球形ダイスの目

90%の空想と10%の事実

読書メモ:肩をすくめるアトラス

2022-01-29 | 趣味(旅行・娯楽・読書・食)
岡田斗司夫のyoutubeを何となく見て気になったので読んでみた
"肩をすくめるアトラス"。3巻で2000ページくらいにもなる長大な文章だが、
先日読み終わったので、レビューや他の人の意見を見る前に自分の感想を書いてみたい。

まず、専門用語が少なく登場人物も多すぎないので、単純に読んでいてストレスが少なく面白い。また、若い読者が、良い仕事をして自分で世の中を動かしていこうという健全な野望を育てるのにとても良い本であると思う。
ダグニーを筆頭に"有能"側の陣営が、格好良く光り輝くものとして描写されているためである。

一方、読んでいて何だかなぁと思う点。
作者がダグニー側の肩を持っているため、何故か"正義キャラはイケメンで有能で金持ち、悪役キャラはブサイクで無能で貧乏"みたいな書かれ方をし過ぎている。
ダグニーサイドが全員"容姿端麗・有能"、
ジェイムズサイドが全員"醜貌怪異・無能"と判を押したような性能になっていて、
挿絵を描こうとすると、ほぼ
男性・美男子 男性・ブサイク
女性・美人 女性・ブサイク 
の4タイプしかいない。あまり個人の書き分けがない印象。
唯一のフツメン男性はエディーくらいかな。
※この人は、小説の中ではダグニーサイドとジェイムズサイドの"通路"役であり、最後まで影が薄かったのは否めず。

個人的にはアトランティスという空想の国が大好きなので、
第3巻の"アトランティス"という章が読んでいて楽しくてしょうがなかった。
ヘラクレスの栄光4のように描かれたアトランティスがあり、
この本に書かれたアトランティスがあり、めいめいが魅力的なアトランティスである。

文章が長いのである程度読書に慣れた人でないとキツいと思うが、
自分が目指すべき仕事人の像のイメージを確立するために読んでおいて損は無い本である。




コメント
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