もっきぃの映画館でみよう(もっきぃの映画館で見よう)
年間100本の劇場鑑賞、音声ガイドもやってました。そんな話題をきままに書きます。ネタバレもありますのでご注意を。
 



タイトル:17歳の風景 少年は何を見たのか: 2005年7月30日ポレポレ東中野
ロードショー
ジャンル:事件がきっかけ/2005年/90分
映画館:福知山シネマ2(135席)
鑑賞日時:2007年9月2日(日),14:35~ 4人
私の満足度:55% 
オススメ度:10% (監督ファンか、主人公・柄本佑ファン以外にはおすすめで
きません)

【序】
「17歳の風景」「ニワトリはハダシだ」2本立て1000円
こんなにめぐまれた映画館が自宅から徒歩10分。なんと幸せな
ことでありましょうか。「ニワトリ」はたぶん6回目で、私がいままでに見た
1000本のなかでベスト5の作品。「17歳の風景」は、来春に
「実録・連合赤軍 あさま山荘への道程」公開が待たれる若松孝二監督作品。
ビラを見ると、『少年はほとんど口をきかない。』『ひたすらこぎ続ける自転車』
うーん。なんだかつまならそうだが・・・・。きっとなんかあるやろう。

【見る前におもったこと】
 子供が親を殺した場合、大抵の場合すぐにつかまっているのでは?
そしてその子のことを理解しようと、それまでの行動が詳細に調べられる。 
 私が一番印象に残っているのは、かなり古いのだが予備校生の金属バット
による両親殺人事件。前の日の夕食が、ビーフシチューと刺身だとか。
プロレス番組を見たとか。プロレスファンとしては気になるので調べてみたら、
その日のメインは アントニオ猪木VSオックス・ベーカ。他団体でエース級の外人を
迎え撃った猪木は、いい試合をやる気もなくあっさりと斬って捨てた。
やられた悪党レスラーの悲しさが伝わる試合であった。
 それはともかく、いろいろあって父親「おまえは、クズだ。出て行け」
といわれて自分の居場所がなくなると思ったとしても、両親殺害が合理的で
あるわけはない。特になんで母親を?と思う。
 で、話はもどって、今回の事件。母親殺しから16日。隠れたわけでもないのに
みつけられずに逃走。これは、たぶん他に類を見ない16日間。これを振り返ると
なにかが見えてくるかもしれない。

【冒頭】
砂浜に打ち寄せる波。画面左手前の橋に自転車(マウンテンバイク)。
夕陽が沈む。沖に、ボーリングの現場がかすかに見える。
メインタイトル『17歳の風景 少年は何をみたのか』
<暗転>
枯れススキの広がる草原。黒いふちなしキャップ、顔・上半身。
坂道を自転車を押しながら向かってくる少年。かなりの重装備。
後ろからの映像に変わると、正面に富士山。半分ぐらい雪につつまれ
頂上付近はくもがかかっている。少年のアップ。富士山を見つめている。
少年の声『あんたはいつも遠くから見ているだけだ。
そして全て知ってるようなフリをする。』
横顔。左から正面、右。少年を中心にカメラが半周。
自転車で坂道をくだる少年。うしろに富士山。
<暗転>
ギター、さけぶような歌。70年代の雰囲気。
高層ビル街。(サンシャイン60の展望台から撮影らしい)
川を進む小船。ホームレスのボックスが並ぶ隅田川の川べりを
少年の自転車が通り過ぎてゆく。
渋谷。センター街あたり?カレーPOT&POT。
雑踏。自転車を押す少年。
字幕『なぜお前たちは群れているんだ』
字幕『お前には関係ないだろう』
字幕『お前たちはただの風景だ。みんな消えろ』
夜明け。
ごみ袋をつつく、大きなカラス。
少年、雑踏を逆らうように自転車を押してすすむ。
都庁。少年が自転車に乗って走ってゆく。
新聞記事『十七歳、母親を殺害』
新聞記事『事件後、少年は未だ行方不明』

【gooの解説から引用】
常に時代と向き合いながら根元的なテーマに挑む問題作、
衝撃作を世に送り続ける鬼才、若松孝二監督が、2000年に岡山県で起きた
17歳の少年による母殺しの事件にインスパイアされ撮り上げた異色ドラマ。
母親を殺した後、ひたすら北へと自転車を走らせる少年の姿に密着、
少年が何を見、何を感じていたのかを探るように描いていく。
主演は「美しい夏キリシマ」の柄本佑。

