時事解説「ディストピア」

ロシア、イラン、中国等の海外ニュースサイトの記事を紹介します。国内政治、メディア批判の記事もあります。

北朝鮮では脱北者がどう扱われるのか?

2017-07-20 00:20:08 | 北朝鮮
一般的なイメージでは、脱北者は帰国すれば
裏切り者として処刑され、一族共々惨殺されるか、
あるいは強制収容所に送られ餓死寸前まで虐待を受けるか…といったものだと思う。


韓国を中心として世界各地で活動している脱北者の多くは
北朝鮮を自由と人権のない閉鎖的な社会であると評価しているし、
批判をしようものならば些細なことでも殺されるか収容所に送られるのだと喧伝している。


では、実際には北朝鮮は脱北者をどのように扱っているのだろうか?


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2014年に脱北し、
韓国のテレビ番組に出演経験がある女性が最近北朝鮮に戻り、
韓国を批判していたことがわかった。CNNが報じた。




この女性、チョン・ヘソンさんは韓国では「イムジヒョン」と名乗っていた。


脱北者らが北朝鮮の政治や文化を語る
テレビ番組「牡丹峰(モランボ)クラブ」への複数の出演経験を持つが、
北朝鮮政府の公式サイトで15日に公開された動画で、同番組が「政治宣伝」で、
「北朝鮮の悪口を言うよう命じられた」と批判した。



チョンさんは「番組がうまくできたら、映画に出て人気者になれると思っていた」と話す。
「心身ともに辛い思い」をした彼女は北朝鮮で両親と暮らしているという。



脱北者を韓国で待つのは、
スパイでないことを調べる検査や、韓国社会への適応プログラム。



資本主義社会への不慣れから絶望感や疎外感を抱く脱北者は多く、
脱北者支援機関のハナ財団が1700人の脱北者を対象に行なった調査によると、
2割以上が自殺を考えたという。

北朝鮮メディアの報道によると、12年以降に北朝鮮へ戻った脱北者は25人。
しかし、うち5人は再び脱北している。



チョンさんは
「お腹いっぱい食べられて、たくさんお金がもうかるという幻想につられて」脱北したが、
韓国は金儲けに執着した国だったとして、ソウルでの生活は「生き地獄」だったと語る。


北朝鮮当局は、戻ってきた脱北者を政治宣伝の道具として優遇。
公務員として雇うケースもあるという。



https://jp.sputniknews.com/asia/201707193898317/
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脱北者を語るさいに欠かせないのが韓国における彼らの非人道的な待遇であり、
これは日本政府の難民に対するそれと良い勝負である。


逆に言えば、この件に触れずに
ただひたすら北朝鮮を非難している脱北者は注意して観察すべきだと思う。


私が知る限りでは北朝鮮は戻ってきた脱北者に対して
鞭ではなく飴を持って接する傾向が強い。


もちろん、ケースバイケースだが、
上の記事にあるように、ほとんどの脱北者は経済的な理由で難民になるので、
強烈な体制批判をしない限りは、歓待し、そのことをもって体制の正当性をアピールする。


実際、金正恩が意外と国民の受けが良いのは寛大な姿勢を
少なくとも表面上は見せているからで、裏切り者は即刻死刑というものとはほど遠い。


そこで疑問に思うのは、一体、北朝鮮の地獄体制を非難するジャーナリストは
実際の状況を確認してから、発言をしているのだろうかといったものである。



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ある17歳のマケドニア人の学生は、
「マケドニアは経済もひどく低迷していて、10代は働くことも許されない。
だから金を稼ぐには独自の方法を見つける必要がある」と、
トランプ支援のサイトを立ち上げるだけで、
数千ドルの広告収入が手にできてしまう、そこに稼ぎを見出すしか生きる術がないことを訴えた。

http://chosonsinbo.com/jp/2017/07/hj170715/
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いくら経済が発展しつつあるとはいえ、
未だに北朝鮮の現状は厳しいと言わざるを得ない。

そのような状況下で地方の寒村に住む人間が
経済的理由で「情報筋」となって外国の「人権団体」に情報提供することがある。

(実際、デイリーNKやアジアプレスのような情報機関は
 提供者に見返りを与えている)


出版や映画等を通じて積極的に活動している脱北者の中には
後に偽証が発覚した人間も少なくないし、同じ脱北者から批判を受けている者もいる。


そこまで踏まえた上で、どこまでが真でどこまでが偽なのか
見定めなければならないのだが、そうした手続きを行っている
ジャーナリストが多く存在しているだろうか。甚だ疑問である。



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北朝鮮は中国と不仲なのか?

2017-07-19 23:11:38 | 北朝鮮
トランプ政権がスタートし、あわせて米朝間の緊張が高まった冬から春にかけて、
政府に釣られるように日本のメディアは朝中間の関係悪化を喜々として伝えていた。


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石炭輸入停止で関係ぎくしゃく 北朝鮮、異例の中国批判


中国が北朝鮮からの石炭の輸入を停止したことを受けて、
中朝関係がぎくしゃくしている。

北朝鮮の朝鮮中央通信は23日、
「対外貿易も完全に遮断するという非人道的な措置もためらいなく講じている」
との論評を出した。


中国の名指しは避け、「『親善的な隣国』だと言っている周辺国」としたものの、
北朝鮮が友好国の中国を批判するのは異例だ。



中国は18日、年内の輸入停止を発表。

商務省は、5度目の核実験を受けた昨年11月の国連安全保障理事会の
制裁決議で定められた上限(年間750万トンか年間約4億ドル)に近づいたためと説明した。

ただ、中国の貿易統計によると、1月の輸入量は144万トン(約1億2千万ドル)余り。

中朝関係者の間では「本当に上限に近づいているのか」などと、
政治的な意図をいぶかる声もある。

http://www.asahi.com/articles/ASK2T44KNK2TUHBI00N.html

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日本を代表するジャーナリスト、池上彰大先生によると、
中国は最近、北朝鮮に対して制裁の意思を見せるようになり、
これまでのように中国に擁護してもらう形で核開発をすることはできないぞと
意気揚々と解説をしていた。


しかし、本当に中国と北朝鮮の関係は悪化しているのだろうか?

次の記事を読んでみよう。


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中国と北朝鮮の貿易額が増加




中国の税関が、同国と北朝鮮との貿易額が増加したことを明らかにしました。

フランス通信によりますと、中国の税関当局の報道官は
13日木曜、北京で記者会見し、


今年前半6ヶ月における北朝鮮との貿易額が
10.5%上昇したことを明らかにしています。




また、
「今年前半6ヶ月で、北朝鮮に対する中国の輸出は29.1%増加し、
北朝鮮からの輸入は13.2%減少した」としました。



アメリカは、対北朝鮮制裁に関する中国の行動に抗議しています。


韓国のムン・ジェイン大統領も最近、
中国の政府関係者に対し、北朝鮮のけん制に向けてさらなる努力を行うよう求めました。


国連安保理は、北朝鮮のミサイル実験を受け、同国に制裁を科しています。



北朝鮮はこれまでにたびたび、アメリカと韓国が軍事演習を継続し、
またアメリカ軍が朝鮮半島に駐留している限り、
北朝鮮も先制攻撃能力や軍事力の強化を続行する、と表明しています。


http://parstoday.com/ja/news/world-i32682

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ご覧の通り、むしろ中朝間の経済活動はより活発になっているのである。


確かに中国は北朝鮮の核開発に対し否定的な見解を見せているが、
それはアメリカのアジアにおける軍事活動への非難とセットになったものだ。
(日本のメディアは得てして後者の部分をカットして報道する)


ロシアも同様の見解で、
アメリカがアジアにおいて軍事的プレゼンスを拡大しようとする動きを
自粛することをもって、朝鮮半島の安定は達成されるとみている。



ところが、このことが日本のメディアによると
大変、厄介で無理解な言動になるようで、例えば朝日新聞は次のように述べる。


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もう一つの難題は、ロシアと中国である。

国連安保理の論議で、
ICBM発射を非難する報道声明はロシアの同意を得られず難航している。

北朝鮮への圧力は、ロシアと中国の協力なしには効果を発揮しない。

ICBMが地球規模の安保環境を危うくする以上、
中国もロシアもこれまで以上の危機感を日米韓と共有できるはずだ。

米国との覇権争いのような狭い対外戦術の中に朝鮮半島問題を位置づけるのではなく、
国際社会の安定という共通の利益に目を向けるべきだ。


http://shasetsu.seesaa.net/article/451647083.html
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この社説、非常に問題の有るものなので、
改めて批判・検討を加えたいが、これによると、
アメリカのアジアにおける軍拡の動きは些事に当たるようで、
中国とロシアのスタンスは非難されるべきものになるそうだ。


冗談ではない。
実際には、アメリカや韓国、日本こそアジアの脅威になっている。


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アジアの情勢変化の中で、
日本と韓国は、アメリカ、ロシア、中国と共に、北朝鮮に敵対的な立場を取っています。


最近、ロシアの政府高官が、
朝鮮半島問題の解決を促すロードマップの作成を明らかにしました。


このロードマップは、2つの原則に基づいています。


一つ目は、北朝鮮の核問題は、この国とアメリカの二国間の問題であり、
両国はその解決を目指して話し合うべきだということです。


二つ目は、このようなアプローチの土台作りとして、
アメリカはまず、地域における軍事演習をやめ、
それに対して北朝鮮もまた、核・ミサイル実験を停止すべきだ
ということです。



こうした中、アメリカは、朝鮮半島問題の解決を望んでおらず、
それを、朝鮮半島や日本における軍事駐留を続け、
中国に対して政治的、軍事的な圧力を行使するための機会として利用しています。


そのため、ロシアが提案したロードマップは、
アメリカやその同盟国に歓迎されませんでした。




とはいえ、
日本と韓国は、朝鮮半島で戦争が起こった場合の結果を強く懸念しています。


なぜなら、北朝鮮は、脅迫を感じた場合、
日本と韓国の基地にいるアメリカ軍やそれらの国の施設を攻撃することになり、
その被害は予想を超えるものとなると考えられるからです。


