アーネスト・トンプソン・シートン 著
「シートン動物記」で知られる博物学者の創作物語。
「ファーブル昆虫記」にならぶ魅力満載の作品で、子ども向きのやさしい読み物にも
なっており、本が好きでなくてもこれだけは読んだ、という人も多い。
カナダの博物学者・シートンは、アメリカで牧場経営をしている知人の依頼を受ける。
現地で「魔物」と呼ばれている「ロボ」は大きなからだと知性を併せ持ち、さらには
巨大な牛を引きずるほどの体力にも恵まれている。
多くの牧場主やハンターが彼に挑んだが、すべて失敗に終わり、家畜や猟犬は
ただ殺されていくばかりだ。
動物の生態に詳しいシートンは、この状況に風穴を開けることを望まれていた。
シートンは何ヶ月もかけてロボの群れを観察する。そして知れば知るほど、
ロボの賢さ、群れの統率の取れ方や優秀さに舌を巻く。
全く弱点がなかに見えたロボの群れだが、唯一「ブランカ」というたった一頭の雌が
例外的にロボから寛大な扱いをうけていることがわかる。
ブランカはロボの妻であり、唯一の弱みといえた。
綿密な計画のもとブランカは罠にかかり、殺される。
ロボは混乱し、ついに捕獲されるものの、食べ物にも水にも目もくれず餓死した。
賢いはずの人の卑怯さと、害獣であるはずの狼の気高さ。
そんな対比が心に残る物語だ。
最愛のブランカを失ったことで全てが崩れていくさまは、狼の知性の高さや
群れの統率の難しさなど、さまざまなものを象徴する。
まだ未開の地が残るアメリカの広大な大地と、そこに残る野生動物たち。
スケールが違う自然の力に圧倒される。
牧場主にとって確かに狼は驚異だった。
しかしその土地は人間によって勝手に開拓されたことを思うと、ただ害獣と言い切って
いいのかという思いもわいてくる。
そうしなければ生きられない人間の勝手さと翻弄される自然と。
子供向けアニメなどにもなった本書だが、来年はミュージカルになるらしい。
「シートン動物記」で知られる博物学者の創作物語。
「ファーブル昆虫記」にならぶ魅力満載の作品で、子ども向きのやさしい読み物にも
なっており、本が好きでなくてもこれだけは読んだ、という人も多い。
カナダの博物学者・シートンは、アメリカで牧場経営をしている知人の依頼を受ける。
現地で「魔物」と呼ばれている「ロボ」は大きなからだと知性を併せ持ち、さらには
巨大な牛を引きずるほどの体力にも恵まれている。
多くの牧場主やハンターが彼に挑んだが、すべて失敗に終わり、家畜や猟犬は
ただ殺されていくばかりだ。
動物の生態に詳しいシートンは、この状況に風穴を開けることを望まれていた。
シートンは何ヶ月もかけてロボの群れを観察する。そして知れば知るほど、
ロボの賢さ、群れの統率の取れ方や優秀さに舌を巻く。
全く弱点がなかに見えたロボの群れだが、唯一「ブランカ」というたった一頭の雌が
例外的にロボから寛大な扱いをうけていることがわかる。
ブランカはロボの妻であり、唯一の弱みといえた。
綿密な計画のもとブランカは罠にかかり、殺される。
ロボは混乱し、ついに捕獲されるものの、食べ物にも水にも目もくれず餓死した。
賢いはずの人の卑怯さと、害獣であるはずの狼の気高さ。
そんな対比が心に残る物語だ。
最愛のブランカを失ったことで全てが崩れていくさまは、狼の知性の高さや
群れの統率の難しさなど、さまざまなものを象徴する。
まだ未開の地が残るアメリカの広大な大地と、そこに残る野生動物たち。
スケールが違う自然の力に圧倒される。
牧場主にとって確かに狼は驚異だった。
しかしその土地は人間によって勝手に開拓されたことを思うと、ただ害獣と言い切って
いいのかという思いもわいてくる。
そうしなければ生きられない人間の勝手さと翻弄される自然と。
子供向けアニメなどにもなった本書だが、来年はミュージカルになるらしい。
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