時事解説「ディストピア」

ロシア、イラン、中国等の海外ニュースサイトの記事を紹介します。国内政治、メディア批判の記事もあります。

平和の使者オバマ、ベトナムとの友好の証として武器輸出を決める

2016-05-24 00:38:49 | 軍拡
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オバマ米大統領は、米当局がベトナムへの殺傷兵器禁輸措置の解除を決めたと発表した。


オバマ大統領は、ベトナムの首都ハノイで行われたクアン国家主席との共同記者会見で、
「私も、約50年にわたって効力を持っていたベトナムへの武器売却禁止を
 米国が完全に解除したことを発表することができる」と述べた。

米国は1965年から1973年までベトナム戦争に積極的に参加した。
同戦争は米国が支援する南ベトナムの惨敗で1975年に終結した。

近年、米国とベトナムの関係は安定した。

http://jp.sputniknews.com/politics/20160523/2181667.html

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新宿でオバマ来日に反対するデモが開かれたらしい。


謝罪を行わない、要求しない日本政府および広島市の姿勢は、
オバマの形式的な反省は日米軍事同盟強化のネタでしかないことを如実に示すものだ。

その裏側で何をしているのかといえば、
友好の証としてベトナム軍に兵器を売ってやろうというもの。
もちろん、これは南シナ海や東シナ海周辺において中国をけん制するために使われる。


ベトナムではいまだに地雷が撤去しきれず、その犠牲者は耐えることがないわけだが、
そういう声を圧殺して、簡単に軍事的友好関係を築いてしまうあたり、何ともはや凄い国である。


上の記事が述べている通り、ベトナム戦争時、アメリカは南ベトナムを爆撃し、
無辜な村民を虐殺していたわけだが、これに加担していたのは他ならぬ南ベトナムの政府だった。


ベトナム戦争後、同国はベトナム共産党が統治する国家へと生まれ変わったが、
それでも当時、アメリカに追従し、同族を迫害していた連中が全て罰せらることはなかった。

言うなれば、親米という派閥がしぶとく残っており、
彼らが冷戦後、息を吹き返して覇権を握りつつあるのが今のベトナムではないだろうか。


そう思うぐらい、今のベトナムは過去の敵と簡単に結託して中国に対抗しようとしている。
中国の脅威を口実に軍拡へと邁進する。かつての敵国に謝罪を求めず傀儡に成り下がる。

あたかもベトナム政府は日本政府の双子の兄弟のようだ。


フィリピンでも、アメリカとの軍事同盟を国の裏切りとして糾弾する声があるが、
これまたフィリピン政府に黙殺され、まるでそんな声がなかったかのようにされている。


韓国でもまたしかり。沖縄もまた。


これらから感じるのは、アメリカの事実上の旧植民地(日本、フィリピン、韓国、ベトナム)が
冷戦終結後、再び傀儡国家として、つまり事実上の属国として働かされているという事実だ。



アメリカは建前では所有する植民地はフィリピンのみであったが、実際には
ハワイをはじめとする太平洋の諸島やベトナム、韓国、日本などの諸国家を間接的に統治していた。


現地の有力者を懐柔し、彼らと友好的な関係を結ぶことで自らの存在を増していった。
ゆえに、沖縄の基地問題をみればわかるように、本来なら共に団結して基地駐屯に反対すべき
自国の政治家や評論家がアメリカの権力者と結託して、同族を非難、攻撃するような事態が生まれている。


これに対抗するには、各国の反権力者たちが国の枠を超えて一致団結することが
必要になってくると思うのだが、残念ながら言葉の問題もあり、なかなか上手くいかない。


というより、沖縄の反対運動を見ていると、
沖縄の問題はフィリピンやベトナムの問題でもあり、アジアの人間が団結してアメリカや日本、
各国の権力者と戦っていかなくてはいけないといった決意や気概といったものを全く感じない。


こういうナショナリズム的な運動がどこまで友好的なのかすこぶる疑問に思うのは私だけだろうか。

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米軍男性、20代女性を暴行、死体遺棄の容疑で逮捕

2016-05-20 00:10:44 | 軍拡

「沖縄県で20歳の女性が行方不明になっている事件で、
 日本の警察は32歳の米軍関係者の男を逮捕した。NHKが伝えた。
 NHKによると、男は行方不明になっていた20歳の女性の遺体を遺棄した疑いで逮捕された。」

(http://jp.sputniknews.com/japan/20160519/2161777.html)



琉球新報によれば、この容疑者は海兵隊に所属していたらしい。
(http://ryukyushimpo.jp/news/entry-282111.html)


正直、海兵隊所属と聞いて「ああ、やっぱりな」と思ってしまった。
というのも、海兵隊はベトナム戦争の時代から沖縄の女性を暴行していたからだ。


アメリカ軍の性暴力は有名な話で、
それは現地の女性だけでなく、女性兵士や男性兵士に対しても向けられている。

2003年に実施した調査では、
女性兵士のうち、3人に1人がレイプされたことが判明している。

これはアメリカで女性が暴行を受ける割合のほぼ2倍だ。
軍にいる期間が平均で2〜6年であることを踏まえれば、この数字は異常である。



アフガン・イラク戦争では女性兵士も多く活動に参加したが、
彼女たちは敵兵に殺されるよりも味方の兵士に暴行を受けることのほうが多かった。

その犠牲者数は2012年の統計によれば7万人。
それも事件の多くは基地内部で起きたのである。


割合でいえば女性よりはるかに低いが、人数だけを言えば男性の被害者のほうが多い。
軍は暴力と退廃の温床となっており、米軍基地は言ってみれば、爆弾のようなものだ。



そういうわけなので、私は中国や北朝鮮の来ないとわかっているミサイルや軍隊よりも、
現在進行形で沖縄を主とした日本全国に駐屯している米軍のほうが遥かに脅威だと思っている。




http://hosyusokuhou.jp/archives/47592266.html



日本の右翼は、このような危険集団の駐留を「北朝鮮や中国が攻めて来たらどうする!」
「日本の安全保障を守るための必要!」と言った言葉をもって正当化し、
基地駐屯に反対する一部県民や社会運動家を売国奴・左翼と罵ってきたわけだが、
いざ事件が起きると自分たちの責任をきれいさっぱり忘れてしまうようだ。


上の保守速報は、容疑者をさんざんに罵倒しているが、
米兵による沖縄人女性のレイプはこれが初めてではないし、
一部県民は一貫して、このことを取り上げ、基地駐屯に反対してきた。


付け加えれば、こういう米軍を戦後70年にわたってお招きしているのが
自民党であり、大阪維新の会であり、諸々の右翼政治家なのは言うまでもない。



沖縄の反基地運動に対して

ネトウヨ「あれは本土の左翼による工作!日米同盟は必要!
     沖縄人は反日親中!サヨクがぁあああああああああ‼‼」




暴行事件に対して

ネトウヨ「許せねぇな。この犯人を死刑にしろ」






いやいや、こいつらを日本に呼んでいるのは自民党であり、
ネトウヨいわく誇り高き日本の政治家なんだけど・・・・・・


そいつらに投票したり、絶賛している自分たちの浅はかさに対して何も思わないのかと。


言ってみれば、ヤクザを招待する政治家を素晴らしい愛国者だと称えて
彼の政敵を売国奴と決めつけて執拗にバッシングしてきた連中が、
いざ事件が起きると他人面をしているわけで。本当に無責任な連中だと思う。


これに限らず、舛添知事に対しても同じ右翼であろうに、
擁護せずに叩いているのを見ると「その舛添を支持してきたのはどこの誰だよ」と言いたくなる。


自民党を支持する右翼に総じて言えるのが、問題のある人物や政党を支持し、
結果的に事件の発生に協力している事実に対してあまりにも無自覚なことだろう。


今回の事件をきっかけに、在日米軍基地に反対する声が全国化すれば良いが、
実際には、この事件は数週間しないうちに風化してしまうのだと思う。

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やっぱり生きていた李永吉1(北朝鮮の処刑事情)

2016-05-18 00:06:47 | 北朝鮮
処刑と一時報道、李永吉氏が復権 北朝鮮


「李永吉(リヨンギル)・前北朝鮮軍総参謀長が、
 9日に閉幕した朝鮮労働党大会の党幹部人事で、政治局委員候補となった。
 今月10日付の党機関紙・労働新聞(電子版)は、他の党幹部とともに李氏の顔写真を載せた。
 軍総参謀長を解任された李氏は、復権した扱いになっている。

 李氏をめぐっては2月、解任、処刑されたとの情報が流れた。
 朝日新聞は2月11日付国際面に「軍総参謀長を北朝鮮が処刑 分派容疑か」の記事を掲載した。

 韓国政府がこの情報を報道陣に提供していたことが明らかになっており、
 統一省報道官は11日の記者会見で、処刑については誤りだったことを事実上認めた。(ソウル)」

http://digital.asahi.com/articles/DA3S12356024.html?rm=150

北朝鮮に関する情報のほとんどは韓国政府や人権団体(笑)を経由したものであるが、
後に誤報とわかることが非常に多い。


例えば、金正恩の元恋人が処刑されたというニュースが以前、流されたことがあったが、
これは後に誤報であり、処刑どころか逮捕すらなかったことが明らかになっている。


他にも金正恩の髪型そっくりにしないと罰せられる、あるいは流行しているというニュースもあったが、
あの髪型をした男性が写っている写真は今のところ一枚も存在しない。
(短髪にせよという命令が誇張されたデマだと私は考えている)


これに加えて居眠りをしただけで殺されたとか亀の世話を怠ったから殺されたとか
常識的に考えてありえない話が日常的に大量発信されていて、
これらが嘘だとわかっても、これといった反省をしない。



吉田記者の慰安婦報道誤報に関して、あれだけ各メディア、政治家、知識人が
顔を真っ赤にしてギャーギャーほざいていたのに対して



北朝鮮の報道に限っては誤報だとわかっても特に気にしない。


朝日新聞は
「2月11日付国際面に「軍総参謀長を北朝鮮が処刑 分派容疑か」の記事を掲載した。」
と一言、添えただけで終わらせているが、これは同紙の信用に大きく関わる問題である。


というのも、朝日新聞は問題の記事でこういう文章を書いていたからだ。




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軍総参謀長を北朝鮮が処刑 分派容疑か


北朝鮮の李永吉(リヨンギル)・軍総参謀長が今月初め、処刑された。


複数の北朝鮮関係筋が明らかにした。


権力乱用や分派を作った容疑がかけられたという。
北朝鮮軍高官の処刑は、昨春の玄永哲(ヒョンヨンチョル)・人民武力部長(国防相)以来。
南北は軍事的に緊張しており、韓国政府も処刑が北朝鮮軍に与える影響について注視している。

李氏は金正恩(キムジョンウン)第1書記への忠誠心競争で高い評価を受けてきた。

容疑は名目的で、野戦司令官出身の李氏が
朝鮮労働党による軍の統制強化に不満を持っていたとの見方が出ている。


正恩氏は今月初めに開かれた党と軍の合同会議で
「軍はひたすら最高司令官(正恩氏)が示す方向へ進むべきだ」と演説。

李氏は会議の前後に処刑された可能性が高いという。
後任の総参謀長に、故金正日(キムジョンイル)総書記の側近で、
総参謀部作戦局長や人民保安部長を務めた李明秀(リミョンス)氏が起用されたとみられる。

正恩氏は権力を継承した2011年末以来、100人以上の高級幹部を処刑したとされる。
特に肥大化した軍の権力を警戒。軍の戦略部門の責任者である総参謀長、
補給や行政を担う人民武力部長、党の立場から軍を監視する総政治局長を次々に更迭してきた。


北朝鮮は今年、核実験や長距離弾道ミサイルの発射などを実施。
今後、国連による制裁決議や米韓合同軍事演習が予定されており、南北関係はさらに緊張する見通しだ。
李永吉氏は軍の統率力にたけ、政治的な思惑より軍事作戦を優先する原則主義者として知られ、
今回の処刑で軍内部の不満が高まるとの見方もある。

一方、韓国の専門家
「金正恩はむしろ、(南北の緊張が高まり)団結が求められる時期の方が
、処刑に対する軍の不満を抑えやすいと判断した可能性がある」と語った。

(ソウル=牧野愛博

http://digital.asahi.com/articles/DA3S12204295.html?_requesturl=articles%2FDA3S12204295.html&rm=150
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通常、新聞記者は取材の際に裏を取る(情報の真偽を確認する)義務がある。


第3者が後で検証できるように、どこの誰が話した(書いた)ことなのか
データの出所を明確に示すというものが書き手のマナーの中にはあると思うのだが、
これが北朝鮮の報道となると例外扱いになる。



「複数の関係筋が明らかにした」「韓国の専門家は〜と語った」とあるが、
 報道がまるっきりのデタラメであることが判明した今、同記事を書いた
 牧野愛博記者は少なくとも

 (数の関係筋とは誰のことか
 △修發修癲∨榲に取材を行ったのか
 J未了件の信ぴょう性は確かなのか


以上3点について、ハッキリさせるべきだろう。

[ニュース分析]「李永吉処刑説」流布し言い逃れる大統領府と国家情報院

韓国紙ハンギョレは、この問題を重要視していて、入念になぜ誤報が流れたかについて検討している。
それによれば、この報道は韓国政府が同国の情報機関である国情院を通してメディアに伝えたものらしい。



つまり、牧野記者が複数の関係筋に直接取材せずに、
韓国政府が記者を集めて発表した内容をそのまま確かめもせずに報道した可能性は非常に高い。



複数の人間から裏を取ったかのように記述し、
専門家も事実と認めているかのように語る牧野記者のやり口は非常に悪質で、
事実を正確に伝えようとするよりも、権力側の主張や印象を流布することに執心したものになっている。


