猛スピードで家は その３

家の第一オーナーを自認する、みそらら ひばりさん。

家を売り買いする際は、法的な大量の書類にサインをすることになるので
自分は法律関係に詳しく弁護士なんて必要ないという人以外は
専門の弁護士を通すのが普通です。

１９９９年、生まれて初めて夫と二人で家を購入した時も
ズブの素人だったわたくしども、当然弁護士を雇いました。
その際、弁護士さんに提案されたのが、ビルダーズ・レポートと
リム・レポートを取得すること。

ビルダーズ・レポートと申しますのは
読んで字のごとく、ビルダー、つまり大工の資格を持った人が家を検分し
その状態についてレポートを作成するというものです。
当然、お金が何万円もかかります。

また、リム・レポートと申しますのは、市役所で取得できる
各家の履歴書のようなもの。これも有料な上、申請から受理まで
結構な日数を要します。

わたくしども、最初の家を買おうとした際、既にオファー後
弁護士さんにこの話を聞きまして、慌てて不動産エージェントを通し
ビルダー・レポートとリム・レポートを取得したいと申し入れましたところ
元オーナーであるキウィとイスラエル人の夫婦が怒ったのなんのって…


そんなレポートがどうして必要なのだ。
我々はお互いを信用して
契約を交わしたのではないか。
それをいまさら
いまさら
いまさら～
という感じ。

夫は、レポートの結果がどうであれ買うつもりでいるし
値引き交渉の材料にするつもりもないし
弁護士にすすめられ、確かにそうだと思ったからレポートが欲しいだけで
敢えて言うなら、キチンとさんのスイス人気質ということで
どうか理解して欲しいと頭を下げ、なんとかレポート取得に成功。
違法建築部分なども明らかになったものの
自分で直す所存で当初のオファー価格のまま
家を購入したのでございました。

そして、この度家を売却するにあたり、バイヤーが出して来た条件とは
このビルダーズ・リポートとリム・リポートを取得して
どちらにも問題がなければということ。

わたくしども、探られて痛いところは多少しかないので（あるんかい）
前述の元オーナーのように取り乱すこともなく
この条件をすんなりと飲んだのでありました。

各レポートの手続きは先方任せ＆先方負担となりますので
わたくしどもにできることは、ただ待つことのみ。

そして先週の金曜日にビルダーが我が家を訪れ家を検分
そのレポートが数日前に出来上がったのですが
それによると問題点が４つ。
いずれも丹念なあら探しの結果
見当違いに重箱の隅をつついたような内容ばかりです。

このレポートは、エージェントと弁護士にそれぞれ連携され
その後、双方よりわたくしどもに連絡が入りました。
バイヤーと話しをしているエージェントの話では
問題点４つのうち２つは、気にしなくても良いとのこと。

当然です。

夫がアトリエとして使っているスリープアウトを
人が住める状態にし壁のペンキを塗った方が良いだなんて
大きなお世話も良いところです。
だいたい、バイヤーさんはそこのところも見学した上で
オファーしているのですから。

また庭の水捌けを良くするために、地面をコンクリートにした方が良いだなんて
バッカじゃないの？
失礼。とてもプロの発言とは思えません。
コンクリートなんかにすれば、逆に水捌けは悪くなるんですよ、全く。

しかしながら、残る２つの問題を処理しなければ
バイヤーは値引き交渉に出るとのこと。

さらに、ビルダーズ・レポートによれば残る問題２つの内１つ
排水管の修繕に至っては、自分で修理（ＤＩＹ）してはダメ。
プロに頼んで３日はかかる仕事のはずと
水道屋不信論者の上、何でも自分でやりたい夫の神経を
超逆撫で！
戦いの火蓋が、切って落とされたのでした。

一方、購入予定のカフェのオーナー間ともトラブル発生。

どうなる、みそらら家…

どれみはこのまま、ただの失業者決定なのか。

つづく


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