人の間・時の間・空の間:B面

今日も 【 間 】 を縫って進もう、自分の港へ。

変わりつつ、変わらないもの。

2009-05-23 05:49:50 | 空の間:B面
【 動的平衡 】という言葉をご存知ですか?
先日、何気なくラジオを聞いていたら、
分子生物学者の福岡伸一さんの講演が流れていました。

分子レベルで見たとき、人間の身体は絶えず入れ替わり、
2年もすれば、すっかり中身は入れ替わってしまうのだそうです。
人間としてのスガタカタチは変らないのに!
ミクロでみると常に変化し、マクロで見ると変化しないこととも言えるそうです。
“流れ”の中で変りつつも一定の状態を保つモノ・・・それが【 動的平衡 】だそうです。

私は最近・・・世の中の無常というか、何事も変化してしまうことに対して
なんともいえない空しさや、一種の不安さえ感じていたのですが、
この【 動的平衡 】の話しを聞いてストンと諦めがついたというか・・・
ものごと変わって当然なんだと、当たり前のことに今更ながら納得がいったのです。
そもそも、変化への畏れは、とどのつまり執着なのだと気付きました。
モノ、人、事柄すべてにおいて、いまある現状に対する執着・・・
それを捨てられたとき、変化を真から受け入れることができるのだろうと。


「色即是空空即是色」
生もなく滅もなく、存在には実体がないと言った般若心経も、
「ゆく河の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず」
人の世の無常を言った方丈記も、
【 動的平衡 】という考え方を知った今は、真に理解できる気がします。

もう一度、読み直してみようと思っています。