ハンギョレは次のように語る。


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李永吉処刑説をはじめ、最近になって「関連機関の情報」として内容を流す例が現れている。
中国の北朝鮮式レストラン従業員の集団脱北の時も同じだった。

こうした時、
「関連機関」とはほとんど例外なく国家情報院を指す。



〜中略〜

「李永吉処刑説」誤報事態は開城工業団地の閉鎖と無関係ではない。

開城工業団地閉鎖決定によりまき起こるやも知れない世論悪化を
「暴悪な北朝鮮政権の不安定性」を拡大再生産することによってぼかそうとした公算が高い。

〜中略〜


朴槿恵大統領の“長期に亘る”北朝鮮崩壊論の認識が
「情報失敗および不正乱用」事態の構造的原因だ
という指摘が多い。

政府部内で北朝鮮情報を扱った経験が多いある関係者は

情報機関の実務者は情報でイタズラをすることはない。
 情報失敗と言われる事例の大部分は、
 最高権力者とそれに媚びた部や室が
 国内政治目的で「北朝鮮問題」を活用しようとして招いた惨事


と指摘した。

大統領府をはじめとする朴槿恵政府は、
今回の「李永吉情報の失敗」を重大な反省の契機にしなければならないという声が強い。

元政府幹部は
「張成沢(チャンソンテク)、玄永哲(ヒョンヨンチョル)、李永吉など
 北朝鮮の軍・党高位幹部の粛清または処刑を
 金正恩政権の不安定性と崩壊の兆しだと解釈したい朴槿恵大統領の偏向した認識が問題
」として

「政府が処刑されたと事実上発表した李永吉が堂々と生きているということが確認された今回の事態は、
 朴槿恵政権の対北朝鮮政策と関連して深い省察の必要性を雄弁に語る重大な情報失敗・誤用事例
と話した。

http://japan.hani.co.kr/arti/politics/24120.html
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情報失敗と言われる事例の大部分は、
 最高権力者とそれに媚びた部や室が
 国内政治目的で「北朝鮮問題」を活用しようとして招いた惨事



この言葉は日本のメディアや知識人にもそっくりそのまま当てはまるだろう。
ハンギョレもあまり良い新聞とは良い難いが、それでも今回の誤報の問題性、
すなわち、韓国政府に追従して北朝鮮を生贄にしようと画策するメディアの有り方を強く非難している。


対して、朝日新聞は・・・






朝日
「李氏をめぐっては2月、解任、処刑されたとの情報が流れた
 朝日新聞は2月11日付国際面に「軍総参謀長を北朝鮮が処刑 分派容疑か」の記事を掲載した。」






情報は流れたのではない。流したのである
他ならぬ朝日新聞が。



この程度の反省で済ませてしまう朝日新聞は
現在、北朝鮮関連の記事を概ね牧野記者にまかせっきりにしている



過食130キロ・「処刑してやろうか」…不安募る正恩氏


これは李永吉処刑説が流される前に書かれた記事であるが、執筆者は同じ牧野記者で、
北朝鮮の内情を知る専門家らによると、ストレスを抱えた正恩氏の振る舞いは内部を混乱させている」
という記述がある。


実は、この記事で書かれた内容(専門家らによると〜混乱させている)は
他の記者や評論家も、あたかも自分が直接、専門家とコンタクトを取り、取材を行ったかのように
書いているので、李永吉処刑説と同様に、政府が流した情報をそのまま伝えている可能性が高い。


新聞記者という存在は、本来、政府側の言い分が確かかどうか検討するためにある職業だが、
現実では韓国政府経由の情報を事実確認せず、拡散する記者が野放しになっているわけで、
もっとわかりやすく言えば、素人が書いた記事を売っている

誰かの言い分をそのまま伝えるだけなら、録音機さえあれば子供でもできる


これは日本の新聞記事の信ぴょう性を大きく揺るがすものだと感じるし、
だからこそハンギョレは国内のメディアの有り方も兼ねて記事を書いている。



李永吉軍総参謀長を処刑か 今月初め「分派活動と権勢汚職」嫌疑


北朝鮮、総参謀長を処刑か…恐怖政治浮き彫りに


もっとも、読売や産経に至っては訂正記事すら書いていないので、朝日はまだ良心的なほうだ。


朝鮮新報は、今回の誤報について「処刑説で赤っ恥」という記事を載せたが、
産経や読売、朝日、加えてデイリーNKなどのメディアは誤報を流した自社の
社会的責任について深く考えないので恥すらかかない。こういうのを厚顔無恥と呼ぶ。


これは今に始まったことではなく、北朝鮮しかり中国しかり韓国しかりロシアしかり、
日本のメディアの国際ニュースはいい加減すぎるし、その問題が深く問われることもない。


嘘を書いてもOKという風潮が当たり前のようになっているのは凄まじい状況だと思うのだが、
本来なら強く批判すべき社会学や政治学、あるいは左翼団体の関係者が
これについて特に気にしていない。

あるいは気にしている人間がいても、彼らには発信する手段がない。
(発信していても、ごく少数の人間にしか読まれない)


・追記
 ついでに言えば、牧野記者は文春新書から
『北朝鮮秘録 軍・経済・世襲権力の内幕』という本を売り出している。


 朝日は左翼というイメージをネトウヨは流しているが、
 近年、朝日の記者は文春や祥伝社などの右派系出版社から本を出版しており、
 その主張も姿勢も読売や産経と大差ない。
 
 牧野記者が3流記者で偶然、記事を書いたのであれば、まだ救いの余地があるが、
 実際には、こういう記者が1流として、それなりのポジションで飯を食っている状態。


 嘘をつくことが金になるようになっている現状、
 洋書やインターネットによる外国発信の情報を得られない人間が
 国際政治について理解することは非常に難しくなっているのではないかと思われる。

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オバマ広島訪問の真の狙い

2016-05-12 22:05:37 | 軍拡
オバマ大統領の広島訪問が新聞、テレビでもてはやされている。
前回のオバマ来日の際も、まるで王様が来たかのような歓待を受けていたが、
その裏側で日米の軍事協力体制が更に強化されたことにも目を向けなければなるまい。

メディアでは平和のための第一歩だという評価がされている。

[毎日新聞] 米大統領広島へ 訪問の英断を評価する (2016年05月11日)

[朝日新聞] オバマ氏広島へ 安全な未来への一歩に (2016年05月11日)


[読売新聞] オバマ氏広島へ 犠牲者を日米で追悼する機に (2016年05月12日)

[東京新聞] オバマ氏広島へ 核なき世界へ道筋を (2016年05月12日)



実際には、今回のオバマ訪問は日米間の更なる軍事協力を確実にするために行われるものだ。
この点を、産経新聞の青木記者は素直に認め、以下のような記事を載せている。

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日米関係の深化を求めるメッセージと素直に受け止めよ 
最後の訪日、用意周到に「歴史問題」解消狙うオバマ氏



今回、踏み切った背景には主に、2つの思いと狙いがある。

1つは2009年、プラハ演説で打ち出した「核兵器なき世界」への執着だ。
北東アジアが深刻な北朝鮮の核開発問題を抱える状況下で、
「最初に核兵器の犠牲になった広島」(アーネスト大統領報道官)を訪れ、
オバマ氏の信念を再表明することは、道半ばの核軍縮と核不拡散を後押しするうえで意義が大きい。


もう1つは、「大統領として日本を訪問する最後の機会に、
日米関係がさらに良くなる努力」として、広島訪問を位置づけている。 

戦後70年以上が経過してもなお、米国の広島、長崎への原爆投下は、
日米間のいわば「歴史問題」として、トゲのように突き刺さったままだ。

オバマ氏は、米国内に根強くある原爆投下への正当論などに留意し、
用意周到に「謝罪の旅」と受け取られることを避けつつ、
原爆死没者を慰霊し世界の恒久平和を祈念することで、日米のトゲを少しでも引き抜こうとしている。

これはアジアにおいて、日米同盟が、平和と安定の基軸であると
認識していることの証左だといえよう。日本は訪問を、日米関係の深化を求める
オバマ氏のメッセージとして、素直に受け止めるべきだ。(ワシントン 青木伸行)


http://www.sankei.com/world/news/160510/wor1605100049-n1.html

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アメリカの核実験の継続

アメリカの放射能被害による犠牲者は、戦死者の数倍


そもそも、世界で最も多く核兵器の実験を行っているのはアメリカだ。
その回数は1000を超え、これまでに世界中で行われた核実験の半数を占めている。

この実験によって、第5福竜丸の船員をはじめとして多くの人間が犠牲となっているが、
これに対してもアメリカはこれまで責任を持とうとしてこなかった。今後もしないだろう。


それだけでなく、アメリカはブッシュ政権以降、積極的に核開発を進めてきたし、
それは単なる新兵器の開発ではなく、北朝鮮などの敵国を先制攻撃の対象とするものであった。


このスタンスは今も変わっていない。
次の記事は半年前の2015年11月に書かれたスプートニク紙の記事である。


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米国、核実験を実施

米国は核爆弾B61−12の実験の3度目の、最終ラウンドを実施。
これは核弾頭の寿命延長計画プログラム(Life Extension Program, LEP)にのっとって行われたもの。

米国家核安全管理局の広報部は17日、記者団に対し、実験はネバダ州トノパフ射撃場で行われ、
その枠内で米空軍機F−15Eがネリス基地から発進し、射撃場の領内に爆弾を投下したことを明らかにした。

〜中略〜


B61−12は米国の戦略核軍備の主要な熱核兵器。

この爆弾は超音速機をはじめとする航空機での輸送用に作られており、平均重量はおよそ320キロ。
2013年、米国防総省は議会に対しこの爆弾の刷新に110億ドルを要請していた。
だが当時議会はこうした巨額の支出に断固として反対。
議会がこれを承認すれば、プログラムの完全遂行は2021年にとなる見込み。

ロシアの戦略景気センターのイヴァン・コノヴァロフ所長は、
米国の新たな核爆弾の実験から、米国は核兵器の開発を続行する構えであることが裏付けられたとして、
米国はこの爆弾の刷新を12回行っている。これはこの兵器を退けるつもりはない証拠」と語っている。

退役陸軍大佐で軍事専門家のヴィクトル・リトフキン氏も、
米軍の核実験は必要性から行われているとして、次のように語っている。


「核爆弾は博物館に展示するために作られているのではない。必要とならばこれは使用されるのだ。
 米国防総省は2020年までに米国ではこうした兵器の大量生産が始まるという声明を既に表しており、
 B62−12は今イタリア、ベルギー、オランダ、トルコ、ドイツにあるより古い爆弾を交換される。

 この核兵器を用いることがでくるのはNATO諸国の航空機もそうで、米国にとどまらない。

 これはすべて核不拡散条約に大きく違反した行為だ。

http://jp.sputniknews.com/us/20151118/1187018.html
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今回のオバマ訪問は、このような核戦略の上にあるものだ。

アメリカはイランや北朝鮮のような敵国には経済制裁をしてまで核兵器を廃棄しようとするが、
自国や同盟国、イギリスやフランスの核保有に対しては全くといっていいほどノーリアクションだ。

なお、イランに対しては持っている「かもしれない」というだけで経済制裁が下された

今年4月のG7外相会議の席でも、ケリー国務長官は
核兵器は禁止されなければならないが、
 それは抑止力を低下させることで世界がより危険になるようなやり方ではなく、
 より安全になると認めうる形で進められなければならない
」と言明している。


単刀直入に言えば、アメリカは敵国の核兵器は廃絶したいが、自国の核開発をやめるつもりはない。


それゆえに、今回のオバマ大統領の行動はアメリカ国内からも欺瞞だと非難されている。


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アメリカ・シカゴのラジオパーソナリティで作家のスティーブン・レンドマン氏が、
「オバマ大統領が核兵器の反対者を自称していることは、
 恥ずべき嘘以外の何ものでもない」

としました。

世界最大の核兵器庫を保有している
アメリカの国家安全保障政策は、
核兵器によるいわゆる先制攻撃の許可を出しています。


レンドマン氏は10日火曜、プレスTVのインタビューで、
「これはブッシュ政権時代の政策だった。
 オバマ大統領の国家安全保障政策は、ブッシュ氏がとったまさにその政策に基づいている
と語りました。

さらに、
「オバマ大統領が広島を訪問し、アメリカの平和と安定の責務を示すという構想は、
 合衆国の政策とは真逆のものだ」としました。

アメリカ政府は、9日月曜、「オバマ大統領は、
G7・先進7カ国の首脳会議に出席するために日本を訪れる中で、
5月27日、広島を訪問し、原爆ドームを視察する」としました。

アメリカ・ホワイトハウスのアーネスト報道官が、
アメリカ大統領の広島訪問は原爆投下の謝罪を意味しない」としました。

アーネスト報道官は、10日火曜、
「オバマ大統領は、1945年の核攻撃は正当な理由で行われたと考えている」と述べました。

さらに、「オバマ統領は、トルーマン大統領が正当な理由で原爆の使用を決定した。
それは恐ろしい戦争を終わらせるためだったと考えている
」と述べました。

http://parstoday.com/ja/news/world-i8110
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前述したように、アメリカの核先制攻撃の対象にされているのが他ならぬ北朝鮮だ。

北朝鮮は、このことを強く非難している。北朝鮮の核開発には猿のように発狂する一方で、
そもそもの原因を作ったアメリカの核兵器には一切、非難の声を挙げず、
それどころかアメリカの原爆投下を事実上、免罪しようとする日本の態度は異常である。


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官房長官「歴史的機会に」 オバマ氏の広島訪問

菅義偉官房長官は11日午前の記者会見で、オバマ米大統領の広島訪問が決まったことについて
「核兵器のない世界をめざす国際的機運を盛り上げる上で、
 極めて重要な歴史的機会になる。政府として心から歓迎する」と述べた。

「被爆者の方々の強い思いは、惨禍を二度と繰り返さないことにあると考えている」とも語り、
オバマ氏に原爆投下への謝罪を求める考えはないとした。

長崎を訪問しないことに関しては
「広島訪問は被爆の犠牲者を追悼し、被爆の惨禍を繰り返さないとのメッセージを発信するためだ。
 長崎で被爆に遭った皆さんにも通じると考えている」と語った。


http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS11H0K_R10C16A5MM0000/
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要するに、謝罪しなくても良いからという日本政府の言葉を受けて、訪問が決まったに過ぎない。

これは原爆投下に対してアメリカが法的責任を負わないこと、すなわち、
原爆投下は日本の自業自得であり、これに対してアメリカが責任を感じる必要はないという
アメリカ側の解釈を「仰る通りでございます」と了解したことを意味する

これのどのへんがグッドニュースなのか、さっぱりわからない。


歴史研究の結果、広島原爆投下は単純に莫大な予算をかけて開発した原子爆弾の成果を確認する、
つまり単なる実験のために行われたこと、加えてソ連をけん制するために投下したことが指摘されている。


14万もの人間がモルモットのような感覚で殺されたわけだが、
これに対して「謝罪する必要はない」「責任はない」と考える米政府のどこが偉いのだろう?



