森田宏幸です。
今日は、2009年11月7日です。
一昨日書いたとおり、ブログの更新を再開します。
最後に書いた記事「DVDリテイクによせて」の日付を見ると、更新をしなかったブランクが二年間にもなっていることに今さら気がついて、自分でも驚いています。
このブログを読んで下さる皆さんに、何の断りもなく、二年間ものあいだ、更新を休んでしまったことを、再度、重ねてお詫びいたします。大変失礼しました。
それで、今日は、そのお詫びも兼ねて、最後にブログを更新した後、私がどのように過ごしていたかを書きます。
まず思い出すのは、「ぼくらの」のDVDリテイクの作業が、思ったより忙しく大変だったことです。
「DVDリテイク」とは、テレビ放映が終わったあと、DVDの発売までの期間を利用したリテイク作業のことで、主に作画と仕上げと撮影の直しが行われたのですが、こと作画に関しては、その時すでにスタッフは解散していましたから、私が自分で原画を描くということになりました。
テレビ放映中、すでにDVDの発売が始まっていましたから、最終回の制作が終わる前の、11話までは、各話の作画監督さんが手直しをしてくれていますが、最終回の制作が終わったあとに発売された、12話以降に関しては、私自身が原画を描いて直しています。私自身がアニメーターで、ある程度描けるものですから、ついこだわってしまって、そのようになってしまう。たまたま手が空いていて、手伝ってくださった原画さんもいましたから、全部自分でというわけではありませんが、その後結局、2007年の12月末まで、私はあいかわらず、会社に持ち込んだ寝袋に寝て、泊まり込んで作業していたと思います。たまたま訪れたスタッフに寝ているところを見られて、「監督、まだやってたんですか?」と言われるたのが、ちょっと恥ずかしかったのを憶えてます。
年が明けて、VTR編集を終えて、オーディオコメンタリー(DVDの副音声に特典として収録されている、私や声優の皆さんの音声解説のようなもの)の収録などを終えたのが、私の「ぼくらの」の仕事の最後でした。もう充分、悔いはない、というところまで納得して、終えたことを、ここに書き残しておきます。
ここでちょっと念のため、補足しておくのですが、このようにして行われたDVDリテイクの作業は、レンタル用のDVDには反映されません。これは、販売用のDVDの売り上げを守るための業界全体のルールだそうです。私はこのことをゴンゾのデスクのSさんに教わりました。
なので、皆さんがレンタルビデオ店で「ぼくらの」を借りても、テレビ放映時と同じものを見ることになることをご了承ください。とはいえ、DVDリテイクと言っても、わずかな直しです。絵の荒れや、動きのミスを直しているだけで、芝居やストーリーはまったく変わりませんので、販売用のDVDも放映時の「ぼくらの」も、同じ「ぼくらの」と私自身も考えていることを、ここにお断りしておきます。
それで、話は戻りますが、「ぼくらの」を終えた私は、ほっと一息ついて、体を休めることも出来たので、ただちに、ブログを再開できるはずだったのですが、不思議とこれが、なかなかそうはいきませんでした。まず意識したのは、再開しても、そのまま、以前のように、書き続けることが出来るだろうか、ということです。ブログの更新を続けて行くには、文章を書いてアップする、それを毎週とか隔週、続けていくリズムというようなものが必要で、それさえつかめれば、少々忙しくても、書けるものなのですが、そのリズムを一度失ってしまうと、なかなか取り戻すことが出来ないということがありました。
そして、やはり、膨大に届く、コメントを意識したということもあります。すべて読まなければと、読み始めるのですが、読むだけで、一日が終わってしまう。それで読み終わればまだよいのですが、全然追いつきません。実は、最後に更新した、「DVDリテイクによせて」に集まったコメントも、2年たった今でも、まだ、半分も読めていません。申し訳ないことです。
この、皆さんから届いたコメントと、今後の私の立場の取り方については、後日書きます。
それで、そのようなことを考えているうちに、2008年の2月から、「ぼくらの」で活躍してくださった作画監督さんへ恩返しに、いくつか原画の仕事を引き受けました。それは「ドラゴノーツ」や「アフロサムライ2」「コブラ」などですが、そうした仕事に没頭しはじめるうちに、ブログを再開する機会を完全に逸してしまった次第です。
原画の仕事が一区切りついたあとは、絵コンテの仕事をたくさんやりました。「秘密」や「鉄腕バーディー」「黒執事」などです。
その間、監督の依頼をいただくこともあったのですが、具体的にお引き受けするには至りませんでした。そんなわけで、その後も、私はあいかわらず、忙しいことは忙しかったのですが、監督をやっている時のような、殺人的な忙しさには陥らすに済んで、今年の今日まで至っています。監督が出来ないのは残念でしたが、これはこれで、自分にとって貴重な時期だと思い、以前から時間が出来たらやりたいと思っていたことをやっていこうという意識になりました。