【映画の感想】
なんとも確信犯的な!!北へと走る少年は、何をみたのかというよりも、
何もみえなかったという感じ。私も何もみえませんでした。
異常なまでに急いだ走りは追いたてられているよう。出会う人出会う人、
会話として成立していない。相手はみんな大人で主人公は興味を持って聞いてい
ない。
愛着があるのは、家からもってきた自転車と小型ゲーム機。きれいなままの衣装で、
実際に少年が捕まった秋田を超えて、「そうよあれが竜飛岬、北の果てよと」歌
われた
ところまでたどりつく。これはリアリティを追求したのではなく、監督の見せた
い風景、
語りたい話をつめこんだ17歳に送るロードムービー・パック旅行ではないのか?
 あとからパンフをみると監督が「自分たちはなぜ、今、ここにいるのか、目の
前の風景と
対話する映画を撮ろうと思った」とある。なんだかやられたと思った。

それにしても眠い。かみ合わない会話というか、主人公が興味をもって聞いていない
シーンがつづくと、ストーリーは別に追わなくてもいいなあと思うとどうしても
眠くなる。
これは役者が悪いわけでなし(むしろ柄本佑のキャスティングは、見事。
コミュニケーションがとれずエネルギーが内部で爆発している感じがよくでてい
た。)
監督もわざと、殺害シーンも逮捕シーンもなく、かみあわないところを延々と
撮ってる
わけで、特別な感受性をもっていない限り楽しめないような気がします。
4人に1人は、ねるでしょう。というよりも、会場は4人で、おわったときに
ひとりがぐったりと寝ておりました。

唯一少年が、+に反応した内容を映像化したのは終盤に老婆に対して、
少年が老婆の若かりし頃の姿を重ね合わせるシーン。あのとき少年は、
いまの自分の若さを、いいなと思えただろうか?

【パンフ】
多くの人が執筆していて、インタビューもありかなり読み応えあり。
文字数の多いパンフ。そのなかで、事件後の16日間に関することを
ノンフィクションライターの藤井誠二が『2回自転車を壊して、3回盗んでます。』
『持ち物はポケモンカードとお金とゲームボーイと、あとはTシャツ1枚と日記帳』
と書いてます。やはり、映画のようにただ自転車こいでるだけで達成できる
16日間ではなかったことでしょう。

【これは逆母子無理心中か?】
家に帰ってから、インターネットでいろいろ見てみました。
気になったことを箇条書きにします。

少年は、進学コースに在籍。周囲の評判は、おとなしくまじめ。
部活の後輩から1年近くにわたり、いじめを受ける。
事件前日には後輩に殴られ日記に「あす狩りを決行する」と書き込み。
当日、野球部の練習中に突然部員に金属バットで殴打。(1人重傷、3人軽傷)
「殺すつもりだったのは野球部員の4人のうちの一人だった。」(少年の話)
自宅に逃げ帰り、自宅にあった金属バットで横になっている母親にも殴打。
「犯罪者の親になる母親が心配で、それを見る自分もつらい」(少年の話)
逃走中のリュックサックには、約三千枚のポケモンカード。

うーん。なんともやりきれない。これじゃあまるで逆母子無理心中?
少年は日記に母親のことを「うるさい」と書いているものの、「母親が心配」と
いっている。少年にとって母子関係は聖域。その聖域を侵す、犯罪者の母親を
責めるであろう、学校・社会・(父も?)への抗議の気持ちと、母親をかばう
気持ちが母親殺害に向かったのだろうか?結局よくわからんということながら
映画はみてよかったかなあと、いまになった思うのでありました。

参照HP

短く紹介
http://yabusaka.moo.jp/okayamab.htm
http://gonta13.at.infoseek.co.jp/newpage288.htm

新聞記事をたくさん集めてます。
http://www2.cc22.ne.jp/~hiro_ko/2-96okayama.html

こんなのもありました
「 後輩部員は重傷ではなく、殺されて然るべきだった!!」
http://www2.wbs.ne.jp/~shiminno/q.htm

【雑学】
・少年は、逃走3日目、京都府福知山市に到着、それまでの自転車が
故障して別の自転車を盗んだという。これ、私の今住んでいるところ。
・下記のHPで、若松監督が
「今現在(2004.12)の、マイベスト3の映画は何ですか?」
との質問に答えて、自分の作品2つに加えて
「ニワトリはハダシだ」をあげている。ヤッホー。
http://theaterkino.net/visiter/20041211wakamatu.html

公式HP
http://17sainohukei.jp/

ではまた。

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