RuN RiOt -marukoのお菓子な美術室-

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休日に全力で生きるOLの日記(笑)

プーシキン美術館展フランス絵画300年 その1

2013-07-15 21:30:00 | 美術
見てきました

横浜美術館

会期は2013年7月6日から2013年9月16日。

これまでも何度かブログでこの展示について触れましたが
やっと、やーっと、見れました
待ちわびた展示です。

当初の開催予定は2011年月日から横浜美術館で。
しかし2011年3月11日の東日本大震災、及び東京電力福島原子力発電所の事故により延期となっていました。
そのころは延期になる展示も多く、
「まぁ仕方ないかな」
という気持ちが。
しかし延期された他の展示が2012年に次々と開催。
「1年越しだ~」
と浮かれていたのですが、この展示だけは
「開催できるよう協議中です」
とだけ。。
来てくれたら嬉しいな。
でも作品の安全を考えたら難しいかな。。
チラシやポスターは他の展示と同じようにファイルに入れて保管。
いつか、いつか来てくれたらなぁ。。。
と、そんなところに、開催決定のアナウンス。
いやっほ~い!!!来てくれてありがとう!!!!!
大好き、プーシキン美術館!!!!!
ありがとう、横浜美術館!!!!!
関係者のご尽力と貸してくださったロシアにも感謝。

さて。
プーシキン美術館。
ロシアのモスクワにある美術館です。
ロシアの美術館といえばサンクトペテルブルグにあるエルミタージュ美術館が有名ですが、
こちらのプーシキン美術館もエルミタージュに並び世界的な西洋絵画コレクションを誇ります。
所蔵品は絵画、版画、彫刻など67万点。
古代エジプトから近代まで幅広いのです。
そんななかでも、印象派からマティス、ピカソなどのフランス近代絵画コレクションは名品ばかり。
ゴッホは生前、たった1枚しか作品が売れませんでした。
「赤い葡萄畑」
現在所蔵しているのもプーシキン美術館なのです。
いつか、いつか行かねば!!!!!
なお、対を成す「青い葡萄畑」はエルミタージュ美術館所蔵。
来日し、国立新美術館で鑑賞しました。
ぎゅっと胸が締め付けられるような作品でした。

参照記事
・大エルミタージュ美術館展1
・大エルミタージュ美術館展2

ちらりと触れましたが名品ばかりのフランス絵画。
17世紀古典主義のプッサン、18世紀はロココのブーシェ、19世紀にはアングル、ミレー、モネ、ルノワール、セザンヌ、ゴッホの流れから20世紀にはピカソにマティス。
聞いたことがない画家がいないくらいの豪華なメンバー。
なぜ、このようなコレクションを形成するに至ったか。
これらの優れた作品をロシアにもたらしたのは、エカテリーナ2世らロマノフ王朝の歴代皇帝や貴族。
そして19世紀の産業発展で財をなしたモスクワの大富豪たち。
背景には、当時のヨーロッパ先進国、フランスへの強い憧れと、自国の文化を豊かにしようという思いがありました。
そんな思い出収集した作品ですもの、良品ばかりにもなりますわな。
この展示は選りすぐりの66点の展示です。

今回、長くなるので3回に分けて書いていきます。

どきどきしながら館内のエスカレーターを上がり会場へ。
出迎えてくれたのが17世紀フランスの古典主義を代表する画家。
ニコラ・プッサン「アモリびとを打ち破るヨシュア」
"旧約聖書"のなかで、モーセの後継者ヨシュアが「約束の地」カナンを征服する場面が描かれています。
筋骨隆々の兵士たちが闘うようすがダイナミックに表現されています。
暑苦しさを感じるくらい(笑)
こちらエルミタージュ美術館に対となる作品が所蔵されています。
エカテリーナ2世が1770年にオークションで買い付けましたそう。
エカテリーナ2世こそ、ロシアにこれらの芸術をもたらしたきっかけとなった人。
フランス人の啓蒙思想家と交流するなどのフランス通で、皇帝となって間もなく、莫大な資金を投じて美術品の収集を開始したそう。
バロック以降の作品を集めました。

ジャン=パティスト・サンテール「蝋燭の前の少女」
暗い暗い闇の中。
蝋燭のほのかな灯りで手紙を読む少女。
テーマ的にはオランダ絵画っぽいです。
明暗がはっきりしているせいか、幻想的です。
目を伏せて手紙を読む表情はこの上なく優美。

フランソワ・ブーシェ「ユピテルとカリスト」
ロココらしくパステルカラーの淡い色彩。
女神ディアナの従者カリストを我がものにしようと、ディアナに扮して近づくユピテルが描かれています。
ユピテルの後ろにはユピテルの象徴である鷲が。
誘惑の瞬間が描かれています。
もとはロシアの大貴族で外交官としても活躍したニコライ・ユスーポフがオークションで入手したものと考えられています。
なんと5カ国語を話せたとか。
いいなぁ~。
美術への造詣が深く、エカテリーナ2世ら歴代皇帝から絵画購入を任されるほどだったとか。

ウジェーヌ・ドラクロワ「難破して」
ドラクロワは困難な航海という主題を繰り返し描きました。
この作品も力尽きた乗船者と立ち上がる2人の男が描かれています。
死体を海に投げ捨てようとしているところです。
自然に翻弄される人間ってちっぽけな存在なんですなぁ。
こちらは19世紀末のモスクワで膨大なコレクションを形成した大商人トレチャコフ兄弟の旧蔵品。
あれ、、トレチャコフってどこかで聞いた……
「国立トレチャコフ美術館」
Bunkamuraで開催された「レーピン展」
こちら「国立トレチャコフ美術館所蔵 レーピン展」でした。
素晴らしいコレクションを持っているんだなぁ。。

マルグリット・ジェラール「猫の勝利」
ドレスを着た貴婦人が猫を抱き上げています。
そしてその足元には小さな犬。
犬は吠えているかのような体勢。
婦人は猫派だったようです(笑)
そんな題材も目を惹きますが、婦人の服の光沢や皺。
毛皮のもこもこしたようす。
とても丁寧に描きこまれています。
それ以外にもテーブルの上のポット、部屋のカーテン、肘掛け椅子。。
どれもその質感が伝わってくるよう。
こちらもユスーポフがオークションで入手したもの。
ユスーポフとは気が合いそうだ。。笑

ジャン=オーギュスト=ドミニク・アングル
「聖杯の前の聖母」
ポスターにも使われている作品。
来てくれてありがとう。
本当にありがとう。
聖母像の傑作のひとつと言われています。
アレクサンドル2世が、皇太子時代にアングルに依頼した作品。
気品溢れるマリアの美しいこと。
優しそうな顔にもうっとりです。
これが見れて本当に感激。
マリアの後ろには、2人の男性。
皇帝ニコライ1世とアレクサンドル皇太子をたたえるべく、2人と同名の聖人とのこと。

と、今日はこのあたりで。
いっぱい書くと達成感ある(笑)
時間もかなりかかるけど。。
まだまだ素敵な作品ばかりです。



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