RuN RiOt -marukoのお菓子な美術室-

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休日に全力で生きるOLの日記(笑)

ジョルジュ・ルオー ー名画の謎

2012-05-05 21:30:00 | 美術
見てきました

パナソニック汐留ミュージアム

会期は2012年4月7日から2012年6月24日。

ジョルジョ・ルオー(1871-1958)
野獣派(フォーヴィスム)に分類されることが多いですが。
19世紀から20世紀に活躍したフランスの画家です。
パリの美術学校でマティスたちと同期だったこともあるせいか、「フォーヴィスムの画家」のイメージが強いですが、ルオー自身は「画壇」「流派」とは距離を置き、ひたすら自己の芸術を追求した孤高の画家。
自己の作品に対する思い入れも強い画家でした。

今回はパナソニックミュージアムが所蔵する作品を一挙大公開!!
ってことです。
ルオーの製作過程は謎に満ちている、、とのことで、修復や点検などで分かってきたことも紹介されています。
今まで何度もルオーを見てきていますが、初めて知りました。
「ルオーはキャンバスを使用しない」
な、なんだってー!!
え、使ってる作品なかった??なかった??

他にも
イーゼルを使わない、
同時並行で何枚もの作品を描く、
乾いていない作品でもどんどん積み重ねる、、、

Oh....
(なぜに英語??)

そして、画家のアトリエの扉は常に閉ざされ、誰の立入りも許さなかった……
ミステリーが出来そうですな。


・≪裁判官≫はトレーシングペーパーに描かれていた!?
・≪古きヴェルサイユ≫の内部には、まだ乾いていない絵の具がある!
・ハサミで切断されていた≪キリストと子供≫!!
・キャンバス地に描かれているように見える≪マドレーヌ≫、でも実は……。

などなど興味をひくテーマが。
ルオーの制作の秘密は、現代の修復と状態確認の技術で少しずつ明らかになっているそうです。
制作時の技法の紹介や、詳細に見ることで分かってきた絵画の秘密なんかも紹介されています。

新収蔵作品の「黄色い道化師」
素敵でした。

今回、さすがパナソニック!!と思った取り組みがあって。
"照明が2種類用意されていた"
全ての作品に、ではないのですが。
今までの美術館での照明とパナソニックが考える絵を引き立てる照明がスイッチで切り替えられるのです。
その違いを実感しちゃおうぜ!!ってことです。
今までも「さすが照明にこだわるな~」って感じること多数でしたが。
今回は自分でスイッチを切り替えられるので照明の力を実感しやすいのです。

うん。
なんとなく、色が明確に見えたっていうか。
うん。
難しいね。。
どちらがいいのかは人によるだろうし。
ただ、熱などが作品に影響を与えないっていうことはすごく重要だと思います
人にも作品にも優しい照明を今後もお願いしたいですな。

さて。
自身の作品に思い入れの強かったルオー。
有名なエピソードは画商ヴォラールとの契約。
ルオーの「全作品」の所有権はヴォラールにあるものとされた1917年に結ばれた契約。
ルオーは一度出来上がった作品でも加筆を続け、納得のいかない作品は発表しませんでした。
「未完成で、自分の死までに完成する見込みのない作品は、世に出さず、焼却する」
って言い出し、慌てたのはヴォラール側。
「未完成作品も含めて所有権はこちらにある。」と主張。
結局、ルオーの主張が認められ、300点以上もの未完成作がルオーのものに戻ってきます。
そして燃やしてしまうのです……

もったいない……
でも、これでよかったのかな~。
芸術家としての良心、、難しいのね。

その後、ルオーは第二次世界大戦後も制作を続け、パリで亡くなります。
86歳。
国葬でした。

なんだか、ルオーのまっすぐな生き方も含め。
個々の作品がどれも魅力的でストレートにルオーの優しさが伝わってくる展示でした。



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