時事解説「ディストピア」

ロシア、イラン、中国等の海外ニュースサイトの記事を紹介します。国内政治、メディア批判の記事もあります。

脱北者に向けるカルト行為について

2017-05-23 23:24:51 | 北朝鮮
米・ディプロマット紙の記事より。要所の個所だけ日本語で補足文を載せる。
長いので、とりあえず前編だけ紹介。




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In between sobs,
Park Yeonmi gave her account of life in North Korea.


Public executions, arbitrary arrests,
torture and suffocating censorship were
just some of the harsh realities faced by people in “the darkest place in the world,”



the 21-year-old defector told an international audience at the Young World Summit in Dublin,
Ireland earlier this month.



While North Korean defectors have spoken publicly about life under the regime before,


the attractive university student has arguably captured
the attention of international media like no other in recent memory.


Her emotional speech in Dublin received coverage in outlets such as the BBC,
Al Jazeera and the Daily Mail.

(ここまではパク・ヨンミという脱北者のスピーチがあり、
 メディアも大々的に取り上げたということが書かれている。)



But alongside outpourings of sympathy and praise,
Park has also attracted a quieter but no less persistent stream of criticism
from skeptics who reject her characterization of North Korea.


(賞賛を得た一方で、彼女の北朝鮮の描写には批判もなされたということ)



Felix Abt is one such critic.

(その批判の一例が以下の文で紹介されている)


A Swiss-born businessman who lived and worked in North Korea for seven years until 2009,
he has frequently questioned media portrayals of the human rights situation in the country.

(この人物は2009年まで7年間北朝鮮で生活し、勤務していたビジネスマン。
 北朝鮮の人権状況についてのメディアの説明に異議を唱えている)



“I suppose many of the stories that defectors present are true,
even though they cannot be verified.
I only challenge claims that are obviously exaggerated or plain false,”

(亡命者の物語の多くは検証不可であっても、事実だとは思うが、
 明らかな誇張や間違いには物を申したい)


Abt told The Diplomat by email.


In Park’s case,

Abt has honed in on a recent newspaper interview
that quoted her drawing a comparison between a canal in Dublin and rivers in her homeland:

“Every morning at riversides like this you can see dead bodies floating.
If you go out in the morning, they are there.”*

(北朝鮮の運河や河川には死体が浮かんでいるという証言)


Abt responded to the article with a photo on his Twitter account
that appears to show children happily at play in a North Korean river.

(北朝鮮の河川で遊んでいる子供の写真を見せながら)


I widely traveled the country and didn’t come across dead bodies, said Abt.

(「国中を旅しましたが、死体なぞ見たことがありませんよ」と反論)



“Sure, there may have been floating bodies in rivers
in the terrible crisis years of the 90s when 600,000 people
starved to death according to an estimate by the U.N. official w
ho was then supervising foreign aid during the famine in the country.

(確かに、90年代の危機の時代なら川に死体が浮かんでいたのかもしれませんよ?)

But since then, things have clearly changed for the better
(no more mass starvation, recovery of the economy etc.)
which many activists do not recognize.”

(けれども、それから事態は明確に良い方向へ変わりました。
 大量の餓死もありませんし、経済も回復した)


Asked if he could be sure he hadn’t been shielded from abuses by the authorities,
Abt said he had traveled unaccompanied to even remote provinces of the country.

(当局の監視によって虐待を隠されていたのではないかと質問すると、
 旅行中は遠方の県ですら1人だったと回答。)


“Also, my visits were of a more technical nature
and were therefore not orchestrated like in the case of foreign visitors
and resident diplomats,” he said.

(私の訪問は外国の観光客や外交官のように当局によって案内されたものではない)


“So I did see poverty-stricken areas,
infrastructure in shambles, broken bridges over rivers and
I would certainly have seen dead bodies if there were any.”

(それゆえに、極貧地帯も私は見たことがあります。
 仮に死体が流れているなら確実に見ているでしょう)


Abt has challenged other defectors’ claims in the past,
such as comments by former doctor Ri Kwang-chol in 2006

(ここからは別の亡命者の証言についても批判している)


that there are no physically disabled people in North Korea
due to a policy of infanticide for handicapped newborns.

(北朝鮮では障害を持って生まれた新生児は殺されているので
 身体障碍者がいないのだという証言があるが)


On the contrary, Abt noted,
Pyongyang sent athletes to this month’s Asian Paralympics in South Korea’s Incheon.
It was North Korea’s first participation in the competition.

(実際には北朝鮮はパラリンピックに選手を送っている)


Other defectors, however,
have told media such as Free North Korea Radio of
widespread infanticide against disabled infants.

(にも関わらず「広範な障害を持つ幼児の殺害があるのだ」と
  自由北朝鮮ラジオなどで証言している脱北者がいる)



Abt has detractors of his own, some of whom, such as Joshua Stanton,
the operator of the blog One Free Korea, have called him an apologist.

(Abt氏を中傷する者は多い。例えば一つの自由朝鮮というブログは
 彼のことを北朝鮮の擁護者と呼んだ)



“I can understand their reaction:
 if you read and hear only horrifying reports about a country for decades,
 you expect nothing but shocking accounts of cruelty and subjection to come out of it,”
said Abt.

(何十年も北朝鮮を怖がらせる報告にしか触れていないなら、
 そういうリアクションを起こすのも無理はない。)


In one interview,
Abt had lamented that Westerners often misunderstand
how people in Confucian societies such as North Korea show
respect to their leaders and expect to be cared for in return.

(あるインタビューでは、Abt氏は
 西側の人間がしばしば、北朝鮮のような儒教社会に住む人間が
 どれだけ彼らの指導者を尊敬し、大事に思っているかを誤解していると指摘)



“If no meaningful economic and social reforms are carried out
 the people may withdraw the ‘mandate of heaven’ (outlined by Confucius),”

(全く意味のない経済・社会改革が実行されていたのであれば、
 天命(ここでは革命という意味)が起きていたでしょう)


http://thediplomat.com/2014/10/north-korea-defectors-and-their-skeptics/

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アジアプレスやデイリーNKのようなNEDから支援を受けている情報機関は
内部の密告者を通じて北朝鮮の情報を仕入れていると豪語する。


だが、実際には、当の脱北者から「それはありえない」と反論されることもあり、
また、その証言も礼金と引き換えにされているという致命的な問題がある。

【翻訳記事】アジアプレスの
「北朝鮮社会を蝕む覚醒剤」報道の嘘・捏造・歪曲を撃つ! その1


「特に特ダネ記事に没頭する余り、
 今や北朝鮮から入って来る情報は北朝鮮通信員の取材中心ではなく、
 企画取材をする傾向まで表れている。だが北朝鮮で活動する通信員達は
 民主主義社会でのマスコミの価値と役割に対する理解が全くなく、
 経済的代価によって情報を提供する。

 情報を提供する北朝鮮通信員には一種のインセンティブ
(北朝鮮の所得の現実を考慮すれば、これは莫大な経済的報酬だ)が提供される。

 代わりに北朝鮮通信員達は、北朝鮮当局の統制下で自身の命を担保に活動せねばならない。

 こうして企画取材に没頭する余り、対北関連ニュースの歪曲はよりひどくなる傾向がある。
 主に保守陣営の言論媒体達は自分の口に合うように北朝鮮ニュースを報道するのだが、
 北朝鮮情報を十分に把握する事の出来ない大多数の市民達はそれをストレートに信じるしかない。」

(同記事より抜粋)



情報提供者が利益を目当てに誤情報を流すことはあり得るし、
現にそうやって不正確な情報が流れている現実がある。


ここで私が問いたいのは「脱北者の言葉を信じるな」ではなくて、
脱北者の証言を信じるためにも、聴く側はきちんと実証をすべきだ」ということである。



どうも、左右問わず、日本には脱北者ファンクラブなるものが存在するらしく、
亡命した人間の言葉はすべからく真実であり、疑うこと、すなわち悪と信じるカルトな風潮がある。


一言で脱北者と言っても、全員が全員、同じ証言をするわけではない。
事実、過去に脱北者の問いかけによって明らかになった誤報も存在する。


ところが、なぜなのか全く理解できないが、彼らのイメージでは
亡命者は全て同じ証言をするに違いないという謎の根拠なき確信があり、その点を指摘すると
「それは脱北者を侮辱する行為だぞ」とか「貴様は北朝鮮の工作員なのだ」といった
おいおい・・・と言いたくなる彼ら流に言えば「発狂」をされてしまう。



その割りには、裏が取れた慰安婦の証言を「偽証の疑いがある」とみなしたり、
戦争体験者の反戦論について「現実を知らない」と否定したりと何やら必死である。


慰安婦や反戦論者はいくらでも侮辱しても差し支えないということなのだろうか?


慰安婦の証言と脱北者の証言の決定的な違いは
前者が歴史家によって実証されているのに対して、後者は実証無しに信仰されているという点にある。



金正男の報道と同じで、「情報筋」がこう話した、だから事実なのだという
論理的とは言い難い、どちらかと言えば妄信に近い形で誤報が垂れ流しになっている。



その誤報を後々、訂正すれば問題はないのだが、
私の知る限り、メディアが誤報を訂正したことはないし、
個人に至ってはなおさら、間違いを指摘されても主張を取り下げようとはしない。



つまり「それは間違いだ」と明らかにされたにも関わらず、
その間違いを訂正しない現実が存在している。



これはストレートに表現すれば、
「意図的に嘘をついている」ということだ。




理屈の上では嘘だと判明したにも関わらず「知ったことか」とデマを流し続ける。
悪質極まりないが、彼らの中では、自分たちは検証をしているということになっているらしい。


正しいのか間違いなのかよくわからない情報を大量生産することは、
結果的には、脱北者全体の証言の信ぴょう性を下げてしまうことに繋がるのだが、
誤報が判明した後も訂正をしない・出版を停止しないあたり、気にならないようである。




カルト

特定の対象を熱狂的に崇拝したり礼賛したりすること。また、その集団。異端的宗教。


(https://kotobank.jp/word/%E3%82%AB%E3%83%AB%E3%83%88-178058)


根拠がないのにある主張が正しいと確信する。それは宗教に似ている。
「神がなぜ存在するのか、それは神が存在すると私が思うからだ」というあの心理に似ている。


神の存在を信じ続ける行為そのものが重要であって、
信じる内容が正しいかどうかは問題にならない。


もしくは疑うという行為そのものが最大のタブーとなっているので、
信じる以外の選択肢を選ぼうとはしない。


こういう現象を俗に「反知性主義」と呼ぶが、
私は「反知性」という表現は少々、不適だと考えている。

というのも、彼らの中では、
嘘だと論理的に証明されてもなお、正しいと信じ続ける行為は「知性的」であって、
「世間の間違った知識を正しい知識によって修正してやる」という目的がそこにある。


なぜ「正しいのか」ということを実証する必要はここにはない。
(向こうが間違っているという結論が先に存在するので)



つまり、知性そのものについて疑っているわけではなく、
自分こそ知性なのだという自信がここにあり、それゆえに折れない所がある。

あえて言えば、一般の知性は科学的知性(この表現も古臭いとは思うが)であるのに対して、
あちらはカルト的知性(なぜ正しいか?それは正しいからだ)とでもなるのだろうか?


少々、話が脱線してしまった。
今回の記事で取り上げた文章はまだ後半が残っている。
こちらについては後日、また紹介したいと思う。

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米韓が合同軍事演習を敢行する理由。

2017-05-10 21:51:31 | 北朝鮮
過去の記事だが、未だに有効性があると思うので再度、URLを載せる。

米韓合同軍事演習とは何か1


「米国や韓国との連携も強めていく。人権問題として、北朝鮮追及の国際化をはかる。
 北朝鮮は今、国連の追及で防戦に必死じゃないですか。

 米韓軍事演習も圧力になっています。

 軍事演習をすると、北朝鮮もそれに合わせて、軍隊を動かさなければいけない。
 演習は3月と8月ですから、田植えの準備と刈り入れのときです。この圧力はキツイ。

 国際的な圧力を高めれば、外貨が枯渇し、内紛の火種になっていく。
 こうやって、相手の政治的権威を揺さぶるんです。そうしないと相手は脅威を感じない。
 餓死者が何万人出たところで、眉毛ひとつ動かさないような国ですからね。
 しかし、トップの権威が揺らぐと、あの国は意外にもろいんです。」


餓死者が何万出ても眉毛一つ動かさないと語る一方で、
確実に北朝鮮の食糧事情に打撃を与えるような軍事演習を良策として推奨する凄まじい矛盾。


北朝鮮の食糧事情は格段に改善されていることは何度も指摘しているのでここでは割愛する。


確実に北朝鮮の経済発展を阻害(それは北朝鮮国民の生活水準上昇の妨げになる)
する行為を喜々として称えながら、いかにも自分が末端の国民を憂いでいるかのような論調。

偽善以外の何物でもない。

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北朝鮮のメッセージはどのように伝えられるのか?

