ミクロネシア 青年海外協力隊環境隊員のブログ

ミクロネシア連邦国において環境分野で活動する青年海外協力隊、シニアボランティアからの報告。コメントお待ちしています。

活動報告6 (コスラエ州シニアボランティア、坂根篤)

2013-10-15 15:28:20 | コスラエ州

廃棄されたコスラエ州公共事業局のキャタピラー製モーターグレーダー
新しいモーターグレーダーが必要

Hello everybody, my name is Atsushi Noba Sakane. “Noba” is my Kosraean Name.

赴任当初に計画した、「トラックスケール」「ガラス瓶破砕機」「医療廃棄物焼却炉」の3項目がようやく実現できるめどが立ったので、次に追加計画した4項目「モーターグレーダー」「産業廃棄物焼却炉」「廃自動車リサイクルシステム」「埋立場基礎改善工事」の内、最初の項目「モーターグレーダー」の実現に取りかかった。

皆さんは「モーターグレーダー」をご存知ですか?空港の滑走路や自動車道路建設に於いて、最終工事の仕上げ段階で使用する重機で、微妙なこう勾配をきっちり仕上げることができる。その勾配により雨水等をきれいに側溝に流し込めるので小さな水たまりも発生しない。また法面を整備するのにも非常に役立つ、道路工事には必要な重機であるが、配属先の公共事業局では中古のキャタピラー製モーターグレーダーが故障して以来、欲しい欲しいと思いながら手に入れられなかった。配属先からコスラエ道路改修工事にどうしても必要なので何とかして欲しいと依頼され、「草の根・人間の安全保障無償資金協力」に道路改修工事材料と共に申請することにした。例のフィリピン人土木建築技師が道路改修に必要な表土及び道路側溝の水を流す排水溝(暗渠)を計画・設計し、数量調書等を作成、予算積算を担当し、私が中古モーターグレーダーの購買を担当することとなった。

例によって予算作成の為、見積照会から開始。日本、グアム、ハワイ、米国本土とメールを駆使して照会したが、中古の出物はそう簡単には見つからない。公共事業局の方が私よりキャタピラー社・代理店と親しいので、局長の力を借り、カリフォルニアの代理店からようやく中古のキャタピラー製モーターグレーダー120H型の見積を得た。その他にも数社から何とか見積と資料を得ることができた。2013年8月、「モーターグレーダー」を含むコスラエ州道路改修工事(ウトエ・ワラン間)の「草の根・人間の安全保障無償資金協力」の承認を得た。総額US$388,635.-。現在コスラエ州内会計処理中。

今までの様に、配属先のカンターパートと自分で考えた廃棄物対策、埋立場改善に必要な設備を、財務的・技術的に検討し実現させるのではなく、今回は配属先要望を実現する為のプロジェクトである。資源管理局の「ガラス瓶粉砕機」、保健衛生局の「医療廃棄物焼却炉」と他局のプロジェクトが続いていたので、「トラックスケール」に続き今回の「モーターグレーダー」で配属先に少し貢献できホッとしている。今回のプロジェクトは「廃棄物対策」というよりも「人間の安全保障」であろう。

コスラエ州のワラン村は、コスラエ島内北西の位置にあるが陸路が続いていないため、陸の孤島であり、しかも満潮時にしか行くことができない。つまりコスラエの島の外周に自動車が通れる舗装道路があるが、周囲の4分の3程度しかなく、道路の無いワラン村へは海からわたる。急病人が出ても、満潮を待ってボートで運ぶしかないし、災害が発生しても避難することが難しい地域で(避難場所が少ない)、しかも救助・援助に簡単に行けない所でもある。そこで島の南西部のウトエ地区から道路を改修して開通させるのが今回の計画である。「改修」というのは、昔はウトエ・ワラン間に道路がつながっていたが、利用する人間が少なかった為、今では草が生い茂り所々寸断されとても通れる状態ではなくなってしまっているので、表土を削り新たな土砂で覆土し、側溝を整備し、排水を通す暗渠を設置するからである。2014年3月中旬までの任期中に、モーターグレーダーの購買・支給及び稼働状態を見るまではぎりぎりできるだろうが、ウトエ・ワラン間の道路開通まで見届けるのは難しいだろう。



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