球形ダイスの目

90%の空想と10%の事実

鑑賞は解釈ではない

2019-07-21 | 趣味(旅行・娯楽・読書・食)
今日は新海誠の新作、天気の子を見た。


○総合 7/10(適当、"君の名は"は8/10)とする
やっぱ恋愛の胸キュンはいいなー。女性キャラ可愛いし、映像もよかった。ハッピーエンドだし。
ただ、後述するように登場人物造形はやや癖があり、
好みが分かれるか。

○超あらすじ
天に祈りを捧げることで周囲の雨雲を晴らす力を持ったヒロイン。この力を人の為に使うことを学び、周囲の人に"晴れ"を提供する仕事に生き甲斐を見出していたが、この力には代償があった…


長くなるが、もう少し細かくも書いてみよう。
ただ、登場人物の説明とかは省きたい。

印象的だった部分を拾うので、
断片的に箇条書きで書くことになる。
少しネタバレはあるかも知れないので、未見の方は見ないほうが良いかな。


・現実に即した建物と美しい風景
町並みや劇中で書かれる食べ物は非常に現実のものに寄せてあり、2019年の生活の資料的価値すらある。
チキンラーメンとコイケヤのポテトチップス、
カップヌードルやカレーメシ、など。
雨は雨の降りしきる静けさと美しさ、
晴れは人の心の明るさと視覚的な明るさを共に象徴してくれた。

・まさかのスターシステム
前作の人物がチョイ役で出ていて、同じ世界線なのかと思わされるものがあった。

・音楽(音)
話の盛り上がりと音量が基本的に連動しているので、耳さえ開いていれば物語の起伏を肌で感じていける。
前作より良い意味で印象的だったと思う。

・予言かと思った
劇中の時期は丁度梅雨くらい、公開時期に合わせていると思われる。
都心が未曾有の大雨に見舞われるのだが、まさに今年、場所こそ違えど、そのような事が日本で起こっている。
予言かと思った。まぁ、フィクションなので話が進むにつれ、都心が水没?するなど、現実を凌駕していったが。アトランチスかよ…

・キャラのバックグラウンドがやや暗い
"君の名は"に出てきた瀧くんと三葉は、二人とも環境に恵まれ心身健やかに生活していたのに対し、
今回の帆高と陽菜は、そうではない。それぞれの理由で生活に苦労しており、周辺に相応にガラの悪い人物も出てくる。そういう点で、アニメなのに実写ドラマのような生々しさがある。
昨日は"万引き家族"を見たが、何か同じような展開を2日連続で出された気分になってしまった。
言い方を替えると、人物の描かれ方がセカイ系っぽい印象。


以下は個人的な感想だ。
僕の場合、SF(すこしふしぎ)が入ったアニメに現実の舞台を持ち込まれるのは好きではない。
今回の作品なら新宿とか代々木とか。

これが入っていることによって、例えば新宿駅を鳥瞰で見た際に、"あそこは新宿御苑で、あそこはコクーンタワーか"みたいに、駅からの位置関係の知識を基にした解釈が始まってしまう。
それまで映像や音楽をありのままに感じ、普段あまり使わない五感を浸していたところに、
解釈という左脳的な作業の割り込みが入ってしまうことによって我に返ってしまう。映画への没入感が無くなってしまうのである。
自分にとって映画を見ることの意義とは、普段あまり使わない右脳を存分に使って頭をリフレッシュすることに他ならない。
だから、映画を見るなら最初から最後まで少し不思議な世界に居たいのだ。









コメント
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