ミクロネシア 青年海外協力隊環境隊員のブログ

ミクロネシア連邦国において環境分野で活動する青年海外協力隊、シニアボランティアからの報告。コメントお待ちしています。

2012年6月 ホーンコレクションのキックオフ!(チューク州)

2012-07-14 18:28:39 | チューク州
こんにちは。日本はもう夏の気候でしょうか。ここチュークでの暑さにはすっかり慣れてしまった私ですが、日本の真夏と比べると過ごしやすいのだと思います。ミクロネシア通信も早くも12号。一年後には日本に帰って、皆さんと顔を合わせているんですね。もうじき始まるオリンピックも楽しみ♪それでは、6月の活動を報告します。

1.平成24年6月の活動
6月の初めから約2週間、JICA専門家が来てくださり活動を行いました。この中で、埋立場の測量を行い、面積が約250㎡(50m×50m)であることが分かりました。



また、境界線も確認したのですが、下の写真の通りごみが大幅に(5mほど)敷地からはみ出しています。



この分ごみを押し戻さなくてはいけません。


また、新埋立場候補地を一つ視察にいきました。ダウンタウンからのアクセスが良く、近くに山があるためこの土を覆土に利用できるなどの良い点がある一方で、湿地帯であるため準好気性埋立構造である福岡方式の導入は難しいという欠点もありました。



この他、ミーティングにより、今後一年間の方針を確認したほか、今年秋に予定している現埋立場の改善計画等について話し合いを持ちました。




なお、9日には日本とミクロネシアをつなぐ史上初のダイレクトフライトが成田から首都ポンペイに飛びました。これは日本でもニュースとなったそうで、滝沢秀明さんがこの度ミクロネシア連邦親善大使となりました。また、父が戦時中チュークにいたということでゆかりの深い森元総理はチュークまでいらっしゃり、大きなイベントとなりました。

これに合わせて多くの日本人の方が訪問され、私もチューク人と親戚関係のある日本人方とロータリークラブのミーティングの場でお会いしました。チュークの問題を真剣に考えてくれ、実際に行動に移そうとしている日本人の方々と触れあうことができ、私にとっても大きな励みとなりました。




2.パイロットプロジェクトのキックオフ!
 6月には、5月に日本より寄贈された収集車を用いてパイロットプロジェクトが始動。まず、パイロットプロジェクトを実施するにあたり、2日の土曜日にNukanエリア35世帯の住民を対象にワークショップを行い、パートナーのNGOであるCWC(Chuuk Women’s Council)の呼びかけのおかげで23名の出席者を得ることが出来ました。
私がパイロットプロジェクトについて、これまでの経緯と概要を説明。ここでもCWCのリーダーKealohaさんが私の英語をチューク語に通訳してくれました。



さらに、私が作成した英語のチラシも配布)。同僚がチューク語に翻訳したものを参加者に渡しました。

表面には、パイロットプロジェクトの概要とホーンコレクションの収集方法について。



裏面には、ごみの分け方について、「食べ残しは豚や犬に」「草や葉、紙ごみはコンポストに」「飲料缶や食料缶はリサイクルへ」「その他のごみはごみ収集車へ」といったことが記載されています。




この他、地元の短期大学によりコンポストの説明も行われました。私が企画・調整したワークショップだっただけに、どれだけ集まっていただけるか正直不安でしたが、多くの方が参加してくれ一安心。(詳しくは「Nukanエリアでのワークショップ」)


そして2日後の4日には、早速ホーンコレクションがキックオフ。なお、ホーンコレクションでは小回りが利くということを理由に、5月に獲得した2t車と4t車の2台の収集車のうち、八王子市から寄贈していただいた2t車を利用しています。

対象地域のNukanエリアに入ると、ハザードランプをつけながらゆっくり走って、「プー、プー、プー」とクラクションを鳴らします。同時に、アシスタントと私は収集車の後ろを歩きながら、「ごみはありませんか?」「ごみをください」とチューク語で呼びかけます。




すると、住民は収集車が来たことに気付き、ごみをメイン道路まで持ち出してくれるのです。








初日に5軒しか回収できなかった時には、ほんと大丈夫かと少し心配してしまったのですが、毎回会う住民に対してチラシを渡して周知していることもあり、その後は順調に収集件数を伸ばしています。住民の方々の協力に感謝。対象としている地域はおよそ60世帯ですが、6月最後の収集日には36件の大記録を達成しました。



ここまで実施してきた中で、「住民の意識に差があること」、「草や葉っぱのごみが多いこと」、「道路から離れた家や昼間に人がいない家はごみを出さないこと」など、課題もいくつか明らかになっています。この収集方法を他の地域にもうまく広げられるかどうかは、これらの課題に対し、スタッフや住民と話し合っていきながらどのように対処していくかが決め手となります。(詳しくは「ホーンコレクション開始!」)


3.この1か月を振り返って
6月から開始したホーンコレクションは、他の国でも行っているところは少なく、とてもユニークな試み。今月に入るまではうまくいくか不安でしたが、まずは何よりこうして無事にスタートできてホッとしています。

実施して1か月が経ち、様々な課題も見えてきていますが、それらを通して話し合いが生まれ、改善に向かってみんなで努力していく。このことは、あらゆる場面で重要なことであり、今のチュークにとって特に欠けていること。このプロジェクトを通して、こうしたことが自然とできるようになり、それぞれが責任感をもって取り組めるようになるように。そして私は、住民と現地スタッフとをつなぐパイプ役となりたい。そんなことを考えていると、さらにやる気が出てきました。

チュークに来て1年が経ちましたが、ちょうど今が活動の新たなスタート。残りの1年、チュークの人たちと共に収集地域を拡大し、最後に満足した形で帰国できるよう頑張っていきます!

平成23年度1次隊チューク州 前川健一