加えて、このような「平和主義」と並行して、
アメリカ軍が今、世界で何をしているのかについても考えなくてはなるまい。




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アメリカが、シリアで活動するテロリストに化学兵器を供与

メリカの政治専門家ジェイムズ・ジュトラス氏が、
アメリカとその同盟国は、シリアで活動するテロリストたちに化学兵器を供与しているとしました。

ジュトラス氏はプレスTVのインタビューで、
化学兵器禁止機関がテロ組織ISISの化学兵器製造に真剣に対処しない理由は、
一部の大国が自分の利益を危険に晒さないためにこの機関に影響力を及ぼしていることにある」と語りました。


ジュトラス氏はまた、
「化学兵器はISISだけでなく、シリアの他のテログループの手にも渡されている」と強調し、
「西側諸国は、化学兵器不拡散に向けた対策において、好ましい行動をとっていない」と述べました。


2013年、アメリカのオバマ大統領
シリア政府に対し化学兵器兵器の使用という偽りの疑惑を提示することで、同国を軍事攻撃しようとしました。



http://parstoday.com/ja/news/middle_east-i7819
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イラン革命防衛隊 ペルシャ湾における米海軍のプレゼンスは「絶対悪」

イラン革命防衛隊は、国の入り口付近に米国艦船がしばしば出没することに関連して、
不安感を表明し、米艦船の存在について「絶対悪」であると呼んだ。


これはイラン革命防衛隊の海軍兵団を指揮するアリ・ファダヴィ提督が、
テレビIRINNの夜の番組に出演したさい述べたものだ。

ファダヴィ提督は、次のような見方を示した-

米国は、自分の同盟国と共に、ペルシャ湾水域に存在している。
 それ故、この水域の軍事状況は、平穏で自然なものとは程遠い


 現在水域には、60隻を超える軍艦が存在しているが、
 その大部分は、米国、フランスそして英国のものだ。



http://jp.sputniknews.com/world/20160511/2114817.html
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南シナ海への米艦の侵入に、中国が抗議

中国が、南シナ海へのアメリカ艦船の侵入に強く抗議しました。

中国・新華社通信によりますと、中国外務省の陸慷(りく・こう)報道官は10日火曜、
「アメリカの艦船が中国政府の許可なしに、
 南シナ海の南沙諸島の近海を航行したことは違法行為である」と語っています。

同報道官によりますと、アメリカのこの行動は
中国の領土保全や安全を脅かし、地域の平和と安全を損ねるものだということです。

陸慷報道官はまた、
「中国は、自国の領土保全と安全の維持の枠組みでの努力を継続する」と強調しました。

アメリカ国防総省のアーバン報道官は10日、
「南シナ海で、アメリカのイージス駆逐艦ウィリアム・P・ローレンスによる
 航行の自由作戦が実施され、この駆逐艦は中国が主権を主張する人工島から12海里内にまで接近した」
と語りました。

中国は、これまでに繰り返し、南シナ海での「航行の自由」作戦への反対を表明しています。


http://parstoday.com/ja/news/world-i8095

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〜北朝鮮の核開発&オバマの広島訪問について〜

日本のメディア右翼&左翼

「金正恩は核挑発をやめろぉおおお!!!!
 オバマは平和の使者ぁああああああ!!!!」





〜アメリカの核実験&テログループへの化学兵器供与&シリア侵攻未遂について〜


 完全に黙認無視





このように核以外に目を向ければ、今回のオバマの訪問は非常に政治的・軍事的なもので、
先の慰安婦問題における日韓の形ばかりの妥結と同じく、今後の戦争を円滑に進めるためのものでしかない。


慰安婦合意の裏で「均衡外交」の代わりに韓米日同盟強化
[社説]オバマ大統領の広島訪問が成果を収めるために
[記者手帳]「平和の広島」に向けたオバマ大統領と安倍首相の歩み

韓国には、慰安婦合意のような妥結の真意は軍事同盟の強化だと看破する声があり、
彼らの中には今回の広島訪問も同じ文脈で行われるものだと認識する者も多い。

それに対して、日本ではオバマの広島訪問に対して平和のための第一歩だとして、
それなりの数の平和主義者が浮かれ騒いでいる。この違いは一体何なのだろうか。


中途半端な平和主義者ほどファシストに都合の良い敵はいない。


こうした団体や運動家の中には、反核=正義、反反核=絶対悪という
単純な世界観を抱いている人間が少なくなく、彼らは支配者層の目論見通りに
核兵器を維持し続ける敵国(ロシアや北朝鮮、中国)を非難・攻撃する先兵になっている。


(他方で同盟国であるイギリスやフランスの核保有、テロ支援に対する非難はまれだ)


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日本は正しくない 世界を脅かすのは原爆にあらず、世界制覇を狙うマニヤックだ


国連総会は核兵器廃絶を呼びかける日本発案の決議を採択した。
だが世界が実際に核兵器を廃棄した場合、より安全になるのだろうか?


〜中略〜

米国はロシアとの境界線にますます新型の兵器を配備している

それ以外にも米国は、ロシアの大陸弾道ミサイル発射装置、
軍事施設、産業の中心地に対する、巡航ミサイルによる電光非核集中攻撃コンセプトを採択した

それからさらに米国はロシアと国境を接する諸国で、
民主主義を推し進めるという旗印のもとにその秩序かく乱を行ない、
ロシアが米国の標準に即し、米国の助言や直接的な指令を遂行しようとしないとして、
これに対する制裁を発動している。


米国は、ロシア領内をも含めて、
そこにイスラム帝国復興を標榜するダーイシュ(IS,イスラム国)などのテロ組織を
自国の連合国のうち数カ国が、例えばトルコやカタールなどが支持することには少なくとも目をつぶっている。


そうしておきながら米国は、ロシアが勝手にテロリストと戦おうとしているといってはこれを非難し、
ロシアが共に力をあわせて戦おうという呼びかけても、これを退けている。


オバマ大統領は、米国こそが地球で唯一のリーダーであり続けねばならないと主張し続けており、
米国の首位に疑念を持つもの全ては人類の敵と見なしている。

そうでありながら、おわかりだろうが、米国も原爆を手放す気はないのだ。

日本よ、世界に対し、核兵器廃絶を訴えるかわりに連合国、米国に向かって
世界の排他的リーダーシップを要求することをやめるよう呼びかけたほうが、より現実的ではないだろうか?


http://jp.sputniknews.com/opinion/20151208/1288606.html 
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客観的に見れば、アメリカに先導される国際社会は
表面的には非核をうたってはいるが、実際には敵国への更なる軍事干渉を計画しているわけで、
大国の代表者の広島訪問は、軍事協力を強化するためのものでしかない。


現状、日米を主とする大国の反核運動は、
自国のイメージをアップし、敵国のイメージをダウンさせるプロパガンダとして機能しており、
同時に自国の軍拡、挑発行為、軍需産業の維持、テロ組織への支援をごまかすための隠れ蓑となっている。




このパフォーマンスは、それなりの効果を発揮していると言えよう。

ほとんどの日本人は、先制攻撃を行わない・非核化にむけて努力すると語る
北朝鮮や中国は国際平和に挑戦する悪しき帝国であり、彼らの言葉を信じてはならないと考えているし、
他方で、これらの国々に武力挑発を日常的に行い、先制攻撃のための核開発に勤しんでいる
アメリカの政治パフォーマンスに対しては「平和にむけての前進」と大絶賛している。


こうして「平和国家日本」という現実とはかけ離れたイメージが作られていく中、
アメリカや日本に逆らう国は絶対悪なのだという独善的な考えが当たり前のものになり、
彼らが自国を攻めてくるという妄想が日本の軍国化を強力にアシストしている。

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北朝鮮党大会に関する朝日新聞のプロパガンダ記事

2016-05-09 00:12:29 | 北朝鮮
現在、北朝鮮では何十年ぶりの党大会を開催しているが、
これに伴い、国外のジャーナリストを招致し、自国のアピールに奔走している。

せっかくの訪朝のチャンスなのだが、日本のメディアは直接平壌に行こうとしない(※)。
代わりにいつも通りの韓国経由の北朝鮮バッシングに熱中している。

朝日新聞を例にすれば、文春新書から自著を出すようなバリバリの保守記者、
牧野愛博氏が「正恩氏、非核化を再び否定「責任ある核保有国」 党大会」という記事を書いているが、
もちろん、ここに書かれているのは海外メディア経由のもので、まぁ推して知るべしである。


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正恩氏が示した戦略は、個人独裁を含む従来の北朝鮮の路線を正当化し、継承することを訴えている。
核や弾道ミサイルを放棄し、武力挑発をやめるように求めてきた国際社会の反発を呼びそうだ。

正恩氏は5カ年戦略について「人民経済発展のための段階的な戦略」とし、
電力の充実や農産物の増産などを指示したが、具体的な数値目標には触れなかった。

正恩氏は外交や安全保障分野で「米国による核戦争の危険を、強力な核抑止力に依拠して終わらせる」と主張。
「責任ある核保有国」という言葉を使い、核を放棄する考えが全くないことを改めて強調した。
「実用衛星をさらに多く製造し、打ち上げるべきだ」とも訴えた。

正恩氏は、韓国に南北関係の改善を訴えると同時に、
米国に「朝鮮半島問題から手を引くべきだ」と主張した。
米韓は、北朝鮮が非核化に向けた具体的な態度を示すよう求めており、正恩氏の主張に強く反発しそうだ。

また、正恩氏は、日本に対して「朝鮮半島に対する再侵略の野望を捨て、
わが民族に犯した過去の罪悪について反省、謝罪し、朝鮮の統一を妨害してはならない」と強調した。

朝鮮労働党大会は8日も平壌で引き続き、開かれている模様だ。(ソウル=牧野愛博)

http://www.asahi.com/articles/ASJ5833W9J58UHBI008.html
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同じことをスプートニク紙やPars todayが伝えるとこうなる。


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北朝鮮の金正恩第1書記は、北朝鮮は核不拡散の義務を遂行し、
世界の核ポテンシャルの拡大に終止符を打つために努力すると発表した。

8日、ロイター通信が、朝鮮中央通信を引用して伝えた。


また金第1書記は、北朝鮮の主権が侵害された場合には核兵器を使用すると述べた。

第1書記は、次のように指摘した−

核兵器を保有する責任ある国として、我が共和国は、
 侵略的な敵対勢力が核兵器を用いて我々の主権を侵害しない限り
 核兵器を使用することはない。


http://jp.sputniknews.com/politics/20160508/2101820.html
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北朝鮮第1書記、世界の非核化と韓国との関係改善を強調



北朝鮮のキムジョンウン第1書記が、「北朝鮮は核兵器を使用しないだろう」と表明しました。

中国・新華社通信によりますと、
北朝鮮のキム第1書記は、8日火曜、朝鮮労働党大会で、世界の非核化を求めました。

キム第1書記はまた、「北朝鮮は侵略を受けた場合にのみ、核兵器を使用するだろう」と語りました。

さらに、
「北朝鮮は大量破壊兵器の拡散防止を遵守しているとともに、
 この実現に向けて、全力を注ぐことになるだろう」としました。

キム第1書記は、演説で、祖国統一は朝鮮労働党にとって特別な重要性を帯びており、
韓国との関係改善を進める必要があるとしました。

また、南北朝鮮の双方の尊重、双方の関係における新たな時代を作るための共通の努力、
祖国統一キャンペーンの支援、これらは韓国との関係改善に必要だと述べました。

さらに、韓国との全てのレベルにおける話し合いの継続を求め、
両国関係は根本的に改善されるべきだと強調しました。


韓国の政府高官は匿名で、キム第1書記の世界の非核化に関する表明はあまり重要でないととしました。

北朝鮮は6日金曜、36年ぶりに行われた朝鮮労働党大会の開会に際して、
敵対を停止するための平和条約の締結を求めました。

http://parstoday.com/ja/news/world-i7825

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一応、確認しておくと、北朝鮮は非核化にむけた具体的な態度をすでに示している。
米韓軍事演習の中止を条件とした核開発の停止、平和条約の締結だ。
この提言を米韓が毎回、難癖をつけて却下し、軍事演習に固執してきたのはすでに伝えた通り。

