轟音はでかい音

Dedicated To Punk,Power pop,Obscure Music Blog From Far East

Border Boys - Tribute(1983)

2010-09-29 | Guitar Pop, Neo Acoustic
Border Boysの音源「Tribute」(1983)を聴く。

 フランス発フィリップ・オークレーこと、ルイ・フィリップさんのクレプスキュールからの1st.リリース12インチシングル音源であり、ネオアコースティックの名盤とされている本盤である。Fool'sMate誌1984年7月号(No.38)に新星堂から出た本盤の日本盤のレビューが掲載されている。当時、ミッキーマウスジャケットに惹かれ、ずっと気になっていたものの接する機会なく20年以上経過してたのであった。

 当時、フリッパーズギター、コーネリアスの小山田氏などの影響から、自分はネオアコの熱病的なマイ・ブームにどっぷりはまり、やはり同じく新星堂からでたニューウェーブのCDコンピなどでルイ・フィリップも知り、その小山田氏監修ベスト盤で本盤の4曲が収録されたことも承知をしていたけれども、それでも、この名盤とは、何故かなんとなく距離を置いてきたのであった。

 で、リリースから27年を経て聴く。おー素晴らしい。涙。やはり。やはり、代表曲と言ってよいであろうA-1は超名曲ですね。青春のメロディーライン、上品な甘酸っぱさ、素朴さ、やや冬枯れ感のある地味さ、渋さ、アコギ、ボサノバ感。全ての諸条件が揃いもそろったこれぞ80'sネオアコの金字塔。

A
1.This Picture Is Nailed On My Heart
2.When Will You Be Back?

B
1.When The Party Is Over
2.Sorry

ビル - S/T(2010)

2010-09-23 | Hardcore Punk, Hard Punk
ビルのファーストフル「S/T」(2010)を聴く。

 スターリニスト80's臭ぷんぷんのハードコアパンクを放出、蒸留し倒すパンクバンド、ビル。やっとフル音源が出て喜々として買いました。
 従前に#5がコンピでリリースされた時には、この曲のためだけに高い2枚組コンピを買いましたっけ。

 埋蔵していた80'sパンクの奇跡、「肉弾」音源集2作を蘇生産出されて自分の中で突然降臨し神格化した自主レコード「いぬん堂」さんからのリリースも爾来、定点観測し続け、赤牛戸社長さんのコケシドールも岡山ペパーランドでしかと目に焼き付け、このビルも同じペパーで拝見してからというもの、音源リリースを待ってたのでした。常にアナザーサイドを行く安定した異端児のセンス。全くもう目が離せません。

 聴き倒すためにiPODに先日収納しましたが、そのときはまだiTUNESでは自動で曲名が出てこなんだのですけれど、そういうアングラ感もいい感じです。

 一貫してハイテンション、コミカルとシリアスの境界線上をふらふらする絶妙なタイトル、エログロ・ファンシーな歌詞世界。ジョージ秋山先生のジャケ。炎上するCD-Rジャケ。腹肉先生の異空間を行くライナー。
 全てが濃過ぎる。

 ボーカルの声聴きとりやすく、気持ちよし。ハードなフレーズがミニマルに迫りくる中毒性を持つハードコア。今はやけに#3が好みです。

 素晴らしい。

1.病気ハンター
2.九つの瞳
3.発情ニワトリ級
4.小人数えうた
5.幸せのテキサス・パンク
6.よみにくい
7.赤い世界
8.精子∞
9.悪臭
10.骨

The Moderns - Go To Have Pop(2004)

2010-09-19 | 70's Punk,Power Pop,Mod
 The Modernsの1977Recordsシングルコンピ盤「Go To Have Pop」(2004)を聴く。

 スウェーデン発モッドリヴァイバルの名バンド、The Moderns。全3枚のEP曲に加えて未発表EP用音源を含む傑作シングルコンピ。だのに廃盤…。

 1979年結成で初期パンク、モッズの要素をベースにスウェディッシュポップセンスがふんだんに発揮された極上の名曲集と言えよう。メロディーメーカーとしての力量にはひれ伏す次第である。

 エコバニとの対バンまでしてたんですね。自分がパワーポップ系のパンクロックを知り、傾倒し始めたころにもっとも強いインパクトを持って心に爪痕を残したのがこのモダーンズであった。しかも当時未発表だったEP用楽曲「サバーバン・ライフ」にどれほどの影響を受けたか。#10のザ・フーのカバーも秀逸。

 素晴らしいとしか言いようがない。廃盤の傑作。

01. the year of today
02. got to have pop
03. when the time comes
04. say yes
05. tell me where the action is
06. she said go
07. ready for the 80's
08. identity
09. suburban life
10. circles

The Hex Dispensers - Lose My Cool(2008,7'EP)

2010-09-18 | 70's Punk,Power Pop,Mod
The Hex DispensersのファーストEP「Lose My Cool」(2008)を聴く。