こうしたことから、アメリカのアジア政策に同調せざるを得ない日本と韓国の政府は、
ロシアと中国による、朝鮮半島問題の解決への積極的な役割を求めているのです。



中国の大学のロシア・中央アジア研究所の所長は次のように語っています。


「地域における戦争の勃発を防ぐことができるのは、中国とロシアだけである。
 中国政府は、朝鮮半島の情勢変化に対して強い懸念を抱いており、
 そのような戦争が地域のすべての国にどれほど悲劇的な結果をもたらすかを知っている。

 とはいえ、双方の政治的な不信感は状況をさらに悪化させており、
 深刻な軍事衝突が起きる可能性もあるが、まだそれを阻止することはできる」



ロシアは、中国に比べて、朝鮮半島危機による影響が少ないものの、
この危機を中国に更に近づくために利用しようとしています。


その一方で、日本と韓国の懸念を利用し、この危機を機会に変えようとしています。


ウクライナやクリミアの問題を巡って
アメリカやヨーロッパの制裁を受けているロシアは、中国と同調し、
制裁による圧力を緩和するために、中国との技術、経済協力を利用しようとしています。


ロシアは、日本とも北方領土問題による対立を抱えており、
ロシアが、北朝鮮問題を巡って、日本と韓国の懸念を緩和した
見返りを求める可能性も決してないわけではありません。


こうしたことから、日本政府はこの問題の解決へのロシアの支援を求めていますが、
慎重に行動しており、その要請を中国のみに向けてきました。


イギリスのシンクタンク、王立国際問題研究所・国際関係機関の政治顧問である
ジェームズ・シェール氏は次のように語っています。



「朝鮮半島情勢は、1953年以来、最悪の状態にある。
だが、地域の軍事衝突を予想する前に、真の脅威を生み出したり、
それを減らしたりするさまざまな出来事が存在することを忘れてはならない。
それら一連の出来事には、双方の挑発的な行動、脅迫的な発言、肯定的な努力がある」



いずれにせよ、アメリカは朝鮮半島において、
あらゆるレベルで、常に緊張を作り出してきました。



なぜなら、アメリカの一部の関係者によれば、
地域に戦争の影を落とすだけでも、アメリカにとっては戦争と同じ効果があるからです。


いずれにせよ、日本政府は、
国連安保理の常任理事国であるロシアが、中国と真剣な協力を行えば、
北朝鮮問題に対するアメリカの政策に効果的な影響を及ぼすことができると考えています。


ただしそれには、各国が、地域の安全と利益を、決断の基準に据えることが必要なのです。

http://parstoday.com/ja/news/japan-i32584
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朝鮮半島の問題の解決は
アメリカの北朝鮮に対する敵視政策の放棄なしには達成されない。

非常にシンプルな解なのだが、
政府に忖度してか、あいも変わらず敵視政策を続行するよう叫ぶマスメディア。


中朝間の不仲説はまさに、安倍政権が全力で米朝との衝突を煽っていた時期に
頻繁に発信されたものだった。情報のチェックをするのではなく、
権力側に都合の良いデマゴーグを再生産するのであれば、
メディアの社会的存在意義はどこにあるのだろうか。



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朝鮮学校の教科書は危険なのか?

2017-06-19 22:12:48 | 北朝鮮
数年前に翻訳された北朝鮮の歴史教科書を読んだことがある。


その際に感じたのが「随分と反米的だな」というもので、
これは戦後に事実上、植民地化された日本の現代史に関する
現行の社会科教科書の余りにも小綺麗な記述とは雲泥の差である。



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「韓日会談」はたがいの対立と、
朝鮮人民、日本、アジア人民の強い反対闘争によって何度も中断したが、
「三角軍事同盟」の実現を追求するアメリカが積極的に介入したため
1965年6月22日に「韓日条約」と「韓日協定」の締結によって終わった。

「韓日協定」は過去に日帝が朝鮮民族に対しておかした罪に対する謝罪と、
それ相応の補償もなしに、南朝鮮当局者と締結した屈辱的で売国的な協定だった。


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上の記述は1965年の日韓基本条約に関しての教科書の記述だが、
これなどはまさにその通りで、この時に経済支援を目当てに
過去の植民地支配を免罪しようとしたために、
日韓は、未だに慰安婦問題の解決すらろくにされない状況のままでいる。


また、この時期、国内外で反対運動が起きたのも事実。
(詳しくは吉岡吉典『日韓基本条約が置き去りにしたもの』を参照)


我が国を代表するジャーナリスト、池上彰大先生などは
「慰安婦問題は日韓基本条約で解決済みなんです!
 それをほじくり返す韓国がおかしいんです!」と日本政府の言い分を
 そっくりそのまま伝えている。


まぁ、それはともかく、上の教科書の記述からも
朝鮮半島の現代史は大国であるアメリカの息がかかっていた
という史観から物語られていることがわかるのではないだろうか。



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朝鮮戦争を契機に「高度成長」に踏みこんだ日本は、
アメリカの東アジア戦略に積極的に加担することで、
自分たちの海外進出の野望を実現しようとした。


朴正煕はアメリカの「援助」が減ったため、
日本資本を引き入れて「経済発展」をなしとげ、貧困にあえぐ人民の反抗と、
共和国の経済成長に力を得ていっそう高まる統一運動を抑え、
軍事「政権」を維持し続けることができた。

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韓国の教科書には、
ここまで露骨に過去の軍事独裁政権を批判した記述がない。


実際、この時期は
朴正煕に反対する人物は得てして獄中にいたわけだし、
在日コリアンの中にも北朝鮮のスパイと認定され、監禁・拷問を受けた人間もいた。


KCIAによる金大中の拉致事件などは、その典型的な例だろう。





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軍事独裁「政権」の樹立

南朝鮮で激化していた民主化運動や祖国統一運動を阻み、
自分たちのアジア政策にいっそう効果的に服務する強力な統治体制を打ち立てるために、
アメリカは南朝鮮軍部の親米反共勢力をあおり、5.16「軍事クーデター」を起こした。

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朴正煕は「布告」を連発して、あらゆる政党、社会団体を解散させ、
「民族日報社」を襲撃して、チョ・ヨンス社長をはじめ
社員を逮捕するなど言論出版機関を強制的に解散させた。

6月10日には金鍾泌らが「中央情報部(KClA)」を設置して、
「軍政」の中枢的暴圧装置を作った。

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朝鮮学校の歴史教科書は、朝鮮半島の歴史教科書であるわけだが、
その内容は、上のように一貫して、アメリカと追従勢力によって
民衆が軍事政権の憂き目にあったという点が強調されている



フィリピン、チリ、ペルーなど
およそアメリカは冷戦時、いわゆる独裁国家を支援してきたし、
それは今でも続いている(その筆頭に挙げるべき国はサウジアラビアだろう)


現代史の記述が疎かになっている日韓の教科書と比較して、
ここまでアメリカの帝国主義政策に直に触れ、
批判的に記述できるのかと感心した覚えがある。


・・・のだが、どうも、これが
無償教育除外支持派によると、「反日」的になるらしい。



日本のことなど脇に置かれているような気がするのだが、
これまで記述した内容は「大変反日的でけしからん」ことになるそうだ。





これは朝鮮学校で実施されたテストの答案「だと言われているもの」だが、
真ん中の韓国併合に関しては4つの選択肢が設けられ、

当時の朝鮮民族が併合に賛成していたか否か、
韓国が植民地にされたか否かが問われている。


当然、ここでの答えは併合に「反対」、韓国は「植民地」にされたになるが、
これが「反日」だと認定されるようだ。



確かに日本のアジアを植民地化せんと奔走した歴史を
思い起こされることは、極右にとってはこの上なく「反日的」だろう。


しかし、それは一般の日本人にとって「反日的」だとは思えない。


アメリカの公民権運動に触れることは、「反米的」なのだろうか。
ナチスのホロコーストに言及する人間はドイツ人に差別感情を抱いているのだろうか?



http://userdisk.webry.biglobe.ne.jp/006/876/28/N000/000/000/syakai5-020-021_20080918052948.jpg

http://userdisk.webry.biglobe.ne.jp/006/876/28/N000/000/000/syakai5-018-019.jpg


上に列挙された画像は、同じく朝鮮学校の社会科教科書を翻訳したものであるが、
これを見ても、どのへんが反日的なのか、北朝鮮礼賛なのかピンと来ない。


少なくとも「日本人死ね!」とは書かれていないし
「北朝鮮は天国のような国だ!」とも書かれていない。


北朝鮮は各国と外交関係を結んでいるのは事実であるし、
強盛大国を目指して政府が奔走しているのも事実である。


単にほとんどの日本人が知らないだけの話なのだが、
「北朝鮮は鎖国政策を取っているに違いない」と信じてる人間からすれば、
ここに書かれている内容は「嘘」になるらしい。訳が分からない。



朝鮮学校の教科書が日本のそれと毛色が違うのは確かだし、
それはアメリカに対して真っ向から非難することが出来ない日本の弱みに
反映されたものでもあるが、少なくとも日本人に差別感情を植え付けようとするものではない。


主なターゲットはアメリカであり、次点で韓国の軍事政権時の為政者である。






漫画「ドラえもん」で例えるなら、
出木杉くんがジャイアンの横暴を非難したところ、
なぜか、スネ夫が「俺を差別するなぁああ!」とキレたようなもので、

まるっきり意味不明というか、何を考えているのかさっぱりわからない。


そもそも、日常的に暴力の被害にあっているのは
スネ夫も同じではないかと思うのだが、このスネ夫、
「ジャイアンは俺を守ってくれる(キリッ)」と黄昏ているわけで、
現実が見えていない。