日米韓の北朝鮮ミサイル実験に対する茶番

牧野氏の報道では、事実関係が逆転している。
北朝鮮は挑発しているのではなく、警告しているに過ぎない。


Pars todayでは、金正恩が韓国との対話による解決を求めていることを率直に伝えているが、
朝日新聞の記事では「韓国に南北関係の改善を訴える」と表現し、対話を求めているという
肝心かなめの部分を削除している。


牧野記者は意図的に北朝鮮が暴力的な国家であるというイメージを拡散させるために
「北朝鮮は核兵器を使用しないだろう」と明言された点には一切触れずに
「北朝鮮は侵略を受けた場合にのみ、核兵器を使用するだろう」という部分を曲解して
「核を放棄する考えが全くないことを改めて強調した」と記述する。実に悪質な記事である。


朝日新聞の記者は前々から保守系出版社から本を書いていたし、
朝日の右傾化は10年前から昔の読者から指摘されていたことである。

とはいえ、ここまで事実を捻じ曲げて報道されると、その合法詐欺ぶりに驚きあきれてしまう。
北朝鮮を非難するのは勝手だが、そのやり口が汚すぎる。せめてフェアな態度で臨んでほしいものだ。


※追記

もっとも、すべてのメディアが訪朝していないわけではない。
テレビ局の中には直接、取材を行っているチームもある。

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北朝鮮の朝鮮労働党大会

2016-05-07 00:11:21 | 北朝鮮
朝鮮労働党大会が36年ぶりに開かれた。この大会は9日まで続く模様。
金正恩政権になってから北朝鮮では次々と新しい政策が行われている。今大会もその一環なのだろう。


モスクワ国際関係大学国際調査研究所の上級研究員、アンドレイ・イワノフ氏は
この大会が党内の保守派をけん制し、さらなる改革を行うため開催されたと指摘する。


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北朝鮮は国際的な孤立状態から急速な勢いで抜け出ようとし始めた。
こんな北朝鮮と外交関係を樹立しようという国は西側諸国のなかに出始めた。

とはいえ、当時、ジョージ・ブッシュ政権の米国がこうしたプロセスを激しく阻害したのも事実である。
というのもブッシュ大統領を取り巻く補佐官らは北朝鮮問題は交渉ではなく、
喉元を絞めあげる制裁を用いて解決すべきと考える者らばかりだったからだ。

米国側からの非難は改 革に反対する北朝鮮エリートの保守層の影響力を強めてしまい、
おそらくはこうした者らとの戦いに疲れ、金正日氏は死期を早めてしまったのだろう。
2011年12月にこの世を去った。

ところが、国内の改革反対者の抵抗、米国のあからさまな敵意、
保守が政権に返り咲いた韓国の、どう考えても利口とは言えない政策にもかかわらず、
政権を引き継いだ金正恩氏は改革に新たな弾みをつけた。

こうしたことは、スイスのエリート校で学んだこの人物からは十分期待できたことだった。

かくて北朝鮮のバラエティーショーのステージには、
以前なら『米国帝国主義』のシンボルとして禁じられていたミッキーマウスやミニー、
西側のスケールからしてもあまりにも短すぎるミニスカートをはいた少女歌手が登場しはじめる。

また北朝鮮経済には成金が出現した。この成金らは一見、『役人』の仮面を被っているが、
実際は自前の工場や企業を持つ、れっきとした経営者だ。

一言で言うならば、北朝鮮は変わりつつある。

この国は民主主義の輸出国である米国のずたずたにされた
ユーゴスラビア、イラク、アフガニスタン、リビアのような悲惨な運命を繰り返さないために、
軍備に途方もない経費を費やさざるを得ないものの、それでも新たな経済を築こうとしているのだ。



この路線を揺ぎ無いものとするために金正恩氏は今、大会を必要としている。

若い指導者は西側からの多大な圧力に抗し、保守派の改革反対を克服するために
与党政権党の党員らの支持を取り付けたいと望んでいる。

この試みが吉とでるかどうか。ピョンヤンへ赴き、大会の様子を見てみようと思う。


http://jp.sputniknews.com/opinion/20160428/2042507.html
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当たり前の話だが、朝鮮労働党も組織である以上、内部には派閥が存在する。

アマ・プロ問わず日本の北朝鮮専門家は、総じて北朝鮮が独裁国家だと吹聴するが、
実際には複雑な対立構造があり、この点に注目しないと眼前の現象が理解できないと思う。


一言でいえば、
北朝鮮は日本と同じ国家であり、私たちとさして変わらないという認識が日本人専門家にはない。

日本やアメリカとは絶対的に違う国なのだという先入観がある。
そのため、次のようなレポートを書くことはないし、プロパガンダとみなして無視してしまう。

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平壌に変革の兆しがあることは「肉眼でも」明らかだ。

この4年間で平壌に新たな空港ができた。
質的にソウルの「仁川」、東京の「成田」、北京の「北京首都」空港に並ぶものだ。
また、30-40階建ての住宅が立ち並び、そのモダンなデザインで目を楽しませている。
また、学者や文化人を中心とした新たな入植者数千人も喜びの種だ。


同じ期間に平壌を走る車の数が何倍にもなり、その大半が国産モデルだ。
高級ジープなど日本車も目に付く。商店やレストランの数も増えた。

路上で人々はもはや外国人を敬遠せず、今や喜んで、
大会の取材に平壌に集まった外国人ジャーナリストのインタビューに応じている。



たとえば80歳ほどの老人が米国テレビの取材に答え、
北朝鮮人はもはや米国を敵視していないが、一方でワシントンを破壊することができる
核ミサイル兵器の開発を通じて防衛能力を向上させる朝鮮労働党の路線を熱く支持している、と語った。


一方、胸につけたバッジに金正日の肖像画が見えるこざっぱりした上着を着た若い男は、
大会後、北朝鮮はより豊かで強力になるだろうとの確信を語った。

大会後には金正恩氏のバッジもできると考えられている。多くの専門家は、
若いリーダーは大会後に地位を強化し、2人の前任指導者、彼の祖父と父と同格になり、
「金正恩時代」が宣言され、彼の誕生日は祝日と宣言されるだろう、と見ている。


今回のスローガンは「勝利者の大会」。平壌の路上にもこの言葉はよく見られる。
内容についての正確な情報はまだないが、金正恩氏のレポートのほかに、
党憲章の改正、党と政府の人員交代などが期待されている。

しかし、一番気になるのは、大会で経済改革路線が正式決定されるかどうかだ。
改革はかなり以前から行なわれており、
ますます中国やベトナムで成功をおさめた改革を思わせるものになっている。


平壌に到着したロシアの著名な専門家アレクサンドル・ジェビン氏が
スプートニク特派員に語ったところでは、北朝鮮の指導者らは、改革という言葉をあまり好んでいない。
変化に焦点を当てると、ひとつの疑問を生じさせる。

「ではこれまで労働党は国を間違ったコースに導いていたのか?」。
したがって、改革は継続され、加速されるだろうが、おそらく無用な騒ぎは起こさないだろう、
とジェビン氏。

よって、大会で取られるだろう重要な決定が公開されることはおそらくなく、
それがどのように実施されるかを見て、事後的に、
大会でどのような決定が取られたのかを知ることができるのみだという。

http://jp.sputniknews.com/opinion/20160506/2087017.html
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露外務省、北朝鮮銀行との関係制限法令を準備


スプートニク紙はロシアの国営メディアであるはずなのだが、
わりかし強硬な姿勢に移りつつあるロシア政府とは異なる立場を取っている。

北朝鮮への先制攻撃は正当化できない

他方で、スプートニク紙は労働党大会で
大会会場に外国人ジャーナリストが入場できなかったこともしっかり書いている。

外国人ジャーナリスト 朝鮮労働党大会が開かれている建物に入れず

総じていえば、ロシア国営のプロパガンダ機関であるはずのスプートニク紙のほうが
日本よりも公平で中立的な良い記事を多く掲載している。実に皮肉なことだと思う。


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日米韓の北朝鮮ミサイル実験に対する茶番

2016-05-01 00:28:09 | 北朝鮮
一昨日頃から北朝鮮の弾道ミサイル発射実験に対して、日米韓各政府から非難の声が挙がっている。

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日本政府は、北朝鮮に対し、弾道ミサイル技術を使用した
あらゆる行動を禁止した国連安全保障理事会決議の遂行を求めてゆく考えだ。

金曜日、岸田外相は、中国公式訪問を前に行われた東京での記者会見で、こうした立場を明らかにした。


北朝鮮の核ミサイルプログラムに関する問題は、
岸田外相と中国指導部との交渉において重要なテーマになると見られている。

岸田外相は「北朝鮮によるミサイル発射は受け入れられない。
米韓と協力し、我々は、北朝鮮に対し、自制と国連安全保障理事会決議の遂行を求めてゆく」と述べた。

また外相は「現在日本政府は、どのような状況になっても、
それに向けた準備をしており、北朝鮮の行動に関する情報を詳しく収集し分析している」と付け加えた。

朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)は、ウォンサン港付近で、
移動型弾道ミサイル「ムスダン」2発(射程2500から4000キロと見られる)を発射したが、
打上げは失敗に終わった。ミサイルは、数秒飛行した後、レーダーから姿が消えた。

http://jp.sputniknews.com/asia/20160429/2047137.html
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一言でいえば、これは茶番以外の何物でもない。

なぜ言い切れるのか?
それを知るためには、この前後で北朝鮮が何を提言していたのかを把握する必要がある。



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北朝鮮、核実験停止の条件を示す

2016年04月24日

米国と韓国が軍事演習を停止すれば北朝鮮は核実験を停止する。
北朝鮮外相イ・スヨン氏が述べた。AP通信が土曜報じた。


朝鮮半島での核軍事演習を停止してほしい。
 そうすれば私たちも核実験を停止する
」という。


国には抑止手段としての核兵器を持つ権利があり、それが制裁に左右されることはない、
と大臣は強調。核兵器の開発は米国に促されたことだ、と改めて述べた。

これは西側メディアが北朝鮮の閣僚に行った最初のインタビューであるという。


http://jp.sputniknews.com/world/20160424/2017820.html
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何のことはない。米韓合同軍事演習を中止してくれれば、
核実験を停止すると北朝鮮のほうから提案されていた
のである。一週間も前から。



では、この提案に対してアメリカと韓国はどのような態度を取ったのだろうか?
次の記事を読んでみよう。



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韓国、核実験停止に向けた北朝鮮の提案を拒否



韓国が、核実験の停止に関する北朝鮮の提案と条件を拒否しました。

北朝鮮のリ・スンヨン外務大臣は、23日土曜、アメリカ・ニューヨークで、
北朝鮮は米韓合同軍事演習の実施を停止する場合、核実験を停止する用意があるとしました。

韓国・ヨンハプ通信によりますと、韓国統一省のチョン・ジュンヒ報道官は25日月曜、
北朝鮮の核実験停止の条件は、
北朝鮮への制裁行使に向けた各国の努力を逸脱させるため提案されたとしました。

アメリカのオバマ大統領も、
アメリカ政府は北朝鮮の提案を真に受けておらず、北朝鮮の態度の改善が良作だ」と語りました。

韓国国防省の報道官も、25日、
「北朝鮮は5度目の核実験を軍の創設記念日にあわせて行う可能性がある。
 このため、韓国の全軍と政府は警戒態勢を取っている」としました。

北朝鮮は1月6日、2006年から4度目にあたる、水爆実験と称する核実験を行いました。
北朝鮮はまた、核弾頭を小型化し、それを弾道ミサイルに取り付ける技術を獲得したとしています。

http://parstoday.com/ja/news/world-i6859
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北朝鮮の条件自体は10年以上前から何度も提示されているものだ。
その都度、韓国とアメリカは北朝鮮の無条件の非核化を要求し、拒絶している。


要するに、非核化に向けての協議は今すぐ始められるのに、
それを毎回、「信用ならない」と言って、話すら聞こうとせず、
軍事威嚇と経済制裁を続けているのはどこの国だということだ。


(ちなみに、信用云々を言えば、そもそもアメリカが約束通りに
 発電用の原子炉建設を認めてくれれば北朝鮮が核を持つこともなかった)


北朝鮮「朝鮮半島での核軍事演習を停止してほしい。
 そうすれば私たちも核実験を停止する


韓国「制裁行使に向けた各国の努力を逸脱させようとしている」
アメリカ「北朝鮮の態度の改善が良作だ」




北朝鮮「演習を中止しないならこのまま核実験を続ける」
韓国&北朝鮮「貴様ぁあああああああっっ‼」



〜その後の米韓両大統領のコメント〜

朴槿恵「北朝鮮が新たな核実験を行った場合、北朝鮮には未来がない!」



オバマ
「北朝鮮は予測不可能!
 金正恩氏はかなり無責任‼」







話し合いに応じないくせに、向こうが諦めて目には目にをと応戦すると大騒ぎする。
これを茶番と言わずに何と言えば良いのだろうか?


