息をするように本を読む

初めて読んだ本も、読み返した本も、
ジャンルも著者もおかまいなしの私的読書記録
と、なんだかだらだら日常のことなども

雷の季節の終わりに

2011-01-16 10:03:31 | 恒川光太郎
恒川光太郎 著

この人は本当に不思議な世界観を持つ人だ。
彼のパラレルワールドは、この世界に酷似していてまったく違う。
その違いのポイントがとても個性的なのだと思う。

『夜市』に魅了され、次に手にしたのがこの作品。
「穏」という異世界で暮らす少年、「雷季」と呼ばれる不思議な季節、そして
「風わいわい」という憑き物など、物語のはじめから、私にとっては
ものすご~くツボにはまるものが次々と登場する。
姉の失踪や、秘密の目撃、そして追放などの事件が次々と起こるのだが、
章ごとに登場人物が入れ替わり、視点が変わるのもおもしろい。

これはホラーなんだと思うが、ファンタジーとしての印象が大きかった。
怖いよりも幻想的。
おどろおどろしいよりも透明感。
いいなあ、こんな感じ。
というわけで恒川光太郎はずっと読み続けていきたいと思っています。

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