具体的には、引っ越しをするとか、人付き合いを増やすとか、そうした細かいことから、専門学校や大学で先生をやるとか、そうした自分自身としては大きな挑戦もはじめました。
そうした中のひとつに、広島国際アニメーションフェスティバルを見に行った、ということがありまして。2008年の8月の夏の真っ盛りに、無理矢理スケジュールを割きまして、一週間ほど泊まりがけで、広島に行って参ったのです。自分としては珍しい、休みらしい休みだったのですが、これが本当に行って良かった、勉強になりました。
このような機会もあって、去年から、短編のアニメーションの作家の皆さんとのお付き合いが増えた、というようなこともあります。自分にとっては、大変な勉強になっています。
こうした経験を通じて、私が学んだことも、のちのち、このブログで書いていけると思います。このような刺激が、私に再び、ブログを再開する力を与えてくれた、ということもあるので。
つい長くなってしまいました。
大変まとまりが悪いですが、総括としてはこのへんにしておきます。
最後に、ひとつお約束したいと思います。
もしも次に、なんらかの理由で、ブログの更新が長期間滞るようなことがある時は、事前にその旨をきちんと皆さんに予告いたします。何も断らずに、沈黙するようなことはないようにいたしますので、どうぞよろしくお願いいたします。
また書きます。
今日は、2009年11月7日です。
一昨日書いたとおり、ブログの更新を再開します。
最後に書いた記事「DVDリテイクによせて」の日付を見ると、更新をしなかったブランクが二年間にもなっていることに今さら気がついて、自分でも驚いています。
このブログを読んで下さる皆さんに、何の断りもなく、二年間ものあいだ、更新を休んでしまったことを、再度、重ねてお詫びいたします。大変失礼しました。
それで、今日は、そのお詫びも兼ねて、最後にブログを更新した後、私がどのように過ごしていたかを書きます。
まず思い出すのは、「ぼくらの」のDVDリテイクの作業が、思ったより忙しく大変だったことです。
「DVDリテイク」とは、テレビ放映が終わったあと、DVDの発売までの期間を利用したリテイク作業のことで、主に作画と仕上げと撮影の直しが行われたのですが、こと作画に関しては、その時すでにスタッフは解散していましたから、私が自分で原画を描くということになりました。
テレビ放映中、すでにDVDの発売が始まっていましたから、最終回の制作が終わる前の、11話までは、各話の作画監督さんが手直しをしてくれていますが、最終回の制作が終わったあとに発売された、12話以降に関しては、私自身が原画を描いて直しています。私自身がアニメーターで、ある程度描けるものですから、ついこだわってしまって、そのようになってしまう。たまたま手が空いていて、手伝ってくださった原画さんもいましたから、全部自分でというわけではありませんが、その後結局、2007年の12月末まで、私はあいかわらず、会社に持ち込んだ寝袋に寝て、泊まり込んで作業していたと思います。たまたま訪れたスタッフに寝ているところを見られて、「監督、まだやってたんですか?」と言われるたのが、ちょっと恥ずかしかったのを憶えてます。
年が明けて、VTR編集を終えて、オーディオコメンタリー(DVDの副音声に特典として収録されている、私や声優の皆さんの音声解説のようなもの)の収録などを終えたのが、私の「ぼくらの」の仕事の最後でした。もう充分、悔いはない、というところまで納得して、終えたことを、ここに書き残しておきます。
ここでちょっと念のため、補足しておくのですが、このようにして行われたDVDリテイクの作業は、レンタル用のDVDには反映されません。これは、販売用のDVDの売り上げを守るための業界全体のルールだそうです。私はこのことをゴンゾのデスクのSさんに教わりました。
なので、皆さんがレンタルビデオ店で「ぼくらの」を借りても、テレビ放映時と同じものを見ることになることをご了承ください。とはいえ、DVDリテイクと言っても、わずかな直しです。絵の荒れや、動きのミスを直しているだけで、芝居やストーリーはまったく変わりませんので、販売用のDVDも放映時の「ぼくらの」も、同じ「ぼくらの」と私自身も考えていることを、ここにお断りしておきます。
それで、話は戻りますが、「ぼくらの」を終えた私は、ほっと一息ついて、体を休めることも出来たので、ただちに、ブログを再開できるはずだったのですが、不思議とこれが、なかなかそうはいきませんでした。まず意識したのは、再開しても、そのまま、以前のように、書き続けることが出来るだろうか、ということです。ブログの更新を続けて行くには、文章を書いてアップする、それを毎週とか隔週、続けていくリズムというようなものが必要で、それさえつかめれば、少々忙しくても、書けるものなのですが、そのリズムを一度失ってしまうと、なかなか取り戻すことが出来ないということがありました。