アメリカに対する攻撃的姿勢を「日本に対する差別感情を扇動するもの」とみなし、
大騒ぎするのはクレイジーとしか言いようがないのだが、
ミサイル騒動しかり、核実験しかり、北朝鮮に関する日本の反応は、
おおよそ、上のようなものである。一言で言えば、意味が分からない。


北朝鮮の主張を拾ってみる限りでは、
彼らは「日本がアメリカを支持すればするほど、
同盟国、敵国とみなさざるを得なくなる」と考えているのだが、
どうも、その辺がよくわかっていないらしい。



日本における朝鮮学校の批判は、
得てして総連に個人的な感情を抱いている活動家に
コメントをさせ、いかに朝鮮学校が腐っているかと喧伝する類のものが多いが、
これなどはネオナチに現代ドイツ史についてレクチャーさせるようなもので、
意見としては尊重するが、学術的には価値がほとんどない。


のだが、なぜか、これらプロパガンダと真っ当な社会学者の意見とを
両論併記して、さも前者に傾聴の価値ありとする印象を与えてしまっていて、
そこは、非常に悪質かつ問題のあるものだなと思わざるを得ない。


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共謀罪成立を喜ぶ愛国者って一体・・・

2017-06-17 18:47:43 | 日本政治
共謀罪強行成立記念!
安倍政権の暴挙を忘れないために振り返る「共謀罪トンデモ答弁・暴言録」
(http://lite-ra.com/2017/06/post-3245.html)


共謀罪の何がいけないかについては
リテラを初め、他サイトが言及しているので、
ここでは別の大変重要かつ見落とされている点について触れる。


警視庁公安、右翼団体「草莽崛起の会」
構成員20人の運転免許証を取り消す
(https://matome.naver.jp/odai/2148854745323188101)


賛成派・反対派ともに
政府の意向に反対する人物や団体が不当に逮捕される恐れがある
という認識の下で動いているように感じるのだが、


右翼団体も被害にあう可能性がある

という点についての認識が甘い気がする。


現在の公安は右翼団体も監視の対象にしており、
森友学園や在特会の事件を見ても知れるように、
与党は利用できる間は彼らを持ち上げるが、
自分の身に危険が及ぶと知るや否や、簡単に切り捨てる。


特に橋下徹の在特会批判は
虎が狼に対して「獣を食って殺すとは不届き千万!」と一括したような話で、
「俺は差別主義者ではありませんよ」とアピールするために桜井誠を
スケープゴートにしたような事件だった(不思議とネット右翼はスルーしているが)


つまり、将来的に政府が右翼を捨て駒にして
政権の維持に努めようとすることは十分考えられるし、
現に、森友学園・加計学園問題では、そのように動いている。


私は右翼の街宣活動やビラ配り、デモ行進については
否定的に考えてはいるが、だからといって、彼らを不当に逮捕することが
合法となるものに賛成する気にもならない。


ところが、当の愛国ごっこに興じる人々が
やれめでたやとはしゃいでいるのは、何と言うか、
屠殺の器具が揃ったことを喜ぶ豚や牛を見ているようで何とも言えない気持ちになる。



共謀罪の問題は、誰が危険か否かの境界を公権力が恣意的に線引きする点にある。


支持をするのは
「自分は大丈夫」という根拠のない自信を持っているからなのか
「チョーセン人が捕まる様をこの目で見たい」という願望を持っているからなのかは知らない。

だが、つまるところ、それは「他人はどうなってもかまわない」という性根が
前提として存在するわけで、どこまで行っても、それは「視野が狭い」のだろうなと感じられる。




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脱北者の証言に関する省察

2017-05-23 23:24:51 | 北朝鮮
米・ディプロマット紙の記事より。要所の個所だけ日本語で補足文を載せる。
長いので、とりあえず前編だけ紹介。




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In between sobs,
Park Yeonmi gave her account of life in North Korea.


Public executions, arbitrary arrests,
torture and suffocating censorship were
just some of the harsh realities faced by people in “the darkest place in the world,”



the 21-year-old defector told an international audience at the Young World Summit in Dublin,
Ireland earlier this month.



While North Korean defectors have spoken publicly about life under the regime before,


the attractive university student has arguably captured
the attention of international media like no other in recent memory.


Her emotional speech in Dublin received coverage in outlets such as the BBC,
Al Jazeera and the Daily Mail.

(ここまではパク・ヨンミという脱北者のスピーチがあり、
 メディアも大々的に取り上げたということが書かれている。)



But alongside outpourings of sympathy and praise,
Park has also attracted a quieter but no less persistent stream of criticism
from skeptics who reject her characterization of North Korea.


(賞賛を得た一方で、彼女の北朝鮮の描写には批判もなされたということ)



Felix Abt is one such critic.

(その批判の一例が以下の文で紹介されている)


A Swiss-born businessman who lived and worked in North Korea for seven years until 2009,
he has frequently questioned media portrayals of the human rights situation in the country.

(この人物は2009年まで7年間北朝鮮で生活し、勤務していたビジネスマン。
 北朝鮮の人権状況についてのメディアの説明に異議を唱えている)



“I suppose many of the stories that defectors present are true,
even though they cannot be verified.
I only challenge claims that are obviously exaggerated or plain false,”

(亡命者の物語の多くは検証不可であっても、事実だとは思うが、
 明らかな誇張や間違いには物を申したい)


Abt told The Diplomat by email.


In Park’s case,

Abt has honed in on a recent newspaper interview
that quoted her drawing a comparison between a canal in Dublin and rivers in her homeland:

“Every morning at riversides like this you can see dead bodies floating.
If you go out in the morning, they are there.”*

(北朝鮮の運河や河川には死体が浮かんでいるという証言)


Abt responded to the article with a photo on his Twitter account
that appears to show children happily at play in a North Korean river.

(北朝鮮の河川で遊んでいる子供の写真を見せながら)


I widely traveled the country and didn’t come across dead bodies, said Abt.

(「国中を旅しましたが、死体なぞ見たことがありませんよ」と反論)



“Sure, there may have been floating bodies in rivers
in the terrible crisis years of the 90s when 600,000 people
starved to death according to an estimate by the U.N. official w
ho was then supervising foreign aid during the famine in the country.

(確かに、90年代の危機の時代なら川に死体が浮かんでいたのかもしれませんよ?)

But since then, things have clearly changed for the better
(no more mass starvation, recovery of the economy etc.)
which many activists do not recognize.”

(けれども、それから事態は明確に良い方向へ変わりました。
 大量の餓死もありませんし、経済も回復した)


Asked if he could be sure he hadn’t been shielded from abuses by the authorities,
Abt said he had traveled unaccompanied to even remote provinces of the country.

(当局の監視によって虐待を隠されていたのではないかと質問すると、
 旅行中は遠方の県ですら1人だったと回答。)


“Also, my visits were of a more technical nature
and were therefore not orchestrated like in the case of foreign visitors
and resident diplomats,” he said.

(私の訪問は外国の観光客や外交官のように当局によって案内されたものではない)


“So I did see poverty-stricken areas,
infrastructure in shambles, broken bridges over rivers and
I would certainly have seen dead bodies if there were any.”

(それゆえに、極貧地帯も私は見たことがあります。
 仮に死体が流れているなら確実に見ているでしょう)


Abt has challenged other defectors’ claims in the past,
such as comments by former doctor Ri Kwang-chol in 2006

(ここからは別の亡命者の証言についても批判している)


that there are no physically disabled people in North Korea
due to a policy of infanticide for handicapped newborns.

(北朝鮮では障害を持って生まれた新生児は殺されているので
 身体障碍者がいないのだという証言があるが)


On the contrary, Abt noted,
Pyongyang sent athletes to this month’s Asian Paralympics in South Korea’s Incheon.
It was North Korea’s first participation in the competition.

(実際には北朝鮮はパラリンピックに選手を送っている)


Other defectors, however,
have told media such as Free North Korea Radio of
widespread infanticide against disabled infants.

(にも関わらず「広範な障害を持つ幼児の殺害があるのだ」と
  自由北朝鮮ラジオなどで証言している脱北者がいる)



Abt has detractors of his own, some of whom, such as Joshua Stanton,
the operator of the blog One Free Korea, have called him an apologist.

(Abt氏を中傷する者は多い。例えば一つの自由朝鮮というブログは
 彼のことを北朝鮮の擁護者と呼んだ)



“I can understand their reaction:
 if you read and hear only horrifying reports about a country for decades,
 you expect nothing but shocking accounts of cruelty and subjection to come out of it,”
said Abt.

(何十年も北朝鮮を怖がらせる報告にしか触れていないなら、
 そういうリアクションを起こすのも無理はない。)


In one interview,
Abt had lamented that Westerners often misunderstand
how people in Confucian societies such as North Korea show
respect to their leaders and expect to be cared for in return.

