逆風に抗して Against the wind,♪ we are running against the wind.♪
ここではないどこかへ。モモンガーの旅
2018年に横浜から信州にUターン
自転車と日々の生活を
綴ります。
 



-このエントリーはようやく落ち着いた1ヶ月後に、当時の日付で書いている--

あけて、8月15日、今日は終戦記念日だ。世間一般はお休みなのに、腕の良さそうな
大勢の医師、看護師に囲まれて、手術を受けることになった。

骨盤の手術は大掛かりなもので、麻酔医二人と外科医二人、研修医一人、数名の看護師
のチームが朝の9:30から16:00まで、6時間半に渡る手術であった。

後でCTと術中の写真で説明されたが、AO財団が標準化したKocher-Langenbeck
手法に従って手術したのだそうだ。

この手法はまず右足ハムストリング他の筋肉を300mm程度切開し、筋肉の中を走っている
坐骨神経を慎重に横に寄せた後、さらに筋肉を切り開き、骨盤に達する。そして骨盤大腿骨
臼蓋の割れた数片の骨の内一番大きな骨片を骨盤に螺子止めする。その次に、固定された
骨片と骨盤に跨るようにチタンのバックアッププレートを入れ、それで骨片と骨盤に螺子止め
し、さらに小さな骨片を元の位置に引き寄せる。といような手術で有ったらしい。
(詳細は注記1参照)

「有ったらしい。」と言うのは、私の覚えているのは、手術室に入って全員が挨拶してくれた
ことと、若干のブリーフィングを聞いたのみ。全身麻酔が始まり、即、昏睡し、手術が終わって
から、覚睡したので、手術は6時間半ではなく、私的にはほんの一瞬のことであった。

で、手術後のCTがこれ。骨盤から骨盤にかけて、チタンプレートが渡され、そのプレート
で、骨片を支えているのが分る。(チタン周りには影響で若干ノイズがある)

 

注記1:この文章が分りにくい、、、どんな手術であるか興味がある、、、怖い物見たい、、、
     私は気が強い方だ、、、 と思う方は、AO Foundation の日本語ビデオがある。
     さすがに、実際の手術ではなく、人体模型を使ったビデオだ
 リンク: http://www.aovideo.ch/published/player.2.aspx?id=20134jjm0198 )


ランゲンベックアプローチで修復される前の骨盤周りの様子。

 

追記: 腕の良い外科医とその後の3ヶ月間のリハビリにより、数年後の今も、健常者とほぼ同じ生活ができている。骨折にもかかわらずアラセブで100km超のサイクリングが出来ているのは良き医療チームのおかげだ。



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--このエントリーはようやく落ち着いた1ヶ月後に、当時の日付で書いている--

手術前日のインフォームドコンセプトの時は、もう痛くて、とにかく早く手術してくれ!
で、医師から説明を受けたのも上の空だったのだが、事後手に入った画像を見ると
いかに、この事故の3m落下した時の衝撃が大きかったかが分る。  

以下「衝撃の画像」

救急車で搬入直後のCT断面画像  画面左(右足)の大腿骨が脱臼で数cm離れている

それが、1時間後には、脱臼をもとに戻す操作で、位置的には元に戻っている。

 


レントゲン写真じゃ、骨折の具合は良く分らない、、、もう直ってるんじゃない?  医者じゃないからね、
でも次ぎの「衝撃の写真」というか、CTが骨だけを抜き出して、3D画像にした写真?イメージを見ると
何がどうなっているか一目瞭然!!  某T芝のマルチスライスCTはすごい!! なんて驚いている
場合じゃなかったか。

骨盤を真後ろから見た図。 大腿骨のボールを包んでいる骨盤が砕けているのが分る。


右横から見た図。大腿骨は元の位置に収まっているが、骨盤の破片は3cm位浮き上がって
いる。

あ、でも自分の骨の3Dイメージって不思議な感じだ。
普段は見たこと無いし、ヌード写真よりも、もっと薄着の写真だし、わいせつ物陳列法に
引っかからないか?

なんて感想は1ヶ月後だからできること、手術前は痛さと後悔の念で直視できなかった。


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     追記 CT画像をアニメ化した画像を一年後に作った
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--このエントリーはようやく落ち着いた1ヶ月後に、当時の日付で書いている--

事故翌朝の午前中、某T社の最新マルチスライスCTで撮られた骨盤と大腿骨の3Dイメージを見ながら、担当医師から病状の概要と、IC(インフォームドコンセプト)が行われた。私の骨折は比較的めずらしい症例で、年間1000件程度の整形外科手術をする相澤病院でも年1例位とのこと。

医師からは
 ①松本のこの病院で手術~リハビリを行う方法と、
 ②応急措置はしてあるので、神奈川に移送、自宅近くで手術を含め行う方法
があることを説明される。

夏場は山で遭難した怪我人が毎日ヘリで運ばれてきて、看病の都合から、その多くは自宅近くの病院にて手術するのだそうだ。

入院先の松本の相澤病院は、40年前、私が高校に行っていた頃は、それほど大きな病院ではなかったと思うのだが、現在では信州大学医学部付属病院を除けば、松本平で一番大きな病院になっており、最新式のCT(T,G,S,P各社の)やMRIが並んでいるばかりでなく、病室も綺麗で、看護師もきびきびと働いている。

昨年、映画「神様のカルテ」を見ていて、舞台となった、この病院に興味を引かれた(老後、塩尻に生活拠点を移した時の病院は重要)ことや、担当の青年医師のが良さそうに見えたこと、塩尻の家から看病に通うのもそれほど無理がないことから、ここで手術してもらうことに決めた。

最初は、手と足の手術を同日に行うことも検討されたようだが、複雑な手術であることから、
足の手術を先行して、明日に、そして、一日置いて、3日後に手の手術をする、、、、

と急展開で、事態は進んでいくのであった。



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--このエントリーはようやく落ち着いた1ヶ月後に、当時の日付で書いている--

十数年前に高さ4mほどの所で頭を剪定した隣家との境の杉がまた伸びで、ご迷惑を掛けていた。業者に8月のお盆周辺で伐採する見積もり依頼をしたのだが、色よい返事がなかった。

それならば、以前もやったのだし、自分でやろうと、5mほどのところにロープをつけ、それをウインチで倒す方向に牽き、4mほどの所で、チェーンソーで切ろうという算段をした。

今回は前回と違って、ヘルメットだけではなく、安全帯を締めての作業だ。

慎重に、慎重にと思っていたのだが、3本目の杉で馬脚を現してしまった。切り落としの最後の所で、安全帯を幹に掛けず作業をして、痛恨の3m転落。 右足大腿骨を支える骨盤の臼蓋を骨折、脱臼、その上、右手首も骨折してしまった。

救急車にて松本市内の総合病院に搬入。CTにて骨折の3Dイメージを撮影し、同時に脳や他の重要な箇所に、ダメージが無いこと確認した後、とりあえず脱臼を元に戻し、この日は暮れて行ったのだ。

【教訓】
① せっかくの安全帯もきちんと確保点に繋げなければ、お飾り。
② 40歳代でできたことが、60歳代にできると思うのが間違い。
③ リスクに対する感受性をもっと持たねば。

一ヶ月たった今も病院の中という、重大骨折ではあったものの、不幸中の幸い、
頭部や頚椎、神経系に関る障害は出ておらず、リハビリに励めば、運動範囲も
100%とは行かないが、90%位は復旧できそうだとのこと。



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