2017-05-08 22:42:53 | 北朝鮮
5月2日、北朝鮮のメディア、労働新聞は次のような論評を掲載した。


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【平壌5月2日発朝鮮中央通信】

日本の執権者がシリアに対する米国の先制攻撃の報が伝わると、
待っていたかのように朝鮮半島の危機説を先頭に立って鼓吹している。


閣僚らも彼を真似て連日、朝鮮半島の危機説を流している。



2日付の「労働新聞」は署名入りの論評で、朝鮮半島の危機説をけん伝している日本の下心は
これを口実にして今まで試みてきた憲法修正を促し、
「自衛隊」の海外派兵にさらに拍車をかけようとするところにある
と暴いた。



また、朝鮮半島で戦争が起こることを契機にして
米国から新しい軍需物資注文を受けて、危機に苦しんでいる経済を刺激して
過去の朝鮮戦争時のように黄金の夕立を味わってみようとするところにあると暴露した。



論評は、朝鮮半島で戦争が起こればわれわれを害しようとする者はもちろん、
その後押しをする者も無事でないとし、次のように強調した。



もし、朝鮮半島で核戦争が起こる場合、
米軍の兵站基地、発進基地、出撃基地となっている日本が真っ先に放射能雲で覆われるであろう。


今、日本が本当に自国の利益を考えるなら、
朝鮮半島問題の平和的解決のために努めてこそ当然である。



日本は、世界で初の被爆国として核災難がどんなものかを誰よりもよく知っている。



日本の当局者らは、朝鮮半島でいったん戦争が起これば最大の被害を受けるのは
まさに、日本であるということをはっきり認識して分別のある行動を取るべきである。
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http://www.rodong.rep.kp/en/index.php?strPageID=SF01_02_01&newsID=2017-05-04-0003
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傍線まで引いて強調したが、この論評の趣旨は
日本政府に対して軍事ではなく外交による解決に尽力せよと問いかけるものだ。


1・日本の脅威を煽る動きは改憲・海外派兵を目論んだものである。
2・仮に戦争が勃発した場合、日本も核の被害から免れることが出来ない。
3・核の被害がどれだけ甚大であるか、被爆国である日本はどの国よりも熟知しているはず。
4・脅威を煽るのではなく、平和的解決へと方向を転換すべきだ。


こういった内容であるが、この文章を日本のメディアが報道するとどうなるのだろうか?

時事通信社の記事を読んでみよう。


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「日本が放射能雲に覆われる」=有事の核攻撃示唆-北朝鮮紙


【ソウル時事】北朝鮮の朝鮮労働党機関紙・労働新聞(電子版)は2日付の論評で、
朝鮮半島で核戦争が起きた場合、
「米軍の兵たん、発進、出撃基地になっている日本が真っ先に(核爆発による)放射能雲で覆われる」
と警告し、日本に対する核攻撃を示唆した。


論評は、米朝の緊張が高まる中、日本が「米国の核戦争騒動で漁夫の利を得ようとしている」と非難。
海上自衛隊と米空母「カール・ビンソン」の訓練などを批判し、
「米国の侵略策動に追従しながら無事と考えるのは愚かだ」と強調した。


(2017/05/02-16:24)

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赤文字や太文字で強調した部分が完全に抜け落ちている。


これでは北朝鮮からのメッセージが伝わらない。さながら、戦前の検閲のようである。




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自衛隊の米艦防護や共同訓練は明らかな憲法違反だ!
北朝鮮危機に乗じて安倍政権が進める憲法破壊



朝鮮半島の緊迫はこれまでも何度もあったが、
北朝鮮の標的はもっぱら米国にのみ向けられていた。


過去には、北朝鮮高官が日本に対して、
非公式に「我々の標的は米国であり、日本は関係ない」と伝えていたことが報じられたこともある。



ところが、安倍首相がトランプの姿勢に全面的賛同を示すと、
北朝鮮は一変し、日本への攻撃を口にするようになった。


さらに、自衛隊のカールビンソンとの共同訓練や米艦防護が明らかになると、その態度はエスカレート。


朝鮮労働党の機関誌「労働新聞」は2日付の論評で、
日本を「米国の核戦争騒動で漁夫の利を得ようとしている」
「米国の侵略策動に追従しながら無事と考えるのは愚かだ」と警告し、
「米軍の兵站、発進、出撃基地になっている日本が真っ先に放射能雲で覆われる」と、
日本に対する核攻撃まで示唆しはじめた。



ようするに、安倍政権によって、日本が米朝戦争に巻き込まれる可能性が高まり、
日本国民の生命や財産が脅かされる危険性が増しているのだ。

(http://lite-ra.com/2017/05/post-3130_2.html)
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リベラルを標榜しているはずのリテラの記事でも、
「日本に対する核攻撃を示唆しはじめた」と伝えている。

もし、朝鮮半島で核戦争が起こる場合、
米軍の兵站基地、発進基地、出撃基地となっている日本が真っ先に放射能雲で覆われるであろう。



今、日本が本当に自国の利益を考えるなら、
朝鮮半島問題の平和的解決のために努めてこそ当然である。


以上の流れが切断され「日本が~覆われる」の部分のみを切り取り、
北朝鮮は日本を核攻撃することを検討し始めたと喧伝する。

これを誤報と呼ばず、何と呼べばいいのだろう。
(そして「脅威を煽るのは日本の軍拡のため」という指摘は書かれていないかのように扱われる)



朝鮮中央通信は日本語でも読むことが可能であり、労働新聞も英語で読むことが出来る。


問題の記事を執筆した人間は、きちんと確認を取ったのだろうか?



北朝鮮は、どちらかといえば、自分たちの意思を直接的に表現する国である。
この国ほど何を求めているかがわかりやすい国はないとさえ思う。


だが、せっかく発信されたメッセージもマスメディアによって媒介される過程で検閲・編集され、
歪められた形で市民の目に届く。結果、悪の帝国北朝鮮のイメージが闊歩するようになる。


アジアや中東を主とする海外メディアや原資料をチェックし、多角的に情報を俯瞰する。
このようなメディア・リテラシーが今ほど求められている時代はない。


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創られる「米朝危機」

2017-04-25 23:34:20 | 北朝鮮

ここ数日、西側メディアは「近いうちに北朝鮮が核実験をするに違いない」と喧伝している。
根拠は核実験施設で職員がバレーボールをして遊んでいたからというもの。


仮に米軍基地で米兵がボール遊びをしていたとして、
それを根拠に核実験が行われるはずだと断言する専門家が存在するだろうか?




冷静に考えれば、大変ナンセンスな話なのだが、
殊、北朝鮮に限れば、この手の馬鹿馬鹿しい話がまかり通ってしまう。

(ただし、核開発は続けると明言している以上、核実験はいずれ行われる)



もう一つ、「北朝鮮は過去、4回、この4月末の記念日に核実験を行った」という見解がされていたが、
実際には、ただの一度も4月に核実験が行われたことはない。


恐らく、人工衛星の発射と混同しているのだと思う。

結局、宇宙ロケットの発射を「事実上の核ミサイル実験」と表現するから、
「北朝鮮は祝日に花火の代わりに核を爆発させる国なのだ」という妄想が信じられるのだろう。

(祝日に花火のような感覚で核実験を行う国がどこにある?)




さて、メディアが米朝対決を煽る一方で、北朝鮮は平和そのものだ。


・・・というのがここ最近の私の雑感である。


試しに次の記事を読んでみると良い。


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黎明通り竣工式/金正恩委員長が参席

【平壌発=文・金淑美、写真・盧琴順】


民族最大の名節である太陽節を控え、平壌の錦繍山太陽宮殿地区に黎明通りが建設された。



錦繍山太陽宮殿と龍興交差点の間に新しい通りを建設するという
金正恩委員長の発起で昨年4月に着工した黎明通りの建設は、
洪水により甚大な被害を受けた咸鏡北道の被災地復旧のために建設部隊を現地に派遣したことで
計画は遅れたが、わずか1年の間に驚くべき建設速度を発揮し、完工した。



朝鮮は米国とその追随勢力による制裁と圧力の中でも、
過去に建設された通りの規模をゆうに超える巨大な黎明通りを、自らの力と技術、資材で建設した。
黎明通りはどんな制裁と圧力の中でも力強く前進する朝鮮の姿を明白に示している。



13日、金正恩委員長参席の下、黎明通り竣工式が永生塔前で盛大に行われた。



朴奉珠内閣総理は竣工辞で、金正恩委員長が黎明通り建設を宣布し、
建設の全過程を精力的にけん引したことについて言及し、
金正恩時代の象徴である黎明通りは朝鮮の軍隊と人民の不屈の精神力と
自力自強の限りない力に支えられ建てられた万里馬時代の創造物であると強調した。





ライトアップされた黎明通り

金正恩委員長が黎明通りのテープカットを行った。

竣工式では総聯中央の権淳徽顧問を団長とする
太陽節慶祝在日本朝鮮人祝賀団をはじめとする総聯活動家と朝大生、
祖国に滞在している在日同胞らが参加した。


~中略~



金正恩委員長が参席する行事に初めて参加したという総聯生野南支部の池昇哲委員長は
「今回8年ぶりに祖国を訪問した。日本のメディアでは朝鮮の核、ミサイル開発に言いがかりをつけ、
 連日、朝鮮バッシングを行っているが、今日祖国では金委員長の下、
 一心団結した人々の力でこのような素晴らしい建設物が
 数多く建設されていることを目の当たりにし、感無量だ」と話した。

竣工式終了後、参加者は黎明通りを参観した。

http://chosonsinbo.com/jp/2017/04/yr0421-6/
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軍事パレードしか映さない日本のテレビ局の映像とは裏腹に、
対立が煽られていた13日の時点で、何とも呑気なセレモニーが開かれていたわけである。



4月9日には、こういうイベントもあった。



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沿道にあふれる笑顔、第28回万景台賞国際マラソン


【平壌発=文・金淑美、写真・盧琴順】

太陽節に際して平壌で9日、第28回万景台賞国際マラソン競技大会が盛大に開催された。
回を重ねるごとに参加者が増え、盛り上がりを見せる同大会。



今年は、昨年を上回る1100人以上の外国人ランナーが参加し、
市内を周回する新たなコースで、初春の平壌の街並みを存分に謳歌した。


春の陽気のなか


この日の平壌の最高気温は、例年よりも高めの20度。
大会開幕前から温かな日差しが降り注ぎ、絶好のマラソン日和となった。



約180人の国内選手と外国人選手、約1100人の外国人市民ランナーが快走した。



今年は、各地での予選を勝ち抜いた国内の選手らと、
エチオピア、ケニア、モロッコ、ルワンダ、ウクライナの選手ら、
オランダ、米国、イギリス、フランス、ドイツ、スイス、スウェーデン、
オーストラリア、コスタリカ、カナダ、台湾、日本など、50カ国を超える国と
地域の1100余人の市民ランナーがレースに参加。




スタート地点である金日成競技場に外国人ランナーらが続々と入場すると、
客席を埋め尽くした平壌市民らが拍手と歓声、手を振って歓迎し、ランナーらは大声援の中、スタートした。


~中略~


市民ランナーらは
スマートフォンやカメラを片手に市内の風景を撮影したり、
音楽を聴いたりしながら思い思いに楽しんでいた。



子どもからお年寄りまで年齢層も幅広く、なかには赤ちゃんをおぶりながら
走るパワフルなママさんランナーもいて、周囲を沸かせていた。



平壌市民たちとハイタッチを交わすランナー

ハーフマラソンに出場したエドワードさん(27、ドイツ)は、
平壌でマラソン大会が開かれると聞いて、朝鮮観光を専門的に扱う
「コリョ(高麗)旅行社」を利用して訪れたという。


初めて見る朝鮮について「街並みも、人々の歓迎も期待以上」と満足感を示していた。
観光日程には妙香山や板門店も含まれており、これから始まるツアーを楽しみたいと話した。




一方、訪朝は4度目だというマルクスさん(33、オーストラリア)は、
開発が盛んな平壌の変化を感じ取っていた。



「初めて訪れた2年前と比べて、新しい建物がたくさんでき、平壌は大きく様変わりした。
マラソンに参加したのはこれが初めてだったが、市民の声援のなか春の景色を眺めながら走り、
とても良い時間を過ごした」。


外国人ランナーが一様に感動と喜びを示していたのは、平壌市民の温かい歓待だった。

コース沿道にはたくさんの平壌市民が列をなし、
手を振ったりランナーとハイタッチしながら激励する心温まる光景が随所に広がっていた。



市民ランナー部門女子10km種目で1位に輝いたコスタリカのマリアさん



市民ランナー部門女子10km種目で1位に輝いたマリアさん(31、コスタリカ)は、
旅行が大好きでこれまでたくさんの国々を訪れたが、
「街並みも美しく朝鮮料理も美味しいけど、何より、フレンドリーな人々の姿に感動した」。


平壌市民の温かい声援も手伝って、いい結果を出せたと話す。
閉会式では表彰台に上がり、大歓声に両手をあげ満面の笑みで応えていた。



太陽節に際して毎年開催されている万景台賞国際マラソンは、
国際陸上連盟(IAAF)の認証を受けた正式な国際大会で、
以前はプロ選手のみ参加できる大会だったが、
2014年からは国内外の市民ランナーも参加できるようになった。


同大会は、マラソン競技の発展とともに各国との友好親善を促すうえで、
近年、その意義がいっそう高まっている。


http://chosonsinbo.com/jp/2017/04/yr0413-2/
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悪の帝国北朝鮮の実像は以上のようなものである。


全方位に向けて挑発行為を繰り返す鎖国国家というイメージが
如何に歪められたものであるかが、お分かり頂けるのではないだろうか?