(あるインタビューでは、Abt氏は
 西側の人間がしばしば、北朝鮮のような儒教社会に住む人間が
 どれだけ彼らの指導者を尊敬し、大事に思っているかを誤解していると指摘)



“If no meaningful economic and social reforms are carried out
 the people may withdraw the ‘mandate of heaven’ (outlined by Confucius),”

(全く意味のない経済・社会改革が実行されていたのであれば、
 天命(ここでは革命という意味)が起きていたでしょう)


http://thediplomat.com/2014/10/north-korea-defectors-and-their-skeptics/

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アジアプレスやデイリーNKのようなNEDから支援を受けている情報機関は
内部の密告者を通じて北朝鮮の情報を仕入れていると豪語する。


だが、実際には、当の脱北者から「それはありえない」と反論されることもあり、
また、その証言も礼金と引き換えにされているという致命的な問題がある。

【翻訳記事】アジアプレスの
「北朝鮮社会を蝕む覚醒剤」報道の嘘・捏造・歪曲を撃つ! その1


「特に特ダネ記事に没頭する余り、
 今や北朝鮮から入って来る情報は北朝鮮通信員の取材中心ではなく、
 企画取材をする傾向まで表れている。だが北朝鮮で活動する通信員達は
 民主主義社会でのマスコミの価値と役割に対する理解が全くなく、
 経済的代価によって情報を提供する。

 情報を提供する北朝鮮通信員には一種のインセンティブ
(北朝鮮の所得の現実を考慮すれば、これは莫大な経済的報酬だ)が提供される。

 代わりに北朝鮮通信員達は、北朝鮮当局の統制下で自身の命を担保に活動せねばならない。

 こうして企画取材に没頭する余り、対北関連ニュースの歪曲はよりひどくなる傾向がある。
 主に保守陣営の言論媒体達は自分の口に合うように北朝鮮ニュースを報道するのだが、
 北朝鮮情報を十分に把握する事の出来ない大多数の市民達はそれをストレートに信じるしかない。」

(同記事より抜粋)



情報提供者が利益を目当てに誤情報を流すことはあり得るし、
現にそうやって不正確な情報が流れている現実がある。


ここで私が問いたいのは「脱北者の言葉を信じるな」ではなくて、
脱北者の証言を信じるためにも、聴く側はきちんと実証をすべきだ」ということである。



どうも、左右問わず、日本には脱北者ファンクラブなるものが存在するらしく、
亡命した人間の言葉はすべからく真実であり、疑うこと、すなわち悪と信じるカルトな風潮がある。


一言で脱北者と言っても、全員が全員、同じ証言をするわけではない。
事実、過去に脱北者の問いかけによって明らかになった誤報も存在する。


ところが、なぜなのか全く理解できないが、彼らのイメージでは
亡命者は全て同じ証言をするに違いないという謎の根拠なき確信があり、その点を指摘すると
「それは脱北者を侮辱する行為だぞ」とか「貴様は北朝鮮の工作員なのだ」といった
おいおい・・・と言いたくなる彼ら流に言えば「発狂」をされてしまう。



その割りには、裏が取れた慰安婦の証言を「偽証の疑いがある」とみなしたり、
戦争体験者の反戦論について「現実を知らない」と否定したりと何やら必死である。


慰安婦や反戦論者はいくらでも侮辱しても差し支えないということなのだろうか?


慰安婦の証言と脱北者の証言の決定的な違いは
前者が歴史家によって実証されているのに対して、後者は実証無しに信仰されているという点にある。



金正男の報道と同じで、「情報筋」がこう話した、だから事実なのだという
論理的とは言い難い、どちらかと言えば妄信に近い形で誤報が垂れ流しになっている。



その誤報を後々、訂正すれば問題はないのだが、
私の知る限り、メディアが誤報を訂正したことはないし、
個人に至ってはなおさら、間違いを指摘されても主張を取り下げようとはしない。



つまり「それは間違いだ」と明らかにされたにも関わらず、
その間違いを訂正しない現実が存在している。



これはストレートに表現すれば、
「意図的に嘘をついている」ということだ。




理屈の上では嘘だと判明したにも関わらず「知ったことか」とデマを流し続ける。
悪質極まりないが、彼らの中では、自分たちは検証をしているということになっているらしい。


正しいのか間違いなのかよくわからない情報を大量生産することは、
結果的には、脱北者全体の証言の信ぴょう性を下げてしまうことに繋がるのだが、
誤報が判明した後も訂正をしない・出版を停止しないあたり、気にならないようである。




カルト

特定の対象を熱狂的に崇拝したり礼賛したりすること。また、その集団。異端的宗教。


(https://kotobank.jp/word/%E3%82%AB%E3%83%AB%E3%83%88-178058)


根拠がないのにある主張が正しいと確信する。それは宗教に似ている。
「神がなぜ存在するのか、それは神が存在すると私が思うからだ」というあの心理に似ている。


神の存在を信じ続ける行為そのものが重要であって、
信じる内容が正しいかどうかは問題にならない。


もしくは疑うという行為そのものが最大のタブーとなっているので、
信じる以外の選択肢を選ぼうとはしない。


こういう現象を俗に「反知性主義」と呼ぶが、
私は「反知性」という表現は少々、不適だと考えている。

というのも、彼らの中では、
嘘だと論理的に証明されてもなお、正しいと信じ続ける行為は「知性的」であって、
「世間の間違った知識を正しい知識によって修正してやる」という目的がそこにある。


なぜ「正しいのか」ということを実証する必要はここにはない。
(向こうが間違っているという結論が先に存在するので)



つまり、知性そのものについて疑っているわけではなく、
自分こそ知性なのだという自信がここにあり、それゆえに折れない所がある。

あえて言えば、一般の知性は科学的知性(この表現も古臭いとは思うが)であるのに対して、
あちらはカルト的知性(なぜ正しいか?それは正しいからだ)とでもなるのだろうか?


少々、話が脱線してしまった。
今回の記事で取り上げた文章はまだ後半が残っている。
こちらについては後日、また紹介したいと思う。

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米韓が合同軍事演習を敢行する理由。

2017-05-10 21:51:31 | 北朝鮮
過去の記事だが、未だに有効性があると思うので再度、URLを載せる。

米韓合同軍事演習とは何か1


「米国や韓国との連携も強めていく。人権問題として、北朝鮮追及の国際化をはかる。
 北朝鮮は今、国連の追及で防戦に必死じゃないですか。

 米韓軍事演習も圧力になっています。

 軍事演習をすると、北朝鮮もそれに合わせて、軍隊を動かさなければいけない。
 演習は3月と8月ですから、田植えの準備と刈り入れのときです。この圧力はキツイ。

 国際的な圧力を高めれば、外貨が枯渇し、内紛の火種になっていく。
 こうやって、相手の政治的権威を揺さぶるんです。そうしないと相手は脅威を感じない。
 餓死者が何万人出たところで、眉毛ひとつ動かさないような国ですからね。
 しかし、トップの権威が揺らぐと、あの国は意外にもろいんです。」


餓死者が何万出ても眉毛一つ動かさないと語る一方で、
確実に北朝鮮の食糧事情に打撃を与えるような軍事演習を良策として推奨する凄まじい矛盾。


北朝鮮の食糧事情は格段に改善されていることは何度も指摘しているのでここでは割愛する。


確実に北朝鮮の経済発展を阻害(それは北朝鮮国民の生活水準上昇の妨げになる)
する行為を喜々として称えながら、いかにも自分が末端の国民を憂いでいるかのような論調。

偽善以外の何物でもない。

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北朝鮮のメッセージはどのように伝えられるのか?

2017-05-08 22:42:53 | 北朝鮮
5月2日、北朝鮮のメディア、労働新聞は次のような論評を掲載した。


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【平壌5月2日発朝鮮中央通信】

日本の執権者がシリアに対する米国の先制攻撃の報が伝わると、
待っていたかのように朝鮮半島の危機説を先頭に立って鼓吹している。


閣僚らも彼を真似て連日、朝鮮半島の危機説を流している。



2日付の「労働新聞」は署名入りの論評で、朝鮮半島の危機説をけん伝している日本の下心は
これを口実にして今まで試みてきた憲法修正を促し、
「自衛隊」の海外派兵にさらに拍車をかけようとするところにある
と暴いた。



また、朝鮮半島で戦争が起こることを契機にして
米国から新しい軍需物資注文を受けて、危機に苦しんでいる経済を刺激して
過去の朝鮮戦争時のように黄金の夕立を味わってみようとするところにあると暴露した。



論評は、朝鮮半島で戦争が起こればわれわれを害しようとする者はもちろん、
その後押しをする者も無事でないとし、次のように強調した。



もし、朝鮮半島で核戦争が起こる場合、
米軍の兵站基地、発進基地、出撃基地となっている日本が真っ先に放射能雲で覆われるであろう。


今、日本が本当に自国の利益を考えるなら、
朝鮮半島問題の平和的解決のために努めてこそ当然である。



日本は、世界で初の被爆国として核災難がどんなものかを誰よりもよく知っている。



日本の当局者らは、朝鮮半島でいったん戦争が起これば最大の被害を受けるのは
まさに、日本であるということをはっきり認識して分別のある行動を取るべきである。
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http://www.rodong.rep.kp/en/index.php?strPageID=SF01_02_01&newsID=2017-05-04-0003
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傍線まで引いて強調したが、この論評の趣旨は
日本政府に対して軍事ではなく外交による解決に尽力せよと問いかけるものだ。


1・日本の脅威を煽る動きは改憲・海外派兵を目論んだものである。
2・仮に戦争が勃発した場合、日本も核の被害から免れることが出来ない。
3・核の被害がどれだけ甚大であるか、被爆国である日本はどの国よりも熟知しているはず。
4・脅威を煽るのではなく、平和的解決へと方向を転換すべきだ。


こういった内容であるが、この文章を日本のメディアが報道するとどうなるのだろうか?