このような米韓の武力と経済力にまかせた強硬策こそが朝鮮半島を不安定にさせている。

イランラジオ改め、ParsTodayのガッファーリー解説員の論説を以下に紹介しよう。

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北朝鮮のミサイル実験

北朝鮮が、潜水艦発射弾道ミサイルの実験は大きな成功だとしました。

ガッファーリー解説員

韓国の情報筋が認めている報告によれば、
北朝鮮は23日土曜、日本海の海上で、潜水艦発射弾道ミサイルを発射しました。

この行為は、韓国の深刻な懸念を招いています。
北朝鮮のキムジョンウン第一書記は、
「弾道ミサイル実験の成功は、北朝鮮海軍の作戦能力の強化を大幅に促すものとなる」
と語りました。

フランスとイギリスは、アメリカと共に、北朝鮮に対する制裁の強化を求めました。
フランス外務省の報道官は、声明の中で、「もし北朝鮮の行動が事実であれば、
それは国連安保理決議への違反と見なされ、同国に対してさらに厳しい制裁を行使する必要がある」
としました。

イギリスも、アメリカに遅れを取るまいと、
北朝鮮の行動を強く非難し、それを地域の情勢を不安定にするためのものだとしています。


イギリスのハモンド外務大臣はこれについて、
「イギリス政府は、国連やEUを通じて、北朝鮮に厳しい反応を示すための行動を取るだろう」
と語りました。

一部の政治アナリストは、
「北朝鮮は、潜水艦発射弾道ミサイルの実験により、
アメリカを筆頭とする世界の資本主義勢力の脅迫、警告、制裁を恐れていないことを示した」
と語っています。北朝鮮は、一連の厳しい制裁を前に、その立場を変更すると見られていました。
そしてそれは、アメリカと、アジアやヨーロッパのその同盟国にとって好ましい状況をなるはずでした。

北朝鮮は、以前に何度も、アメリカの脅迫や不当な要求が、北朝鮮の核保有を招いたと語ってきました。

現在も北朝鮮は、アメリカによるアジアでの軍事拡張主義や敵対政策が
アジアを最も危機的な地域にしていると考えています。北朝鮮の政治家によれば、アメリカは、
帝国主義の教えにより、完全にアメリカの利益、北朝鮮の損害になるような協定を結ぼうとしています。

実際、北朝鮮は、世界におけるアメリカの軍事的な覇権主義、
不当な要求、野蛮な行動を証明する必要はありません。


アメリカは、1901年から2007年までの間に、
世界の65カ国を攻撃し、自分たちを世界の警察だと考えています。

しかし、地域や世界の世論は、しばらく前から、
アメリカが博愛主義と人権擁護を口実にした干渉政策により、
他国への軍事的、非軍事的な介入を正当化している
ことを知っています。

北朝鮮の高官は、もし北朝鮮が常に脅威や敵対に晒されれば、
南北朝鮮だけでなく、世界にとって、悲劇的な結果を招くことになるとしています。

そのため、もしアメリカが、地域に平和と安定を確立しようとしているのなら、
その第一歩は、アメリカ自身が敵対政策や軍事演習をやめることです。


中立的な立場のアナリストは皆、アメリカと韓国の定例軍事演習の中止は、
緊張緩和と対話に向けた歩みになると考えています。その場合、明らかに北朝鮮も、
同じ方法によってそれに応えなければなりません。アメリカが、北朝鮮は
協議の前に核活動を停止すべきだという主張を繰り返すのなら、対立が続くことになるでしょう。

http://parstoday.com/ja/news/world-i6808
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「中立的な立場のアナリストは皆、アメリカと韓国の定例軍事演習の中止は、
 緊張緩和と対話に向けた歩みになると考えています。」

つまり、双方が危険行為を自粛することをロシア・中国・イラン・北朝鮮、
いわゆるアメリカの経済制裁や軍事力に威嚇の被害にあっている国は求めている。

これに対して、アメリカや韓国の戦争屋たちはどう反応しているのだろうか?
問うまでもない。


韓国大統領:北朝鮮が新たな核実験を行った場合、北朝鮮には「未来がない」

オバマ大統領−北朝鮮は予測不可能、金正恩氏はかなり無責任


協議の意志を一切持たず、武力による威嚇を続け、経済制裁という名の妨害工作に固執する。

別に無視するのは構わないが、話し合いに応じないくせに自分のことは棚に上げ、
「未来がない」「予測不可能」「無責任」と相手を罵倒することだけは勘弁願いたい。


重要なのは、こういう動きに侵略トリオの構成メンバーであるイギリスとフランスも同調していることだ。
この三カ国は、冷戦以降、ことごとく各地の紛争地域に直接的間接的介入を行ってきた。

特にアメリカとイギリスは、ユーゴ・アフガン・イラク・リビアと冷戦終結後、多くの国を滅ぼしてきた。

北朝鮮はアメリカやイギリスを滅ぼせないが、アメリカとイギリスにはそれが出来る。
この点を忘れてほしくはないし、北朝鮮の高官はこのことを意識している。


こういう前後の流れを一切伝えず、
北朝鮮が弾道ミサイルを発射したという事実だけを報道するのはおかしいと思う。

少なくとも、対話を求めているのは北朝鮮であって、
それを無視しているのはアメリカと韓国だ
という肝心の点がうやむやになり、
逆に「国際社会は北朝鮮を説得し続けているのに北朝鮮は聞く耳を持たない」
というストーリーをお茶の間に流し、何も知らない国民を騙すのは良くないことだと思う。


戦時の日本も政府にとって都合の良い記事ばかり量産されて、
何も知らない国民は日本は勝ち続けていると勘違いしたまま敗戦を迎えた。

またしても歴史は繰り返されるのだろうか?一度目は悲劇として。二度目は喜劇として。

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北朝鮮はなぜミサイルを持つようになったのか?

2016-04-24 00:39:34 | 北朝鮮
今宵もまた合法詐欺師池上彰の洗脳番組が行われた模様。


テレビ朝日は先日、古舘一郎を政府批判を理由に降板させているが、
人気クイズ番組『クイズプレゼンバラエティー Qさま!!』でも

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「学力王No.1決定戦」橋下徹も!池上彰も!
 知識人・博士・先生が選んだ“スゴい指導者BEST30”から出題
 坂本龍馬・田中角栄チャーチル…歴代偉人1位は誰?
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というキャッチコピーで合法詐欺師や脱税弁護士兼不倫政治家を宣伝に利用している。

極右政治家とメディアの癒着が騒がれて久しい。
メディアが積極的に右翼・極右の活動家をテレビに登場させる文化が出来上がっている。

正常な国なら田原総一朗や古市憲寿や池上のような合法詐欺師どもは門前払いにされているはずだ。
ところが、現実では田原が小林よしのりや古市をプロデュースして連中のキャリア形成に貢献している。

(ちなみに『朝まで生テレビ』もテレビ朝日の番組だ)


話題がそれたが、今日(正確には昨日)のプロパガンダでは
「北朝鮮はなぜミサイルを持つようになったのか?」がテーマになっていたらしい。


池上と言えば、北朝鮮と日本がストックホルム合意により若干、関係が改善されるや否や、
池田大作を崇拝している佐藤優と一緒になって「食い逃げ」「金が目当て」と合唱をしている男だ。



関係が悪化すればすればで文句を言い、良くなればそれはそれで文句を言う。
「北朝鮮をぶっ潰す」という極右思想がなければ不可能な言動である。


北朝鮮がどのようなアクションをしても悪意をこめて誹謗中傷をすることしか出来ない輩が
はたして、冷静な解説を行えるのだろうか?すこぶる怪しいものだ。


そういうわけなので、この記事では当てつけの意味も込めて、
最近、書かれたタチヤナ・フロム氏のオピニオンを紹介したいと思う。


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北朝鮮:罪なき罰は真の犯罪を誘発する

韓国国防省(国防部)の文尚均(ムン・サンギュン)報道官は
「北朝鮮は、弾道ミサイル用の熱核弾頭の実験に向け準備している」と述べた。


ロシアのコリア問題専門家アレクサンドル・ヴォロンツォフ氏は、
このムン報道官の発言の中の「北朝鮮は準備している」という部分が、重要だと見ている。

以下ヴォロンツォフ氏の見解を抜粋して、皆さんにお伝えしたい。

実際これまで、北朝鮮は、彼らがしなかったことに対する制裁によって罰せられてきた。
長距離戦略弾道ミサイルの打上げ実験は、まだ行われていない。
打上げられたのは、人工衛星で、それも一回目は失敗、二度目にやっと成功した。

人工衛星打上げに対し罰を課すのは、国連の権威を台無しにする。

なぜなら、宇宙空間の平和的開発は、国際法により、
例外なくすべての主権国家に保証されているからだ。北朝鮮以外、すべての国が可能なことなのだ。


ミサイルの専門家らは、
人工衛星の打上げと長距離弾道ミサイル実験の間の違いを非常に良く理解している。

人工衛星は、運搬ロケットにより軌道上に投入されるが、
地球表面のあるポイントから別のポイントに『貨物』を運ばなければならない弾道ミサイルは、
衛星よりも大変複雑で高価なものを沢山搭載している。

特に、地球に戻る際に厚い大気圏の中で燃え尽きないように特別の防護カバーを備えている。
そして標的に誘導するシステムもついている。人工衛星の動きは、一方向のロケットの動きだ。
地球上へは、何も戻ってこない。軌道までの距離は、せいぜい100キロから150キロに過ぎない。
一方、大陸間弾道ミサイルの場合は、何千キロも飛行しなければならない。

あらゆる事から判断して、
北朝鮮は『自分達がしなかったことに対しても、やはり罰せられるのなら、してしまう必要がある』
と決めたようだ。今も北朝鮮国内では、大陸間弾道ミサイル製造に向けた措置が講じられている。

これは、今後北朝鮮が核実験を放棄するつもりのない事を考慮するなら、不安を呼び起こす。
北朝鮮は今や、何らかの実験を、事実上ノンストップで行っているからだ。」


北朝鮮は、自分達がなぜそうした行動をとるのかについて、
米国の側からの敵対的政策、そして絶えず繰り返される脅威を理由として挙げている。

大規模な米韓合同軍事演習を見ても、
北朝鮮の最高指導部殲滅に向けた宣戦布告なき先制攻撃が仕上げの段階に入っている事は明らかだ。


制裁と合わせ、米国や同盟国のこうした行為は、
北朝鮮を核ミサイルプログラム発展の道にますます追いやっている。

北朝鮮は、
 何度となく米国に対し、
 新たな平和合意調印の開始を提案してきた。


なぜなら1953年の臨時停戦合意は、すでに古くなってしまったからだ。

昨年北朝鮮は、全く抜本的な提案を出した。
米国は軍事演習を凍結し、北朝鮮は核実験を凍結するというものだ。

しかし米国とその同盟諸国は、
北朝鮮が一方的に、自国の核プログラムを放棄すべきだとの要求を持ち出した。
これは、事実上、何の保証もない北朝鮮の降伏を意味するものだ。

歴史は、前提条件の遂行が誰かを助けた例は少ない事を物語っている。
北朝鮮指導部は、リビアのカダフィ政権の悲しい二の舞を踏みたくはない。
彼らは、自分達の条件で交渉する用意ができている。 

まずは平和条約を結ぶ。信頼の雰囲気ができれば、
核ミサイルプログラムのようなデリケートな問題も話し合う事は容易だろう。」

とはいえ米朝交渉の為の秘密のチャンネルについて、そうしたものはないと断言する事は出来ない。 
世界が、思いもかけず、米朝が何らかの合意に達したと知ることもよくあることだ。

例えば1994年、米国と北朝鮮は枠組み合意に達し、
それにより北朝鮮の核プログラムは凍結された例がある。
合意が効力を発していた8年の間、朝鮮半島は実際、最も穏やかな時代だったと言ってよい。

http://jp.sputniknews.com/opinion/20160419/1988355.html
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池上彰をはじめ、多くの人間はミサイルとロケットが違うものであることは理解している。
にも拘わらず、なぜ「ミサイル」と称して話を進めようとするのだろうか?

言うまでもなく、北朝鮮の脅威が日本の軍拡の口実になるからに他ならない。


では、この脅威とやらは本当に実在するのだろうか?
この点について、同じくフロニ氏が別の日に書いた記事を見てみたい。


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アメリカと北朝鮮 核戦争と交渉対話の間

中谷元防衛大臣は、記者会見で
「北朝鮮が自らの核兵器や、弾道ミサイル能力の増強を企図している。
 対米抑止力を過信している」と述べた。


北朝鮮の発射場で、新型のICBMのエンジンの燃焼実験を行い、
それが成功したと北朝鮮メディアが伝えた情報に対し、中谷防衛大臣は
「仮に北朝鮮がこうした弾道ミサイルの長射程化、技術の向上をさせると
 同時に核兵器の小型化・弾頭化を実現した場合は、
 北朝鮮が、米国に対する戦略的抑止力を確保したという認識を、一方的に持つ可能性がある。
 仮に、北朝鮮がそのような抑止力に対する過信、誤認をすれば、
 北朝鮮による、地域における軍事的挑発行為の増加、重大化につながる可能性もある」
と述べた。

朝鮮半島の問題に詳しいロシア人専門家のゲオルギー・トロラヤ氏によれば、
今日、北朝鮮の指導部では、アメリカは北朝鮮との関係を、
昔のソ連との関係をモデルにして構築しようとしているという理論が支配的
である。


それはつまり、お互いを滅亡させることが確実である、という危険性を基にしている。
そして北朝鮮は、自国の核弾頭の威力増大をデモンストレーションするという戦略を選んだ。

これは、アメリカに交渉のテーブルにつかせるためであり、
アメリカと何らかの妥協点を見出したいためである。

このようにして北朝鮮当局は、他国が侵略・干渉をしてきた際、
北朝鮮には自国を守るに十分な能力があり、単に圧力をかけるだけでは無意味である
という内容のシグナルを世界に向けて発している。


しかしながら、このような政策をとるにあたっては、北朝鮮自身にも
大きな危険性が及ぶとトロラヤ氏は指摘している。北朝鮮の核弾頭プログラムについて
討議が行われたアメリカから帰国したばかりのトロラヤ氏に見解は次のようなものである。


