坂木司 著
ひきこもり探偵シリーズ。
外資系の保険会社に勤める主人公と、中学時代からの縁が続くひきこもりの親友。
一見不思議な組み合わせだが、ほほえましいほど仲が良くのほほんとした日々に見える。
実際は複雑な家庭環境と過去が原因で苦しむ親友を、
時間が自由になる仕事を選んでまで支える主人公というなかなかに重い図式なのだが、
恩着せがましさや卑屈さがないせいか、それは感じさせない。
日常生活の中で起こる小さな事件を解決する……という雰囲気は加納朋子に似ているが、こちらは何しろひきこもり。
動きは鈍いよどこまでも。
どうしても出かける必要が生じたときは、主人公に引きずられるように渋々出ていく。
そんなこんなでひきこもりなのに良き友人に恵まれている彼。しかも友人増えていくし!
ダラで出不精の私などより、よっぽど友達多いじゃん!
そして、「仔羊の巣」「動物園の鳥」と三部作は完結へと向かう。
でき過ぎ、とか依存しあいすぎて不快という感情がないとはいえない。
実際に身近にこんな関係の友人がいたら、大丈夫か?と不安になるし。
それでも、こんな友情があってもいいんじゃない? と思えるのは
やっぱりこの文体なんだろうな。
何やらほんわかとした雰囲気につつまれ、気持ちよく読めるシリーズだ。
ただ、残念ながら私はそこまで甘いものが好きではない。
このひきこもりは非常にまめ、かつ甘い菓子が大好き。
おいしいお茶はいいとして、甘い菓子、しかも全国各地の銘菓(これには理由がある)。
残念ながら遠慮したいようなティータイム。
いや、それは単に私の好みです。ごめんなさい。
3冊とも表紙のデザインがとてもきれい。並べると自己満足。
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