もちろん、上のニュースをもって、
党内の熾烈な抗争や、国内のポピュリズム的政治まで正当化することは出来ない。
しかし、我々の持つ北朝鮮像が現実とはかなりかけ離れたものであることは確かだ。

(金正恩の統治スタイルより、橋下徹の大阪府政のほうが
 より弾圧的で独裁的だったと思うのだが、この点はあまり知識人も触れようとはしない)


そもそも、メディアが伝えるように、
米朝の危機は本当に高まっているのだろうか?



アメリカ空母、日本ではなくインド洋に移動
(http://parstoday.com/ja/news/world-i29156)

アメリカの主張に反し、空母が北朝鮮に向かっていない可能性
(http://parstoday.com/ja/news/world-i29348)



移民政策しかり、シリアへの空爆しかり、
ここ数か月のトランプ政権の内政・外交は、まず初めに何か派手なパフォーマンスを行い、
その後、相手国や自国の国民の反応を見ながら軟着陸させる手法が取られていることを忘れてはならない。



先月の金正男暗殺事件の時でさえ、格好の材料であったにも関わらず、
トランプ政権は何かしら強硬な手段に訴えなかった。



恐らく、今回もいつも通りの経済制裁の強化に訴えるべく奔走するのではないだろうか?



私が気になるのは、むしろ日韓政府のほうだ。


金正男殺害事件しかり、今回の米朝危機しかり、
客観的に見れば、アメリカ以上に日韓政府のほうが積極的に危機を煽っている。


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日本の朝鮮人避難民保護の用意




日本の安倍総理大臣が、
「日本政府は、朝鮮半島で危機が発生し、
 避難民が日本に流入した場合に備えて対応を検討している」と語りました。


安倍首相は、衆院決算行政監視委員会で、
「日本政府は、朝鮮半島の有事の際、日本への難民流入を想定した対応を検討している」
と強調しました。



また同時に、中国の協力により、朝鮮半島が戦争に向かわないよう望んでいるとしました。



こうした中、日本政府は、
在韓の邦人6万人の自衛隊航空機や艦船による避難を検討しているとしています。




アメリカが、原子力空母カール・ビンソンを朝鮮半島周辺に派遣することで、
朝鮮半島の危機を煽っている中で、日本と韓国は、異なる対応を示しています。



中国は、危機を管理することで、
朝鮮半島の危機の拡大と戦争の勃発を避けようとしていますが、
日本と韓国は、アメリカの同盟国として、この国に同調し、緊張を高めると共に、
地域の人々に懸念を抱かせようとしています。



言い換えれば、日本と韓国は、北朝鮮に対する心理戦を煽り、
この国の人々の間に恐怖を生み出そうとしています。


この2カ国は、アメリカの艦船の地域への派遣を、
中国や北朝鮮に圧力をかけるための機会と見なしています。





アメリカの目的のひとつは、中国恐怖症、北朝鮮恐怖症を広めることです。



それにより、中国や北朝鮮の周辺海域への自国の艦船の派遣や
地域での軍事駐留の強化を正当化しようとしています。


日本と韓国は、このようなアメリカの目的を実現するための政策を取っていますが、
何らかの理由でアメリカと中国が危機をコントロールできなくなり、
地域で戦争が起こった場合、最大の損害を蒙るのは第一に韓国、そして日本です。



そのため、安倍首相は、朝鮮避難民の受け入れの用意を強調し、
地域の緊張拡大を支持することをアメリカに確信させようとしました。



これに対し、アメリカ政府も、地域に艦船を派遣し、同盟国を支援する決意を示しました。


しかし、安倍首相は、何を根拠に、
北朝鮮とアメリカの間で戦争が起こった場合の日本の人々の安全を保障し、
朝鮮人の避難民への支援を約束しているのでしょうか? 



多くの人は、アメリカが北朝鮮を攻撃した場合、
北朝鮮は日本と韓国の特定の場所を攻撃するだろうと考えています。


そしてそれは、これらの国に償いきれない結果をもたらし、
その状況を、第二次世界大戦の時代に引き戻す可能性があります。



こうしたことから、安倍首相は、
中国が協力によって、地域の戦争の勃発を防ぐことを期待しているのです。



http://parstoday.com/ja/news/japan-i29092


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安倍首相の支持率燃料としての戦争の期待
(https://jp.sputniknews.com/opinion/201704253570765/)



北朝鮮がミサイル発射しても安倍首相はフィットネスに絵画鑑賞
…危機を煽りまくった張本人が豹変
(http://lite-ra.com/2017/04/post-3085.html)



北朝鮮の危機を煽ることで自国の軍備拡張を正当化する。

もっと、ざっくばらんに話せば、
日韓政府は与党の支持率を上げるために米朝衝突の危機を煽っている。


実際には、米朝との軍事的対立において、重要なプレイヤーであるはずの韓国が現在、
前大統領が服役し、大統領の椅子が空白になっている状況でアメリカが戦いを仕掛けるだろうか?


・・・ということを扇動家は理解している上で、
さして危険でない状況を大変な危機だと騒ぎ立てていることを見逃してはならないだろう。


・追記

朝鮮戦争、湾岸戦争、アフガン・イラク戦争、リビア空爆、シリア空爆。
いずれにおいても、アメリカは実は他国と共同で戦いを仕掛けている。

(IS掃討の名の下に、アメリカ主導の有志国連合軍が
 アサド政権の了解を得ずに、国内の重要なインフラ施設や軍事施設を「誤爆」していたことを
 忘れてはならない。先日のシリア軍空爆は、この延長線上にある)


つまり、アメリカが戦争を挑む際には、
フランス軍やイギリス軍、韓国軍等の同盟国軍も出動するわけで、
そこまで準備が整ってはいない以上、真の緊張はこの後、到来すると思われる。



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アメリカが去年からシリア軍を攻撃していたことを指摘しない内藤正典氏

2017-04-10 22:14:11 | 中東
先日の米軍のシリア軍への攻撃について新聞・テレビ等のマスメディアが騒いでいるが、
実はシリア軍への攻撃はオバマ政権期からあったということをどの機関も指摘していない。




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ロシアのラブロフ外務大臣が、
「アメリカのオバマ大統領は
 シリア軍に対するアメリカ軍の戦闘機の攻撃のために、
 シリアのアサド大統領に謝罪した」と語りました。


タスニーム通信によりますと、ラブロフ外相は、ロシアのテレビのインタビューで、
オバマ大統領が、アメリカの戦闘機がシリア軍を攻撃したことにより、
アサド大統領に謝罪したことを認めました。


また、シリアの情報筋も、オバマ大統領はアメリカの戦闘機のシリア軍に対する攻撃について、
非公式な形でアサド大統領に謝罪したとしています。


アメリカ主導の有志連合の戦闘機は、
先週、シリア東部デリゾールの空港付近にある政府軍の拠点を空爆しました。

これにより、シリア軍兵士90人が死亡しました。
アメリカ当局は、有志連合の戦闘機はシリア軍の拠点を誤爆したと発表しました。


軍事専門家は、アメリカは最新の装備を有していることから、
この攻撃が誤爆である可能性は0だと強調しています。



http://parstoday.com/ja/news/world-i17224
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先ほど何気なく見ていた報道ステーションでトルコを専門とする内藤正典氏が
「アメリカ軍がシリア軍を攻撃したのは今回が初めてです!」と力説していたが、それは間違い。


オバマ政権の時代には、すでに「誤爆」と称してシリア軍を攻撃していた。


これに限らず、アメリカが主導する有志連合軍は
無許可でシリアの領空に侵犯し、市民を『誤爆』している。





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シリアで、アメリカ主導の連合軍の攻撃により、
およそ250人の子供が死亡


シリアの人権監視団が、シリアにおけるアメリカ軍の空爆により、
これまでにおよそ子供250人が死亡していることを明らかにしました。


ファールス通信によりますと、シリアの人権監視団は19日水曜、
報告の中で、シリアにおけるアメリカ主導の連合軍の攻撃により
シリアの民間人およそ650人が死亡しており、このうち244人が子供、
132人が女性となっているとしました。


この報告では、アメリカ主導の連合軍は2014年9月から、
テロ組織ISISとの戦いを口実に、シリアに入り、この攻撃により
2015年末までに民間人649人が死亡しているとされています。

シリアの人権監視団はさらに、
「連合軍の戦闘機は、重要な施設を攻撃し、
 このうち、28回の空爆により、多数の民間人が死亡した」としています。


http://parstoday.com/ja/news/middle_east-i18952
(2016年10月の記事)
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アメリカ主導有志連合軍、「シリアとイラクで民間人が犠牲に」


アメリカ軍が声明を発表し、イラクとシリアにおいて
アメリカ主導の有志連合軍の攻撃より、少なくとも188人の民間人が犠牲となっている事実を認めました。


ファールス通信によりますと、アメリカ軍は、
イラクとシリアにおける2015年の攻撃1件と、2016年における4件の攻撃による、
民間人の殺害を調査中であると主張しています。



有志連合軍は、2014年から
テロとの戦いというスローガンにより、活動を開始しました。


イギリス・ロンドンに本拠地を置くNGOエアウォーズも、
シリアとイラクでの有志連合軍の攻撃で、2000人以上の民間人が死亡したと発表しています。



アメリカ主導の有志連合軍は、民間人の殺害のみならず、
テロ組織ISISに対する作戦で使用されるイラク軍の拠点をも、何度も爆撃しています。




アメリカ政府はこうした事例を、誤爆であると表明しています。



これ以前に、中東にあるアメリカ軍司令部は、有志連合軍の戦闘機が
イラク北部の町モスルのある地区で、ISISのメンバーを乗せた車両1台を攻撃したものの、
後になってこの地区が病院の駐車場だったことに気づき、
結局これにより民間人の犠牲者を出したと発表しています。


http://parstoday.com/ja/news/middle_east-i23974

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アメリカ主導の有志連合の戦闘機がシリア北部で民間人を虐殺




アメリカ主導の有志連合の戦闘機が、シリア北部で再び民間人を虐殺しました。

シリア国営通信によりますと、アメリカ主導の対ISIS有志連合の戦闘機は、
5日水曜夜、アレッポから北50キロの地点にある村を空爆しました。


この空爆で数名の子供を含む60人が死亡し、数十人が負傷しました。
一部の負傷者が重体となっていることから、この空爆による死者の数は増える可能性があります。
この攻撃により、この村の中心部の住宅数十棟が破壊されました。



この村には、
ほかの地域からテロ組織ISISを恐れて逃げてきた人を受け入れていました。



アメリカ主導の有志連合は、これ以前にも、アレッポ北部近郊でシリアの民間人を虐殺しています。




アメリカとその同盟国は、ISISとの戦いを主張していますが、
これらの連合の戦闘機は9月17日にも、
東部デリゾール近郊のシリア軍の拠点を空爆し、
ISISによる占領の下地を整えました。


http://parstoday.com/ja/news/middle_east-i18004
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アメリカがシリア住宅地を再び空爆
(http://parstoday.com/ja/news/middle_east-i20437)


アメリカの戦闘機、シリアの難民を攻撃
(http://parstoday.com/ja/news/middle_east-i21382)


ここ数日、テレビのニュース番組や新聞の社説では、
「平和の使者オバマは空爆には慎重だったが、トランプは…」
という主張がよくされているが、これは事実に反している


実際には、すでに見てきたように
少なくとも去年からアメリカ軍はシリア軍や国民を何度も空爆している。



これは当のアメリカも認めていることである。


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アメリカ国防総省、シリアの民間人殺害を認める




アメリカ国防総省が、アメリカ主導の有志連合による最近のシリア攻撃の中で、
多くの民間人が死亡したことを認めました。


イルナー通信によりますと、アメリカ軍の中東司令部は、
13日火曜、声明を発表し、最近、シリアのテロ組織ISISの拠点に対して行われた6日間の空爆で、
数人の民間人が死亡した可能性があると発表しました。



この声明によりますと、今月7日、シリア東部デリゾール付近の
ISISの拠点に対して行われた空爆の中で、戦闘機のミサイル攻撃により、
この地域に侵入した民間人の自動車一台が攻撃されたということです。



また、この司令部は、今月10日のシリア北部ラッカ付近の空爆でも、
現場付近にいた民間人2名がこの攻撃で死亡したとしています。



アメリカなどの西側の支援を受けたテロ組織への攻撃は、
特にアメリカを始めとしたテロとの戦いを主張する連合による攻撃である一方で、
これらの連合は、数千人の民間人を殺害しています。


http://parstoday.com/ja/news/middle_east-i16606
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アメリカ主導の有志連合、シリアとイラクの民間人虐殺を認める



アメリカ主導の有志連合が、声明を発表し、
2014年から2017年のシリアとイラクの空爆で、数百人の民間人が死亡したことを認めました。


アルアーラムチャンネルによりますと、この声明では、
2014年8月から2017年2月までの間に、テロ組織ISISに対する国際的有志連合は、
アメリカの主導により、1万8600回の空爆をシリアとイラクで行っており、
これにより民間人396人が死亡しました。

