もっきぃの映画館でみよう(もっきぃの映画館で見よう)

年間100本の劇場鑑賞、音声ガイドもやってました。そんな話題をきままに書きます。ネタバレもありますのでご注意を。

2年半ぶりの鑑賞「ニワトリはハダシだ」  もっともっと映画で活躍してほしい女優 肘井美佳

2007-09-17 15:29:23 | 森崎東監督(ニワトリはハダシだ)
タイトル:ニワトリはハダシだ/邦画/シマフィルム
ジャンル:社会派ヒューマンドラマ/日本/PG12/2004年/90分
映画館:福知山シネマ2(135席)
鑑賞日時:2007年9月9日(日)16:25から、4人
私の満足度:100%:私の心の殿堂入り。
DVDリリース済み:4935円

【序】
本作は今回7回目の鑑賞。私が今までに見た約千本のうちのベスト5
ということで、今までにも何回が書いていますが、公開から2年半
再び映画館で鑑賞できるというのは嬉しいことです。
※全体の感想は、以下のブログ参照。
http://blog.goo.ne.jp/mokky999/e/54b7700c46575881105f42ad0d298918

【大スクリーン】
過去の5回は全て、東京・渋谷のシアター・イメージフォーラム、
64席/108席のミニシアター。私が見た64席の劇場は、その席数としては
大きいスクリーン(幅444cm)だそうです。でも今回135席のスクリーンは
それより大きかったようで、最初の自衛艦がうつったときから迫力倍増。
「うわっ、おおきい」とつぶやきました。

【冒頭】
巨大な灰色の自衛艦。カメラが引くと手前を小さな、といっても30人は
乗れそうな汽船が進んでゆく。サイレン音とともに、アナウンス。
『進路妨害につきすみやかにあけられたい』
港には、北朝鮮籍の船。中古自転車がテンコ盛り。

地面に線を引いただけで、柵もない駐車場。数人の白人が、赤毛の男を
中心になにやら話をしている。
『ポリス』の声に、ベンツに乗り込む赤毛の男。走りさったあとに、
京都府警のパトカーがゆっくりと巡回してくる。

声『♪オッハヨ、オッハヨ、雀がチュンチュン、オッハヨ』
輪のなかで、若い女性がコサックダンスを踊りながら歌っている。
みずなぎ学園と書いたバスの前。女性がころぶと、ワーッと歓声を
あげる養護学園の生徒たち。生徒のひとりから受け取ったヘッドギアを
つけてさらに歌って踊るが2度3度とこけて、歓声があがる。
その間、画角にアイボリーのスーツを着たやせた男が入ってきて
様子をながめている。
男『ようやるわ』
女『ほっといてんか!ハイ、バスでるよ、はよしいや』
生徒たちがバスに乗ってゆく。女、ヘッドギアを返して最後にバスに
乗り込み、ステップのところで振り返ってあたりを見渡す。
女『遅いなあ、サム』

部屋のなか。
少年(15ぐらい)のアップ。茶碗と箸をもって、おおきなアクションで
モグモグ噛んでいる。後ろの壁には、小学生が書いたような絵。車が
いくつも並んでいる。

【肘井美佳(新人) VS 加瀬亮】
冒頭の若い女性が、この物語のヒロイン桜井直子役の肘井美佳。養護学園
の保母。あとからでてきた男が、府警本部から特命派遣されてきた刑事役
の加瀬亮。この映画は、いろんなことが一杯詰め込んであるのですが、
この二人が恋愛感情をもつところも、すこしだけでてきます。

(ネタバレ)
後半の知的障害をもつサムに容疑がかけられ探しつづける二人に、中休み的に
ちょっとゆったりした場面がある。運搬用の箱型の船やクレーンがある人気の
ない港で、サムの超人的な記憶力の話から、こどもの頃にできた特技の話に
なる。

肘井『ちっちゃい時からコレやると必ずおかあちゃんの声がきこえるんよ、
ごはん食べた?とか』
加瀬『ふーん。やってみて。』
肘井はすわったまま首を突き出し、加瀬は立った姿勢から覗き込む。
肘井が、両目を寄せる。 ※上の写真のシーン
加瀬『お母さん、なんかいうた?』
肘井答えず、話題を事件の話にうつして、何度も目を寄せる。
<中略>
沖から、小船が一艘。サムの家族が乗っていて、サムと妹のチャルが叫ぶ。
『直子先生、ゴハン食べた?』
肘井振り返って、手をふる。サムとチャルも手を振っている。
と、母(余貴美子)の声。
『あんた救うてくれはるんは菩薩そっくりのあの子らだけやで』
肘井のアップ。感激した表情の目になみだが浮かぶ。夕陽。

このシーン、最初のうちは、目が大きく美人女優の肘井が何度も目を寄せる
表情のおもしろさと、突然サムが現れて安心するのと、さらにお母さんの
声もきこえてきてよかったなあと思ってみてました。
でも、本当は悲しいシーンなんですね。
目を寄せても声が聞こえなかったのは、すでにお母さんは息をひきとる
ところで、肘井は不安を感じて目を寄せる。サムが現れて再びお母さんの
声が聞こえたときには、すでにお母さんの声は、天の声になっていて
遺言として受け取った肘井は、悲しみのなか、事件に巻き込まれながらも
状況をはっきりわからず無邪気に手をふるサムたちを見て、
自分の生きる道はこれだと確信する。ということじゃないかと思うんです。
そう思ってみるとますます感激の場面です。

 加瀬亮というと私の見た映画では、容疑者か犯罪者役ですが、ここでは
いわゆるいじめられ役の刑事。先輩に投げ飛ばされたり蹴られたりの
よわよわしい刑事だけど、いままでになく好青年にみえました。

 肘井美佳は、元気で明るくハイテンションで映画をひっぱってました。
何度もでてくる転びのシーンも、お手のもの?(絶対大変だったと思います。)
加瀬の先輩刑事にかなり乱暴に扱われますが、キックを見舞ったところは
ユーモアとともにスーッとしました。舞台やTVで活躍中のようですが、
是非映画でブレイクしほしい人です。
 余談ながら、来年公開の少林少女(少林サッカーのラクロス版)で、
チャウ・シンチーが日本人女性を捜しているという話があったときに、
肘井美佳に演じてもらいたいと思いました。(柴崎コウ主演にに決まって
ちと残念。チルソクの桂亜佐美もラクロス部員19名のひとりとして参加。)
 肘井美佳さんのブログ[りんご☆ライフ]は以下のとおり。
 映画年間百本見るのが目標とかでその感想もアップされています。
http://ameblo.jp/mikaringojuice/

 最後にもうひとり。上の二人をいじめる刑事役は、塩見三省。177cm72kg。
特技フットボール。加瀬亮との体重差は15kgで、初対面の柔道場のシーンでは
体重差も有効につかってそれこそバッタバッタと投げ飛ばしたうえ、
壁に激突させたり、袈裟固めの体勢から首をしめるなど大活躍!?
京都府綾部市出身ですからロケ地の舞鶴市の隣市です。

 7回目の鑑賞ですが、何回みても感動します。私の住んでいる福知山市は
ロケ地の舞鶴市と同じく京都北部ということもあり、田舎の風景も親しみを
感じながら楽しめました。一緒に行った会社の同僚は、どうもいまいち
だったようですが、これは私が千本のうちベスト5などと期待させすぎた
からかもしれません。ストーリーの詳細部分では、私も?の部分はあるの
ですが、全編をとおして人それぞれやの生きるエネルギーが感じられ、
人と人とのつながり大切さや素晴らしさに満ちた作品だと思います。
是非多くの方にみていただければと思います。


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