「危険性とはつまり、北朝鮮がアメリカを実際に攻撃できる能力がない、
 見せかけ状態であるうちに、アメリカ人が現行の状況に甘んじることができず、
 北朝鮮の核施設に対して、先制攻撃を与えるかもしれないということだ。
 このことにおいて、私と会話した専門家たちの大部分の意見というのは一致している。

 しかし、日本の防衛大臣の言及からは、
 北朝鮮が選んだロケット核弾頭による「恐喝戦略」というのは、
 ある程度の効果があるということが見えてくる。問題はこういうことだ。

 アメリカ人というのは病的なまでに、世界の中の誰かがアメリカに攻撃を仕掛けて
 被害を及ぼすことを、技術的に可能にしてしまうのではないかと憂慮している。
 このことは深くアメリカ人の精神の中に植えつけられている。
 なぜならアメリカ人は未だかつて一度も、自分たちの領土で戦ったことがないし、
 自分たちのことを「守られた大洋」だと見なしてきたからだ。
 そして北朝鮮は今、この痛い所に明らかに圧力をかけている。
 アメリカに憂慮を呼び起こさせ、彼らに何らかの手段をとらせるためだ。

 この何らかの手段というのは、北朝鮮が思い描いているところで言えば、交渉し、妥協を見出すことだ。
 ある程度、この理論は生きている。1月初旬から、
 アメリカは静かに北朝鮮と対話を始める道を探しているのだから。

 ここにおいては、以前のように、核を放棄することに関しての前提条件さえも設けられていない。
 これはアメリカの立場において、肯定的な変化、雪解けといえる。

 北朝鮮が核の盾を利用して行うことができただろう挑発について言えば、
 これはむしろ、政治家と一般の人々を驚かせるためのものだ。



 ここ数年、北朝鮮はどのような扇動行為もしていない。

 そう、北朝鮮はプロパガンダ的な言動をしたり、プロパガンダ映像を流したりして、
 デモンストレーションとも言える練習射撃とテストをしているだけなのだ。
 まあしかしこれは、PR行動によって、広く注意を集めようとしているだけなのだ。
 実際には、世界や安全保障体制を脅かすような行動には出ていない。

 しかし北朝鮮への様々な場所の攻撃を想定した
 アメリカと韓国の合同軍事演習はこれとは事情が違う。


 米韓合同部隊は、陸上部隊を北朝鮮に上陸させる想定演習をしているし、
 物理的に北朝鮮の上層部を排除するトレーニングもしている。」

朝鮮半島にアメリカ軍が最新軍備を配置していること、
そして戦略的に爆撃機や航空母艦を配備していることは、
北朝鮮のプロパガンダ風のおしゃべりに比べれば、
朝鮮半島の安定化のためには全く容易ならぬ、重大なことだとトロラヤ氏は見なしている。


http://jp.sputniknews.com/opinion/20160412/1949364.html
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目の前で自分の家を強盗しようと練習を行っている人間を目の当たりにすれば、
自然、それなりの対策を立てるのは当然の帰結である。


北朝鮮は現在、アメリカや韓国の正真正銘の挑発行為に対して、対抗措置を取っている。
池上をはじめ、合法詐欺師の連中は、このことを確かに伝えるだろうか?違うと思う。

実際、主流の知識人やメディアは北朝鮮の外交を「脅迫外交」と呼ぶ。
だが、北朝鮮はこれまで一度もアメリカや韓国に対して制裁を下してはいない。

両国の経済活動を妨害してもいない。ホワイトハウスを攻撃する演習も行っていない。
逆にアメリカや韓国は軍事力や経済力といったハード・パワーで北朝鮮を屈服させようとしている。
ちなみに北朝鮮の2010〜2015年の核実験の回数は1回であるのに対してアメリカは15回だ

客観的に見て、挑発行為や脅迫を行っているのはアメリカや韓国のほうだ。
我々に従わねば、経済制裁を下すぞ、武力の行使も厭わないぞ。これはどう考えても脅迫である。
(現在、北朝鮮はアメリカの核攻撃対象国になっている)


つまり、順番があべこべになっていて、アメリカや韓国の軍事的挑発に対して、
「仮に我が国を攻撃するならば、それ以上の攻撃をもって応戦するぞ」と北朝鮮は述べているし、
 それは朝鮮中央通信を主とした北朝鮮のメディアでもはっきりと述べられているのだが、
 なぜか北朝鮮がアメリカを脅迫して言うことを聞かせようとしていると語られている。


かつて、アメリカは幕末のころ、
浦賀に黒船をズラリと並べて日本に開国を迫った。

こういうのを脅迫と言うのである。


現在、アメリカはB52戦闘機を主とした現代の黒船を北朝鮮の領海付近に展開し、
演習を行いながら経済制裁を下している。これに反撃・抗議することのどこが脅迫なのだろうか?


ロシアでは上のような見解はごく普通に発言されている。その逆の意見もしかり。
佐藤優いわく、国内ではドイツやイタリアのファシスト政権と似た政策が取られているはずの
ロシアでは、どちら側の人間もメディアに露出できる権利を有しているのに日本ではそれが出来ない。

思えば、北朝鮮が脅迫外交をしているというレッテルはもう20年近く行われている。
右も左も北朝鮮の「脅迫外交」を非難するというのは、なかなか凄いことだ。

連中の理屈に従えば、ペリーが黒船を並べて大砲を撃ってきたのは「交渉」で、
それに対して、何らかの対抗措置を講じることは「挑発」になるらしい。

そういう見解を持つ人間があらゆる所で時事問題を解説している。
思うに、私たちは知らず知らずのうちに戦時の状態に立ち返っているのではないだろうか?

自分たちが当たり前と思っていた考えが実はそうではないと知らずに生きているのではないだろうか?

北朝鮮に限らず、ウクライナ、シリア、イラン、キューバ、イエメン、中国、
その他諸々の海外情勢は言うに及ばず、国内の経済や政治すら歪められて伝わっている。

もちろん、戦時とは違い、それはおかしいという声を挙げる権利は保障されている。
ただし、それはごく小さなメディアでのみ発言が許されており、
さしずめ、口をパクパク動かすといった程度の自由でしかない。

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被災地で敢行される日米合同演習

2016-04-19 23:53:30 | 軍拡
熊本の余震が止まらない。今日、再び震度5弱の揺れが八代市を襲った。
小さなものも含めれば、すでに400回を超える地震が熊本で発生していると言える。

都市部がそれほど被害がない一方で、地方では壊滅する村も存在した。
耐震工事を行うための予算がある個人や企業が所有する建設物がさほどダメージがない一方で、
それだけの予算がない、特に農村部で生活する高齢者は建物を失い、最悪の場合、死傷してしまっている。

本当に今の日本は命の格差まで出来てしまっているのだなと愕然とする。


さて、このような早急に対策を練るべき状況において、
日本政府はどのような対応をとっているのだろうか?次の記事を薦めたい。


熊本地震でオスプレイ投入の一方、
輸送能力がより高い自衛隊のヘリが棚ざらしに! 安倍-中谷が米軍と裏取引



以前から安全性が疑問視されている米軍のオスプレイ機が使われる一方で、
より輸送能力の高い木更津の陸上自衛隊第1ヘリコプター団のCH-47Jの稼働は要請されなかった。

その理由は次のようなものだとリテラは推測している。


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「官邸内で中谷元防衛相から安倍首相にアメリカの強い意向を伝えられたようだ。
実際、米国国防総省のデービス報道部長は
『長年の日米同盟があるからこそ迅速な支援ができる』などと
米軍側が申し入れたことを事実上認めているからね。実は、

 今回のオスプレイ投入劇は、中谷防衛相と米軍との“取引”だったという指摘もある。
 今月24日、鹿児島県鹿屋市にある海上自衛隊鹿屋基地で行う予定だった
 航空イベントに沖縄の米軍普天間飛行場所属のオスプレイが飛来し、公開する予定だったんだ。

 大地震の影響で取りやめになってしまい、
 米軍はせっかく日本にオスプレイを売り込むチャンスを逃してしまった。
 それに代わる苦肉の策が、今回の輸送劇だったのではという話だ」
 

安倍政権がオスプレイのパフォーマンスを受け入れたのはもうひとつ理由がある。
今度は防衛省クラブ記者の話。

「陸上自衛隊がオスプレイ17機の導入を打ち出していて、
 2019年度から佐賀空港に順次配備する計画をもとに地元と3年越しの交渉を続けているのですが、
 いまだに同意を得られていません。今回、自然災害にも役に立つ輸送機だと宣伝できれば、
 同じ九州である佐賀の住民にも受け入れられるのではないかとの思惑があります」

いずれにしても、今回のオスプレイ投入劇は、
被災地救済などでなく、安倍政権によるパフォーマンスだったのだ。


実際、オスプレイの“勇姿”を是が非でも国民に見せつけようと
大手マスコミを使う政府の手口はあまりに露骨だった。

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実は、このような震災に乗じて、
裏で米軍と日本軍がコソコソと不要な訓練を行うのは今回が初めてではない。



以下の文章は、赤旗の記事から抜粋したものだ。


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陸自、米艦で「災害派遣」
被災地まで9日も
3・11直後 北海道から 民間船なら1日前後



2011年3月の東日本大震災で「人命救助」が最優先されるべき初動の時期に、
陸上自衛隊と米海軍の揚陸艦による史上初の戦闘部隊の「移動作戦」が
「9日間」をかけて実施されていたことが12日、本紙の取材でわかりました。


災害派遣活動の一環として行われた「作戦」ですが、
軍事作戦的色合いが強く、移動日数もかかりました。



〜中略〜

同震災での自衛隊の災害派遣活動を指揮し、国内の災害派遣では
初の統合任務部隊指揮官だった東北方面総監の「東日本震災対処(概況説明)」では、
震災発生の11日から19日を「人命救助」としています。


ところが米揚陸艦での戦闘部隊移動は同時期に9日間もかけたのです。

苫小牧や近隣の函館港から民間フェリーを使えば
「1日前後で被災地入りでき、被災者救助ができたはず」と関係者は悔しがります。


 

〜中略〜

本紙が入手した陸自北部方面隊広報紙「あかしや」は、
「米海軍揚陸艦による部隊移動 陸上自衛隊史上初」と絶賛しました。(2013年4月1日号)

関係者は指摘します。

「陸からの“敵”の攻撃を回避するため沖合で陸揚げするなど、
 いずれも戦場を想定したもので、上級幹部は
 ミーティングで『日米共同の検証訓練だ』と口にしていた」



自衛隊は、国内の災害派遣では初の「日米調整所」を
「日米ガイドライン(軍事指針)に準じて」設置し、「共同作戦」を実施。

防衛省は、こうした「日米共同作戦」を「将来の各種の事態への対応に係るモデルとなりうる」
(「東日本大震災への対応に関する教訓事項」)としています。


http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-04-13/2016041315_01_1.html
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まさに、この時期に敢行されたオスプレイ機の派遣は政治的なものであり、
日米両軍の将来の共同作戦遂行のための演習であった。


はるか上空を飛ぶ航空機から下を見下ろすと、町がミニチュアのように見える時がある。
日米両政府の関係者は、まさしく崩壊した村や寝床を求め彷徨う人々はジオラマのパーツだった。

非常事態における日米共同作戦のテストのために、被災者がないがしろにされた。


この問題を考える上で重要なのは、沖縄や南シナ海における日米両軍の動きを抑えることである。
スプートニク紙の徳山あすか氏のオピニオンならびにパルストゥデイの記事を下に引用する。


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小さな集落をオスプレイが取り囲む恐怖…ヘリパッド建設問題、沖縄の決断は?


沖縄本島北部の国頭村(くにがみそん)・東村(ひがしそん)にまたがって
位置している米軍の北部訓練場をめぐり、政府・沖縄県・地域住民の思惑が交錯している。


北部訓練場は総面積が7800ヘクタールにものぼり、ジャングル戦闘訓練センターとも呼ばれている。
この一帯は「やんばるの森」として有名な森林地帯となっており、
国の天然記念物、ヤンバルクイナやノグチゲラなどの希少種が生息している。

北部訓練場は、ベトナム戦争時には米軍にとってゲリラ戦のための格好の訓練場となった。
当時、訓練のため猛毒・ダイオキシンを含む枯れ葉剤が沖縄に持ち込まれ、
そのために健康被害を受けたと複数の米兵が証言している。

ジャパン・タイムズ紙が米退役軍人省から入手した資料によれば、
96年から2010年にかけて健康被害を訴えた米兵の数は132人にものぼるということだ。
しかし米政府は、枯れ葉剤を沖縄に持ち込み、訓練に使用したことは否定している。
日本政府も、この問題を突き詰めて調査することはなく、現在まで曖昧になったままだ。


この北部訓練場は、1996年のSACO合意に基づき、過半(約3987ヘクタール)を返還することになっている。
しかしその交換条件として、ヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)を
返還されない区域に6カ所建設しなければならない。6カ所中、2カ所は既に建設済みだ。

北部訓練場の部分返還は当初2002年度末を目処としていたが、
ヘリパッド建設問題が解決されないため、延びに延びている。
しかし国はこの問題に決着をつけるべく、年内の部分返還を目指すと明らかにした。

沖縄県は難しい立場に置かれている。

新しいヘリパッドが完成すれば、新型輸送機オスプレイが配備されるだろうことは明らかだ。
このためオスプレイの配備撤回を掲げる県は、
ヘリパッド建設に反対する住民たちの運動を直接排除することはしていない。

しかし沖縄における米軍専用施設の面積を減らしたいという点では、皆の思いは一致している。
翁長知事は今のところ、返還計画の賛否に関して「交通整理が必要」だとし、態度を明らかにしていない。