こうした中、有識者はこの有志連合による見積もりは、実際の死者の数よりも大幅に少ないとしています。

あるNGOの調査によりますと、少なくとも2500人が
イラクとシリアにおける有志連合の空爆で死亡しています。

この連合は、アメリカのオバマ政権時代に、
イラクとシリアのISIS対策を口実として結成されました。

一方、公式報告によりますと、アメリカなどの西側諸国やアラブ諸国は、
ISISなどのテロ組織の創設者であり、また兵器や資金の援助者とされています。

http://parstoday.com/ja/news/middle_east-i28392
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以上の事実に全く触れずに、
内藤氏のようなテレビに御呼ばれする御用学者たちはシリアを非難し、
遠回しにトランプ政権を支持する。そのスタンスは日本政府と軌を一にする。



アメリカの人権活動家、ノーム・チョムスキーは
知識人がゴーサインを送ると、大衆は簡単に政府の扇動に流されてしまうとコメントしたことがある。


これを踏まえた上で、過去の内藤氏のtwitterの発言を列挙してみよう。


「アサド政権が倒れて、ヌスラ戦線のようなイスラーム主義過激派が台頭したらどうするのだ?、
 とトルコの世俗派知識人は必ず言う。何度でも言うが、仁義も倫理もないシリア内線において、
 唯一、法の支配(イスラーム法)を受け入れているのはヌスラ戦線だけなのである。

https://twitter.com/masanorinaito/status/373564284032143360


「トルコ、世俗主義&ナショナリズムの野党CHPの党首、
 エルドアン首相を「シリアのテロリストの頭目」と非難。
 多分、ヌスラ戦線をトルコ政権が支援してるという意味だろうが、
 それではこの野党はアサド支持?世俗主義政党がとっくに終わってる証拠」

https://twitter.com/masanorinaito/status/338655224623407106

「アサド政権が倒れても、報復合戦はしばらく続くが、シリア人は、
 元来、武力衝突を嫌うから、一定の方向に落ち着いていく。
 それまで、国際社会が武力によらない介入と支援を続けるしかない。
 シリアという国は、ダーテイ・ビジネスを得意とするが、自分の国を戦場にしたいわけではない。」

https://twitter.com/masanorinaito/status/373926557087068161


「日本の隣国である北朝鮮、中国、ロシアの三国が、
 これだけ残忍で非道な政権であるアサド政権のバックについているということについて、
 日本では議論しないのか?」

https://twitter.com/masanorinaito/status/373104492872359936

「化学兵器について、北朝鮮の関与は中東でもしばしば議論に上っている。
 日本では北朝鮮の武器供与や技術支援、直接的軍事支援について、
 どういう議論がなされているのか?聞いたこともない。」

https://twitter.com/masanorinaito/status/373104859571949569


以上の発言は4年前にされたものであるが、要するに、内藤氏は日本のメディアでさえ
過激派と認めているヌスラ戦線を全面的に支持し、アサド政権を滅ぼせと主張していたのである。



2013年9月5日に放送されたNHKの「視点・論点「緊迫するシリア情勢」でも彼は

「私は、軍事介入による紛争解決には反対です。
 軍事介入をすれば、アサド政権側は、市民の中に戦闘員を紛れ込ませますから、市民の犠牲も増えます。

 しかし、ことここに至っては、強力な軍事介入によって
 アサド政権側の軍事拠点を無力化する以外に方策はありません
。」

と発言している。



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アメリカの攻撃に対するシリア人のデモ




シリアの人々が首都ダマスカスの通りで、
シリアの空軍基地に対するアメリカの攻撃を非難しました。



シリアの人々はこのデモの中で、この侵略に対する反応を求めました。
このデモに参加した市民はこのように語っています。



「この空爆で死亡したシリアの兵士は我々の国民であることから、
 この攻撃は戦争犯罪であり、われわれは決してそれを許さない」



シリア政府もまた、はっきりと、
「アメリカの侵略は、シリアのあらゆる場所にいるテロリストの弾圧に向け、
 この国の決意を増すことになった」と強調しています。



アメリカは7日金曜未明、先週火曜のイドリブに対してシリアが化学兵器による攻撃を行ったと主張して、
地中海から59発のミサイルをホムスのシリア空軍基地に向けて発射しました。



この攻撃により、
子供4人を含む9人が死亡、数名が負傷しました。



アメリカの空爆により、空軍基地の近くの村には大きな被害がもたらされました。



シリアにおけるアメリカの干渉的な動きは
シリアの主権の大規模な侵害であり、国際法への明らかな違反です。


この攻撃はテロ対策の前線で戦っているシリア軍兵士、
そしてシリアの民間人数百人の死亡、さらにはこの国の民家や公共施設の破壊につながっています。


http://parstoday.com/ja/news/middle_east-i28664
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日本のメディアはシリア軍の空爆を表現する際に必ずと言って良いほど
「幼い子どもを含んだ多くの市民が殺されている」というフレーズを使う。


だが、なぜか彼らは
先日の米軍の空爆が幼い子供を殺したことは伝えようとしない。



事実を切り貼りして、虚像を生み出し、一つの見解に向けて
読者や視聴者を誘導する。これは「プロパガンダ」というものではないだろうか。



アメリカによるシリアへのミサイル攻撃を受け、ISISがパルミラを攻撃
(http://parstoday.com/ja/news/middle_east-i28616)

トルコ大統領、「アメリカはテロ組織ISISを支援」
(http://parstoday.com/ja/news/middle_east-i23644)

加えて、アメリカ軍がシリア軍を空爆したちょうどその時、
ISがシリア中部にあるパルミラを攻撃したことにも言及しない。


内藤氏は米軍の空爆を知り、シリアの難民は喝采したとコメントしたが、
実際に喝采したのは、反体制派の武装組織だ。すべてアベコベの解説。

内藤氏が登場した時、私は、
「なぜシリア情勢の専門家である青山弘之氏を招かなかったのか」と疑問に感じた。

同氏は先月、岩波新書から『シリア情勢』という著書を発表しているが、
この本は、いわゆる世間に蔓延るシリアバッシングとはレベルそのものが違い、、
アサド政権の負の側面にも言及しながらも、アメリカを主とする他国の干渉行為、
そして「穏健派勢力」という言葉の虚妄についても論じている。


真剣にシリアを語りたいなら、青山氏を呼ぶべきではなかったか?


どうも今夜の報道ステーションは、
暗に安倍・トランプ政権を支持するために意図的に人間が選ばれた気がする。


さらに言うならば、アサド政権の非難と合わせて北朝鮮への攻撃も
それとなく支持するような報道がされていて、大変、危険である。


オバマは弱腰だった、だがトランプは違う。
(この言葉は過去のアメリカ軍のシリア空爆を完全に透明化し、免罪するものである)


こういう嘘が吹聴され、池上彰をはじめ、政治バラエティ番組では
北朝鮮バッシングが喜々として行われ、韓国市民の民主化運動の結果であるはずの
朴槿恵逮捕を残念がり、親北派の大統領が就くのではと不安がる日本のメディアと知識人。


着々とシリア・北朝鮮を滅ぼす準備が出来上がっているように感じるのは私だけだろうか?

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マレーシア政府、北朝鮮犯行説を否定。日本メディアは不服。

2017-04-01 21:43:17 | 北朝鮮
「“だれかがヨーゼフ・Kを中傷したにちがいなかった。
悪いことはなにもしなかったにもかかわらず、ある朝彼は逮捕されたからである。”」



フランツ・カフカの佳作『審判』は、平凡な男性が理由もわからず逮捕され、
同じく事態をあまり把握していない群衆によって裁判にかけられ、ついには死刑に処される話である。

これが何の罪なのかもよく知らないにも関わらず、なぜか群衆は男性の有罪を確信している。
奇しくも現代の国際政治の情勢を描いた作品として読めなくもない。




さて、金正男暗殺事件に関して、先日、マレーシア政府は北朝鮮の関与を否定した。

当然だろう。

現地の警察でさえ捜査を開始したばかりなのになぜ関与したと確信できるのかという話で、
実際、日韓をはじめとした関与説を述べるメディアの報道は誤報が多く、二転三転するものだった。



女2人、一瞬で毒殺 スプレー噴射→口に布→10秒後、タクシーで逃亡


実際には手に毒物を塗って殺害したようなのだが、
わざわざ図解まで添えて、「関係者」がもらした「真実」としてスプレーで殺したと伝えている。

産経に限った話ではなく、この手のいい加減な報道が全国で氾濫していたと思う。




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否定された「北朝鮮犯行」説


朝鮮-マレーシア、両国関係の発展を確認





朝鮮とマレーシアの代表団が2月13日に
クアラルンプールで発生した朝鮮公民の死亡によって生じた問題の解決のための会談を行い、
共同声明を発表した。




共同声明によると、これまでマレーシア警察が主張してきた「北朝鮮犯行」説は否定され、
両国は1973年の国交樹立以来、発展してきた双務関係に基づいて問題を解決していくことにした。




双方が両国公民の出国禁止措置を解除したことにより、
マレーシアの警察が「殺人事件」の「容疑者」とした
駐マレーシア朝鮮大使館2等書記官と高麗航空の従業員は朝鮮に帰国した。




「殺人事件」が起きた時、クアラルンプール空港にいたという4人の「容疑者」への言及もない。
 両国の共同声明を通じて、今回の事件に朝鮮側が何の関りもなかったことが確認されている。



当初、マレーシア外務省と病院側は、
朝鮮の外交旅券所持者が空港で心臓麻痺倒れ病院への移送中、
自然史(ママ)のように亡くなった朝鮮大使館に通報した。


ところが、その日の夜、南朝鮮の保守メディアが「政府消息筋」によるものとして
「北工作員」による別の名前の人物の「毒殺」について報道した。



マレーシアの警察はこれを既成事実化し、
ウィーン条約に基づく治外法権の対象である外交旅券所持者の遺体解剖を強行した。



犯罪捜査学の見地から見ても、法律的見地から見ても、
マレーシア警察の捜査はすべてが欠陥と矛盾だらけであった。


警察が客観性と公正さを失い、誰かの意向に沿って捜査の方向を決めているという疑惑が提起された。

朝鮮公民の死因すら明確になっていない時点で、
米国と南朝鮮で「猛毒の神経剤VX」 による「毒殺」”説が流れ、
後日、マレーシア警察がそれを捜査結果として公式発表したのが典型だ。



朝鮮は、マレーシア側に対して敵対勢力の政治的陰謀に巻き込まれることなく、
すみやかに遺体を日引き渡すことを求めてきた。


もし朝鮮公民の死亡が自然史(ママ)ではなく、殺人の場合、
マレーシアは自国内で起きた殺人に対して責任を負わなければならない。


一方、朝鮮は被害者側として捜査結果を要求する権利を持っている。
謀略事件によって守勢に立たされたのは、マレーシア側であった。



「北朝鮮犯行」説の流布によって利益を得る特定勢力が、マレーシアの政府と警察を背後操縦したが、
今回の事件に朝鮮が関与したという客観的な証拠は出なかった。



朝鮮は、マレーシア当局が証拠がないまま偏向捜査を進めたことを非難しながら、
「今回の事件の被害者は朝鮮とマレーシア」(駐中朝鮮公使の記者会見)との見解も示した。


一方、マレーシアの側も、朝鮮と協力して事態を収拾しなければならなくなった。
そして二国間の会談が行われることになった。



朝鮮に対する国際的な嫌悪感を醸成しようと、2月から大々的なキャンペーンを展開してきた勢力は、
今回の事件が朝鮮とマレーシアの国交断絶に至るだろう騒ぎ立てたが、実際は正反対の結果となった。



朝鮮とマレーシアは、両国の関係を事件以前に原状回復さ(ママ)せるだけでなく、
それ以上の進展を目指すことにした。


共同声明によると、双方はビザなし渡航の再導入について肯定的に討議することにし、
双務関係をより高い段階へ発展させるために努力することで合意した。

(http://chosonsinbo.com/jp/2017/04/0001-2/)
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ここで重要なのは、記事でも触れられているように、
まず、マレーシア政府が一方的にビザなし渡航を廃止すると宣言、
その後、北朝鮮政府が在北朝鮮マレーシア人の出国を禁止、それに応答するように
マレーシア政府も自国の北朝鮮人の移動を禁止といった措置が取られたことである。



この点を踏まえながら、毎日新聞の社説を読んでみると興味深い記述に気が付く。




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北朝鮮とマレーシアが、マレーシアで殺害された
金正男(キムジョンナム)氏の遺体を北朝鮮に引き渡すことで合意した。

マレーシアは、事件への関与を疑われる北朝鮮外交官や容疑者とされる高麗航空職員の出国も認めた。


北朝鮮は見返りに、事実上の人質として
平壌に足止めしていたマレーシアの外交官と家族計9人の出国を認めた。


マレーシア政府は、安全な帰国を最優先に譲歩したのだろう。

人質を取って他国に要求を突き付ける行為は、まともな国家のすることではない。
外国人の人権を一顧だにしない姿勢は、日本人拉致事件にも通じる。

北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長は今年元日の演説で、
友好的な国との協力拡大を語っていた。


