MiddleDayTripperの徒然記

気ままな中年オヤジの独り言

自動操舵のまま直進・迷走するマスコミと転舵回避するマスコミ

2008-02-23 15:17:27 | Weblog

大型船との衝突、小型船の回避が常態化…あたご側に予断か(読売新聞) - goo ニュース

まだ行方不明の親子の安否は判っていない。悪条件の中の捜索は大変だと思うが、どうか一刻も早く見つかって欲しい。

マスコミは事故発生直後から「護衛艦が加害者」のスタンスで報道し続けている。

2分前に確認した右舷航行灯が12分前に確認した左舷航行灯よりも早かったのを受けて、「防衛省の隠蔽体質」とバッシングが始まった。

事件や事故発生直後に情報が錯綜するのは仕方の無い事だと思う。

2/20に引き揚げられた漁船が海自館山基地で親族に公開されたが、その際に海自幹部が「マスコミと話さないで下さい」と親族に要請。これを知ったマスコミがその場で謝罪をさせた騒動があったが、毎日新聞は親族の女性は「取材が殺到して困る、とこちらからお願いした」と明言しているにも関わらず、一部の新聞や民放のニュース&ワイドショー番組ではその口止めの事実だけを取り上げて「自衛隊の情報操作、かん口令」と騒ぎたてていた。

翌21日に石破防衛相が漁船の所属する勝浦市漁協を訪問する途中で、右折しようとした際に直進車と交通事故を起こしたが、これも一部の番組で「バチが当たった」と言うコメントを残す者までいた。

一連の過熱報道はJR福知山線の事故報道と酷似している気がする。

あの時も事故直後は情報が錯綜していた。発生直後のJRの会見で「レール上に軋轢痕を発見」が発表され、記者の「置石か?」の問いに「可能性もある」とJR広報が答えたためその説が流れた。(後日、軋轢痕は撥ね上げられた敷石によってついたものと判明)カーブ進入スピードが超過して事故を起こした可能性が強まり、懲罰的な「日勤業務」がクローズアップされ、JRの不手際も重なると、JR西日本へのバッシング報道へ変わった。最初に自分たちが勝手に解釈して広めた「置石説」を「JR西日本の隠蔽工作」と言い出す始末。事故当日にJRの別局の職員が「飲み会」をしていたのが判明するとその領収証や注文内容までテレビは追求し一気にエスカレート。「○○駅で何メートルオーバーラン」と連日の様にJR各社がバッシングの対象にされていた。挙句の果てには「信楽鉄道事故」で信楽鉄道側の過失が大きいとした地裁の判決を無視して、「乗り入れていたJRが悪い」と捏造するメディアまで…。

その一方で記者会見でJR職員に詰め寄り恫喝する記者や遺族がJR職員の胸元を掴む暴力行為を制止する事も無かった態度に、ネットを中心として非難が集まり始めた。さらに過剰なバッシング報道に感化された人達が、JR職員に暴行、まるでテロのような事件が多発するに至り、マスコミ同士のバッシングに発展した。

今回の事故は護衛艦だから起こったのではなく、大型艦だから起こった事故であり、大型艦の所属がたまたま海自だっただけ。

見張りとその引継ぎ時の申し送りのヒューマンエラーと互いの「(相手が避けてくれう)だろう航海」が事故原因の可能性が大きくなってきた。

貨物船やタンカー、フェリーなどもっと大きな民間船でも起こりうる事故なのだ。

マスコミの対応が徐々に分かれてきている。毎日や読売の様に事故の本質に回帰する者と朝日や産経、民放各局の様に「防衛省の体質」に固執し、「政府&自衛隊バッシング」を繰り返す者。

大袈裟なタイトルで煽り立てれば後者は発行部数や視聴率は上がるだろうが、時が経ってこの事故を回顧する時に、非難の対象になるのは確実だ。

海上自衛隊のイージス艦「あたご」と漁船「清徳丸」の衝突事故で、なぜあたごは直前まで回避行動をとらなかったのか。

海上衝突予防法は2隻の船が互いの航路を横切る際、相手を右に見る方が避けることを義務付けている。だが実際には、小回りの利く小型船が大型船をよけるケースが多く、漁師や海事関係者らは「あたごは漁船団がよけてくれるだろうという予断があったのでは」と指摘している。

東京湾の出入り口やその近海は、タンカーや自衛艦などの大型船から漁船などの小型船まで、様々な船舶が頻繁に行き来する。ある遊漁船業者(35)は、小さな釣り船を操縦する際、「自衛艦とわずか数十メートルの距離ですれ違うことが多いが、よけるのはいつも自分の方だ」と話す。全長100メートル以上ある自衛艦は小回りが利かない。釣り船は半径30~40メートルで旋回できるため、自衛艦に回避義務があるケースでも、「客の安全のためにも、こちらから早めに回避している」という。

大型船が頻繁に往来する海域で操業する漁船も「遠慮」を口にする。大阪湾で操業する漁業者で作る大阪市漁業協同組合は「自分の身は自分で守るしかない」。また、伊豆大島に住む50歳代の男性漁師も、「大きな船とけんかしても負けるから、その前によける」と話す。

一方、イージス艦に乗務経験がある元海自幹部は「大きな船の方が相手をよけにくいため、関門海峡など狭い所や、船の行き来が過密な海域では小型船に避けてもらうことも多い」と語る。だが、今回の事故ではあたご側も回避行動が可能だったとし、「衝突直前まで自動操舵だったのは、漁船に回避してもらえるだろうという意識があったからではないか」と指摘する。

また、清徳丸の僚船のある船長も「大型船にありがちな『小型船がよけてくれる』という考えだ。沖合で自衛艦とよく遭遇するが、こちらが回避している」と不信感をあらわにする。

神奈川県・横須賀沖で1988年7月、海上自衛隊の潜水艦「なだしお」と遊漁船「第一富士丸」が衝突して釣り客30人が死亡した事故でも、海上保安庁幹部は「遊漁船が避けてくれるという予断があったのではないか」と指摘した。

大型船に乗り込んで東京湾内を誘導する「東京湾水先人会」の佐藤克弘会長は「イージス艦は大型だが、タンカーに比べれば運動性能ははるかに高い」と語る。見張り員が衝突の12分前に清徳丸とみられる灯火を視認した後、衝突まで見失った疑いがあることに触れ、「本来、あり得ない。『漁船が回避してくれる』と考え、漫然と航行していたとすれば、非常に問題だ」と批判した。また、コンテナ船の船長だった池田宗雄・元東海大海洋学部教授は「相手がよけるというおごりがあると思われても仕方ない」と話す。



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