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演劇・朗読 ゆるやかで懐かしい時間 

富山大学劇団ふだい「パセリの木」公演から金沢への旅

2017-08-11 | Weblog
「パセリの木」は、15年ほど前に書いた作品で、1999年の冬を現在として、それより25年前の1974年の夏が回想シーンとして展開される。
劇団ふだいの舞台ではそれを2017年と1992年に置き換えて上演していた。
もともと、1974年という時代設定にそう意味があるわけではなかったので、全然不自然ではない。だいたい私の作品はどれもあまり時代感がないのだ。

8月7日、富山の駅を下りて、路面電車で大学に向かう。路面電車!懐かしいなあ。パセリの木の舞台となる場所は山間の小さな町だ。登場人物たちの住む下宿屋も、きっとこんなところにあったんだろうな。
大学の門を入るとすぐに大きな看板を見つける。手書きのとても素敵な看板だ。舞台のセットも丁寧に作られている。お芝居も役者さんたちが本当に打ち込んで練習を繰り返していたのだろうということがわかる気持ちの入ったいい舞台だった。登場人物それぞれが本当にそれぞれになりきっていたと思う。

この作品は「間」の物語だと、私自身は思っている。
舞台では言葉の裏にある書かれていない思いや、言葉と言葉の間にある無言の葛藤やカタルシスを見せてほしい。
そのためにはセリフをポンポンとテンポよく重ねていくより、セリフや動きのあとに、観ている側の考える「間」が十分にあるほうがいい。劇団ふだいの役者さんたちは、ちゃんとその「間」を大事に演じてくれていた。
いただいたパンフレットもずうっと大切に持っていたいと思える可愛いさで、ホクホクとした気持ちになった。
本当に来てよかったと思う。

いろんなところで私の書いた作品を上演してくださる。名古屋も北海道もどれも観に行きたいけど、遠い場所にはなかなか行けない。
富山に行ってみようと思いたったのは、パセリの木という作品を上演してもらうことが珍しかったのと、この時期なら旅行を兼ねて金沢の21世紀美術館にも行けるなと思ったからだ。

翌8日、金沢は台風の影響で朝から大雨。サンダーバードが運転中止になるとかならないとかホテルのテレビで言っている。
でもまあせっかく来たのだから21世紀美術館には行ってみよう、こんな日なら人も少ないんじゃないかなと思って行ったのだけど、大雨で行き場のない人が建物のなかに集まってきたという感じで、チケットを買うのに30分も並ばされてしまった。こういうのも前もってネットで購入しておくといいんだな。
富山~金沢間の北陸新幹線往復のチケットは前もってネットで購入した。前日までにネット購入すると在来線に乗るのと同額になるのだ。ネットって苦手だけど、知っておくといろいろ役に立つこともある。

さて美術館、人が多いと言っても図書室などは誰もいなくて静かだった。興味のある本も沢山ある。結構長い時間を図書室で過ごした。
並ばないと入れない混雑したレストランはあきらめて展示室を回る。
「ヨーガンレール 文明の終わり」はとても興味深かった。ここだけ写真OKだった光に溢れた部屋。海岸に打ち寄せられた廃品のプラスティックから美しい照明の数々が作り出されていた。別の部屋にはヨーガンレールが集めた瑪瑙石も展示されていて、石ってきれいだなあとあらためて思う。

帰りのサンダーバードは私の乗る便は運転中止になっていたけれど、運行している別の便に変えてもらえた。85分遅れのノロノロ運転で京都に到着。

一人旅は気楽でいいな。なんて思っていたら、今日ネットで、「せとうちオバケ芸術祭」の記事を発見。
牛窓の美術館で、最後のオバケ人形師・中田一男さんの作品の数々が展示されているそうだ。
9月2日まで。こっちも行きたい!




コメント
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