伝統的友好国であるマレーシアに対する身勝手な対応は、
その言葉がうわべだけのものであることを証明した。

http://shasetsu.seesaa.net/article/448631278.html
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上の記事ではマレーシア政府のビザなし渡航廃止に関する宣言について全く触れられていない。
また、容疑者のみならず全北朝鮮国籍の人間が出国禁止になったことにも触れない。


出国禁止は一方的に取られたものではなく、双方が行ったものなのだが、なぜか北朝鮮に対してだけ
「人質を取って他国に要求を突き付ける」「外国人の人権を一顧だにしない姿勢」と非難している。


マレーシア政府は証拠不十分な状態で外国人を逮捕、長期にわたって拘禁した上に、
無実と判明した後、国外追放したのだが、この点に関しては何も感じないらしい。

金正男氏殺害事件の容疑者 北朝鮮に対するマレーシアの陰謀を語る


続きには以下のことが書かれている。


「だが、これで幕引きにしてはいけない。真相解明と責任追及へ向けた努力を続けるとともに、
 北朝鮮への圧迫をさらに強める国際連携を進めることが必要だ。


「制裁履行を徹底するためには、税関の検査能力などを高めねばならない。
 日本には、東南アジア諸国の能力向上への支援が求められる。


「米国では、北朝鮮をテロ支援国に再指定する動きも進んでいる。
 来週行われる米中首脳会談でも、北朝鮮問題は主要な議題の一つとなる。

「国連を舞台にした人権問題の追及も強めていかねばならない。」



要するに、
今回の事件を口実に日本のアジアでの台頭と
北朝鮮への政治的・経済的・軍事的圧迫を切望しているのである。




事件解決のための提案は何一つされず、代わりに叫ばれるのはまたしても制裁・制裁・制裁だ。

ここで注目すべきは、北朝鮮が関与した証拠は何一つないということだ。

もちろん、北朝鮮犯行説を支持するのは自由だが、
毎日新聞社は単なる「容疑」と純然たる「事実」を履き違えている。



「これが何の罪なのかもよく知らないにも関わらず、なぜか群衆は男性の有罪を確信している。」


事件の真相が不明だと認めているにも関わらず、なぜか日韓メディアは北朝鮮の関与を確信している。
そして、事件の解明よりも北朝鮮に対する更なる強硬策を主張している。


北朝鮮への締め付けの口実として、事件を利用する卑劣な行為こそ
各メディアは恥じるべきではないだろうか?


また、ここ2か月で果敢に叫ばれた北朝鮮への強硬策は、日本と韓国を基軸にした
軍事的包囲網をアジアに確立させるというアメリカのシナリオとマッチしている。


簡単に言えば、日米韓の軍拡と戦争準備、そして北朝鮮の敵視報道はリンクしている
この点についてはまた後日、触れたいと思う。


追記・


メディアが森友学園についてストーカー的報道を行っている間にも、
自衛隊は米軍との合同軍事演習に勤しんでいた。

この点は外国メディアも大きく取り上げ、
北朝鮮への侵攻を想定した内容ではないかというオピニオン記事も書かれたが、
面白いことに、日本のメディアは特に問題視していない。


もはや戦前と同じく、政府の広報機関と化していると評価しても良いのではないだろうか?

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北朝鮮問題で池上彰氏が伝えないこと

2017-03-25 21:59:23 | 北朝鮮
池上彰と考える日本の問題(2017年3月25日放送)を視聴した。


一瞬、今自分が見ているのは『ビートたけしのTVタックル』ではないかと疑うほど、
極右の論者の意見を垂れ流しにした内容で、さすが日本を代表する合法詐欺師だけあると感心した。


情報の提供元がアジアプレス、国家情報院という時点で察してほしい。


例えば、食糧事情について、90年代の飢餓状態から回復できない状態にあると印象づけていたが、
実際には、国連の支援こそ必要だが、それでも、ここ数年の農業改革によってある程度の解決はされている。

1年前に書いた記事を再掲する。



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それにしても、北朝鮮は、なせ核兵器を手放すことが出来ないのだろうか?
その答えの一つには、前回の記事で指摘したように米韓による常時の武力威嚇があるが、
経済的側面から説明すれば、金正恩政権以降の北朝鮮では
北朝鮮の軍縮・経済発展・核開発が密接につながっていることが挙げられる。



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北朝鮮の新聞と放送は“水爆保有”を強調し、
「(核と経済の)並進路線」が「勝利」したと大々的に報道している。

5月の労働党第7回大会を控え、
「核武力建設」は成功したから、「経済建設」に邁進しようという雰囲気を盛り上げた。

北朝鮮労働党機関紙の労働新聞は、7日付で計6面のうち5面を「水爆実験」の報道に割いた。

労働新聞は6面の論説で
「水爆を保有する国は、5つの国連安全保障理事会の常任理事国だけだった。
 我が国(北朝鮮)が今年初め、初の水爆試験で完全に成功したことで、
 水爆まで保有した核保有国は6カ国に増えた」と主張した。

北朝鮮の“水爆などの核兵器保有”を既成事実化しようとする意図と分析される。
同紙は「水爆試験と水爆の保有は、我が国の合法的な自衛的権利であり、
誰にも是非を問われることのない、正々堂々たる措置」とし
「わが共和国は、核拡散防止条約(NPT)の外にある国だ。
 いかなる国際法に照らしても違反にはならない」と報じた。

労働新聞は、別の記事で
「水爆試験は(米国の)『戦略的忍耐』政策への答えとなる。
 米国の『戦略的忍耐』政策は、終局破滅を迎えた」と強調した。

オ・スヨン労働党書記は同紙の4面で
「経済建設と核武力の建設を並進させるために戦略的路線は、最も正当な路線」だと主張した。

“核保有国としての誇り”を並進路線の別の軸である
“経済発展”の動力にしようという報道も相次いでいる。


朝鮮中央通信は6日、黄海製鉄連合企業所のキム・ミョンソン氏が
「最初の人工衛星の成功的な発射と地下核試験の成功の喜びを分かち合った
 当時の情熱を取り戻している。党第7回大会に向けて...
 鋼鉄の生産を高いレベルで正常化していく」と語ったと報じた。

また、平壌市の琴台協同農場のホ・チュングム管理委員長が
「私たちの農業労働者は党の第7回大会が開催される今年に必ず豊作を成し遂げる」
と誓ったと報じた。

http://japan.hani.co.kr/arti/politics/22991.html
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結論から述べると、北朝鮮は近年、軍事費を削減して
その分を食料問題の解決や経済発展のための予算に充てているのである。


こういっては何だが、金正日の時代は本当に大変だったようで、
肥料や栄養剤すらろくにないという非道い状態だったらしい。

そこで息子の金正恩は、農業問題の解決を緊急の懸案事項とし、
農業の機械化、品種改良など、農業技術を向上させ、平行して既存の集団農業制度を廃止、
より少人数に経営を任せ、収穫に応じて報酬が変化する圃田担当責任制を導入した。

この結果、100年に1度と言われた大かんばつがあった2014年に
2013年度よりも5万トン収穫を増産することに成功したのだった。

こういう動きを無視して近年の金正恩政権の政治を語ることは不可能だろう。

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水産部門では海面養殖に本格的に取り組もうとしている。
昨年は大漁を記録したが、国内の需要を十分に満たすには至らない。
平壌市卸売所・水産物商業課のリ・チャンド課長によると「養殖の拡大が必須」だという。

「船を出せば漁ができる。90年代は油不足で船が出せず漁ができなかったが、
 いまは国家レベルで対策が立てられている。それで各地の水産事業所の収益が上がった。
 事業所には養殖施設があるが、飼料が供給されないので稼動していなかった。
 これからは事業所が独自に解決できる」

http://chosonsinbo.com/jp/2015/03/pr1502/
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上の記事は2015年2月の時点での話。石油がなくて漁が出来ないと聞くと
本当に90年代は、どこの社会主義国も苦労していたのだなと思ってしまう。

農業に限らず、工業においても生産システムの改革が行われた。
簡単に言うと部分的に市場主義を導入したのである。


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すなわち、工業部門では生産組織権をその空間に利用する。
企業所が独自的に新製品、品種を開発し、生産できるようにすることだ。

自分で源泉を探し出し、生産する製品、品種に関しては
生産者と需要者の間で合意して価格を決めるようにしている。

貿易および合営合作権も企業所が創発的に経営活動を繰り広げられるようにする空間となる。


労働者に対する報酬も企業所が決める。
企業所の総収入から中央予算と地方予算など納付する分を除いた残りが、企業所の分配となる。
企業所分配の範囲内で、労働者に働いたぶんだけ労働報酬(生活費)を与えるようになる。
その金額に制限は置いていない。


かつては、■生産拡大、■科学技術発展、■労働報酬、■文化厚生などなどの用途に従った
項目ごとに予算の分配率が決められていたが、今は企業所が自主的な決定によって配分できる。

収入の100%を生産拡大するための設備更新に使うこともでき、
労働者に対する報酬に100%まわすこともできるということだ。


農業部門では分組管理制の中で、圃田担当制を実施している。
協同農場では作業班の下に分組がある。
協同農場で分組は20人程度で構成され、担当する土地の規模は平均50町歩程度だ。

圃田担当制とは、分組を再び細分化して3~5人で構成し、
ここに一定の規模の圃田を決め農事を行わせる方法だ。

圃田ごとに収穫、脱穀にいたるまですべての農事に責任を持たせ、
その結果によって分組単位協同労働もともに考慮しながら農民に分配を行う。

これまでは国定価格によって義務收買を進め、
現金分配を行っていたが、現在は現物分配を実施している。

農民が自分の消費分以外の穀物を食糧販売所に持って行けば、
市場とほぼ同じ価格で売ることができる。
農民が分配された穀物で必要な日用品を調達する交換收買も進められている。


工業、農業を問わず、最近強調されているのが「具体的な経済計算による経済管理」だ。
どれだけ働き、どれだけ使い、したがってどれだけ与えればよいのか、
共同で生産したぶんはどれだけになり、個人に該当する分はどの程度か。
このようなことを正確に計算されている。

http://plaza.rakuten.co.jp/tsuruwonya/diary/201312240000/
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このように、部分的に経営権・販売権を労働者本人に委譲することで、
働いた分だけ、結果を出せば出すほど報酬が増えるようなシステムに変化させたのである。

これが功を奏して、金正恩政権下では経済発展と食糧増産が可能となった。
もちろん、先進国と比べればまだまだだが、少なくとも金政権は仕事はしていたわけだ。


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パク・ヨンマン大韓商工会議所会長は3日、
北朝鮮が地方の“市場”を中心に市場経済への移行が急速に進展しているとし、
北朝鮮の体制不安を前提とした既存シナリオの代わりに、
南北間の経済協力を活性化するための対策が必要だと強調した。

パク会長は3日、商工会議所出入り記者との新年インタビューで
これまで(韓国社会の)北朝鮮に対する認識は未だに飢謹に苦しみ、
 統制された社会で国家主導の配給制が失敗し、
 平壌(ピョンヤン)と他の地方の所得格差が大きいということだったが、
 (最近、北朝鮮専門家たちと会った結果)実際には全くそのような状態ではなく、
 北朝鮮の体制不安に対する認識を新たにしなければならないようだ
」と明らかにした。

パク会長は「北朝鮮が市場を通じて市場経済を許容してからかなりの時間が経った」とし、
地方は市場を通じて(各個人が)自分で取り引きを行い、私企業が生まれ所得が高まったが、
むしろ平壌では(このような活動が難しいため)都市貧民が生まれ暮らしが厳しい状況
」と話した。

パク会長は平壌市民の所得が低い理由と関連して
「国家が指定する工場や職場で義務的に働くため、
 市場に参入する自主生計型の事業ができずにいる」と説明した。

パク会長はさらに
北朝鮮にはもはや飢謹はなく、餓死する人もいないし、
 市場経済を相当部分許容したため個人企業のような組織ができ事業を行い、
 政府が緩い形で税金を集めている
とし、
使用中の携帯電話が280万台を超え、北朝鮮住民の需要は多いが物がなくて買えない状況」と話した。

パク会長は
これまで商工会議所が準備してきた北朝鮮急変シナリオの代わりに、
 北朝鮮の市場経済への移行が始まっており、国家主導の有無を問わず
 地方都市は全て市場経済によって支えられている状況で、
 韓国が何をできるかを先に議論することが必要だ
」と話した。


パク会長はこれと関連して
「朝鮮商業会議所(韓国の商工会議所と似た機構)への門戸を開いて、
 原産地証明のようなものは直ちにできそうだ」とし「(政府と協議する必要はあるが)
 南北が共に会員である国際商業会議所(ICC)を通じればできそうだ」と話した。

パク会長は国際商業会議所の執行委員を務めている。
パク会長はまた「韓国の多様な貿易取引先を活用して、
北朝鮮産の物品が海外市場に進出できるよう仲介貿易を活性化することも可能だ」とし
「朝鮮商業会議所が発行した原産地証明を根拠に、
 大韓商工会議所が北朝鮮産という原産地証明書を発行し活用することもできる」と話した。

