人の間・時の間・空の間:B面

今日も 【 間 】 を縫って進もう、自分の港へ。

闘牛再開

2006-04-30 11:33:25 | 今日の俳句
「闘牛の固き乳房へ山の虻」 阿部 静雄


国の重要無形民族文化財にも指定されている【闘牛】が
新潟県中越地震の被害を乗り越え、本格的に再開されます。

以前、見に行ったことがありますが迫力満点でした。
山あいの闘牛場に、威勢のよい勢子(せこ)の声が響き渡り、
老若男女 村人が一緒になって真剣に応援する・・・

あの日の活気が再び戻ってきます。
詳しい日程などはこちらをどうぞ!




越後を詠う俳人 阿部静雄さんについてはこちら。

奇妙な光景

2006-04-28 16:28:54 | 時の間:B面
出かける用事があって電車に乗りました。
ホッと座って顔を上げると、
向かい側の座席 ほぼ全員が携帯メール中。
どの人も無表情で、せわしなく動く自分の親指だけを見つめています。

私は携帯メールはやりません。
出かけ先まで機械に縛られたくないし、
根っからのアナログ志向ということもあるのですが
それよりも、なによりも
片手だけでパチパチやるあの所作に
どうしても違和感を感じてしまうのです。

お茶を注ぐ時も、ふすまを開けるときも、
“もう片方の手をそえる”ことが
美しいとされてきた日本人のDNA?


それに・・・
薫るような新緑や、燃えるようなサツキ
窓の外に季節が流れていくのを見ないなんて
ちょっと もったいない気がします。



飯山線に乗って

2006-04-23 06:23:29 | 時の間:B面
ついに長年の夢だった[早春の飯山線に乗る]ことができました。

朝5時半に横浜の家を出て、
湘南新宿ラインで高崎へ約2時間半
高崎から長野へ新幹線で約50分
長野から越後川口まで約3時間

ゆったり流れる千曲川沿いに、ただただ車窓からの眺めを楽しみました。
大雪で全国に名の知れ渡った津南、森宮野原あたりでは、
桜のつぼみもまだまだ固く、雪も多く残っていました。

思っていた以上に[雪国の春]は遅い。
知っていたはずなのに、長年経験したはずなのに
離れてしまえば、やはり実感でなくなるのだと思い知らされました。


それと・・・思っていた以上に復興格差があります。
きれいになった道路と、ガタガタ道。
新しい家と、うち捨てられ雪で倒壊した家。
川沿いのとある仮設住宅の脇を通りました。
新しい家に移ったのか人気のない窓も多い中、
まだ残っている人がいることを決して忘れないようにしたいと思います。

強者にも弱者にも関係なく、
容赦なく襲いかかる自然災害というモノの本当の恐ろしさは
時間が経つにつれジワジワと忍び寄るものなのかもしれません。


草食猫

2006-04-21 11:52:21 | 今日の俳句
「恋猫の胴すこし伸び戻りけり」 阿部 静雄


我が家の猫 [ふく] は もとノラ猫。
拾ってきた当初は、食いだめしようとするノラ猫の習性か、
何でもよく食べ、量も半端じゃありませんでした。

それが今では・・・
贅沢になって、決まった銘柄の缶詰しか食べず、
好物はなんと茹でた小松菜と蒟蒻。
健康的な草食猫になりました。



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小国芸術村

2006-04-19 06:48:52 | 中越地震
いつの日か故郷に帰って暮らしたい。

漠然とそう思っていた私は,
帰省のたびにあちこちの集落をまわって歩いていました。
心引かれる村のひとつに旧小国町の山野田集落がありました。
かつて小国芸術村と呼ばれた村でした。

初めて訪れた平成12年夏には、すでに芸術村の賑わいはなく
のどかな村の暮らしがあるだけでした。
祭りの後の静けさ・・・だからこそ惹かれたのかもしれません。

何をして生計を立て、村の人にどうやって受け入れてもらうのか。
厳しい現実問題は山のようにあるのでしょうが、
ただ、いつも いつも同じことを思っていました。

「こんな風景の一部になれたら・・・」


山野田は、一昨年の中越地震で壊滅的な被害を受け
ただでさえ漠然とした私の夢は
ますます現実味を失ってしまいました。

平和でのどかだった村から人々の声が消え、
やがて、村そのものさえ消えていってしまう現実があります。

春の越後を歩こう

2006-04-17 16:51:51 | 今日の俳句
「八方に山ある安堵 種浸し」 阿部 静雄


故郷 小千谷は河岸段丘という特徴的な地形をしています。
信濃川の流路に沿って階段状に平地が発達したため、
小さな坂道が多く [小千谷] の地名も
ここからきていると聞いたことがあります。

なだらかな山々に囲まれたその地は、
母の懐に似て、やさしく静かです。

その地を巡る
中越大震災復興祈念【第19回信濃川河岸段丘ウォーク】が
4月29日みどりの日に開催されます。
うららかな春の越後を のんびり歩いてみませんか?
詳しくはこちら。



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種物屋

2006-04-15 07:01:00 | 今日の俳句
「抽出しのてきぱき開いて種物屋」 阿部 静雄


今でこそ ガーデニングブームで花や野菜の種は、
どこででも手に入るようになりました。
DIYショップの園芸コーナーは、
舌をかみそうな名前の花の種や苗を買う人で賑わっています。

子供の頃、近所に [いなばや] という雑貨屋があって、
店先には竹箒、ネズミ捕りの網、虫取り網や虫かご、麦わら帽子
日用品やちょっとした農作業の道具が、所狭しと売られていました。

春先になると、小さな紙袋に入った野菜や花の種が店頭に並び、
その袋の植物の絵が(写真でなく)とても美しかったのを覚えています。

店の中にも様々な雑貨が置いてあったけれども、
無性に気になったのが [量り売りの豆]
枡に区切られた木の箱に、
うずら豆、あずき、青大豆、紫花豆、とら豆・・・
カタチも色も様々な可愛い豆たちが並んでいました。
買う用もないのに、その店に行っては豆を眺め
店の人の目を盗んでは
シャラシャラっと豆をかき混ぜて帰ってくる・・・
ちょっとアヤシイ子供でした。



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雪月花

2006-04-13 16:55:19 | 我が心のユーミン
あぁ どんなに 夜を越えて 会いたかったか
死んだ方がましと思う 苦しさに名前を呼んだ
吹きすさぶ粉雪に ひとり閉ざされていても
きっと あなただけは 私のこと分かると信じていた
                     [雪月花] 松任谷由実

この曲を聴くと、どうしても拉致された方々を思ってしまいます。

横田めぐみさんの夫が誰であるかで
このところ また拉致問題がクローズアップされています。
横田めぐみさんとは同年代であり、
彼女が拉致されたのが柏崎ということもあって
とても人事とは思えないところがあります。

ご本人、ご家族・・・
想像を絶する悲しみ、苦しみ、やり場のない怒りを積み重ね、
そして それは今も終わっていないのです。
めぐみさんは
同じ空から降ってくる雪を、
同じ空に浮かんだ月を、
近くて遠い異国でどんな思いで見ているのか・・・

こんな不条理が許されていいはずがありません。
なんとしても全員奪還せねばなりません。

そしていつか拉致被害者の方たちが
故郷日本の雪月花を家族と共に眺める日がくることを
私たち日本人のひとりひとりが
自分のこととして強く念じねばなりません。