バチカン市国のサン・ピエトロ寺院の中で、一番印象的だったのがこの「ピエタ像」です。
薄暗い寺院の中の一番端にありました。
ミケランジェロ23才のときの作品だそうで、唯一サインが入っているのだそうです。
教科書などで見たとき、磔にされて死んだキリストをマリアはどんなにか深い悲しみで、抱いているのだろう。と、母の悲しみを感じていました。
確かに、人ごみを掻き分けて見たときには、悲しみの像に見えて、じっと見入ってしまいました。
でも、
しばらく見ているうちに、不思議な安堵感を感じたんです。
人々を助けようと自分を信じて宗教を創め、
弾圧に苦しめられて最期には磔にされ、やっと下ろされた息子の死体を抱いて
「ああ、やっと母のところに戻ってきた。よくがんばったね。
もう、苦しむことはないよ。ママが胸に抱いてあげているから。」
そんな優しい母の顔に見えたんです。
誰を恨むのでもなく、我が子だけを見つめている目。
母と子だけの空間という気がしました。
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