パク会長はさらに「気候協約ができれば北朝鮮の“炭素排出権”も買ってくることができる」
とし「北朝鮮は産業化が出来ていないため(炭素排出権が)大量に残っていくだろう」と話した。

http://japan.hani.co.kr/arti/economy/22941.html
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水爆実験を行った3日前に書かれたハンギョレの記事である。
北朝鮮の経済発展は、同国に否定的な韓国の新聞でさえ認めざるを得ない段階になっている。

では、経済制裁を受けているにも関わらず、資金は一体どこから持ってきているのだろうか?。
それは、先述したように軍事費を削って予算を捻出しているのである。

核武装というと物騒な響きを持つわけだが、経済的にみると
通常兵器の開発等の軍備拡張に力を入れるよりも安上がりで防衛が可能となる。

経済改革にしてもそうだが、急に金が増えたわけではなく、
元からあった無駄を排する省エネ戦法で少しずつ経済を向上させていると見てよいだろう。

ハンギョレの記事では、北朝鮮元幹部が「北朝鮮内部からすると、
強大な核抑止力を備えているから、軍にも従来の軍備にこだわるよりも、
経済建設に協力することを求める、金第1書記のメッセージだと思われる
」と指摘している。
(http://japan.hani.co.kr/arti/politics/22972.html)


こういう次第なので、現在の北朝鮮に核を放棄させると言うのであれば、
同国の安全保障、より正確に言えばアメリカやNATOに攻撃されないという
確実な保障と同時に、北朝鮮の経済発展への協力が求められる。
その場合、IMF式ではない形での金融・経済支援が必要となるだろう。



http://blog.goo.ne.jp/minamihikaru1853/e/ad67adc6afa2dc0dbf22b805646f1a0a
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このような説明は一切なく
アメリカの工作機関と関わりがあると言われているアジアプレスの映像を載せ、
未だに飢餓状態で国民が貧困にあえいでいるなか、ミサイルを開発しているのだと喧伝していた。


「凄まじい」としか言えない。ゴールデンタイムに流される洗脳映像。
 当然、ミサイルを持つに至った経緯も語られていない。


 よって、本記事では補足説明を行った上、改めて同氏の番組の悪質性について考えようと思う。


次に引用するPars Today の記事をご覧いただきたい。



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北朝鮮の朝鮮中央通信によりますと、
北朝鮮は、固形燃料エンジンを利用した戦略弾道ミサイルの実験に成功しました。

これは、北朝鮮のミサイル能力が高まっていることを物語っています。

日本の岸田外務大臣は、北朝鮮による弾道ミサイルの実験を非難し、国連による断固とした対応を求めました。



日本と韓国は、他の国以上にこのミサイル実験に懸念を示しています。



アメリカは、北朝鮮による核・ミサイル計画を、
朝鮮半島や東アジアへの軍事駐留を拡大するためのチャンスと見ており、
同盟国に倣って、北朝鮮問題に関する安保理の緊急会合の開催を求めました。


こうした会合は、通常、北朝鮮に対する追加制裁につながるものです。

こうした中、注目すべきなのは、
北朝鮮がこれまで何度も、
軍事目的の核計画の停止に関して
国際社会と協力を行うことへの同意を示してきたことです。





1994年、北朝鮮は、アメリカが経済・技術支援を行えば、
軍事目的の核計画を停止する用意があると表明しました
が、アメリカがそれを妨害しました。


アメリカの支援の停止により、北朝鮮政府は2003年、
NPT核兵器不拡散条約を脱退し、IAEA国際原子力機関の査察団を追い出すと共に、
電力不足により、原子力発電所の建設を計画していると発表しました。


この年の夏、アメリカ、南北朝鮮、日本、ロシア、中国が参加し、
北朝鮮の核問題を解決するための第1回6カ国協議が開催されました。

しかしその後、この協議もまた、アメリカの妨害によって中断しています。


こうした中、2007年には、北朝鮮は再度、食糧や燃料の支援を受け取る代わりに、
ヨンビョン核施設の冷却塔を破壊し、軍事的な核活動の停止を受け入れました。



そして実際に、地域の高官やメディアの前でこの塔を破壊し、
6カ国協議の議長であった中国に、核活動の詳細な報告を提出しました。


一方でアメリカ、韓国、日本も、北朝鮮の協力の見返りに、
経済、食料、燃料支援を北朝鮮に行うことになりました。


アメリカは、年間100万トンの燃料を北朝鮮に支援する予定でしたが、
実際に支援したのは5万トンのみでした。



日本と韓国も、北朝鮮の重水炉を軽水に転換するために
40億ドルを支払うことになっていましたが、その取り決めを守らず
再び、北朝鮮との合意は実現しませんでした。



こうした中、アメリカは、さまざまなレベルで韓国と定期的に演習を行っており、
日本にも、強力な軍隊を持つ方向に進むことを許しています。



このような状況の中で、北朝鮮は、
アメリカは北朝鮮に奇襲攻撃を仕掛けるつもりだとし、核・ミサイル計画を真剣に追求しています。



2016年は、アメリカの脅威に対する
北朝鮮のミサイルシステムの強化と配備の年だったと言えるでしょう。

なぜなら北朝鮮は、安保理の制裁を無視し、数回に渡って核・ミサイル実験を行なったからです。


アメリカによる朝鮮半島の緊張の拡大は、アメリカ政府が北朝鮮の核問題を、
北朝鮮の脅威から日本と韓国を守るためと称し、
これらの国での自分たちの軍事駐留を正当化するための口実にしようとしていることを示しています。


アメリカ政府は同時に、中国を封じ込めるために軍事駐留を強化しようとしています。
こうしたことから、アメリカは、朝鮮半島の核問題を解決しようとしていないばかりか、
安保理の会議を次々と開催し、朝鮮半島の危機の炎を煽っているのです。


http://parstoday.com/ja/news/world-i26263
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北朝鮮は当初から支援と引き換えに核開発の中断を約束していたし、
また、そのように行動もしていたが、その都度、アメリカや日本が取り決めを守らなかった。


実際、90年代にはアメリカはプルトニウムのような副産物の出ない新型の原子炉2基の提供を約束し、
北朝鮮と外交・経済ルートを開くことに合意したのだが、北朝鮮が原子炉を凍結するや否や、
この取り決めを一方的に破棄した。

90年代の北朝鮮の飢餓の原因には、少なからず、外圧によるエネルギー源の枯渇があるのだが、
この点についても、池上彰は一切、語っていない。


この敵視政策はブッシュ政権になるとより強烈になる。

同じく悪の枢軸国として名指しされたイラクが侵略の危機にあった2002年8月、
ついに北朝鮮は原子炉の再稼働を決定する(同時にNPTから脱却する)。

この時、北朝鮮は
「原子炉の凍結し、核開発を中止するかわりに不可侵条約を締結したい」という旨をアメリカに知らせた。

だが、返答を得ないまま、イラク戦争が勃発すると北朝鮮はIAEA受け入れの申し出を退けてしまった。


しかし、今でも北朝鮮は一貫して、
米韓合同軍事演習の中断と平和条約の締結を条件に核開発の中断を提言している。


以上が北朝鮮が2006年に核実験を行うまでに至る経緯なのだが、
池上彰は一切、言及しなかった。しようともしなかった。



かわりに提示されたストーリーは、
「北朝鮮は冷戦時から自由がなく、日本人を拉致する危険な国で、
 国民が貧困にあえいでいるのに核開発に執着して、
 最近はミサイルを昔以上に発射している恐ろしい独裁国家だ」というお馴染みのものだった。



一言で言えば、安倍政権が掲げる「北朝鮮の脅威」を宣伝したような内容で、
現在、着々と進んでいる日本の軍事国家化に拍車をかけるような素晴らしい出来である。


これをお茶の間の家族が見て
「池上さんの説明ってわかりやすい!」「北朝鮮って怖い国だ!」と納得してしまうとすれば、

森友学園より池上彰のトークショーのほうがヤバい

と思うのは私だけだろうか?


しょせん、森友など地方の学校にすぎず、その教育を受ける人間は通学する児童のみであるが、
池上彰のそれは全国の家庭に向けて発信されたもの(それもゴールデンタイム!)で、
森友と違って「こいつは嘘ばかりついている」という批判が一切ない。まさに「池上無双」だ。

(この池上無双には岩波書店やリテラなど、左翼を気取るメディアも関与している)


こういう個人が無償で運営するブログでしか「それは間違いだ」と指摘する場所がない一方で、
マスメディアでプロパガンダが大量生産される日本。

番組で池上は「北朝鮮には自由がない」と言っていたが、私に言わせれば、
反対者の声が聞こえないシステムが完成されている日本の言論社会も十分、不自由である。


・追記

一応、補足すると、上のようなレベルの批判は口頭では、それなりにあるのだが、
左右を問わず、マス・メディアや知識人が文字にしないことで透明化されている。


このような構造的言論封鎖を解決しない限り、日本の軍拡や右傾化は解決されないのではないだろうか?


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金正男関連ニュースの出鱈目加減にうんざり

2017-03-16 00:02:56 | 北朝鮮
身元確認、決め手は「子供」のDNA型 金正男氏殺害

金正男暗殺事件が発生してから1か月が経過した。
この間、判明した事実は「被害者が本当に金正男だった」ということだけだった。

しかも、その判別方法すらメディアはろくに知らず、それならそれでマレーシア政府の発表があるまで
待てばいいのに、やれ日本政府が指紋を提供しただの、中国政府が提供しただの好い加減な憶測をしている。


噂話を流す程度なら、そのへんのまとめ記事サイトでも出来てしまう。
プロの記者が読者に伝えるべきなのは、きちんと裏が取れた確かな情報ではないかと思うのだが。



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日本政府がマレーシアに指紋情報提供 正男氏特定に活用か


北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)・朝鮮労働党委員長の異母兄、
金正男(キムジョンナム)氏がマレーシアで殺害された事件で、
日本政府が不法入国しようとした正男氏から採取した指紋情報をマレーシア政府に提供していた。

日本政府関係者が13日、明らかにした。マレーシア政府は、
他国からの指紋情報などをもとに正男氏ログイン前の続きの身元を特定した可能性がある。

http://digital.asahi.com/articles/DA3S12840006.html?rm=150

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この記事が掲載されたのが14日、最初の記事が掲載されたのは15日。
わずか1日の間で、大分異なった見解を書いている。


これに限らず、朝日新聞の記事は「Fact(事実」」と「Opinion(意見)」を混同したものが多い。



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北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)・朝鮮労働党委員長の異母兄、
金正男(キムジョンナム)氏が殺害されて13日で1カ月。

北朝鮮の犯行グループが綿密に計画を練っていたことが、マレーシア当局の捜査で明らかになってきた。
ただ、北朝鮮は遺体の引き渡しを求めつつも、捜査協力を拒む姿勢で、全容解明への道は険しい。



「黒い帽子の男」。現場となったクアラルンプール国際空港などの監視カメラの映像から、
捜査員がこう呼ぶ指名手配犯がいる。北朝鮮人のリ・ジウ容疑者(29)。黒幕の一人だ。


昨年11月ごろ、テレビ出演のスカウトを装い、実行犯のベトナム人、ドアン・ティ・フォン被告(28)を勧誘。
ベトナムや韓国を旅して親密になり、他の容疑者らに紹介したという。

フォン被告は周囲に「彼氏ができた」と語っていた。


監視カメラの映像によると、ジウ容疑者は犯行の10日ほど前からフォン被告の宿に出入りし、
荷物を運んだり、宿代を払ったりしていた。黒い帽子を目深にかぶり、顔を伏せて歩いた。


2人は犯行当日の2月13日朝も一緒に空港の出発ホールに向かった。もう1人の実行犯で、
1月にグループに加わったインドネシア人のシティ・アイシャ被告(25)には、
北朝鮮の秘密警察のオ・ジョンギル容疑者(54)らが付き添った。

http://www.asahi.com/articles/ASK3F5GYMK3FUHBI01L.html
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まず、重要な点として、北朝鮮は当初から共同捜査を切望していた

北朝鮮の共同捜査提案拒否=金正男氏殺害でマレーシア

北朝鮮が絡む事件は得てして、当の北朝鮮は真相解明に協力する姿勢を見せている一方で、
単独捜査に固執する現地の警察が拒否、その後、
なぜか北朝鮮が捜査に協力しようとしないと非難される傾向がある。


自分たちが「北朝鮮の手など借りない」と手を振り払っておきながら、
都合の良い時だけ「北朝鮮は捜査に協力しない」と苛立つのはいかがなものだろうか?


次に、この記事を書いた遠藤雄司記者は
警察関係者が「現在、以下のように考えている」と話した「見解」を絶対の「事実」とみなしている。


犯行準備の経緯をここまで詳しく書くには、容疑者の自白と、それを裏付ける証拠が必要だ。
仮に、そのような証言や証拠が存在し、記者がすっぱ抜いたならば、大ニュースになっている。

目下、北朝鮮は暗殺に関与しているという「疑い」は持たれているが、
実際に関与していたという「証拠」はまだ見つかっていない。


記事の内容が事実であれば、これは大スクープであり、もっと大々的に報じられてしかるべきだ。
(言ってみれば、尖閣が日本領だと示す決定的な証拠が見つかったようなものだとイメージしてもらいたい)


それなのに一面を飾っていないのは、警察「関係者」からの
コメントにすぎないことを編集部も自覚しているからではないか?


