みつばやま小零庵だより

宇宙の塵、その影のような私ですが、生きている今、言葉にしたいことがあります。

初稽古

2009-01-09 19:08:31 | 茶道

茶道の初稽古は1/7だった。皆、居ずまいを正して大先生へ御挨拶を申し上げた。点心(軽食)は若先生の御手製。濃茶御点前の若先生の凛としたお姿に息を呑んだ。

掛軸は淡々斎(先々代家元)筆の「五雲繞蓬莱」で祝賀の気分。炉縁は摺漆に慎ましい桐蒔絵。木地は秀吉御手植えの朝鮮唐松、という。

秀吉の命令で朝鮮へ出兵した誰かが、苗木を秀吉に献じたのだろうか・・ 老木となって処分されるとき、その材から5組の炉縁が作られた。その内の一つ、と大先生が明かして下さった。淡々斎の箱書(証明)が待合に置かれていた。 

連行されてきた朝鮮陶工の多くは、各地の陶芸興隆の師となり、茶道そして日本の伝統文化の発展に大きく寄与することとなった。歴史の複雑性を思わずにはいられない。

濃茶を戴いた後、「員茶(かずちゃ)」(ゲーム感覚の「花月」の一種)で薄茶を、皆が替わるがわる戴き、かつ点てた。私は「札元」の隣の「目付」役。いつもながらの無作法を連発しながらも、快い緊張感が楽しかった。


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4 コメント

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ブログを読ませて貰っていると、koreiさんの生活は... (anisan)
2009-01-12 22:08:18
ブログを読ませて貰っていると、koreiさんの生活は、大正から昭和初期の、地方の少し裕福な家庭のご婦人の生活に重なります。(丁度母や祖母が若かった時代)。お茶にお花。着物の生活。毎日のお菜は前庭から、ご近所とのつきあい方。ちょっと着飾ってお呼ばれやお芝居見物。節季を忘れず、掛け軸や花にも気を配る。質素で倹約家で、それでいて時に大胆。
私が田舎暮らしに憧れる要素は揃っています。違うのは経験があるかないかでしょう。やっぱり仕掛けは早くないと成功しないでしょうね。私はいつもお客さんの目で、生活者にはなれないだろうな。[E:cancer]
初稽古の凛とした情景が伝わります。お茶室の雰囲... (ibakasumi)
2009-01-12 22:50:38
初稽古の凛とした情景が伝わります。お茶室の雰囲気も優雅に見えてきます。その中で生き生きと振る舞うkoreiさんのお姿も鮮明に。経験のない私にも雰囲気が読めました。
anisan様 (korei)
2009-01-13 19:47:54
anisan様
 大正から昭和初期=大正ロマンティシズムそしてアールデコの時代には、淡い憧れの気持があります。S区の旧庁舎別館もこの時代の建築、懐かしいです。でもこの時代は戦争の時代へ、雪崩れを打つように押しやられてしまいました[E:think]
 有機無農薬農業を推進する方々は、昭和30年代の農法に学ぼう、と言います。知力・体力ともに衰えた現代人でも頑張れば何とか近付くことが出来る時代、という訳です。農法を含めた暮し方について、風土に合った伝統に少しでも学びたい、と私も思うのですが、なかなか・・・
ibakasumi様 (korei)
2009-01-13 19:54:48
ibakasumi様
 茶道の稽古を突然始めて3年弱、おかげさまで続いています。茶道のチャにも全く関心が無かった、というよりもむしろ否定的だった私が、どうしてこんなにのめり込んでしまったのか、自分でも理由がよく分かりません。やはり伝統の力、というものでしょうか?

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