時事通信社の記事を読んでみよう。


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「日本が放射能雲に覆われる」=有事の核攻撃示唆-北朝鮮紙


【ソウル時事】北朝鮮の朝鮮労働党機関紙・労働新聞(電子版)は2日付の論評で、
朝鮮半島で核戦争が起きた場合、
「米軍の兵たん、発進、出撃基地になっている日本が真っ先に(核爆発による)放射能雲で覆われる」
と警告し、日本に対する核攻撃を示唆した。


論評は、米朝の緊張が高まる中、日本が「米国の核戦争騒動で漁夫の利を得ようとしている」と非難。
海上自衛隊と米空母「カール・ビンソン」の訓練などを批判し、
「米国の侵略策動に追従しながら無事と考えるのは愚かだ」と強調した。


(2017/05/02-16:24)

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赤文字や太文字で強調した部分が完全に抜け落ちている。


これでは北朝鮮からのメッセージが伝わらない。さながら、戦前の検閲のようである。




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自衛隊の米艦防護や共同訓練は明らかな憲法違反だ!
北朝鮮危機に乗じて安倍政権が進める憲法破壊



朝鮮半島の緊迫はこれまでも何度もあったが、
北朝鮮の標的はもっぱら米国にのみ向けられていた。


過去には、北朝鮮高官が日本に対して、
非公式に「我々の標的は米国であり、日本は関係ない」と伝えていたことが報じられたこともある。



ところが、安倍首相がトランプの姿勢に全面的賛同を示すと、
北朝鮮は一変し、日本への攻撃を口にするようになった。


さらに、自衛隊のカールビンソンとの共同訓練や米艦防護が明らかになると、その態度はエスカレート。


朝鮮労働党の機関誌「労働新聞」は2日付の論評で、
日本を「米国の核戦争騒動で漁夫の利を得ようとしている」
「米国の侵略策動に追従しながら無事と考えるのは愚かだ」と警告し、
「米軍の兵站、発進、出撃基地になっている日本が真っ先に放射能雲で覆われる」と、
日本に対する核攻撃まで示唆しはじめた。



ようするに、安倍政権によって、日本が米朝戦争に巻き込まれる可能性が高まり、
日本国民の生命や財産が脅かされる危険性が増しているのだ。

(http://lite-ra.com/2017/05/post-3130_2.html)
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リベラルを標榜しているはずのリテラの記事でも、
「日本に対する核攻撃を示唆しはじめた」と伝えている。

もし、朝鮮半島で核戦争が起こる場合、
米軍の兵站基地、発進基地、出撃基地となっている日本が真っ先に放射能雲で覆われるであろう。



今、日本が本当に自国の利益を考えるなら、
朝鮮半島問題の平和的解決のために努めてこそ当然である。


以上の流れが切断され「日本が~覆われる」の部分のみを切り取り、
北朝鮮は日本を核攻撃することを検討し始めたと喧伝する。

これを誤報と呼ばず、何と呼べばいいのだろう。
(そして「脅威を煽るのは日本の軍拡のため」という指摘は書かれていないかのように扱われる)



朝鮮中央通信は日本語でも読むことが可能であり、労働新聞も英語で読むことが出来る。


問題の記事を執筆した人間は、きちんと確認を取ったのだろうか?



北朝鮮は、どちらかといえば、自分たちの意思を直接的に表現する国である。
この国ほど何を求めているかがわかりやすい国はないとさえ思う。


だが、せっかく発信されたメッセージもマスメディアによって媒介される過程で検閲・編集され、
歪められた形で市民の目に届く。結果、悪の帝国北朝鮮のイメージが闊歩するようになる。


アジアや中東を主とする海外メディアや原資料をチェックし、多角的に情報を俯瞰する。
このようなメディア・リテラシーが今ほど求められている時代はない。


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創られる「米朝危機」

2017-04-25 23:34:20 | 北朝鮮

ここ数日、西側メディアは「近いうちに北朝鮮が核実験をするに違いない」と喧伝している。
根拠は核実験施設で職員がバレーボールをして遊んでいたからというもの。


仮に米軍基地で米兵がボール遊びをしていたとして、
それを根拠に核実験が行われるはずだと断言する専門家が存在するだろうか?




冷静に考えれば、大変ナンセンスな話なのだが、
殊、北朝鮮に限れば、この手の馬鹿馬鹿しい話がまかり通ってしまう。

(ただし、核開発は続けると明言している以上、核実験はいずれ行われる)



もう一つ、「北朝鮮は過去、4回、この4月末の記念日に核実験を行った」という見解がされていたが、
実際には、ただの一度も4月に核実験が行われたことはない。


恐らく、人工衛星の発射と混同しているのだと思う。

結局、宇宙ロケットの発射を「事実上の核ミサイル実験」と表現するから、
「北朝鮮は祝日に花火の代わりに核を爆発させる国なのだ」という妄想が信じられるのだろう。

(祝日に花火のような感覚で核実験を行う国がどこにある?)




さて、メディアが米朝対決を煽る一方で、北朝鮮は平和そのものだ。


・・・というのがここ最近の私の雑感である。


試しに次の記事を読んでみると良い。


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黎明通り竣工式/金正恩委員長が参席

【平壌発=文・金淑美、写真・盧琴順】


民族最大の名節である太陽節を控え、平壌の錦繍山太陽宮殿地区に黎明通りが建設された。



錦繍山太陽宮殿と龍興交差点の間に新しい通りを建設するという
金正恩委員長の発起で昨年4月に着工した黎明通りの建設は、
洪水により甚大な被害を受けた咸鏡北道の被災地復旧のために建設部隊を現地に派遣したことで
計画は遅れたが、わずか1年の間に驚くべき建設速度を発揮し、完工した。



朝鮮は米国とその追随勢力による制裁と圧力の中でも、
過去に建設された通りの規模をゆうに超える巨大な黎明通りを、自らの力と技術、資材で建設した。
黎明通りはどんな制裁と圧力の中でも力強く前進する朝鮮の姿を明白に示している。



13日、金正恩委員長参席の下、黎明通り竣工式が永生塔前で盛大に行われた。



朴奉珠内閣総理は竣工辞で、金正恩委員長が黎明通り建設を宣布し、
建設の全過程を精力的にけん引したことについて言及し、
金正恩時代の象徴である黎明通りは朝鮮の軍隊と人民の不屈の精神力と
自力自強の限りない力に支えられ建てられた万里馬時代の創造物であると強調した。





ライトアップされた黎明通り

金正恩委員長が黎明通りのテープカットを行った。

竣工式では総聯中央の権淳徽顧問を団長とする
太陽節慶祝在日本朝鮮人祝賀団をはじめとする総聯活動家と朝大生、
祖国に滞在している在日同胞らが参加した。


~中略~



金正恩委員長が参席する行事に初めて参加したという総聯生野南支部の池昇哲委員長は
「今回8年ぶりに祖国を訪問した。日本のメディアでは朝鮮の核、ミサイル開発に言いがかりをつけ、
 連日、朝鮮バッシングを行っているが、今日祖国では金委員長の下、
 一心団結した人々の力でこのような素晴らしい建設物が
 数多く建設されていることを目の当たりにし、感無量だ」と話した。

竣工式終了後、参加者は黎明通りを参観した。

http://chosonsinbo.com/jp/2017/04/yr0421-6/
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軍事パレードしか映さない日本のテレビ局の映像とは裏腹に、
対立が煽られていた13日の時点で、何とも呑気なセレモニーが開かれていたわけである。



4月9日には、こういうイベントもあった。



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沿道にあふれる笑顔、第28回万景台賞国際マラソン


【平壌発=文・金淑美、写真・盧琴順】

太陽節に際して平壌で9日、第28回万景台賞国際マラソン競技大会が盛大に開催された。
回を重ねるごとに参加者が増え、盛り上がりを見せる同大会。



今年は、昨年を上回る1100人以上の外国人ランナーが参加し、
市内を周回する新たなコースで、初春の平壌の街並みを存分に謳歌した。


春の陽気のなか


この日の平壌の最高気温は、例年よりも高めの20度。
大会開幕前から温かな日差しが降り注ぎ、絶好のマラソン日和となった。



約180人の国内選手と外国人選手、約1100人の外国人市民ランナーが快走した。



今年は、各地での予選を勝ち抜いた国内の選手らと、
エチオピア、ケニア、モロッコ、ルワンダ、ウクライナの選手ら、
オランダ、米国、イギリス、フランス、ドイツ、スイス、スウェーデン、
オーストラリア、コスタリカ、カナダ、台湾、日本など、50カ国を超える国と
地域の1100余人の市民ランナーがレースに参加。




スタート地点である金日成競技場に外国人ランナーらが続々と入場すると、
客席を埋め尽くした平壌市民らが拍手と歓声、手を振って歓迎し、ランナーらは大声援の中、スタートした。


~中略~


市民ランナーらは
スマートフォンやカメラを片手に市内の風景を撮影したり、
音楽を聴いたりしながら思い思いに楽しんでいた。



子どもからお年寄りまで年齢層も幅広く、なかには赤ちゃんをおぶりながら
走るパワフルなママさんランナーもいて、周囲を沸かせていた。



平壌市民たちとハイタッチを交わすランナー

ハーフマラソンに出場したエドワードさん(27、ドイツ)は、
平壌でマラソン大会が開かれると聞いて、朝鮮観光を専門的に扱う
「コリョ(高麗)旅行社」を利用して訪れたという。


初めて見る朝鮮について「街並みも、人々の歓迎も期待以上」と満足感を示していた。
観光日程には妙香山や板門店も含まれており、これから始まるツアーを楽しみたいと話した。




一方、訪朝は4度目だというマルクスさん(33、オーストラリア)は、
開発が盛んな平壌の変化を感じ取っていた。



「初めて訪れた2年前と比べて、新しい建物がたくさんでき、平壌は大きく様変わりした。
マラソンに参加したのはこれが初めてだったが、市民の声援のなか春の景色を眺めながら走り、
とても良い時間を過ごした」。


外国人ランナーが一様に感動と喜びを示していたのは、平壌市民の温かい歓待だった。

コース沿道にはたくさんの平壌市民が列をなし、
手を振ったりランナーとハイタッチしながら激励する心温まる光景が随所に広がっていた。



市民ランナー部門女子10km種目で1位に輝いたコスタリカのマリアさん



市民ランナー部門女子10km種目で1位に輝いたマリアさん(31、コスタリカ)は、
旅行が大好きでこれまでたくさんの国々を訪れたが、
「街並みも美しく朝鮮料理も美味しいけど、何より、フレンドリーな人々の姿に感動した」。


平壌市民の温かい声援も手伝って、いい結果を出せたと話す。
閉会式では表彰台に上がり、大歓声に両手をあげ満面の笑みで応えていた。



太陽節に際して毎年開催されている万景台賞国際マラソンは、
国際陸上連盟(IAAF)の認証を受けた正式な国際大会で、
以前はプロ選手のみ参加できる大会だったが、
2014年からは国内外の市民ランナーも参加できるようになった。


同大会は、マラソン競技の発展とともに各国との友好親善を促すうえで、
近年、その意義がいっそう高まっている。


http://chosonsinbo.com/jp/2017/04/yr0413-2/
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悪の帝国北朝鮮の実像は以上のようなものである。


全方位に向けて挑発行為を繰り返す鎖国国家というイメージが
如何に歪められたものであるかが、お分かり頂けるのではないだろうか?



