歳くらいで死んでしまうので若手で、・・・うーん志尊尊くんとか・・・若すぎ? きれいすぎ?

映画になったらきっと面白いだろうなと思いました。