そもそも無罪を主張している容疑者が「私は犯行の準備をこのように行った」と懇切丁寧に説明するだろうか?


遠藤記者が典型的だが、「関係者」からの憶測(オピニオン)を事実(ファクト)として
物語調に書く人間が異常に多い。


「たぶん、こういうことですよ」という警察側の見解が
「マレーシア当局の捜査で明らかになってきた」と事実に格上げされている。


ちなみに、この記事では
「正男氏が現れると、年長の秘密警察員、リ・ジェナム容疑者(57)がおもむろに歩き始めた。
 紫色のシャツは目立ち、合図になったとみられる。
 同時にジウ容疑者が渡した容器の液体を実行犯2人が両手になじませたと捜査関係者は語る。
 2人は正男氏をはさみ打つように近づき、猛毒「VX」を含む液体を顔面に塗りつけた。」

という文章があるが、秘密警察員だと主張しているのは韓国の情報機関であり、
本来なら「秘密警察員だと韓国の情報機関が主張しているリ・ジェナム」と書くべき個所が、
「秘密警察員、リ・ジェナム容疑者」と断定されている。


また、「猛毒「VX」を含む液体を顔面に塗りつけた」と書かれているが、
VXは、わずか数ミリグラムで死に至る猛毒であり、両手に馴染ませれば間違いなく死ぬ。


米連邦捜査局(FBI)アカデミーで毒性学の講義をするジョン・トレストレイル氏が
「素手で触ったのに皮膚に浸透せず安全だった? そのような毒劇物は私が知る限りない」と
コメントしているように、毒物の専門家たちは警察の見解を否定している。


要するに、朝日の記者は専門家に取材し、裏を取ることすらせず、
警察側の話を絶対不変の真実として得意気に書き綴っている
のである。


ジャーナリストである本田勝一氏は、何十年も前から
このような関係者の言葉を垂れ流すだけでろくに取材しようとしない姿勢を辛辣に批判していたが、
ここまでいい加減な記事が実際に書かれるのを見ると、さすが原発事故が起きるまで
原子力発電の素晴らしさと安全性を紙面に掲載していた朝日新聞社だけあるなと感心してしまう。



良い加減、北朝鮮の核ミサイル配備の経緯と、その後の軌跡について書かなければと
思っていたのだが、こういう記事が当たり前のように書かれ、商売が出来てしまう現状、
もう少し、この事件について触れなければいけないような気もする。

幸い、ちょうど良い記事がいくつかあるので、それを別個に紹介していこうと思う。

・追記

例の記事は3つの記事のうちの1つで、共同執筆者として
乗京真知記者、都留悦史記者、ソウル支局の牧野愛博記者が並んでいる。

それぞれの記事を各々が担当したものだと思われるが、
この手の報道が数名の記者とデスクによって創造(という言葉が似あうと思う)
されたものであることは確認しておいたほうが良いかもしれない。


この文章を書く最中に、朝日新聞がウクライナで内戦が勃発した時も、
国軍が地方の都市を空爆し、民間人を攻撃していることに全く反応しない一方で、
東南部の独立政府に否定的な人間の言葉を載せて空爆の正当性を主張していたことを思いだした。


テレビ局を中心とする日本メディアの右傾化(安倍政権の主張を垂れ流すだけの宣伝カーと化している)は
よく指摘されているが、それは海外に派遣されている記者も同様で、日本政府や現地政府に都合の良い方向で
取材を進める傾向があるように強く感じる。

普通、取材というものは権力者がAだと言った内容を本当はBかもしれないと疑い、
裏を取るべきものだが、もはや裏を取るような能力がある記者が存在しないのではないか?


なにせ、誤報だったとしても(当初は毒針で殺した、布で殺したと言っていたはずなのに、
いつの間にか毒を塗った手で殺したことになっている)周囲は気にしないので謝罪も訂正もしなくても良い。

垂れ流すだけ垂れ流せば、記事になるのだからこれ以上お手軽なものはない。

そういう手抜き記事を書き続けた結果、パンチ力のある記事が書ける人間が減ったか、
あるいはそういう人間がいても記事にしてもらえない風潮があるのではとつい邪推してしまった。

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金正男殺害について気になること・2

2017-02-23 23:10:09 | 北朝鮮
事件から1週間が経過したが、一向に捜査が捗らない。

事件当時、マスメディアは北朝鮮の工作員の犯行なのだと確認もせず喧伝したが、
その後、北朝鮮とは無関係の人物であり、悪戯を仕掛けるよう頼まれたと証言したことがわかった。


通常なら、ここで視野を広げ、北朝鮮だけでなく第3の国家組織によるケースも考慮すべきものだが、
マレーシア警察もマスメディアも引っ込みがつかなくなったようで、未だに北朝鮮黒幕説を唱えている。



一方、ネットでは一連の報道を懐疑的に見ている人間も少なくないらしい。

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金正男氏殺害事件について韓国諜報機関は
朝鮮民主主義人民共和国の朝鮮人民軍偵察総局が犯行に関与したと発表した。
ところがSNSやマスコミで事件の動向を見守ってきたネットユーザーらは、

正男氏の異母弟である金正恩氏が兄殺害を命じたという韓国政府の情報を鵜呑みにした
西側マスコミの報道に懐疑的な視線を投げかけている。


韓国SNSユーザーのひとりは、容疑者とされる2人の女性の1人、
ベトナム国籍のドアン・チ・フォン容疑者(29)は事件から2日が経過して
犯行現場に現れたところを逮捕されたことから、
これはプロの殺人工作員の行動には似つかわしくないと強調している。


もうひとりベトナム在住のネットユーザーは、スプートニク・コリアからのインタビューに対して
「現地時間2月16日正午、ベトナム政府はドアン・チ・フォン容疑者が逮捕という声明を表していない」
ことから「ベトナムではもっぱら、金正男氏は金の払いが悪いと不満を表した娼婦と喧嘩したあと、
心臓発作で死んだのではないかという噂が流れている」と語っている。

https://jp.sputniknews.com/incidents/201702173349162/
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日本では完全に北朝鮮の仕業だということになっているのだが、
実際には容疑者数人を逮捕しても手掛かりを得られない状態にある。

次から次へと容疑者が増えるのは、誰が黒幕なのかがわからないからだ。


そもそも、今回の事件は事実の確認もせずに
マスコミが大声で北朝鮮黒幕説を泣き叫んでいるところに大いに問題がある。


例えば、こういうことがあった。


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3日にマレーシアの首都クアラルンプールで亡くなった、
北朝鮮の指導者金正恩氏の異母兄、金正男(キム・ジョンナム)氏の息子が、
父の遺体引き取りのため、同地に到着した。NHKが今日、現地の消息筋の話として伝えた。


幾つかの情報を総合すると、息子のキム・ハンソル氏(22歳)は、
火曜日朝、クアラルンプールに到着、すでに父の遺体が安置してあるホテルに入った.


NHKは
「その際、病院の警備が急に強化され、自動小銃などの武器を持った
 特務部隊員30人から40人がホテルに派遣された」と報じている


NHKによれば、キム・ハンソル氏は、父の遺体を確認した。
なおマレーシアの朝鮮民主主義人民共和国大使館は、金正男氏の遺体の引き渡しを要求している。
しかしマレーシア当局はすでに「遺体は、個人の近しい親族に引き渡されるだろう」と発表した。


この問題をめぐりマレーシアと北朝鮮の間に対立が生じた事を受け、
ピョンヤン駐在のマレーシア大使は、祖国に召喚されている。

https://jp.sputniknews.com/incidents/201702213363164/




北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長の異母兄で、殺害された金正男氏の息子ハンソル氏(21)が、
遺体引き取りのためマレーシアに入国したかどうかをめぐって、情報が錯綜)している。


20日夜、クアラルンプール国際空港の到着ロビーには大勢の報道陣が詰め掛けた。
ハンソル氏がマカオから到着するとの情報をマレーシアの中国語紙・中国報などが伝えたためだったが、
空港では同氏の姿は確認されなかった。



中国報は21日、正男氏の遺体が安置されているクアラルンプール市内の病院に
同日未明に突如現れた数十人の警察特殊部隊のメンバーを装って病院に入ったと報道。


遺体の身元確認のためDNAサンプルの採取を終えたとも伝えた。



ところが、同日午後に記者会見した保健省幹部は「近親者が来てくれることを期待している」などと述べ、
近親者からまだDNAサンプルを得られていないと説明した。





地元紙サン(電子版)も21日夜、空港の関連当局に確認したが、
ハンソル氏が20日に到着した記録はないと報じた。


同紙によると、地元警察幹部はハンソル氏の入国について
多くの問い合わせを受けたが、承知していない。おそらく単なるデマだ」と打ち消したという。

時事通信が報じた。


https://jp.sputniknews.com/asia/201702223366749/
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要するに、NHKをはじめとする
日本のマスメディアは作り話を報じていたのである



この記事を読んでいる全ての人に問いたいが、
ハンソル氏が到着したというのは誤報だったという訂正が大々的に行われただろうか?
そのような事実確認を疎かにする報道姿勢に対して、誰かが文句を言っただろうか?


私が知る限り、彼らは訂正すらろくにせず、その後もバッシングをせっせと行っていた気がするし、
そういう醜態に対して真剣に憤慨し、非難した知識人やジャーナリストも皆無に近いような気がする。


ここで重要な点を指摘したい。
そもそも、この殺害された男が金正男本人だという確証自体、まだないのである。



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マレーシア政権は、2月13日、クアラルンプール空港で北朝鮮の市民を襲撃した数人は
毒を塗りつけた手で被害者の顔に触れたことを明らかにしていることから、北朝鮮大使館は
「もしこれが本当であればなぜ彼らは生き残ったのか?」と疑問を呈している。



クアラルンプール空港で死亡した男性は
キム・チホリの名前が記載された北朝鮮発行のパスポートを所持していた。


これに対して韓国は事件後直ちに、死亡した男性はマカオ在住の金正男氏で、
北朝鮮のリーダー金正恩氏の兄だとする声明を表した。


マレーシア政権も同様に死亡した男性をパスポートの記載名に従い、キム・チホリ氏と呼んでいる。


https://jp.sputniknews.com/incidents/201702223367524/
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何のことはない。そもそも、殺された男性の正体すらわからない状態なのだから、
正男の息子が空港に訪れることなど、素直に考えればありえないことだ。

(ただし、仮に本人でないなら正男が何か言ってくるはずで私自身、本人ではあるだろうとは思う。
 私が気にしているのは、日韓のメディアが、あたかもマレーシア政府が正男だと
 公言しているかのように事実を歪めて伝えていることである。)


だが、これが北朝鮮の事件だとすると話は変わってくる。
「北朝鮮の仕業に違いない」という先入観から簡単にデマに釣られる。

そして拡散するだけ拡散して訂正しない。
これではネットの右翼たちとどこが違うというのだろうか?



ありもしない事実をねつ造した挙句、その間違いを報じない。
大変悪質な行為だが、悪貨は良貨を駆逐するのが世の常、
醜聞のほうがはびこれば、その分、正確な情報は路傍の石のような扱いを受けてしまう。



今回の事件で気になるのは、中国とアメリカの動きだ。

韓国の言い分によれば、金正男氏は中国が金正恩の後釜にするべく保護していたとの話なのだが、
その割には、今回の事件に対して中国は静観というか、ほぼ無関心の状態でいる。



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中国外交部(外務省)の耿爽報道官は15日の定例記者会見で、
記者からの金正男氏殺害事件に関する質問に対し、中国側はメディアの関連報道に留意しており、
現在、同事件の動向に注意を払っているとした。


また事件はマレーシアで発生しており、
マレーシア側も同事件に関して現在調査を進めていることを明らかにした。

http://j.people.com.cn/n3/2017/0216/c94474-9178777.html
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これだけである。

仮に中国が数年にかけて正男を匿っていたのなら、より正確で豊富な情報を公表するのではないだろうか?
自分たちがガードしていた人物が殺されたのだから、メンツをつぶされた手前、憤慨するのではないだろうか?