もちろん、上のニュースをもって、
党内の熾烈な抗争や、国内のポピュリズム的政治まで正当化することは出来ない。
しかし、我々の持つ北朝鮮像が現実とはかなりかけ離れたものであることは確かだ。

(金正恩の統治スタイルより、橋下徹の大阪府政のほうが
 より弾圧的で独裁的だったと思うのだが、この点はあまり知識人も触れようとはしない)


そもそも、メディアが伝えるように、
米朝の危機は本当に高まっているのだろうか?



アメリカ空母、日本ではなくインド洋に移動
(http://parstoday.com/ja/news/world-i29156)

アメリカの主張に反し、空母が北朝鮮に向かっていない可能性
(http://parstoday.com/ja/news/world-i29348)



移民政策しかり、シリアへの空爆しかり、
ここ数か月のトランプ政権の内政・外交は、まず初めに何か派手なパフォーマンスを行い、
その後、相手国や自国の国民の反応を見ながら軟着陸させる手法が取られていることを忘れてはならない。



先月の金正男暗殺事件の時でさえ、格好の材料であったにも関わらず、
トランプ政権は何かしら強硬な手段に訴えなかった。



恐らく、今回もいつも通りの経済制裁の強化に訴えるべく奔走するのではないだろうか?



私が気になるのは、むしろ日韓政府のほうだ。


金正男殺害事件しかり、今回の米朝危機しかり、
客観的に見れば、アメリカ以上に日韓政府のほうが積極的に危機を煽っている。


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日本の朝鮮人避難民保護の用意




日本の安倍総理大臣が、
「日本政府は、朝鮮半島で危機が発生し、
 避難民が日本に流入した場合に備えて対応を検討している」と語りました。


安倍首相は、衆院決算行政監視委員会で、
「日本政府は、朝鮮半島の有事の際、日本への難民流入を想定した対応を検討している」
と強調しました。



また同時に、中国の協力により、朝鮮半島が戦争に向かわないよう望んでいるとしました。



こうした中、日本政府は、
在韓の邦人6万人の自衛隊航空機や艦船による避難を検討しているとしています。




アメリカが、原子力空母カール・ビンソンを朝鮮半島周辺に派遣することで、
朝鮮半島の危機を煽っている中で、日本と韓国は、異なる対応を示しています。



中国は、危機を管理することで、
朝鮮半島の危機の拡大と戦争の勃発を避けようとしていますが、
日本と韓国は、アメリカの同盟国として、この国に同調し、緊張を高めると共に、
地域の人々に懸念を抱かせようとしています。



言い換えれば、日本と韓国は、北朝鮮に対する心理戦を煽り、
この国の人々の間に恐怖を生み出そうとしています。


この2カ国は、アメリカの艦船の地域への派遣を、
中国や北朝鮮に圧力をかけるための機会と見なしています。





アメリカの目的のひとつは、中国恐怖症、北朝鮮恐怖症を広めることです。



それにより、中国や北朝鮮の周辺海域への自国の艦船の派遣や
地域での軍事駐留の強化を正当化しようとしています。


日本と韓国は、このようなアメリカの目的を実現するための政策を取っていますが、
何らかの理由でアメリカと中国が危機をコントロールできなくなり、
地域で戦争が起こった場合、最大の損害を蒙るのは第一に韓国、そして日本です。



そのため、安倍首相は、朝鮮避難民の受け入れの用意を強調し、
地域の緊張拡大を支持することをアメリカに確信させようとしました。



これに対し、アメリカ政府も、地域に艦船を派遣し、同盟国を支援する決意を示しました。


しかし、安倍首相は、何を根拠に、
北朝鮮とアメリカの間で戦争が起こった場合の日本の人々の安全を保障し、
朝鮮人の避難民への支援を約束しているのでしょうか? 



多くの人は、アメリカが北朝鮮を攻撃した場合、
北朝鮮は日本と韓国の特定の場所を攻撃するだろうと考えています。


そしてそれは、これらの国に償いきれない結果をもたらし、
その状況を、第二次世界大戦の時代に引き戻す可能性があります。



こうしたことから、安倍首相は、
中国が協力によって、地域の戦争の勃発を防ぐことを期待しているのです。



http://parstoday.com/ja/news/japan-i29092


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安倍首相の支持率燃料としての戦争の期待
(https://jp.sputniknews.com/opinion/201704253570765/)



北朝鮮がミサイル発射しても安倍首相はフィットネスに絵画鑑賞
…危機を煽りまくった張本人が豹変
(http://lite-ra.com/2017/04/post-3085.html)



北朝鮮の危機を煽ることで自国の軍備拡張を正当化する。

もっと、ざっくばらんに話せば、
日韓政府は与党の支持率を上げるために米朝衝突の危機を煽っている。


実際には、米朝との軍事的対立において、重要なプレイヤーであるはずの韓国が現在、
前大統領が服役し、大統領の椅子が空白になっている状況でアメリカが戦いを仕掛けるだろうか?


・・・ということを扇動家は理解している上で、
さして危険でない状況を大変な危機だと騒ぎ立てていることを見逃してはならないだろう。


・追記

朝鮮戦争、湾岸戦争、アフガン・イラク戦争、リビア空爆、シリア空爆。
いずれにおいても、アメリカは実は他国と共同で戦いを仕掛けている。

(IS掃討の名の下に、アメリカ主導の有志国連合軍が
 アサド政権の了解を得ずに、国内の重要なインフラ施設や軍事施設を「誤爆」していたことを
 忘れてはならない。先日のシリア軍空爆は、この延長線上にある)


つまり、アメリカが戦争を挑む際には、
フランス軍やイギリス軍、韓国軍等の同盟国軍も出動するわけで、
そこまで準備が整ってはいない以上、真の緊張はこの後、到来すると思われる。



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アメリカが去年からシリア軍を攻撃していたことを指摘しない内藤正典氏

2017-04-10 22:14:11 | 中東
先日の米軍のシリア軍への攻撃について新聞・テレビ等のマスメディアが騒いでいるが、
実はシリア軍への攻撃はオバマ政権期からあったということをどの機関も指摘していない。




----------------------------------------------------------------
ロシアのラブロフ外務大臣が、
「アメリカのオバマ大統領は
 シリア軍に対するアメリカ軍の戦闘機の攻撃のために、
 シリアのアサド大統領に謝罪した」と語りました。


タスニーム通信によりますと、ラブロフ外相は、ロシアのテレビのインタビューで、
オバマ大統領が、アメリカの戦闘機がシリア軍を攻撃したことにより、
アサド大統領に謝罪したことを認めました。


また、シリアの情報筋も、オバマ大統領はアメリカの戦闘機のシリア軍に対する攻撃について、
非公式な形でアサド大統領に謝罪したとしています。


アメリカ主導の有志連合の戦闘機は、
先週、シリア東部デリゾールの空港付近にある政府軍の拠点を空爆しました。

これにより、シリア軍兵士90人が死亡しました。
アメリカ当局は、有志連合の戦闘機はシリア軍の拠点を誤爆したと発表しました。


軍事専門家は、アメリカは最新の装備を有していることから、
この攻撃が誤爆である可能性は0だと強調しています。



http://parstoday.com/ja/news/world-i17224
----------------------------------------------------------------

先ほど何気なく見ていた報道ステーションでトルコを専門とする内藤正典氏が
「アメリカ軍がシリア軍を攻撃したのは今回が初めてです!」と力説していたが、それは間違い。


オバマ政権の時代には、すでに「誤爆」と称してシリア軍を攻撃していた。


これに限らず、アメリカが主導する有志連合軍は
無許可でシリアの領空に侵犯し、市民を『誤爆』している。





----------------------------------------------------------
シリアで、アメリカ主導の連合軍の攻撃により、
およそ250人の子供が死亡


シリアの人権監視団が、シリアにおけるアメリカ軍の空爆により、
これまでにおよそ子供250人が死亡していることを明らかにしました。


ファールス通信によりますと、シリアの人権監視団は19日水曜、
報告の中で、シリアにおけるアメリカ主導の連合軍の攻撃により
シリアの民間人およそ650人が死亡しており、このうち244人が子供、
132人が女性となっているとしました。


この報告では、アメリカ主導の連合軍は2014年9月から、
テロ組織ISISとの戦いを口実に、シリアに入り、この攻撃により
2015年末までに民間人649人が死亡しているとされています。

シリアの人権監視団はさらに、
「連合軍の戦闘機は、重要な施設を攻撃し、
 このうち、28回の空爆により、多数の民間人が死亡した」としています。


http://parstoday.com/ja/news/middle_east-i18952
(2016年10月の記事)
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アメリカ主導有志連合軍、「シリアとイラクで民間人が犠牲に」


アメリカ軍が声明を発表し、イラクとシリアにおいて
アメリカ主導の有志連合軍の攻撃より、少なくとも188人の民間人が犠牲となっている事実を認めました。


ファールス通信によりますと、アメリカ軍は、
イラクとシリアにおける2015年の攻撃1件と、2016年における4件の攻撃による、
民間人の殺害を調査中であると主張しています。



有志連合軍は、2014年から
テロとの戦いというスローガンにより、活動を開始しました。


イギリス・ロンドンに本拠地を置くNGOエアウォーズも、
シリアとイラクでの有志連合軍の攻撃で、2000人以上の民間人が死亡したと発表しています。



アメリカ主導の有志連合軍は、民間人の殺害のみならず、
テロ組織ISISに対する作戦で使用されるイラク軍の拠点をも、何度も爆撃しています。




アメリカ政府はこうした事例を、誤爆であると表明しています。



これ以前に、中東にあるアメリカ軍司令部は、有志連合軍の戦闘機が
イラク北部の町モスルのある地区で、ISISのメンバーを乗せた車両1台を攻撃したものの、
後になってこの地区が病院の駐車場だったことに気づき、
結局これにより民間人の犠牲者を出したと発表しています。


http://parstoday.com/ja/news/middle_east-i23974

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アメリカ主導の有志連合の戦闘機がシリア北部で民間人を虐殺