そして、やはり、膨大に届く、コメントを意識したということもあります。すべて読まなければと、読み始めるのですが、読むだけで、一日が終わってしまう。それで読み終わればまだよいのですが、全然追いつきません。実は、最後に更新した、「DVDリテイクによせて」に集まったコメントも、2年たった今でも、まだ、半分も読めていません。申し訳ないことです。
この、皆さんから届いたコメントと、今後の私の立場の取り方については、後日書きます。
それで、そのようなことを考えているうちに、2008年の2月から、「ぼくらの」で活躍してくださった作画監督さんへ恩返しに、いくつか原画の仕事を引き受けました。それは「ドラゴノーツ」や「アフロサムライ2」「コブラ」などですが、そうした仕事に没頭しはじめるうちに、ブログを再開する機会を完全に逸してしまった次第です。
原画の仕事が一区切りついたあとは、絵コンテの仕事をたくさんやりました。「秘密」や「鉄腕バーディー」「黒執事」などです。
その間、監督の依頼をいただくこともあったのですが、具体的にお引き受けするには至りませんでした。そんなわけで、その後も、私はあいかわらず、忙しいことは忙しかったのですが、監督をやっている時のような、殺人的な忙しさには陥らすに済んで、今年の今日まで至っています。監督が出来ないのは残念でしたが、これはこれで、自分にとって貴重な時期だと思い、以前から時間が出来たらやりたいと思っていたことをやっていこうという意識になりました。
具体的には、引っ越しをするとか、人付き合いを増やすとか、そうした細かいことから、専門学校や大学で先生をやるとか、そうした自分自身としては大きな挑戦もはじめました。
そうした中のひとつに、広島国際アニメーションフェスティバルを見に行った、ということがありまして。2008年の8月の夏の真っ盛りに、無理矢理スケジュールを割きまして、一週間ほど泊まりがけで、広島に行って参ったのです。自分としては珍しい、休みらしい休みだったのですが、これが本当に行って良かった、勉強になりました。
このような機会もあって、去年から、短編のアニメーションの作家の皆さんとのお付き合いが増えた、というようなこともあります。自分にとっては、大変な勉強になっています。
こうした経験を通じて、私が学んだことも、のちのち、このブログで書いていけると思います。このような刺激が、私に再び、ブログを再開する力を与えてくれた、ということもあるので。
つい長くなってしまいました。
大変まとまりが悪いですが、総括としてはこのへんにしておきます。
最後に、ひとつお約束したいと思います。
もしも次に、なんらかの理由で、ブログの更新が長期間滞るようなことがある時は、事前にその旨をきちんと皆さんに予告いたします。何も断らずに、沈黙するようなことはないようにいたしますので、どうぞよろしくお願いいたします。
また書きます。
森田さんの書き方は状況報告の側面が強いというか、少々かたすぎる印象を受けました。
個人でやっているブログなのですから、あまり真面目になり過ぎずに自分も楽しん書けるものをドンドン書いていったら良いのでは?
クリエイターが客の顔色伺っても仕方ないですよ!
もっと傲慢に自分のやりたいことやりましょう!
コメントなんてスルーでOKです!
これから何か絵コンテ関係等の仕事の機会があったら情報を載せてくれると嬉しいです
勿論プライベートの更新も嬉しいです
けどお体を壊さない程度に更新してください
楽しみにしてます
途中で止まってしまって残念でした。
(特に12話)
いつの日か書いてくださることを期待してます。
よもや復帰するとは思っていなかったので
テンプレートが変わっていてびっくりしたよww
にしても復帰早々DVDのPRとは義理堅いねぇ・・・
ところで
moriphyが仕事に没頭していたこの2年間に
世の中は結構様変わりし、アニメの置かれている状況も
大きく揺らいだんじゃないかな。
子供の楽しめるエンターテイメントは形を潜め
大人のカタルシスとオタクのフェティッシュを充足させるだけの
シンボリックな女の子が登場するだけの
2次元のお人形遊び。
そんな印象のアニメ業界の内側にいて
どんな変化を受け止めているのか
ねえmoriphy
そんなお話がたのしみだねww
ブログに替えてツイッターにしてみてはいかがでしょうか?
お忙しい方には合うかと思いますし、無責任な誹謗中傷の回避も出来ると思います。
ツイッターはブログの進化系でやがてブログや掲示板自体衰退していくものだと思います。
(既に始めておられてましたら失礼しました)
自分から森田さんに出来ることは応援くらいですが、森田さんのブログ読むの好きなので頑張って下さい!
たまにアニメのエンディングなどでお名前を拝見すると「あぁ、頑張っているんだな」なんて思っていたものですが、とりあえずブログ再開おめでとうございますの一言だけお伝えしたく書き込みさせていただきました。
お体に気をつけて、これからもお仕事頑張ってください。
とにかく森田さんの原画を見たい
ラフでも何でもいいから森田さんの絵が見たい