ところが中国は今のところ、南シナ海における米軍の行動のほうを非難しているし、
そもそも、彼らの方から何か情報を提供しているわけではない。


中国は現在も北朝鮮と良好な関係を結んでいて、経済制裁にも乗り気ではない。
中国が一貫して語るのは、軍事的経済的圧力ではなく対話である。

中国 朝鮮半島核問題で対話接触を一貫して支持



金正男がこの数年間、アジア各地で豪遊していたことは有名な話だし、
息子も3年間、パリの大学で学んでおり、亡命者としてはあまりにも贅沢な暮らしを送っている。

「金正男親子は数年間、北朝鮮のエージェントからの暗殺に怯え暮らしていた」という言説は、
 実際のリッチな生活(少なくとも質素な生活とは言えない)を知る者にとっては不自然なもので、
 それも中国当局からではなく、なぜか韓国が発信しているわけだから、「おかしい」としか思えない。


ここで、スプートニク紙のタチヤナ・フロニ氏の記事を読んでみたい。

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世界中のマスコミが、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長の異母兄、金正男氏の謎の死について議論している。
メディアは、金正男氏殺害に関する驚くべき新たな詳細を次々と報じている。
一方で金正男氏の突然の死の主な説は、北朝鮮の工作員が金正男氏を排除したというものだ。

通信社「スプートニク」は、ロシアの朝鮮問題の専門家2人に、この謎の殺人について意見を聞いた。
なお2人の意見は異なっていたが、これは驚くべきことではない。


ロシア人外交官で東洋学者のゲオルギー・トロラヤ氏は、
実際に北朝鮮の工作員が殺害に関与した可能性が最も高いとの見方を示し、次のように語っている-


「最も気づきやすい状態にある主な仮説は、
 金正男氏が可能な代替候補者として金正恩氏の立場の強さを脅かしたため、
 金正恩氏の指示で排除されたというものだ。

 この説に反対する論拠は、それならば金正恩氏は
 もっと前に『敵』を始末することができたというものだ。

 また現在、金正男氏は金正恩氏にとって特に危険性を示してはいなかった…
 だがもしかしたら、誰かが金正男氏を代わりのエースとしてつかまえていたのかもしれない。

 北朝鮮で何かが起こった場合には、合法的なリーダーが必要となる。
 もしかしたら金正男氏は、
 同氏を金正恩政権を崩壊させるために利用しようとした韓国人と接触したのかもしれない。


 いずれにせよメディアはこのようにほのめかした。

 この信憑性の高さを判断するのは難しいが、
 いずれにしてもこれは自分の兄を排除するという動機を金正恩氏に与えている。

 だが表ざたになり、これ見よがしだ。
 動機はなんからのビジネス取引の可能性もある… 

 だが医師や警察の結果や結論が出て死因が分かったとしても、
 動機や殺人依頼者の名前は分からない。これは決して明確になることはない筋立ての一つだ。」

韓国の情報機関は、金正男氏の暗殺が2012年から計画されていたと考えている。
韓国の朴槿恵大統領の職務を代行している黄教安首相は、金正男氏殺害に
北朝鮮が関与したことが確認された場合、これは金正恩政権の残虐性を証明することになると述べた。


ロシアの朝鮮問題の専門家コンスタンチン・アスモロフ氏は、
提起された嫌疑は証明を必要としていると強調し、中国のマスコミが
金正男氏の死に『北朝鮮の痕跡』のみを見ようとしていないことに注目し、次のように語っている-


「中国のマスコミは韓国の痕跡も堅持している。
 なぜなら金正男氏の死をまずは誰にとって得か?という立場から検討しているからだ。

 そして韓国にとって得だと考えている。

 第一に北朝鮮にはこれほど恐ろしい政権が存在するとの素晴らしい例となる。
 国のリーダーが自分の兄を殺害する。しかもこのような残忍な方法で。
 目的は、米政府に北朝鮮に対してより断固とした行動を取らせるために。」



吉林大学北東アジア研究院の中国人専門家バ・ジャニュン氏は
「スプートニク」のインタビューで、現時点では金正男氏の死因に関する確かな情報がないため、
何らかの仮説を立てるのは無責任な行為だと述べ、次のように語った-


「現在たくさんのマスコミ、特に日本や韓国のマスコミでは、
 中国と北朝鮮の関係に焦点が向けられている。

 なぜなら金正男氏は、大部分の時間をマカオで過ごしていたからだ。
 同氏は何かあった場合に北朝鮮に新たな秩序をつくるために利用するための中国の
 「予備の案」のようなものだったという見方もある。

 だが私は反対に、金正男氏の死は、中国にはいかなる計画もないことを証明していると考えている。

実施に米国で政権が変わり、ミサイル防衛システムTHAADの配備プロセスが継続している現状の中、
西側の戦略計画は、中国と北朝鮮の関係に影響を与えることにある。

これについてコンスタンチン・アスモロフ氏は興味深い指摘を行っている-


驚くべき事実は、マレーシアの警察が金正男氏の死を確認する前に、
 韓国のケーブルテレビが殺人の様子を独自に描いたということだ。


 金正男氏が体の不調を訴えた時は、まだこの人物が誰なのか正確には知られていなかった。
 当初韓国のマスコミはマレーシア警察の情報を引用していたが、情報は確認されていなかった。

 そこで韓国のマスコミは、匿名ではあるが事情に詳しい政府筋の情報を引用した。
 したがって、あらゆる説は証拠がないため今のところ完全に同等ということだ。

 それぞれの説から動機を見出すことができる。
 例えば、韓国人はこのような形で金正恩氏を苛立たせ、彼が何らかの行動に出るよう挑発するというものだ。」


https://jp.sputniknews.com/opinion/201702163348494/
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私自身は、仮に北朝鮮が暗殺したとするならば、その動機は専門家が睨んでいるように
韓国政府が金正男を傀儡にしようと企んでいたからではないかと考えている。


実際、韓国政府は先日、金正恩の暗殺計画を公表した。

米韓 金正恩氏暗殺のための特別部隊を創設


暗殺の話ばかりで完全に無視されているが、米韓両軍は過去最大の軍事演習を来月実施する
暗殺部隊の創設、北朝鮮への先制攻撃を想定した軍事演習、防衛ミサイルの装備。

これらが着々と行われ、リビア同様、欧米社会の圧倒的な支持の下、北朝鮮が滅ぼされたその時、
彼らは金正男を新生国家の元首の席に据えるつもりだったのではないだろうか?

その計画を阻止するために殺害したというのであれば、これはある程度説得力があると思う。
(実際、年々、北朝鮮を滅ぼす準備は順調に進んでいるわけだし)


他方で、前の記事で冗談で書いた「韓国政府黒幕説」もあながち間違いではないとも思う。

重要なのは、現時点で確かなことはほとんどない状態にも関わらず、
憶測を真実として流すメディアが存在するということだ。


自分たちの都合の良いストーリーを作り上げて報道する。
このような情報機関が私たちの日々の生活に関わりの有る政治や経済の問題について
正しい知識を伝えてくれるだろうか?この点こそが私の関心事である。


なお、暗殺事件が焦点になることで、肝心のミサイル実験についての報道が疎かになりがちだ。
次回の記事では北朝鮮の核に対する姿勢、彼らの主張について紹介したいと思う。

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金正男殺害について気になること

2017-02-15 23:12:30 | 北朝鮮
ミサイル実験について書こうと思った矢先に金正恩の異母兄にあたる金正男が暗殺されたが、
各メディアの報道について引っ掛かる点がいくつかある。



今回の暗殺で、私が真っ先に気になったのが、その殺害方法である。
NHKは北朝鮮工作員が持つとされる致死性の毒針入り懐中電灯やボールペンについて解説してくれたが、
仮に北朝鮮の工作員によるものならば、なぜそれらを使わず、遅効性の毒が含んだ布を凶器に選んだのだろうか?


次に、なぜ監視カメラがある空港で犯行に及んだのだろうか?
仮に暗殺するのであれば、より人気がない場所を選ぶはずである。


この点について国情院は
「北朝鮮の情報機関は金正恩氏が政権に就いた後、5年前から金正男氏の暗殺を試みていたが、
 この計画は中国当局のボディーガードによって阻止されていたものの、
 マレーシアの空港で殺人者にとって絶好のチャンスが現れたとの見方を示している。」

とコメントしている。

ところが、実際にはどうも金正男はボディーガードをつけていなかったようなのである。
(よく考えてみれば当然の話で、仮にボディーガードがいるのであれば、
 今回の暗殺にしても未然に防がれたはずだ。)



更に気になるのが殺害された時期である。2月16日は父親である金正日の生誕記念日で、慶事も行われる。
国内のムードが下がりかねないこのタイミングで、暗殺を謀ろうとするだろうか?



金正男本人が政治とは無縁の人間であったことも気になる。殺害するメリットがない。




そして、私が最も気になったのは、

なぜ監視カメラを見て、北朝鮮の工作員だとわかったのだろうか?

ということである。


https://jp.sputniknews.com/incidents/201702153345967/


問題の映像を見るだけでは、アジア系の女性だとわかるだけで他には何もわからない。
にも関わらず、北朝鮮の工作員だということにして話が進んでいる。



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TV朝鮮は14日、複数の韓国政府関係者の話を引用し
「金正男氏がマレーシアで北朝鮮の女スパイによって毒殺されたとみられる」と報じた。

 TV朝鮮によると、正男氏は13日午前9時、
マレーシア・クアラルンプール空港で2人の女によって毒針を刺されて死亡した。

容疑者の女2人は犯行直後、タクシーで逃走した。

http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2017/02/14/2017021403031.html?ent_rank_news

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実は、
「北朝鮮の工作員が金正男を殺した」「正男は数年前から命を狙われていた」等の情報は
韓国の情報機関、主に誤報とねつ造を繰り返す機関で有名な国情院から発信されたものなのだ。


要するに、韓国の情報機関の「見解」が純然たる「真実」に変換されて日韓で報道合戦が行われているのである。


この国情院は、かつてKCIAという名で軍事政権時代に
数多くの人間を拉致・拷問・拘禁してきたことで有名な暴力機関で、

最近でも大統領選で朴槿恵を勝たせるべくサイバーテロを行ったり、
統合進歩党と解党させるべく、クーデターを計画していたという証拠をねつ造したり、
数々の工作を行っており、北朝鮮に詳しい人間なら、ここ経由の情報は基本的に信用しない。

(故・金大中大統領を日本で拉致してきたのも、朴正煕を暗殺したのも、このKCIAである)


しかも、ここに来て、どうもベトナム国籍の女性の仕業であるらしいことがわかってきた。
すでに国情院の話(北朝鮮人の仕業)と現実の間にズレが生じている。



以上の点をまとめると、今回の事件は北朝鮮の工作員が用いる毒や殺害方法とは違う手段で、
政治的に影響がなく、もしかすると死亡すると中国と北朝鮮の仲が悪くなるかもしれない人物を
朴槿恵政権が風前の灯火となり、外敵の存在が必要になっているこのタイミングで殺したというもので、


それも、主に韓国版読売新聞(つまり保守系)である朝鮮日報と
証拠のねつ造と北朝鮮バッシングで有名な国情院の情報をそっくりそのまま
「新たに判明した事実」とみなして、日韓のメディアが報道しているのである。



誰が犯人で、どこの国の誰から指令を受けて行われたものか
はっきりしていないにも関わらず、北朝鮮の仕業だと断定して伝える。

その程度の無責任な姿勢でもジャーナリストを気取れるのであれば、私も以下の珍説を主張したい。


つまり、金正男は国情院が殺したのではないだろうか?


朴槿恵が国民から大ブーイングを受け、与党の求心力が損なわれているこのタイミングで
彼女ら反北・軍拡・強硬路線を正当化させるようなショッキングな事件が起きて、
もっとも得をするのは誰だろうか?言うまでもなく、韓国政府である。

そして、この事件についてどこよりも早く「情報」を提供しているのはどこだろうか?国情院である。


そして国情院の過去の実績。状況証拠的には
国情院が北朝鮮の印象を下げるために殺したほうがしっくりくる。

何よりも北朝鮮にとっては殺すまでもない(本国でもあまり有名ではない)人間だが、
韓国やアメリカにとっては暗殺されると非常に助かる人物が殺された事実。


当てずっぽうや決めつけで、全てを決めていいのなら、このような陰謀論もまかり通ってしまうだろう。


念を押すが、私は本気で韓国政府の仕業だと考えているわけではない。
私が言いたいのは「垂れ流しではなく、きちんと裏を取って報道してほしい」ということだ。


早速、日本のメディアでは金正男の聖人化に勤しんでいる。
曰く、金正男は気さくで社交的な人物だったが、金正恩は忍耐力がなく怒りっぽいとのことだ。

もはや報道ではなく、悪口でしかない。こんなので番組が作れるのかと驚いてしまった。


先の大統領選以降、「ポスト・トゥルース」という言葉が使われるようになったが、
本当のことなどどうでもいい、北朝鮮を悪魔化するのが肝心なのだといわんばかりの
ここ数日の北朝鮮報道には、一種の狂気すら感じる。


誰もがPCやスマートフォンを使う時代になったと言われてはいるが、
それでもまだ、特に高齢者は新聞やテレビを主な情報源としているし、
インターネットの情報にしたところで、その情報の元は新聞・テレビなどのマスメディアの記事になっている。


要するに、もっとも社会的責任を持つべき報道機関が、ろくに調べもせず、
韓国の情報機関の情報を鵜呑みにして「これぞ真実、北朝鮮は非道い国だ!」と連呼するこの状況に
私は凄まじさを感じるのである。


これが仮に在日米軍基地あるいは改憲の問題だとしたら、
安倍政権の言葉をそのまま垂れ流し、真実とする動きについて知識人は憤りを覚えたに違いない。

しかし、北朝鮮の場合は違う。むしろ、この社会的な扇動行為に対して異議を唱えるどころか、
逆に「その通りだ!北朝鮮は悪魔的国家だ!」と賛同するのではないだろうか?

少なくともこれまではそうだった。そしておそらく、これからもそうだろうと思う。
そして北朝鮮の脅威を理由に進行される軍拡と改憲に対して彼らは「戦争はんたーい!」と叫ぶのである。

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