アメリカ主導の有志連合の戦闘機が、シリア北部で再び民間人を虐殺しました。

シリア国営通信によりますと、アメリカ主導の対ISIS有志連合の戦闘機は、
5日水曜夜、アレッポから北50キロの地点にある村を空爆しました。


この空爆で数名の子供を含む60人が死亡し、数十人が負傷しました。
一部の負傷者が重体となっていることから、この空爆による死者の数は増える可能性があります。
この攻撃により、この村の中心部の住宅数十棟が破壊されました。



この村には、
ほかの地域からテロ組織ISISを恐れて逃げてきた人を受け入れていました。



アメリカ主導の有志連合は、これ以前にも、アレッポ北部近郊でシリアの民間人を虐殺しています。




アメリカとその同盟国は、ISISとの戦いを主張していますが、
これらの連合の戦闘機は9月17日にも、
東部デリゾール近郊のシリア軍の拠点を空爆し、
ISISによる占領の下地を整えました。


http://parstoday.com/ja/news/middle_east-i18004
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アメリカがシリア住宅地を再び空爆
(http://parstoday.com/ja/news/middle_east-i20437)


アメリカの戦闘機、シリアの難民を攻撃
(http://parstoday.com/ja/news/middle_east-i21382)


ここ数日、テレビのニュース番組や新聞の社説では、
「平和の使者オバマは空爆には慎重だったが、トランプは…」
という主張がよくされているが、これは事実に反している


実際には、すでに見てきたように
少なくとも去年からアメリカ軍はシリア軍や国民を何度も空爆している。



これは当のアメリカも認めていることである。


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アメリカ国防総省、シリアの民間人殺害を認める




アメリカ国防総省が、アメリカ主導の有志連合による最近のシリア攻撃の中で、
多くの民間人が死亡したことを認めました。


イルナー通信によりますと、アメリカ軍の中東司令部は、
13日火曜、声明を発表し、最近、シリアのテロ組織ISISの拠点に対して行われた6日間の空爆で、
数人の民間人が死亡した可能性があると発表しました。



この声明によりますと、今月7日、シリア東部デリゾール付近の
ISISの拠点に対して行われた空爆の中で、戦闘機のミサイル攻撃により、
この地域に侵入した民間人の自動車一台が攻撃されたということです。



また、この司令部は、今月10日のシリア北部ラッカ付近の空爆でも、
現場付近にいた民間人2名がこの攻撃で死亡したとしています。



アメリカなどの西側の支援を受けたテロ組織への攻撃は、
特にアメリカを始めとしたテロとの戦いを主張する連合による攻撃である一方で、
これらの連合は、数千人の民間人を殺害しています。


http://parstoday.com/ja/news/middle_east-i16606
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アメリカ主導の有志連合、シリアとイラクの民間人虐殺を認める



アメリカ主導の有志連合が、声明を発表し、
2014年から2017年のシリアとイラクの空爆で、数百人の民間人が死亡したことを認めました。


アルアーラムチャンネルによりますと、この声明では、
2014年8月から2017年2月までの間に、テロ組織ISISに対する国際的有志連合は、
アメリカの主導により、1万8600回の空爆をシリアとイラクで行っており、
これにより民間人396人が死亡しました。

こうした中、有識者はこの有志連合による見積もりは、実際の死者の数よりも大幅に少ないとしています。

あるNGOの調査によりますと、少なくとも2500人が
イラクとシリアにおける有志連合の空爆で死亡しています。

この連合は、アメリカのオバマ政権時代に、
イラクとシリアのISIS対策を口実として結成されました。

一方、公式報告によりますと、アメリカなどの西側諸国やアラブ諸国は、
ISISなどのテロ組織の創設者であり、また兵器や資金の援助者とされています。

http://parstoday.com/ja/news/middle_east-i28392
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以上の事実に全く触れずに、
内藤氏のようなテレビに御呼ばれする御用学者たちはシリアを非難し、
遠回しにトランプ政権を支持する。そのスタンスは日本政府と軌を一にする。



アメリカの人権活動家、ノーム・チョムスキーは
知識人がゴーサインを送ると、大衆は簡単に政府の扇動に流されてしまうとコメントしたことがある。


これを踏まえた上で、過去の内藤氏のtwitterの発言を列挙してみよう。


「アサド政権が倒れて、ヌスラ戦線のようなイスラーム主義過激派が台頭したらどうするのだ?、
 とトルコの世俗派知識人は必ず言う。何度でも言うが、仁義も倫理もないシリア内線において、
 唯一、法の支配(イスラーム法)を受け入れているのはヌスラ戦線だけなのである。

https://twitter.com/masanorinaito/status/373564284032143360


「トルコ、世俗主義&ナショナリズムの野党CHPの党首、
 エルドアン首相を「シリアのテロリストの頭目」と非難。
 多分、ヌスラ戦線をトルコ政権が支援してるという意味だろうが、
 それではこの野党はアサド支持?世俗主義政党がとっくに終わってる証拠」

https://twitter.com/masanorinaito/status/338655224623407106

「アサド政権が倒れても、報復合戦はしばらく続くが、シリア人は、
 元来、武力衝突を嫌うから、一定の方向に落ち着いていく。
 それまで、国際社会が武力によらない介入と支援を続けるしかない。
 シリアという国は、ダーテイ・ビジネスを得意とするが、自分の国を戦場にしたいわけではない。」

https://twitter.com/masanorinaito/status/373926557087068161


「日本の隣国である北朝鮮、中国、ロシアの三国が、
 これだけ残忍で非道な政権であるアサド政権のバックについているということについて、
 日本では議論しないのか?」

https://twitter.com/masanorinaito/status/373104492872359936

「化学兵器について、北朝鮮の関与は中東でもしばしば議論に上っている。
 日本では北朝鮮の武器供与や技術支援、直接的軍事支援について、
 どういう議論がなされているのか?聞いたこともない。」

https://twitter.com/masanorinaito/status/373104859571949569


以上の発言は4年前にされたものであるが、要するに、内藤氏は日本のメディアでさえ
過激派と認めているヌスラ戦線を全面的に支持し、アサド政権を滅ぼせと主張していたのである。



2013年9月5日に放送されたNHKの「視点・論点「緊迫するシリア情勢」でも彼は

「私は、軍事介入による紛争解決には反対です。
 軍事介入をすれば、アサド政権側は、市民の中に戦闘員を紛れ込ませますから、市民の犠牲も増えます。

 しかし、ことここに至っては、強力な軍事介入によって
 アサド政権側の軍事拠点を無力化する以外に方策はありません
。」

と発言している。



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アメリカの攻撃に対するシリア人のデモ




シリアの人々が首都ダマスカスの通りで、
シリアの空軍基地に対するアメリカの攻撃を非難しました。



シリアの人々はこのデモの中で、この侵略に対する反応を求めました。
このデモに参加した市民はこのように語っています。



「この空爆で死亡したシリアの兵士は我々の国民であることから、
 この攻撃は戦争犯罪であり、われわれは決してそれを許さない」



シリア政府もまた、はっきりと、
「アメリカの侵略は、シリアのあらゆる場所にいるテロリストの弾圧に向け、
 この国の決意を増すことになった」と強調しています。



アメリカは7日金曜未明、先週火曜のイドリブに対してシリアが化学兵器による攻撃を行ったと主張して、
地中海から59発のミサイルをホムスのシリア空軍基地に向けて発射しました。



この攻撃により、
子供4人を含む9人が死亡、数名が負傷しました。



アメリカの空爆により、空軍基地の近くの村には大きな被害がもたらされました。



シリアにおけるアメリカの干渉的な動きは
シリアの主権の大規模な侵害であり、国際法への明らかな違反です。


この攻撃はテロ対策の前線で戦っているシリア軍兵士、
そしてシリアの民間人数百人の死亡、さらにはこの国の民家や公共施設の破壊につながっています。


http://parstoday.com/ja/news/middle_east-i28664
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日本のメディアはシリア軍の空爆を表現する際に必ずと言って良いほど
「幼い子どもを含んだ多くの市民が殺されている」というフレーズを使う。


だが、なぜか彼らは
先日の米軍の空爆が幼い子供を殺したことは伝えようとしない。



事実を切り貼りして、虚像を生み出し、一つの見解に向けて
読者や視聴者を誘導する。これは「プロパガンダ」というものではないだろうか。



アメリカによるシリアへのミサイル攻撃を受け、ISISがパルミラを攻撃
(http://parstoday.com/ja/news/middle_east-i28616)

トルコ大統領、「アメリカはテロ組織ISISを支援」
(http://parstoday.com/ja/news/middle_east-i23644)

加えて、アメリカ軍がシリア軍を空爆したちょうどその時、
ISがシリア中部にあるパルミラを攻撃したことにも言及しない。


内藤氏は米軍の空爆を知り、シリアの難民は喝采したとコメントしたが、
実際に喝采したのは、反体制派の武装組織だ。すべてアベコベの解説。

内藤氏が登場した時、私は、
「なぜシリア情勢の専門家である青山弘之氏を招かなかったのか」と疑問に感じた。

同氏は先月、岩波新書から『シリア情勢』という著書を発表しているが、
この本は、いわゆる世間に蔓延るシリアバッシングとはレベルそのものが違い、、
アサド政権の負の側面にも言及しながらも、アメリカを主とする他国の干渉行為、
そして「穏健派勢力」という言葉の虚妄についても論じている。


真剣にシリアを語りたいなら、青山氏を呼ぶべきではなかったか?