 テキサスはダラスとヒューストンの間ぐらいの街、オースティン発のドラマティックな70'sスタイルパンクバンド、ヘックスディスペンサーズ。本作はジェントルマンジェシー&ヒズメンなど気鋭のガレージ、パワーポップ、RAWパンクバンドのリリースで著名過ぎるドゥーシェマスターレコーズからのもの。2007年にアルバムを出しているようで、本作を含む3枚程度のEPリリースのほか、2009年には同じくドゥーシェマスターからアルバムも出ている。

 パワーポップ成分も含み、#3なんかもろラモーンズっぽいところもあるが、基調としてはハードボイルド、哀愁、抒情的、メロディアスなパンクロック。ボーカルの声がやけにジョーイラモーンを彷彿するところが面白い。ビジュアルはむさくるしい、やや太り気味の大男3人をフロントに、女性ドラマーってのが意外な編成。

 捨て曲なしの充実のメロディアスパンクロック3曲が詰まった、けだし名盤。

1.Lose My Cool
2.Taxidermy Porno
3.Tragedy (Wipers)

Gore Gore Girls - Get The Gore(2007)

2010-09-12 | 70's Punk,Power Pop,Mod
Gore Gore Girlsのセカンドフル(多分)「Get The Gore」(2007)を聴く。

 デトロイトのフィメール4人組バンド、ゴアゴアガールズ。ハーシェルゴードンルイス監督のラスト作であり稀代の70'sスプラッター映画のタイトルから引用されたと思われるバンド名や、ガレージロックスタイル、おばさん風情のやや太い歌声などから勝手にラスメイヤー映画に出てくる怪女トゥラサターナみたいなのが演奏しているのかと思っていた。

 ところが本作のジャケはおろろ上品。メンバー写真もどっちかというとメジャー路線の別嬪さん揃い。どうなっとんかいなとPV見てみれば、キュートな60'Sファッションに身を包み身体に不似合いなでっかいグレッチギターをかき鳴らし、本当にストゥージズばりのデトロイトロックを奏でるクールな不良少女ぶりがかっこいい。

 ガレージらしさという意味では、フィンランドのミクラガールズとかのほうがチープでプリミティブな分、一枚上な気がするけれど、97年結成で13年のキャリアってところもあるのか貫禄のデトロイトロックを放出するクールな女子バンドとして個人的には定義しておこう。

1. Fox In a Box
2. Loaded Heart
3. All Grown Up
4. Pleasure Unit
5. Where Evil Grows
6. Casino
7. Don't Cry
8. Mary Ann
9. You Lied To Me Before
10. So Sophisticated
11. Little Baby
12. Sweet Potato
13. Voodoo Doll
14. Hammer Stomp 

The Pets - Misdirection(2007)

2010-09-05 | 70's Punk,Power Pop,Mod
The Petsのきっとファーストアルバムと思われる「Misdirection」(2007)を聴く。

 カリフォルニアはサクラメントのパンクバンドFMナイヴズのボーカルのジェイソンと、同じくベースのザックが結成したオークランド発スリーピース初期スタイル・パンクバンド、ザ・ペッツ。

 おいおい。わしゃ好きじゃでい。

 と思った。前身バンドFMナイヴズのほうがバズコックスだしパンクロックだったと思うのだが、こちらザ・ペッツは聴き触りは完全にモッド、ネオモッズであることだなと感じ入ったのだった。

 ややBPM落とし気味なのに小気味良いビート感。派手すぎない、抑揚が最小限(微妙な地味さ加減)のパワーポップ感。気持ち太い声質のボーカル。いやあ、こりゃ西海岸からのジャムへの回答(と個人的に認定)。

 品のあるパンク。

 んがあ、カックイー!!

01.Can't Keep myself straight
02.Blame it on the kids
03.No way
04.Place in my heart
05.Misdirection
06.Alotta things
07.Leaving home
08.Same mistake
09.Heart attack
10.Walk away

The Cute Lepers - So Screwed Up(2008)

2010-09-05 | 70's Punk,Power Pop,Mod
The Cute LepersのセカンドEP「SO SCREWED UP」(2008)を聴く。

 シアトル発の初期パンクスタイルのパワーポップパンクバンド、キュートリーパーズ。THE BRIEFSのギターボーカル、スティーブのその後のバンド。ファーストEPではSTEVE E. NIX & THE CUTE LEPERS名義が、本セカンドで短縮名義変更。
 ジョニーサンダースを彷彿させるポップな表題曲。いでたちがモッドなPVもカッコいい。激烈パワーポップ作のC/W曲も申し分ないキャッチーさ、元気一杯の青春ビートポップ。

 わははは。

 聴くだけで楽しくなる痛快作。ファーストはラモーンズとかも感じたりしたし、初期パンク好きなんだろうなあとしみじみ思いつつ聴き倒す。

 キュートで素敵な女性バックボーカル2名(PVでは3名?)もいて、現在は6名バンドということのようだ。

 近年アルバムも出ている。聴かねば。明快でハイテンション、素晴らしきパンクバンド。

1.SO SCREWED UP
2.COOL CITY