ヘリパッドが全て完成すると、
東村の高江の集落(人口約150人)は、
ヘリパッドに囲まれるような形になってしまう。
高谷の集落の住民としては、当然建設に反対だ。


反対運動関係者は
「東村としてはヘリパッド建設を認めています。
 基地を提供すれば交付金が出て、村の財政になりますから。
 沖縄本島最北部の国頭村の方は返還される部分が多いですが、
 東村はほとんど返還されずに訓練場が残ってしまいます。
 国頭村と東村の足並みが揃っておらず、そこに国がつけこんでいるのです」と話す。

工事現場周辺では、「ヘリパッドいらない住民の会」と、
「高江ヘリパッド建設反対現地行動連絡会」のメンバーが座り込みで反対運動を行っている。

メンバーの一人は、
政府としては我々の反対運動のために工事ができなくなっているので、
 これを排除することを沖縄県に依頼しています。

 この行政指導の求めに対し県がどのように対応するかが、目下の我々の問題です。」と話している。

http://jp.sputniknews.com/opinion/20160413/1954138.html
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南シナ海での中国の軍事演習



アメリカが中国の抑制政策を続ける中、中国が南シナ海での軍事演習を開始しました。

ヴァガーリー解説員

中国の軍事関係者は、南シナ海での中国の大規模な軍事演習の開始に触れ、
「中国軍はこの演習で、仮想敵国との新たな戦闘方法を試す」と語りました。

また、この演習の目的は、海軍の力の増強と防衛方法の訓練だとしました。

中国は、ベトナム、マレーシア、
ブルネイ、台湾、フィリピンと、南シナ海の領有権を巡って対立しています。

この対立を政治的に解消するための中国の努力にも拘わらず、
フィリピン、ベトナム、タイは、中国との対立を国際的な問題にしようとしています。

フィリピン政府は、この問題を巡って国際仲裁裁判所に提訴しました。
こうした中、フィリピン、ベトナム、タイは、中国に対して自分たちの軍事的な立場を高めるため、
アメリカとの軍事・防衛協力を拡大しており、アメリカを南シナ海周辺に進出させています。


中国は、これによって地域の治安が脅かされたと考えています。

中国と領土問題を抱える東南アジアの一部の国が、アメリカと軍事演習を行っているため、
中国政府は、地域における軍事的な立場を強化しようとしています。

この中で、中国は日本とも、東シナ海の領有権を巡って対立しています。

日本政府は、この機会を利用して軍事化を図ろうとしています。
アメリカ政府も、自衛隊の強化により、日本を中国に対抗させようとしています。


さらに、北朝鮮の核・ミサイル問題も、
中国がこれまで以上にアメリカから地域的、国際的な圧力をかけられる原因になっています。
中国政府は、アメリカが、北朝鮮の核・ミサイル問題を口実に、
弾道ミサイルシステムの設置など、韓国での軍事駐留を強化しようとしていることをよく知っています。


アジアでの軍事・治安情勢から、中国は、アメリカが、南シナ海や東シナ海での中国の対立を利用して、
この国を軍事的に封じ込めようとしているという結論に達しています。

アメリカの東アジア重視の政策とこの地域での軍事駐留の拡大に関する
オバマ大統領によるアメリカの戦略政策の発表は、アメリカ政府が、
中国の軍事力と経済力の拡大を恐れ、将来、中国がアメリカのライバルとなり、
この国の力が縮小すると考えていることを示しています。

そのため、アメリカ政府は、南シナ海や東シナ海の軍事化により、
武器競争を煽り、この地域の国々との防衛・軍事協力を強化することで、
中国を封じ込めようとしている
のです。

こうしたことから、中国政府は、地域諸国との対立解消に向けた外交を続けることを強調すると共に、
アメリカによる封じ込めの陰謀を退け、南シナ海での演習の実施により、
アメリカの覇権主義的な政策に対し、自分たちの軍事力を誇示しようとしているのです。

http://parstoday.com/ja/news/world-i6376
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東アジアにおける宗主国アメリカの戦略というものが沖縄の米軍駐留を強要し、
その存在意義をアピールし、かつ非常時の訓練を行うために非効率的な災害救助が行われる。




アジアの米軍駐留は、アメリカの国益のために行われているものだ。
当然、アメリカは善意で日本人を助けようとはしてくれない。


アメリカのために行われる救助は、必ずしも日本人のために最善の策になるとは限らない。
日米関係を優先して、現地の人間など目もくれようとしない。蟻か何かを見るような感覚。

そういう意識が中国にも向けられているとするならば、
私たちがすべきなのは、中国の脅威という幻影に怯えて本当の脅威に唯々諾々と従うのではなく、
アメリカの脅威によって被害を受けるであろうアジアの人々と団結して抗うことなのだろう。

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アベノミクス失敗の中、参院選へ。松尾匡先生は今何を思っているのだろう?

2016-04-17 00:00:12 | アベノミクス批判
ずいぶん前から、アベノミクスが失敗したという評価をよく聞くようになった。

異次元緩和は失敗だった。クルーグマンの『Rethinking Japan』を読む=吉田繁治

共産党をはじめ、いわゆる左翼は、開始直後から、
この金融政策が破たんすることを予言していた
わけだが、
インフレターゲット理論の主唱者が失敗を認めたのは、ある意味衝撃だった。


クルーグマン氏に限らず、海外ではアベノミクスは駄目だったという意見がメジャーである。


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日本のマスコミでは
「アベノミクスで景気が良くなってきた」という安倍首相のウソがいまだに通用しているが、
海外メディアでは、完全に「アベノミクスは失敗した」という認識が一般的だ。


たとえば、
米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは「アベノミクス、今こそ再考の時」と題した社説を掲げ、

 「アベノミクスの『3本の矢』は、財政出動と金融緩和で始まった。
  その結果、日本の公的債務残高は年末までに対国内総生産(GDP)比250%に達する勢いだ。 
  日銀は年間約80兆円規模の国債購入を実施しており、
  これは米連邦準備制度理事会(FRB)以上に急進的な量的緩和だ。
  それでも、銀行各行は融資を増やしておらず、デフレは続いている」

 「日本経済の停滞に終止符を打つという首相の公約は達成できておらず、
  今こそ抜本的に再考しなければならない」

と勧告している(11月17日付)。


また、国際ニュース通信社ロイターはデンマークの投資銀行で
デリバティブ取引の世界的大手・サクソバンクのCIO(最高運用責任者)にして
主任エコノミストであるスティーン・ヤコブセンのインタビューを配信したが、


アベノミクスは失敗に終わったと思う。
 新・第3の矢は、もはや矢ではない。構造改革はどこへ行ったのか


「日本にはモーニング・コールが必要だ。長い眠りから呼び覚まされなければならない」


などと断言している(11月18日付)。


実際に数字に見ても、「アベノミクスは失敗した」ことは明らかだ。

内閣府が昨年11月16日発表した6〜9月期GDP速報値では年率換算0.7%のマイナスで、
4〜6月期の同0.7%マイナスに続いて2四半期連続のマイナスに陥ったことが明らかになったのだ。

2四半期連続のマイナスは欧州など海外では「景気後退期」とみなされる。
さきほど紹介した海外メディアの「アベノミクスは失敗した」報道は、これを受けて行われたものだ。

しかし、日本は景気循環について内閣府が認定するために、
「景気の足踏みが長引いている」(日本経済新聞11月16日夕刊1面)
などという官製報道がまかりとおっている。

http://lite-ra.com/2016/01/post-1899_2.html
http://lite-ra.com/2016/01/post-1899_3.html
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今日のスプートニク紙では、タチヤナ・フロニ氏がアベノミクスの破たんを論じていた。
以下に引用してみよう。



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ブルームバーグ通信は、
世界の価格変動(ボラティリティ)の中心は、徐々に中国から日本へと移りつつあると指摘した。

経済学者や投資家達は、日本経済における大規模な危機を懸念している。


巨額の公的債務を抑制し、
「三本の矢」を推進力に
極めて低い経済成長率を引き上げようとの
安倍政権の4年に渡る試みは、どうやら失敗に終わったようだ。


この事は、アベノミクスの破綻を意味するものではないのだろうか?


スプートニク日本のタチヤナ・フロニ記者は、
ロシアの経済誌「エクスペルト」の分析専門家、セルゲイ・マヌコフ氏に意見を聞いた-


「元IMFの主任エコノミストで現在ワシントンのピーターソン国際経済研究所で働いている
 オリヴィエ・ブランチャード氏は、日本は今急速に、深刻な支払い能力危機に移行中だと見ている。

 またIMFや世界銀行といった金融組織やエコノミストの大部分も、
 日本経済に対するそうした否定的観測を口にしている。


 3年前、安倍首相は、日本を長く続く不況から脱却させると公約して政権の座に就いた。

 そして彼のアベノミクスといわれる経済改革が、
 実際、肯定的な効果を持っている事は、多くの人々に示された。
 日本の新たな奇跡とまで言われたものだ。しかし奇跡の期間は、大変短いものだった。

 今もますます多くのエコノミストが、外国人も日本人も含め、
 全体としてアベノミクスは、その破綻を示したと指摘するようになっている。


 アベノミクスの基礎に置かれたのは、円安だった。
 日本銀行は、絶えず数千億を日本経済につぎ込んだ。

 そうした強力な流動資産の流入は、東京の証券市場で時に、
 真の陶酔を呼び起こし、主要企業の株は相当上がり、86%という数字さえ記録した。

 当時は、日本の新たな奇跡だと語られたものだった。


 しかし、人工的に作られたこのブームは、長くは続かなかった。

 今の日本銀行の主な夢は、インフレ率を2%にまで上げる事だ。
 そうした目的を持って今年1月、日銀はマイナス金利を導入し、皆をひどく驚かせた。

 この決定は、日銀内部の分裂を呼び起こした。
 マイナス金利導入に際しての投票では、5対4と支持派はかろうじて勝利した。
 この政策は、商業銀行の収益性を疑わしいものとし、様々な国々の市場下落を招いた。

 日銀が主な目的とした円安の代わりに、円の対ドルレートは思いもかけず7%も上がってしまった。
 しかし日銀指導部は、マイナス金利は、インフレ率が期待する2%にまで
 上がるまで据え置くと主張している。その際日銀は、今後国債を買ってゆくと発表した。
 そのため80兆円という途方もない資金を費やす考えだ。つまり重大な措置を講じているという事だ。
 しかし、それによって必要な成果は得られない。


 客観的原因と並んで、純粋に日本的特殊性が、そこにはある。
 国民の高齢化、そして急速に進む労働人口の減少だ。

 人口動態学的予測によれば、日本の人口は、2060年までに8600万人にまで減る。
 つまり、今の人口の事実上三分の一が失われるという事だ。

 昨年第4四半期のGDPは、ほぼ1,5%減少した。国民の実質収入は、すでに4年連続で減っている
 それゆえ日本人が、お金を消費するのを急がず、
 まさかの時のためにお金を貯蓄している事は驚くに値しない。

 経済学者らも、そうした形で日本人自身が、自国経済の成長にブレーキをかけているのだと捉えている。
 一方円高によって、経営者は、より用心深くなり、労働者の給与を上げる事に強く抵抗している。

 しかし安倍首相が、自分の政策を変更する事はないだろう。
 今年、経営陣と労働組合の間の交渉で、彼は、経営陣に対し、労働者の賃金を上げ、
 そうする事で国内に漂うデフレの雰囲気を壊すよう根気よく求めた。給与が上がれば、消費の伸びを助ける。
 そうなれば、日本が抱える巨額の債務を助けることになるというわけだ。

 ちなみに日本の債務は、およそ10兆5千億ドルで、対GDP比250%に近づいている。
 世界の先進国の中で、これだけ高い債務を抱えた国は他にない。

 http://jp.sputniknews.com/japan/20160416/1976564.html
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素人の見解ではなく、多くの経済学者やエコノミスト、投資家が日本に見切りをつけている。
これは言い逃れのできない事実。知らないのは海外メディアに触れていない人間だけだろう。


フロニ氏の論説の中では、円安によって株価が上がったことをもって、
アベノミクスが当時多くの人間に絶賛されたということが書かれている。

確かにアベノミクスが事実上開始された2013年度は、
毎日のようにアベノミクス成功ニュースが流されていた。


だが、その一方で、景気の回復を実感できないと答えた人間が半数を超えていたのである。


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景気回復、7割実感せず=時事世論調査

安倍内閣の発足以降、景気の回復を実感するかどうかを時事通信の4月の世論調査で尋ねたところ、
「実感する」と答えた人は23.7%にとどまり、「実感 しない」とした68.6%を大きく下回った。

「アベノミクス」効果で株式市場などは活況を呈しているが、
国民全体では景気回復の実感が乏しいことが浮き彫りになった。(2013/04/13-14:22)

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アベノミクス効果「実感せず」8割超、消費増税「反対」7割超 各社世論調査


2014年10月の記事

アベノミクス道半ば 景気回復「実感せず」が78% 期待度低調

2015年1月の記事

景気回復実感ない人は「たまたま」 世論調査73%でも首相強弁

2016年2月の記事


同時代を生きた人間として告白するが、アベノミクスが効いていると言っていたのは
メディアや御用学者リフレ派の学者だけだった。


円安と株価の上昇で恩恵を受けたのは輸出を生業とする企業、いわゆる大企業だったが、
ほとんどの人間は、暮らしの悪化(もしくは無変化)は実感しても、その逆はなかった。


