息をするように本を読む

初めて読んだ本も、読み返した本も、
ジャンルも著者もおかまいなしの私的読書記録
と、なんだかだらだら日常のことなども

リング らせん ループ

2012-02-18 10:13:05 | 著者名 さ行
  


鈴木光司 著

もはや“貞子”と言ってわからない人はいない。
小説も映画も知らなくても、井戸やテレビ画面からずるずると出てくる髪の長い女性の
イメージは焼き付いてしまった。

で、これはその元となった三部作だ。しかし「リング」なんか怖いことが始まるだけで
終了なので、絶対に続けて読むべきだ。
見ると死ぬ……ビデオテープから始まる恐怖の日々。

「らせん」では出版物という新たな繁殖方法をみつけた呪いが、さらに拡散する。
呪いのビデオを見ても死ななかった女性は、寸前まで妊娠の気配がなかったにも関わらず
出産直後の状態で死亡していた。そこで生まれた子どもは実は貞子であり、次なる
増殖が進んでいく。

「ループ」は冒頭からショックだ。新種の「転移性ヒトガンウイルス」が蔓延し、地球上の
あらゆる動植物へと感染が広がっていく。
そして「リング」が生命の進化と可能性をシミュレーションするプロジェクトであり、
これまでの物語がすべて架空であったことがあかされる。この未知のウイルスの発生が
「リング」である可能性があり、「リング」の登場人物たちは死の直前自分たちの立場に
気づき、「そちらへ連れて行ってくれ」と懇願した。
壮大な架空と現実の物語。
少し前の作品とは思えないほどの新しさとリアリティ。
ヒットしたのも分かるなあと思うのは「ループ」だ。

なんだか単なるおどろおどろしいホラー映画(とその原作)とあしらわれているのが残念。
じっくり行間まで読んでいくほうがずっと楽しめる。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