どうも今夜の報道ステーションは、
暗に安倍・トランプ政権を支持するために意図的に人間が選ばれた気がする。


さらに言うならば、アサド政権の非難と合わせて北朝鮮への攻撃も
それとなく支持するような報道がされていて、大変、危険である。


オバマは弱腰だった、だがトランプは違う。
(この言葉は過去のアメリカ軍のシリア空爆を完全に透明化し、免罪するものである)


こういう嘘が吹聴され、池上彰をはじめ、政治バラエティ番組では
北朝鮮バッシングが喜々として行われ、韓国市民の民主化運動の結果であるはずの
朴槿恵逮捕を残念がり、親北派の大統領が就くのではと不安がる日本のメディアと知識人。


着々とシリア・北朝鮮を滅ぼす準備が出来上がっているように感じるのは私だけだろうか?

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マレーシア政府、北朝鮮犯行説を否定。日本メディアは不服。

2017-04-01 21:43:17 | 北朝鮮
「“だれかがヨーゼフ・Kを中傷したにちがいなかった。
悪いことはなにもしなかったにもかかわらず、ある朝彼は逮捕されたからである。”」



フランツ・カフカの佳作『審判』は、平凡な男性が理由もわからず逮捕され、
同じく事態をあまり把握していない群衆によって裁判にかけられ、ついには死刑に処される話である。

これが何の罪なのかもよく知らないにも関わらず、なぜか群衆は男性の有罪を確信している。
奇しくも現代の国際政治の情勢を描いた作品として読めなくもない。




さて、金正男暗殺事件に関して、先日、マレーシア政府は北朝鮮の関与を否定した。

当然だろう。

現地の警察でさえ捜査を開始したばかりなのになぜ関与したと確信できるのかという話で、
実際、日韓をはじめとした関与説を述べるメディアの報道は誤報が多く、二転三転するものだった。



女2人、一瞬で毒殺 スプレー噴射→口に布→10秒後、タクシーで逃亡


実際には手に毒物を塗って殺害したようなのだが、
わざわざ図解まで添えて、「関係者」がもらした「真実」としてスプレーで殺したと伝えている。

産経に限った話ではなく、この手のいい加減な報道が全国で氾濫していたと思う。




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否定された「北朝鮮犯行」説


朝鮮-マレーシア、両国関係の発展を確認





朝鮮とマレーシアの代表団が2月13日に
クアラルンプールで発生した朝鮮公民の死亡によって生じた問題の解決のための会談を行い、
共同声明を発表した。




共同声明によると、これまでマレーシア警察が主張してきた「北朝鮮犯行」説は否定され、
両国は1973年の国交樹立以来、発展してきた双務関係に基づいて問題を解決していくことにした。




双方が両国公民の出国禁止措置を解除したことにより、
マレーシアの警察が「殺人事件」の「容疑者」とした
駐マレーシア朝鮮大使館2等書記官と高麗航空の従業員は朝鮮に帰国した。




「殺人事件」が起きた時、クアラルンプール空港にいたという4人の「容疑者」への言及もない。
 両国の共同声明を通じて、今回の事件に朝鮮側が何の関りもなかったことが確認されている。



当初、マレーシア外務省と病院側は、
朝鮮の外交旅券所持者が空港で心臓麻痺倒れ病院への移送中、
自然史(ママ)のように亡くなった朝鮮大使館に通報した。


ところが、その日の夜、南朝鮮の保守メディアが「政府消息筋」によるものとして
「北工作員」による別の名前の人物の「毒殺」について報道した。



マレーシアの警察はこれを既成事実化し、
ウィーン条約に基づく治外法権の対象である外交旅券所持者の遺体解剖を強行した。



犯罪捜査学の見地から見ても、法律的見地から見ても、
マレーシア警察の捜査はすべてが欠陥と矛盾だらけであった。


警察が客観性と公正さを失い、誰かの意向に沿って捜査の方向を決めているという疑惑が提起された。

朝鮮公民の死因すら明確になっていない時点で、
米国と南朝鮮で「猛毒の神経剤VX」 による「毒殺」”説が流れ、
後日、マレーシア警察がそれを捜査結果として公式発表したのが典型だ。



朝鮮は、マレーシア側に対して敵対勢力の政治的陰謀に巻き込まれることなく、
すみやかに遺体を日引き渡すことを求めてきた。


もし朝鮮公民の死亡が自然史(ママ)ではなく、殺人の場合、
マレーシアは自国内で起きた殺人に対して責任を負わなければならない。


一方、朝鮮は被害者側として捜査結果を要求する権利を持っている。
謀略事件によって守勢に立たされたのは、マレーシア側であった。



「北朝鮮犯行」説の流布によって利益を得る特定勢力が、マレーシアの政府と警察を背後操縦したが、
今回の事件に朝鮮が関与したという客観的な証拠は出なかった。



朝鮮は、マレーシア当局が証拠がないまま偏向捜査を進めたことを非難しながら、
「今回の事件の被害者は朝鮮とマレーシア」(駐中朝鮮公使の記者会見)との見解も示した。


一方、マレーシアの側も、朝鮮と協力して事態を収拾しなければならなくなった。
そして二国間の会談が行われることになった。



朝鮮に対する国際的な嫌悪感を醸成しようと、2月から大々的なキャンペーンを展開してきた勢力は、
今回の事件が朝鮮とマレーシアの国交断絶に至るだろう騒ぎ立てたが、実際は正反対の結果となった。



朝鮮とマレーシアは、両国の関係を事件以前に原状回復さ(ママ)せるだけでなく、
それ以上の進展を目指すことにした。


共同声明によると、双方はビザなし渡航の再導入について肯定的に討議することにし、
双務関係をより高い段階へ発展させるために努力することで合意した。

(http://chosonsinbo.com/jp/2017/04/0001-2/)
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ここで重要なのは、記事でも触れられているように、
まず、マレーシア政府が一方的にビザなし渡航を廃止すると宣言、
その後、北朝鮮政府が在北朝鮮マレーシア人の出国を禁止、それに応答するように
マレーシア政府も自国の北朝鮮人の移動を禁止といった措置が取られたことである。



この点を踏まえながら、毎日新聞の社説を読んでみると興味深い記述に気が付く。




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北朝鮮とマレーシアが、マレーシアで殺害された
金正男(キムジョンナム)氏の遺体を北朝鮮に引き渡すことで合意した。

マレーシアは、事件への関与を疑われる北朝鮮外交官や容疑者とされる高麗航空職員の出国も認めた。


北朝鮮は見返りに、事実上の人質として
平壌に足止めしていたマレーシアの外交官と家族計9人の出国を認めた。


マレーシア政府は、安全な帰国を最優先に譲歩したのだろう。

人質を取って他国に要求を突き付ける行為は、まともな国家のすることではない。
外国人の人権を一顧だにしない姿勢は、日本人拉致事件にも通じる。

北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長は今年元日の演説で、
友好的な国との協力拡大を語っていた。


伝統的友好国であるマレーシアに対する身勝手な対応は、
その言葉がうわべだけのものであることを証明した。

http://shasetsu.seesaa.net/article/448631278.html
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上の記事ではマレーシア政府のビザなし渡航廃止に関する宣言について全く触れられていない。
また、容疑者のみならず全北朝鮮国籍の人間が出国禁止になったことにも触れない。


出国禁止は一方的に取られたものではなく、双方が行ったものなのだが、なぜか北朝鮮に対してだけ
「人質を取って他国に要求を突き付ける」「外国人の人権を一顧だにしない姿勢」と非難している。


マレーシア政府は証拠不十分な状態で外国人を逮捕、長期にわたって拘禁した上に、
無実と判明した後、国外追放したのだが、この点に関しては何も感じないらしい。

金正男氏殺害事件の容疑者 北朝鮮に対するマレーシアの陰謀を語る


続きには以下のことが書かれている。


「だが、これで幕引きにしてはいけない。真相解明と責任追及へ向けた努力を続けるとともに、
 北朝鮮への圧迫をさらに強める国際連携を進めることが必要だ。


「制裁履行を徹底するためには、税関の検査能力などを高めねばならない。
 日本には、東南アジア諸国の能力向上への支援が求められる。


「米国では、北朝鮮をテロ支援国に再指定する動きも進んでいる。
 来週行われる米中首脳会談でも、北朝鮮問題は主要な議題の一つとなる。

「国連を舞台にした人権問題の追及も強めていかねばならない。」



要するに、
今回の事件を口実に日本のアジアでの台頭と
北朝鮮への政治的・経済的・軍事的圧迫を切望しているのである。




事件解決のための提案は何一つされず、代わりに叫ばれるのはまたしても制裁・制裁・制裁だ。

ここで注目すべきは、北朝鮮が関与した証拠は何一つないということだ。

もちろん、北朝鮮犯行説を支持するのは自由だが、
毎日新聞社は単なる「容疑」と純然たる「事実」を履き違えている。



「これが何の罪なのかもよく知らないにも関わらず、なぜか群衆は男性の有罪を確信している。」


事件の真相が不明だと認めているにも関わらず、なぜか日韓メディアは北朝鮮の関与を確信している。
そして、事件の解明よりも北朝鮮に対する更なる強硬策を主張している。


北朝鮮への締め付けの口実として、事件を利用する卑劣な行為こそ
各メディアは恥じるべきではないだろうか?


また、ここ2か月で果敢に叫ばれた北朝鮮への強硬策は、日本と韓国を基軸にした
軍事的包囲網をアジアに確立させるというアメリカのシナリオとマッチしている。


簡単に言えば、日米韓の軍拡と戦争準備、そして北朝鮮の敵視報道はリンクしている
この点についてはまた後日、触れたいと思う。


追記・


メディアが森友学園についてストーカー的報道を行っている間にも、
自衛隊は米軍との合同軍事演習に勤しんでいた。

この点は外国メディアも大きく取り上げ、
北朝鮮への侵攻を想定した内容ではないかというオピニオン記事も書かれたが、
面白いことに、日本のメディアは特に問題視していない。


もはや戦前と同じく、政府の広報機関と化していると評価しても良いのではないだろうか?

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