私は、身の回りの人物、彼らの知人や上司、両親の労働について
よく話を聞いていたから、アベノミクスなど毒でしかないと考えていた。


例えば、さる学生の上司は非正規から正規雇用になったはいいものの、
その代償として週休1日という明らかに法に触れるだろう労働を強いられるようになった。

正規職に就けず、非正規職としていわゆるワーキング・プアに陥っている若者も少なくない。
(特に高卒の青少年)


こういう状況下で物価が上がればどうなるか、まともな人間ならば想像がつくだろう。


ところが、世の中にはイマジネーションというものとは無縁の人種が存在するらしく、
一貫してアベノミクスに効果あり、景気は回復すると強く主張し続けている人間も少なくない。

彼らのほとんどは政府とつながりのある人間だったり、
あるいは政権の支持者であるわけだが、なんと左翼を自称している人間にもそういう輩が存在する。


それが今回の記事の副題で名指しされている松尾匡さんで、
彼は立命館大学の経済学教授という立場から、盛んにアベノミクスの正しさを主張し続けてきた。



2014年12月にはこういうことを書いている。

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【設備投資は増えないのか】
 設備投資が増えていないというご指摘がなされることもよく耳にします。
 日本政策投資銀行(旧長銀)が6月に発表した今年の「全国設備投資計画調査(大企業)」では、
「大企業(資本金10億円以上)の2014年度国内設備投資額は、
製造業(18.5%増)、非製造業(13.2%増)とも増加し、全産業で15.1%増と3年連続の増加となる」と、
大幅な増加が示されていました。
 (※原文でもわざわざ大文字で表示されている)
 
もっとも、消費税増税の悪影響で、実際にはかなり抑えられると思います。
この計画の勢いが復活するかどうかは、今後の景気対策次第だと思います。

今後何もたいした対策をとらなければ、消費税増税の悪影響を抜け出すことはなかなかできないと思います。
しかし、もし消費税増税がなければ、もともと景気拡大の勢いには底堅いものがあったと言えます。

今後、追加的な財政、金融の拡大政策がとられることで、
来年一年間かけて、それなりに好況が実感されるところまでいくのではないかと思います。

これは、「楽観」で言っているのではなくて、
改憲に向けた安倍スケジュールが着実に進むことを警告して言っているのだ
ということを間違えないようにお願いします。


それゆえ安易な「アベノミクス失敗」論はやめてほしいし、
そもそも何度も言いますが、「アベノミクス」という言葉を反対側の陣営が口にするのはやめて下さい。

2016年に好況の熱狂の中で、
安倍応援アイドルが「アベノミクス!アベノミクス!」と叫んで踊り回ったらどうする!


私をはめるときには、アイドルのハニトラでお願いします。

http://matsuo-tadasu.ptu.jp/essay__141215.html
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踊り回ったらどうする!ヽ(`Д´#)ノゴルァッ!

と確かに松尾さんは仰っていたのだが、今となっては何とも言えないものを感じる。
ここまで堂々と書くからには、景気が良くなると本気で信じていたのではないだろうか?


上のページでは、アベノミクスの仕掛け人である浜田宏一氏の言い分を彼なりに
かみ砕いて説明している(意図的かどうかは知らないが)だけなので、
浜田のことを知っている人間には読む価値なしの文章なのだが、
浜田宏一と同じことを語っている人間が左翼を自称するということを思えば何とも凄まじい。

まぁ、もっとも、彼は左派系出版社の大月書店から新著を出したし、
護憲派の団体にも呼ばれたようだから、今の護憲派の連中のレベルもこの程度なのかもしれない。


ところで、上の文章が書かれた2014年12月15日の少し前、
共産党の機関紙である「しんぶん赤旗」では次のような記事が掲載された。


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GDP改定値 「増税不況」くっきり
エコノミストも “若い世代ほど重負担”



8日発表された7〜9月期の国内総生産(GDP)改定値が
実質で2四半期連続のマイナスだったことは、消費税率の引き上げで
「増税不況」に陥った日本経済の実態を改めて示しました。

「所得の低い人や就職、結婚をして子育てしている若い世代の人たちほど負担が重い。
 物価が上がり実質賃金が抑えられている」


政府の経済政策に影響力を持つエコノミストも、消費税増税の影響をこう分析しています。


2012年からの1年間で働く貧困層(年収200万円以下のワーキングプア)は、30万人拡大。
貯蓄なし世帯の比率は、14年に30・4%と、3割を超えました。
消費税増税は、社会的弱者を直撃しています。


金融緩和による円安が物価を押し上げ、家計を圧迫しています。
日銀が追加緩和に踏み切って以降、わずか1カ月余りで10円以上円安が進行。
即席麺やアイスクリームなど身近な商品の値上げ発表が相次いでいます。


今回の改定値では、GDPの6割を占める個人消費の低迷に加え、設備投資の弱さも鮮明になりました。
設備投資が、速報値より改善するとの事前の見方に反して下方修正されたのは、
「小規模事業者や個人事業主の設備投資の動向が弱かったため」(内閣府)です。


町工場やクリーニング店など暮らしに密着した
個人経営の商店などの景気判断(総務省の個人企業経済調査)が、4月以降落ち込み続けていることが要因です。


今こそ、大企業応援の経済政策から、暮らし第一に転換することが求められます。

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik14/2014-12-09/2014120903_03_1.html
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つまり、松尾教授が古いデータをもとに「大幅な増加が示されていました」と
大文字で表記し、アベノミクスには効果があるかのように論じた数日前に、
共産党は最新のデータをもとに設備投資が減ったことを伝えていたのである。



経済学者の松尾氏は、当然、専門家なのだから、この国内生産改定値を知っていたはずだ。
にも関わらず、修正前のデータをあえて使ったのは、何か理由があるのだろうか?ないのだろうか?


なお、上の赤旗の記事ではワーキングプアの増加、特に若者の負担増を主張しているのだが、
松尾氏は同記事が書かれた2か月後に朝日新聞の取材に対し、こう答えている。


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 ――日本では自民党が金融緩和を進める一方、
   共産党が反対して、政治的立場と政策がねじれています。


なぜ左派が金融緩和に反対するのか。
 言ってしまえば、左派は雇用問題が一番深刻な若い世代の支持がだいぶ細っていて、
 古参の支持者に依存する現実がある。

 退職して年金生活者になっている支持者は金融緩和による物価上昇を恐れる気持ちが強い。
 それが一つの理由ではないか


http://d.hatena.ne.jp/kojitaken/20150217/1424131087
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どうも松尾氏は赤旗を読みもしないで、上のような評価を下したのではないだろうか?

アベノミクス(金融緩和)を支持しないのは、若者のことを考えていないからだ。
こういう印象操作が全国紙の紙面に載り、読者に伝わるその意味をよく考えてほしい。

これは、関連資料を読まずに南京事件を否定する意見広告を
ニューヨークタイムスに載せた極右の連中のそれとどこが違うのだろうか?



少なくとも、共産党の論調は勤労世帯の苦境を率直に代弁しているし、だからこそ、私も
同党の経済政策に関しては素直に評価している。前回、前々回で議席が増えたのもそれが一因だろう。


翻って、若者をないがしろにしている=金融緩和は若者にとって利益になるという印象を与えながら、
この数年間、浜田宏一や高橋洋一のような自民党や維新の党の協力者と同じ主張を取り続けた松尾氏。

信用を失うのはどちらなのかなと不思議な気持ちになる。


松尾氏の主張によれば、アベノミクスは正しくて景気が回復する可能性があるのに、
このまま共産党が失敗を主張し続けていれば、参院選で民心を失って後悔するぞということらしいが、
今思えば、実施当初から、その失敗を主張し続けてきたのは本当に良かったなと思わずにいられない。


松尾氏を見ると、私は慰安婦問題における朴裕河現象を連想する。


忘却のための「和解」

―『帝国の慰安婦』と日本の責任―



朴裕河の『帝国の慰安婦』は鈴木裕子氏や小野沢あかね氏、金富子氏をはじめとした専門家らには、
事実を改ざんし、日本軍の協力者という虚像を植え付けようとした悪書として低く評価されているのだが、
これが、90年代のアジア女性基金を肯定しようとする一部の左翼には非常に好評なのである。

元慰安婦らが朴氏を訴追し始めると、これを連中が非難するという逆転現象まで起きている。
その抗議文は、次のように書かれている。


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検察庁の起訴文は同書の韓国語版について「虚偽の事実」を記していると断じ、
その具体例を列挙していますが、それは朴氏の意図を虚心に理解しようとせず、
予断と誤解に基づいて下された判断だと考えざるを得ません。

何よりも、この本によって元慰安婦の方々の名誉が傷ついたとは思えず、
むしろ慰安婦の方々の哀しみの深さと複雑さが、
韓国民のみならず日本の読者にも伝わったと感じています。


http://www.huffingtonpost.jp/2015/11/26/park-yuha-charge-remonstrance_n_8659272.html
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慰安婦本人が訴えているのに、どうして名誉が傷ついていないと断言できるのだろうか?
実に不可思議である。

この声明の賛同人には大江健三郎や高橋源一郎がいる。
高橋氏は今をときめくSEALDSの後見人だ。


つまり、「戦争はんたーい!9条まもれー!」と叫んでいる連中のボスが
慰安婦問題では被害者が抗議しているのに「朴先生を攻撃するとは許せん!」と言っている
のである。


これは非常に問題があることで、すでに前田朗氏をはじめとして、
何人かの知識人は、これに反対する書誌や講演会を開いている。

大江たちは日本の右翼の歴史改ざん行為にも反対しているのだが、
実際には、非常に悪質な歴史改ざん本を擁護するという何がしたいのかわからない行為に走っている。


これをアベノミクスの言論状況に当てはめれば、松尾氏のそれはまさに経済版高橋源一郎であろう。
護憲を唱え左翼を自称する一方で、極めて政府にとって都合の良い意見を積極的に発言している。


そもそも、安保法が可決されたのも自民党の議席数が十分に確保されていたのが背景にある。
つまり、2013年7月の参院選の時に、議席数が今よりも少なければ強行採決は不可能だった。

この時期は安倍も靖国に参拝していなかったし、今よりは過激なことをしていなかった。
改憲よりもアベノミクスの成功を前面に押し出して選挙に臨んでいた。

さて、そうなると、ここで問題になるのは、
当時、アベノミクスは正しいのだと盛んに主張したことは、
結果的に自民党に投票することを支援したことにはならないのか
ということである。


実際、アベノミクスによる景気の向上を期待して投票した人間は少なくないだろう。

あの時、テレビをはじめとするメディアによる連日のアベノミクス成功神話の大合唱がなければ、
多少なりとも、結果は変わっていたのではないだろうか?

共産党は当時からアベノミクスは効かないと主張していた。

参院選直前の2013年7月1日に共産党は
「アベノミクスをとことんやり抜かれれば日本経済は破たんします。」と主張した。


で、実際に多くの経済学者、エコノミストらからアベノミクスは失敗したと現在、評価されている。

他方、当時からアベノミクスを支持し、未だに支持しているであろう人間がそれなりにいるのだが、
彼らは2013年7月の参院選において景気向上を期待する有権者を結果的にだましたのではないのか?


少なくとも、参院選において自民党の議席数が増えたこと、
それが2015年9月の安保法強行採決を可能にさせたと認め、責任を感じるべきではないのか?


もちろん、私は浜田らのような根っからの体制支持者に自省を求めているわけではない。

戦争に反対すると言いながら、戦争をさせるシステム作りに協力したことに対して
自称左翼の連中は自覚しているのか
ということが気になるだけ
である。


そういう自覚なしの反戦なら右翼にも出来ることであり、
そうしている間にも、前の記事で述べたように日本海軍は南シナ海で活動を始めている。


中途半端なNoほど心強いYesはない。

私たちがこれから持つべきは、徹底した反抗の意志であり、
右翼と妥協できるような態度は、早々に捨て去ってしまったほうが良いだろう(※)。


※ただし、この問題(日本左翼の隠れた右傾化)は一部左翼における現象というよりは、
 より深刻なもの、冷戦終結以降、一貫して主流左翼全体におきている現象だと言える。

 中国や北朝鮮、ロシア、イラン、イラク、シリアなどにおける態度はまさにそれだ。
 そのことは、日ごろからこのサイトで指摘し、問題視している。

 また、松尾氏が現在、どのような見解を抱いているのかについては私は知らない。
 生憎、彼のストーカーではないので、逐一発言をチェックしていない。
 
 もしかすると、今は違う意見を持っているのかもしれない。
 (それでも、過去の発言に対する反省は必要だと思うが……)

 そういう意味では彼だけを責めても仕様がない。
 
 なお、私が観察する限りでは過去にアベノミクスを支持していたなかで、
 現在、その政策の失敗を多少なりとも感じている人間は、消費税の増税や中国経済の減速を
 アベノミクス失敗の原因に仕立てようと躍起になっている印象を受ける。あくまで印象だが。

 そういう御仁には、
 そういった不確定要素に左右されるような脆弱な経済政策をなぜ支持したのだ
 と問い詰めたい。

 アベノミクスの反対論は多く出版されているが、
 金融緩和が景気回復の武器になるとは限らないということを指摘した本として、
 2003年に出版された『デフレとバランスシート 不況の経済学』がある。

 これはアメリカのニューヨーク連邦準備銀行でエコノミストとして活躍し、
 出版当時、野村総合研究所の経済研究部主席研究員、チーフエコノミストだった
 リチャード・クー氏が著したもので、小泉政権が実施した金融緩和政策を批判したものだ。

 つまり、金融緩和が効かないということは10年以上前から指摘されたことだったのである。
 インフレ・ターゲット論の成功を疑問視するこういう声を無視してアベノミクスは敢行された。

 まさに、歴史は二度繰り返した。一度目は悲劇として。二度目は喜劇として。

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