「世界遺産~時を刻む」(音楽:小曽根真)のナビゲーターを務める向井理(むかいおさむ)。浮ついたところがなくて、なかなか良い感じの若者。学生時代、遺伝子工学を研究しており「ニワトリ・オボアルブミン遺伝子をエストロジェンに応答し卵管組織においてのみ活性化させるコントロールエレメントの決定」という研究で、第29回 国際動物遺伝学会議(2004年9月開催)『ベストポスターアワード』をグループ受賞している理科系男子。「なぜ研究を諦めたんですか?」という質問に「なぜって…バーテンダーになりたかったから」とさらりと言ってのける。実際、彼はバーテンダーとして店長を務めるなど6年の経験の持ち主。彼は2007年TV撮影でカンボジアを訪れ、畑を耕すが、水不足のために作物は育たなかった。2010年、再訪し、私財を投じて井戸作りまでしている。そんな理由もあり、今回は水を探る旅となった。
エクアドルは赤道直下。しかし標高があるため、常に過ごしやすい。大西洋の水蒸気はアンデス山脈にぶつかり雨になり、豊かな水の環境を産み出す。今回はアマゾン源流の標高4800mで、氷河を切り出す男性に逢いに行く。4800mとは富士山のさらに1000mほど高い。平地の半分ほどの気圧しかなく、彼のブログでは「少し動いただけで全力疾走」状態。さらに生魚を食べることになり、彼としては初めての入院・点滴という最悪の体調となる。しかし翌日には持ち直し、再度氷河を目指す。村では氷河の氷は「神の氷」と言われる。現在ではたったひとりしか氷河の切り出し職人はいない。彼はこの道半世紀以上。すでに68歳になったが、この高地での想像を絶する仕事を継ぐことは容易ではない。まるで地球の一部をはぎ取るように氷河の大きな塊を切り出し、それを45キロほどに小分けする仕事を、高度4800mで行う。向井君は見ているだけでも精いっぱい。
こんなに苦労して切り出した氷も、村では値切られてしまう。しかし老人が働くのは、ただ単にお金のためだけではない。彼にとってこの仕事は、村の友人たちのためでもあり、家族のためでもあり、自分の尊厳のためでもある。
アマゾン源流に住む人々の誇り高い生きざま。その水が南米大陸をうるおし、地球をうるおしている。数十年先には、水はもっとも貴重なものとなり、それが戦争の引き金になるかもしれない。地球をもっとも地球らしくしている、水に想いをはせる番組だった。
※NHK 旅の力 http://www.nhk.or.jp/tabi-bs/
※向井理オフィシャルサイト http://ameblo.jp/osamu-labo/entry-11119000898.html
エクアドルは赤道直下。しかし標高があるため、常に過ごしやすい。大西洋の水蒸気はアンデス山脈にぶつかり雨になり、豊かな水の環境を産み出す。今回はアマゾン源流の標高4800mで、氷河を切り出す男性に逢いに行く。4800mとは富士山のさらに1000mほど高い。平地の半分ほどの気圧しかなく、彼のブログでは「少し動いただけで全力疾走」状態。さらに生魚を食べることになり、彼としては初めての入院・点滴という最悪の体調となる。しかし翌日には持ち直し、再度氷河を目指す。村では氷河の氷は「神の氷」と言われる。現在ではたったひとりしか氷河の切り出し職人はいない。彼はこの道半世紀以上。すでに68歳になったが、この高地での想像を絶する仕事を継ぐことは容易ではない。まるで地球の一部をはぎ取るように氷河の大きな塊を切り出し、それを45キロほどに小分けする仕事を、高度4800mで行う。向井君は見ているだけでも精いっぱい。
こんなに苦労して切り出した氷も、村では値切られてしまう。しかし老人が働くのは、ただ単にお金のためだけではない。彼にとってこの仕事は、村の友人たちのためでもあり、家族のためでもあり、自分の尊厳のためでもある。
アマゾン源流に住む人々の誇り高い生きざま。その水が南米大陸をうるおし、地球をうるおしている。数十年先には、水はもっとも貴重なものとなり、それが戦争の引き金になるかもしれない。地球をもっとも地球らしくしている、水に想いをはせる番組だった。
※NHK 旅の力 http://www.nhk.or.jp/tabi-bs/
※向井理オフィシャルサイト http://ameblo.jp/osamu-labo/entry-11119000898.html