ならなしとり

外来生物問題を主に扱います。ときどきその他のことも。このブログでは基本的に名無しさんは相手にしませんのであしからず。

ありえない!?生物進化論 感想

2010-04-20 22:26:11 | 書籍
 「ダーウィン 種の起源を読む」で知られるサイエンスライターの北村雄一氏の本です。
進化生物学だけでなく科学そのものへの優れた啓蒙書になっています。
この本はクジラ、鳥類、バージェスの生物達を例にして分岐学、系統学とはどういうものか専門用語をなるべく使わずに平易に解説しています。高校生以上なら楽に読めると思います。
僕自身もこの本でメインとなっている分岐学、系統学にはあまり知識がないので楽しく読めました(三中さんだとなんだか難しいし)。骨、化石をメインにした形態学だけでなく、遺伝学の知見も巧みに織り込んでくれているので、読者を飽きさせない内容でした。
また、僕がこの本が優れていると思う点に科学そのもののプロセスについても専門用語を使わず上手く解説しているというところがあります。
たとえば、この本で解説されている分類においてどのデータを重要視してどれをしないのかなどはほかの科学でも共通することであり、この本を読むと生物学系の知識だけでなく科学そのものについてもわかってくるという一粒で二度美味しい内容になっています。正直、説液型性格判断の本に金使うよりこっちに投資した方が有意義だ。
北村氏については氏のHPとブログがあり、そこでも大変面白いことを書かれているので是非ご一読をお勧めします。
HP ヒリヒリ

ブログ hilihiliのhilihili

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
こんばんは (ゴーダイ)
2010-06-07 03:12:06
北村氏は古生物オタクとしては知る人ぞ知る方ですよね。
氏はめちゃくちゃウミサソリなどのイラストが巧く、あこがれの人物の一人です。
この本買って読んでみようと思います。ありがとうございました。
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そうなんですか (梨(管理人))
2010-06-07 07:05:01
>北村氏は古生物オタクとしては知る人ぞ知る方ですよね

古生物界隈だと実力者として知られているんですか?僕自身は進化に関する著作しか目を通していませんが、なかなか上手い書き手だと思っています。

>この本買って読んでみようと思います。ありがとうございました

そう言ってくだされば書いた甲斐がありました。
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